魔王になったので、ダンジョン造って人外娘とほのぼのするとは (マオウニナッタノデダンジョンツクッテジンガイムスメトホノボノスルとは) [単語記事]

魔王になったので、ダンジョン造って人外娘とほのぼのするとは、流優によるライトノベルである。
イラスト担当はだぶ竜。

概要

「小説家になろう」で2016年から連載され、後にカドカワBOOKSより書籍化されたファンタジー作品。遠野ノオトによる漫画版もドラゴンコミックスエイジより刊行されている。
異世界に転生し魔王となった青年ユキと、彼のダンジョンに住まう者たちの生活を描いた作品。基本的にはほのぼのとした雰囲気だが、主人公が魔王という事もあり、流血表現のあるバトルシーンなども度々描かれる。タイトルからも分かる通り、主人公の身内は大半が人間以外の種族である。

登場人物

ダンジョンの住人達

ユキ
 主人公。事故で死亡し、異世界にてダンジョンの魔王として転生した日本人の青年。種族はアークデーモンだが、外見は日本人男性のそれであり、悪魔っぽさは出し入れ可能な翼がある程度。転生して人間でなくなった事に最初こそ戸惑っていたが、持ち前の図太さ故かあっさりと割り切り、二度目の人生をエンジョイする事を決意。そして転生翌日に、覇龍レフィシオス（レフィ）と運命の出会いをすることになり、いつしか彼のダンジョンには様々な種族が集っていく・・・。
性格は前述の通り図太く、自由気まま。前世では漫画やゲーム、アニメなどに明るかったようで、それらのネタを口走ったり再現しようとするなど、少々子供っぽい所がある。しっかりしている割にどこか抜けている所があり、たまに大ポカをやらかして周囲から呆れられる事も。しかし、不思議と人を惹きつける雰囲気の持ち主で、ダンジョンの住人からは基本的に慕われている。女児から懐かれやすく、ユキも女児に対しては甘い所があるため、度々ロリコン扱いされるが本人は否定している。
魔王とは一般的に負のイメージなのだが、ユキはそこからかけ離れているため、彼を魔王だと知った人物からは驚かれる事もしばしば。自分から積極的に攻撃を仕掛ける事はないが、ダンジョンへの侵略、とりあわけ身内に危害を加えようとする者に対しては怒りをあらわにし、武力行使も辞さない。また、人間への同族意識はあまりなくなっている（この世界で初めて見た人間がイルーナを誘拐した奴隷商だったという事もあるが）。
ダンジョン主の権限として、DP(ダンジョンポイント)を使ってダンジョンの拡張や、カタログに載っているアイテム等の召喚を行うことができる。このため、彼のダンジョンの生活水準は世間と比べて非常に快適。ついついDPを使いすぎてリル達と共にDP稼ぎに勤しむ羽目になるのがお約束。しかし、万が一ダンジョンコアが破壊されると、ユキは死亡しダンジョンも崩壊する危険性も孕んでいる。
レフィシオス
ヒロイン。ユキの嫁その1。
圧倒的な力を持つ古代龍で、人々から覇龍と称される伝説的な存在。自らの縄張りに入ってきたユキを排除しようとするが、彼に取引を持ち掛けられ、ダンジョンに居候する。その際、龍の姿では不便だからと人の姿になり、以後は基本人形態で生活している。人化した姿は角と尻尾が生えた、見た目13～14歳程度の銀髪ロングヘアの美少女。ユキに「レフィ」という愛称を付けられ、親しい人物からはそちらの名で呼ばれる事が殆ど。甘いものが大好物。
長い時を生きており、口調こそ老人のそれだが外見通りの子供っぽい性格で、同じような所があるユキとは似たもの同士。圧倒的な力を持つ故に、細かい作業は苦手。家事もまともにした事がなく、居候当初はぐーたらな生活を送っていたため、ユキからは駄龍呼ばわりされていた。しかし、少しずつ家事もするようになり、料理に関しては練習の甲斐もあって当初の腕前から大分上達している。ユキとは喧嘩する事も多いが、孤独で退屈だった人生（龍生）に色を塗ってくれる彼の存在は、次第に彼女の中で大きな物となっていく。
イルーナ
両親を人間に殺され、奴隷になっていたヴァンパイアの幼女。金髪碧眼。奴隷商の手から辛くも逃げ出すも、魔境の森で行き倒れになっていた所をユキに保護される。暗い過去を感じさせない天真爛漫な性格で、ユキにもすぐに懐いた。ユキの事は「おにいちゃん」と呼び慕っており、将来お嫁さんにしてもらう予定で、彼の血が大好物。ある時ダンジョンの外で遊んでいた所を再び奴隷商に捕まってしまうが、ユキとレフィの活躍で無事救出される。過去に精霊王から加護を授かっており、精霊魔法を行使することができる。シィやエンとは非常に仲が良く、よく一緒になって遊んでいる。
レイラ
 アルフィーロの街でユキに救出された奴隷の一人で、羊角の生えた魔族の女性。住人の中では一番の巨乳で、皆のお姉さん的なポジション。おっとりした雰囲気が特徴で、喋る時に語尾を伸ばす癖がある。助けられた恩返しにと、ダンジョンでリュー共々メイドとして働く事になった。その働きぶりは敏腕の一言に尽き、彼女がいなくなると途端に生活が不便になる。著名な研究者を多数輩出している一族の出身で、知的好奇心がとても強い。
リューイン=ギロル
アルフィーロの街で救出された奴隷の一人で、ウォーウルフの少女。愛称はリュー。ユキの嫁その3。
レイラとは真逆のスレンダーな体型。明るい性格で、語尾に「～っす」を付けて喋る体育会系っぽいノリが特徴。住人の中ではムードメイカー兼いじられキャラ。レイラと共にメイドをしているが、家事はあまり得意ではなく四苦八苦している。一族のとって神にも等しいリルを崇拝しているが、当の本人には少々鬱陶しがられている。ギロル氏族の族長の娘であり、元々外の世界に憧れていたのと、父親が無理やり結婚させようとするのが嫌で故郷を飛び出した家出娘。
罪焔
ユキのメイン武器。愛称はエン。元々は呪われた魔剣だったものを、ユキが刀として生まれ変わらせた。武器でありながら自我を獲得しており、ユキ達と念話で会話が可能。それなんてソーディアン？
後に擬人化スキルを得て、人型の分身体（外見は和服を着た黒髪の少女）を出せるようになった。寡黙で感情をあまり表に出さない。主であるユキの事が大好きで、彼が他の武器を使うと若干拗ねる。

