鶴丸国永(刀剣乱舞)とは (ツルマルクニナガトウケンランブとは) [単語記事]

鶴丸国永(刀剣乱舞)とは、「刀剣乱舞-online-」に登場する太刀の刀剣男士である。

どうすれば驚くような概要ができるかな

『鶴丸国永だ。平安時代に打たれてから、主を転々としながら今まで生きてきた。ま、それだけ人気があったってことだなぁ。…ただなぁ、俺欲しさに、墓を暴いたり、神社から取り出したりは感心できないよなぁ…』
（刀帳より）

平安時代の刀工、五条国永の在銘太刀。
鶴を思わせる白い衣を身に纏い、赤は戦ううちにつくだろうからなどと軽く言ってのける。
そのさが、軽妙で酔狂であっても戦うことを忘れたことはない。
(刀剣乱舞絢爛図録より)

刀種は太刀。五条国永作とされているがゲームでの扱いは刀派なし。
白銀の髪に金の瞳を持ち、金の鎖とフードがついた真っ白な戦装束を纏う美青年。内番衣装では白一色の袴姿に襷をかけている。

一見儚げな風貌からは想像もつかないような、軽妙にして飄々とした性格。
「人生には驚きが必要なのさ。予想しうる出来事だけじゃ、心が先に死んでゆく」と語る通り、日々心を騒がせる「驚き」を求めている。中の人の解釈としては、退屈を嫌うのは寂しがり屋だからとのこと。
また本人曰く、白い衣装を好むのは、「戦場で赤く染まると鶴らしくなる」から、らしい。

隙あらば驚きを仕掛けてくるお茶目さと、三条派に次ぐ歴史を持つ所から、ファンの間からはサプライズじいさんと呼ばれている。
お爺ちゃん扱いはタペストリー売り上げ順が三日月宗近と1位 2位で並んでいた時にでじたろう氏が「おじいちゃん系強し！」とコメントしていた為。

とにかく「驚き」に重点を置くが、装備に関しては信頼性を第一とし、近侍につけ任務を確認する際には審神者に忠言したりと真面目な一面がうかがえる。また怒っている相手(審神者)には「いや、すまんすまん」と素直に謝罪するようだ。

刀としての剛毅な性格は、戦場でも見て取れる。
特に真剣必殺ともなると目つきが野性的なものに変わり、「紅白に染まった俺を見たんだ……後は死んでもめでたいだろう！」と吠える。また敵陣に乗り込む時も「折角なら奇襲を仕掛けたいよな」と、やはり「驚き」を与えようとしている。

このように薬研藤四郎(刀剣乱舞)と同じく、第一印象と男前な言動のギャップに定評があるが、彼の経歴と容姿に夢見ていた一部の審神者からは外見詐欺と嘆かれることも。
いろんな意味で罪作りな刀剣男士である。

性能は極に次ぐレアリティで、初期に実装されていた一期一振(刀剣乱舞)・鶯丸(刀剣乱舞)・江雪左文字(刀剣乱舞)と共に、俗に「レア４太刀」と呼ばれている。
全太刀の中で、真剣必殺発動の確率が左右される必殺値が高いことが特色。代わりに全体的なステータスはバランス型で、総合ステは全太刀中最下位となっている。３スロット数を活かしどうカバーするかが重要になる。

2015年 1月14日のサービス開始時から実装されているが、長らく回想や特殊台詞がなく、立ち位置が不明であった。
その後、2015年 8月に発売された設定資料集「刀剣乱舞絢爛図録」の大倶利伽羅(刀剣乱舞)の設定文において「伊達家にあったことから旧知の仲である」と記されたことにより、伊達家由来の刀剣として認識されるようになった。
また2016年 5月の「舞台『刀剣乱舞』　虚伝・燃ゆる本能寺」では、燭台切光忠(刀剣乱舞)と共に出演。この二人は通常台詞でも「衣装にこだわる」「戦を舞台に例える」など共通のワードがあることから、一層回想への期待が高まっていた。

