黎とは、人名である。
姓
ベトナム、中国語圏の姓である。とくにベトナムの黎朝の君主の姓である。
名
その他
漢字として
- 意味
- 多い、民衆、老いる、及ぶ、靴の糊、(黧と通じて)黒い。
- 〔説文解字・巻七〕には「履(くつ)の黏(のり)なり」「履の黏を作るに黍米を以てするなり」とある。ただそのような用例はないらしい。
- 字形
- 形声で声符は𥝢(利)。
- 音訓
- 音読みは、レイ(漢音)、ライ(呉音)、訓読みは、おおい、くろい、のり。名のりに、はじむ、などがある。
- 規格・区分
- 人名用漢字である。1990年に人名用漢字に採用された。JIS X 0213第一水準。
- 語彙
- 黎庶・黎民・黎明・黎老
異体字
- 㴝は、〔康煕字典〕に「黎字の譌」ではないかとある異体字。Unicodeには黎の異体字(a variant)とある。
- 𥟖は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。〔康煕字典〕に黎を省略した異体字ではないかとある。〔康煕字典〕に引く〔六書正譌〕に黒い木の名とある。
- 𥡓は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。
- 䊍は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。Unicodeに黎の異体字(same as 黎)とある。〔集韻〕には「饘なり」とある。
- 菞は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。別の意味(菞丘という地名で使われる)もある。また莉の異体字ともされる。
- 𦴙は、〔康煕字典〕に引く〔字彙補〕に「黎と同じ」とある異体字。
- 𨛫は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。諸侯国の名や地名を表す字で、〔康煕字典〕に「通じて黎と作す」とある。〔説文〕には別の字として載っている。
- 𨝟は、〔字彙補〕に「黎と同じ」とある異体字。
- 𪏯は、〔正字通〕に「黎と同じ」とある異体字。
- 𪏱は、〔正字通〕に「𪏯の譌」とある異体字。〔康煕字典〕に〔篇海〕を引いて「衆なり」とある。
- 𪏵は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。
関連項目