ダンジョンのモンスター達

シィ
ユキが最初に召喚した魔物で水色のスライム。後にヒーリングスライムへ進化。イルーナそっくりの人型形態をとれるようになり、以後は基本その形態で暮らしている。進化後は会話も可能になり、最初こそカタコトだった喋り方も少しずつ流暢になってきている。
モフリル
 ユキがイルーナにやらせたガチャで召喚された雄のフェンリル。名付け親はイルーナで、専ら「リル」の愛称で呼ばれる。言葉は話せないが人語を理解するなど知能は高い。ユキの召喚した魔物と、リルを慕って付いてきた魔境の森の魔物を束ねる立場でもある。真面目な性格故に配下の魔物と、自由気ままで割と無茶ぶりを平気で言う主に振り回される苦労狼。
レイ、ルイ、ロー
 悪戯大好きなレイス3人娘。念力を得意とするレイが長女、幻影魔法を得意とするルイが次女、精神魔法を得意とするローが三女。言葉を喋る事は出来ず、霊体故に物理的な干渉もできないが、後者はユキの作った人形に憑依する事で可能となった。
オロチ、ヤタ、ビャク、セイミ
ユキが召喚した魔物で、リルの後輩的なポジション。戦闘では蛇のオロチがメインアタッカー、鴉のヤタが斥候、化け猫のビャクが敵の幻惑、水精霊のセイミが後方支援を担当する。全員が最終的には伝説級・神話級の魔物に成長するポテンシャルを秘めている。なお、ユキは彼らの教育をリルに丸投げしている。

アーリシア王国

レイロー＝ルルービア
魔境の森と接している、アルフィーロの街の領主を務める中年男性。ユキからは領主のおっさんと呼ばれる。慎重で先見の眼があり、危機回避能力に優れる。攫われたイルーナを救出しに来たユキとレフィに対し、街の代表として謝罪をした。以後もユキが街を訪れた際に対応をしているが、ストレスで頭髪が薄くなっているらしい。
ネル
 人間の勇者。僕っ娘。ユキの嫁その2。
ショートボブヘアーでボーイッシュな恰好をしているが、女性らしい性格をしている。結構なビビりで、上からの指令でユキのダンジョンに派遣されてきたものの、レイス三姉妹の悪戯でガチ泣きしていた所を見かねたユキに世話を焼かれる事に。その縁でダンジョンの面々とも仲良くなった。着痩せするタイプなのか、事故で裸を見てしまったユキ曰く「意外と育っている」らしい。
女手一つで自分を育ててくれた母親に苦労を掛けないよう、いい子であるよう努めてきたほか、勇者として見出された後も早く一人前になるため、人の教え通りに過ごしてきた。そのため他人に流されがちな所があったが、ユキとの触れ合いを通して自分の意思で動く事の大切さを知り、精神的に成長していく。人間の中では紛れもない実力者で、有事の際には聖剣デュランダルを手に獅子奮迅の活躍を見せる。ユキの事は「おにーさん」と呼び、少しずつ彼に惹かれていく。
カロッタ＝デマイヤー
ネルの上司。女性の身でありながら教会の聖騎士団長を務める実力者で、気の強い美人。剣の達人で、指揮官としても非常に優秀。妹分であるネルの事を時折からかいつつも可愛がっている。王都内乱騒ぎの際にユキと協力して事に当たり、内乱の鎮圧に貢献。その功績で国政にも携わるようになった。そのためかなり多忙なのだが、ワーカーホリックのため喜んで従事している化け物。
レイド＝グローリオ＝アーリシア
アーリシア王国国王。人格者ではあるが王としての評価は凡庸で、本人もそれは実感している。ある時息子に内乱を起こされ、娘のイリルと共に投獄されてしまうが、ユキに救出される。事態が収束した後は、国王の座に復帰し、寝る間を惜しんで働いている。ユキに多大な恩を感じており、彼とは歳の離れた友人のような関係を築く。将来は王位を他の者に譲ってユキのダンジョンに隠居する予定。娘の事も将来ユキが嫁に貰ってくれればと思っている。