トスカ(Tosca)とは、
「トスカ(Tosca)」とは、ジャコモ・プッチーニが作曲したオペラである。
情熱的な美貌の歌姫トスカとその恋人カヴァラドッシ、警視総監スカルピアの愛憎劇。
全3幕。オペラ史における重要な転換点の作品として高い評価を受けている。
初演は1900年。原作は前年にパリで発表された戯曲である。
ミラノにおいてサラ・ベルナールが主役を演じる舞台を観劇したプッチーニは本作をいたく気に入り、ただちにオペラ化の為の権利を手に入れようとしたが、契約問題が前後して一度は権利を逃してしまう。その後ヴェルディの仲介もあり、紆余曲折を経てプッチーニは作曲の権利を入手、3年をかけて台本作家とカンカンガクガクやりながら作品を完成させた。
オペラの舞台でもあるローマでの初演においては当時の首相を始め、名だたる名士や作曲家がこれを観劇。批評家の下した判断は厳しかったが、聴衆は熱狂的にこれを賞賛したと伝えられている。
政治犯アンジェロッティは逃亡する最中、自分の一族が礼拝する教会にやって来る。そこでは画家のカヴァラドッシが教会の注文で絵を描いていた。
仕事の最中、カヴァラドッシは物音でアンジェロッティが隠れている事を知る。二人は旧知の間柄で、アンジェロッティはローマ教皇領の牢獄・サンタンジェロ城から逃げてきたと告白。カヴァラドッシは彼を堂内に匿い、外から自分を呼ぶ恋人のトスカに応じて出ていく。
落ち着かない様子のカヴァラドッシを不審に思い、別の女と密会していたのではないかと疑うトスカ。カヴァラドッシが描いていたマグダラのマリア像を見て、ますます疑いを濃くする。だが恋人のとりなしでひとまず納得して立ち去るのだった。
アンジェロッティはカヴァラドッシの助けを借り、変装して脱出を図る。間一髪、彼らが逃走した後に追手の捜索隊が現れ、更に警視総監のスカルピアが登場。礼拝堂を探索して疑いを強め、どうやら画家が一枚かんでいると推測。戻ってきたトスカの証言でいよいよ確信を抱き、美しい歌姫に対する恋心を密かに吐露するのだった。
カヴァラドッシは捕らえられ、アンジェロッティの行き先を吐けと拷問にかけられる。宴席の為にスカルピアの官邸に招かれたトスカは捕らわれの恋人を救う代わり、スカルピアのものになるよう迫られた。遠くから聞こえる恋人の悲鳴に激しく揺れるトスカ。
そこへアンジェロッティは逃れられない事を知って自殺したという知らせが入る。更にカヴァラドッシは政治犯幇助の罪で処刑される事となってしまった。スカルピアは重ねてトスカに告げる、言うことを聞けばカヴァラドッシを処刑する時に空砲を撃って命だけは助け、更にイタリアを出国できるよう通行証を書くと。観念し、トスカは遂に首を縦に振る。
通行証にサインし、いよいよ我が物にしようと迫るスカルピアだったが、トスカの返答はナイフだった。「これがトスカの口づけよ!」そう叫んでスカルピアを刺殺し、通行証を奪ってその場から立ち去る。
サンタンジェロ城の屋上の刑場では、カヴァラドッシの処刑が行われようとしていた。彼はトスカへの別れを告げる手紙を書くが、朝が来たら殺されるという絶望に泣き崩れる。
そこへトスカが現れて状況を説明。処刑は見せかけで終わること、全て終われば二人で逃げられることを告げ、二人は愛を再確認する。
いよいよ処刑の時となり、カヴァラドッシは刑場に引きずり出される。横一列に並んだ兵士達が一斉に発砲し、崩れ落ちる恋人にトスカは声をかけるが、彼は既に息絶えていた。スカルピアは最初から約束を守るつもりなどなかったのだ。
絶望して泣き叫ぶトスカの許に、スカルピアが殺害されていた事を知った部下達が駆けつけ、逮捕しようとする。だがトスカはその手を逃れ、スカルピアにあの世での復讐を誓い、サンタンジェロ城の屋上から身を投げたのだった。
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最終更新:2024/04/24(水) 10:00
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