そして2016年 6月23日、太鼓鐘貞宗(刀剣乱舞)の実装と共に伊達組の回想と内番が追加された。

回想32『九曜と竹雀のえにし協力』では、光忠お手製の仙台名物ずんだ餅を食べつつ大倶利伽羅(刀剣乱舞)と歌仙兼定(刀剣乱舞)の間で一悶着あった事を燭台切光忠(刀剣乱舞)と小夜左文字(刀剣乱舞)に伝えている。この時、光忠のことを光坊、大倶利伽羅のことを伽羅坊と愛称で呼んでいることが判明した。
更に回想41『九曜と竹雀のえにし真心・続』では思いもかけない所から登場し、光忠と小夜を驚かせる。そして何とあの小夜を笑わせるという快挙を達成、光忠からは「鶴さんには敵わないな」という言葉を引き出したのだった。
また、内番・畑仕事において、伊達組全員と会話が発生するようになった。太鼓鐘貞宗と畑に驚きを仕掛けようとしたり、他人との必要以上の接触を避ける大倶利伽羅が自ら鶴丸に話しかけたり、光忠との内番では有機肥料の臭いに珍しく慌てていたりと、貴重な一面が垣間見える。

その後2017年 6月の「舞台『刀剣乱舞』～義伝暁の独眼竜～」にも続投。太鼓鐘貞宗、大倶利伽羅を加えた伊達家の刀、歌仙兼定を加えた細川家の刀（九曜と竹雀組）が2.5次元でも揃い踏みする事となった。また太鼓鐘の事を貞坊と呼んでいる事が確認され、アニメ『続「刀剣乱舞-花丸-」』でも同様の呼び方がなされた。
劇中でも退屈に殺されないよう驚きを求めており、何やら秘密を抱える三日月宗近に対し「天よりも驚かせたいものがある……アンタだ」と告げ、互いの腹を探る剣呑かつ老獪なやりとりを見せた。そして終盤、尋常ならざる強敵を相手に奇策に打って出て、衝撃的な展開となるのだが……詳細は本編にて。

史実で驚かせるというのはアリか

平安時代の刀工・五条国永作と伝えられる太刀。号の由来は不明。
国永は三日月宗近の作者である三条宗近の孫、または弟子にあたる。

刃長は二尺五寸九分半（78.63cm）。細身で鋒が小さく、優雅で洗練された姿。武器というより美術品として優れているが、棟に三ヶ所の誉傷があり実践で使われていたことが判明している。
また鶴丸は五条派だが、三条派と五条派の刀剣をまとめて三条物と呼び、鶴丸は三条物で最も洗練されると評されている。形状が三日月に酷似していることから三日月を手本にして打たれたのではないかという説があり、過去の展覧会では並んで展示されていたことも。

来歴には諸説あるが、初期の所有者は平維茂と言われる。その後は鎌倉幕府の有力御家人であった安達氏に伝わっていたが、霜月騒動で北条氏により安達氏が滅された際に主とともに埋葬された。
しかしその後、鎌倉幕府第9代執権・北条貞時が鶴丸欲しさに墓を掘り起こしたとされる。この時に墓を表す「陵（みささぎ）」という言葉に由来し、「陵丸（みささぎまる）」の異称がつく。
以降は転々と所有者が移り変わり、一時期織田信長の所有となっていたが、家臣・御牧勘兵衛に下賜されたという。その後伏見の藤森神社に御神刀として奉納されていたのを、刀剣鑑定家・本阿弥光的の次男に発見され、譲渡された。
本阿弥家の折紙（鑑定書）を貰い、元禄年間に仙台の伊達家が購入。「伊達家腰物由緒書」によると、４代藩主・伊達綱村の頃に鶴丸を購入し、以後は代々の当主に継承された。
その後、明治34（1901）年11月に明治天皇が仙台行幸の折に本阿弥成善（琳雅）に研ぎに出し、第30代当主・伊達宗基から献上され、皇室御物となった。

昭和15年（1940年）紀元二千六百年奉祝名宝日本刀展覧会に御物として特別出展。ちなみにこの時、江雪左文字、亀甲貞宗なども同時に出展されている。
直近では1997（平成9）年10月、東京国立博物館「特別展『日本のかたな : 鉄のわざと武のこころ』」、2009（平成21）年10月、東京国立博物館「御即位20年記念特別展『皇室の名宝－日本美の華』」において、他の御物と共に特別公開されている。
滅多に拝める刀ではないが、このように特別展が来る可能性もある。備えよう。