鳥羽

鳥羽(とば)とは、

1. 三重県南東部に位置する市名
2. 京都市伏見区に所在する町名
3. 日本の苗字の一つ → 日本の苗字(名字)の一覧
   1. 鳥羽一郎 - 演歌歌手
   2. 鳥羽真央 - 生放送配信者
   3. 鳥羽美波 - 漫画『ゆるキャン△』の登場人物
   4. 鳥羽美音子 - ナレーター・リポーター
   5. 鳥羽洋典 - アニメーションプロデューサー
4. 日本の第74代目天皇(1103～1156) → 鳥羽天皇
5. 大日本帝國海軍が運用した砲艦鳥羽

である。

5の概要

隣の清国が辛亥革命で政情不安に陥り、河川用砲艦の準備が急務となった大日本帝國海軍は、新たな砲艦の建造に着手した。イギリスに発注した砲艦「隅田」「伏見」の設計と運用実績を参考にし、これを下地とした。

1911年6月5日、内令第105号によって鳥羽と仮名。由来は京都市の鳥羽町から。7月7日に佐世保工廠で起工。1隻でも多くの警備艦が必要だったため急ピッチで工事が進められ、11月7日に進水。本籍を佐世保鎮守府とした。初代艦長に堀田英夫少佐が着任し、11月17日に竣工。二等砲艦に類別され、支那派遣艦隊に編入。砲艦は航続距離が短く、本土から主戦場の長江まで自力航行できないので分解して上海や武漢に運び、そこで組み立てるのが通例となっていた。しかし危急からその手間を惜しみ、巡洋艦笠置に浮きドックごと鳥羽を曳航させるという荒業で上海へと回航された。こうして初の国産砲艦が誕生した。

ところが1914年に第一次世界大戦が勃発。上海に停泊していた鳥羽は中立国と化した中華民国によって抑留され、8月23日に武装解除の憂き目にあった。1917年8月16日、中華民国が日本と同じ連合国側に立った事で抑留が解除され、12月15日に巡洋艦千代田等とともに第7艦隊を新編。

1931年6月1日、等級廃止により砲艦へ変更。

1937年4月から7月にかけて呉工廠で改装。兵装を刷新し、新たにバルジを装着した。しかし7月7日に盧溝橋事件が発生。8月には第二次上海事変が発生し、風雲急を告げる。ただちに出動し、8月13日から増援部隊の上陸支援を実施。同月23日には軍主力の上海上陸を支援し、苦闘を続ける前線部隊を援護。その甲斐あって11月23日に中国国民党軍が退却。勝負は決した。中国国内には幅が広い川が流れており、河川用砲艦の鳥羽にも十分出番があった。1938年6月26日、敷設艇や捕獲網敷設船とともに長江の国民党軍を砲撃。1939年11月15日、第3艦隊第11戦隊に転属。1940年10月、上海江南造船所に回航。以降は上海周辺で活動する。11月1日、長江上流を哨戒。

1941年12月8日、大東亜戦争が勃発。鳥羽は上海で開戦を迎えた。巡洋艦出雲、駆逐艦蓮とともに黄浦江のアメリカ河川用砲艦ウェークとイギリス河川砲艦ペトレルに砲口を向ける。降伏勧告を無視して抵抗しようとしたペトレルは瞬時に撃沈され、ウェークは勧告を受け入れて投降。鹵獲に成功した。この戦果は真珠湾攻撃の次にラジオで喧伝された。戦争中の大半は上海で過ごし、時々ウースンへ石炭を運搬する程度だった。

戦争末期の1945年5月23日午前2時55分、1機のB-24と交戦。8cm砲1発、13mm機銃20発を発射した。6月8日に廃棄処分が決定され、同月14日に武装を陸揚げ。そして8月15日の終戦を行動不能状態で迎えた。9月30日に除籍。しかし鳥羽の戦いはまだ終わらなかった。国民党軍に接収され、合群(ホー・シュー)に改名。中国共産党軍との戦いに投入された。1948年4月17日、湖北省郝穴の戦いで戦果を挙げる。この功績を称えて郝穴(ハオ・シュエ)に改名する。しかし1949年11月29日に四川省朔江で共産党軍の攻撃を受けて降伏。接収され、湘江に改名して運用された。長らく運用されていたが、1960年代に退役した。

関連項目

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