黒田那佳(くろだ くにか)とは、「ワールドウィッチーズ」シリーズの登場人物である。
1939年のノモンハン事件でソ連機3機を撃墜、太平洋戦争では中国からインド戦線にかけて活躍した後、フィリピン・インドネシア方面に転戦。スマトラ島で終戦を迎えた。撃墜数33(あるいは16)。
黒髪をボブカットにし、やや茶色がかった黒目を持つ。軍装は巫女服様の陸軍ウィッチ制服だが、通常の紅白ではなく華族専用の藤色と白の組み合わせとなっている。
陽気だがお調子者なところがあり、行動派だが気分屋気質も併せ持つ。一応華族ではあるが、その生まれゆえ華族らしいところが全くない素直で元気な性格で、それどころか貧乏性がきわまって守銭奴めいた面も。なにかと特別手当をせびったり、自分の安全よりお金を優先しようとしたりして周囲に呆れられている(ただし、得た手当からきちんと故郷の家族へ仕送りしている)。それでいて、礼儀作法はしっかり身につけている、危機に瀕してもあきらめが悪く義理堅いなどといった一面もある(後者は扶桑主人公共通だが)。
好きな食べ物はあんみつなどの甘いお菓子。しかし506JFWでは夕食後のデザートを殆ど僚友とのギャンブルのかたにしてしまう上、(本人だけ全く気づいていないが)賭け事がド下手なためなかなかありつけていないようである。
激戦地での豊富な戦闘経験ゆえにウィッチとしては一流で、初使用の他国製ストライカーを平然と乗りこなしたり、左右別のストライカーでアクロバット飛行をしてみせたりとストライカーユニットの扱いは特に優秀。「給料分だけきっちり働く」と嘯きつつも傷ついた戦友を決して見捨てず肩に背負い、あまつさえ片脚飛行で帰還してみせるなど、逆境に強いタイプでもある。しかし気分屋の性格ゆえ、気を抜いてネウロイに後背を取られるようなうっかりをやらかすようなこともあり、その活躍にはムラがあるようだ。
愛機キ43-Ⅱ「隼」Ⅱ型は度重なる激戦の消耗で出力を低下させており、506JFW着任後は戦闘隊長であるハインリーケ・プリンツェシン・ツー・ザイン・ウィトゲンシュタインの予備機として殆ど使用しないまま放置されていたBf109 K-4を藤色中心に塗り替えて使用している。
扶桑皇国華族、黒田侯爵家の分家筋に生まれる。分家筋といっても相当遠く(「今の黒田家の当主と那佳の祖父は、又従兄弟かなにか、その辺」)、父親は宮崎に住む一介の勤め人にすぎなかった。
魔法力が発現した那佳は、陸軍幼年学校を出たのち明野のウィッチ養成学校を卒業、軍曹に任官して飛行第16戦隊に配属される。その後扶桑海事変に伴って飛行第33戦隊へ異動。扶桑海事変末期に初陣を飾り、小型ネウロイ3機を撃墜する戦果を挙げる。この時受けた負傷のため療養後、初陣で長機であった中隊長の推薦で陸軍士官学校に入学。卒業して少尉に任官した。
しかしこの直後、ネウロイが大挙欧州に侵攻、第二次ネウロイ大戦が勃発。これを受けた扶桑皇国は欧州支援のため派兵し、那佳ほか飛行第33戦隊も紅海で船団護衛に従事することになる。さらに北アフリカが失陥した後はペルシア戦線で油田を護るため激戦を繰り広げ、戦果と戦闘技倆を確実に伸ばしていった。
1944年末、ガリアが奪還され、パリ防衛のため第506統合戦闘航空団<ノーブルウィッチーズ>が結成される。この部隊はガリア政府の意向で貴族出身のウィッチのみで構成されることとなったが、この時、ガリア政府が扶桑皇国の支援する第505統合戦闘航空団<ミラージュウィッチーズ>のコンスタンティア・カンタクジノ予備大尉を招聘しようとしたことが切っ掛けとなり、506JFWへの影響力確保のため、扶桑からも華族ウィッチを派遣することとなった。この時はじめに候補に挙がったのは稲垣真美曹長(子爵家出身)だったが、本人の拒否と子爵家という家格の問題から断念され、分家筋とはいえ侯爵家の血筋である那佳が本家と養子縁組の上で派遣されることになった。
そんな訳で華族ウィッチとして506JFWに派遣された那佳だったが、着任時からして間違えてリベリオンが派遣した506B部隊の基地に着陸してしまうなど早くもおっちょこちょいの本性を表しつつも、A部隊内の人間関係やAB間の対立によってギスギスしていた506JFWの潤滑剤として活躍を見せている。
持ち前の気風の良さゆえか、AB間の対立なども乗り越えて隊内での人間関係は良好。隊長であるロザリー・ド・エムリコート・ド・グリュンネの心労を増やしたり、気難しい戦闘隊長ハインリーケと仲良くなったり、イザベル・デュ・モンソオ・ド・バーガンデールのジョークに振り回されたりと楽しい日々を過ごしている。
まったく貴族らしいところのないその性格のため、那佳をコーラ好きに仕立てたカーラ・J・ルクシックをはじめリベリオン人からなるB部隊でも評判がよい。貴族嫌いのマリアン・E・カールにも認められているふしがある。
しばしば間違われるが、彼女の名前は「『那』佳」であって「『邦』佳」ではない。
那佳の本家である黒田侯爵家だが、「九州の旧大名家」と設定されていること、小説「ノーブルウィッチーズ」シリーズに本家の別邸が「浜町」にあるとされていること、同じく黒田家の家臣として母里太兵衛の名が上がっていることなどから、現実世界で言う旧福岡藩主黒田家と判断して間違いないと思われる。
初登場は原作者・島田フミカネサイト内の「next world witches」にて。2012年の『ストライクウィッチーズ劇場版』では(逆光かつ一瞬だが)出撃する背中が描かれている。
書籍媒体では『ワールドウィッチーズ』に紹介されたほか、小説『ノーブルウィッチーズ』シリーズではついに堂々の主役を張る。第三巻同梱ドラマCDで声がつくことになり、中村繪里子が声を担当している。
『ワールドウィッチーズシリーズ10周年記念 秘め歌コレクション特別版 Vol.3 西ヨーロッパ篇』にて、シャーロット・E・イェーガーの楽曲「Guilty Optimists」をカバーしキャラソン初登場。さらに『ワールドウィッチーズ 秘め歌コレクション特別版 ディジョン篇』ではロザリーと新曲「What`s really important?」をデュエットしている。
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最終更新:2024/04/20(土) 04:00
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