2010年代とは、2010年~2019年の10年間を指す言葉である。
インターネット社会はさらに発展、成熟し、スマートフォンの爆発的普及により人々のライフスタイルは大きく変わった。
一方で政治面では紛争が絶えなかった。2010年に中東チュニジア、アルジェリアで起こったデモは中東全域に拡大、アラブの春とも呼ばれた。一方リビア、シリアでは2011年より内戦が勃発、シリア内戦は2010年代中には完全収束しなかった。また過激派組織ISIL(イスラム国)が2014年以降勢力を伸ばし、事態は混迷化した。
ロシアのウクライナ介入、欧州での極右政党の躍進や移民排斥の動き、東アジア情勢の悪化など、グローバル化の反動によるナショナリズムの高まりが世界的にみられた。
それを象徴する大きな出来事としては、イギリスのEU離脱(2016年国民投票、2020年離脱完了)や、ドナルド・トランプのアメリカ合衆国大統領就任(2016年)も挙げられるだろう。
それぞれの年の記事も参照。
2010年- 2011年 - 2012年 - 2013年 - 2014年 - 2015年 - 2016年 - 2017年 - 2018年 - 2019年
2009年に自民党から民主党を中心とした鳩山由紀夫内閣に政権交代がなされた。しかし、2010年6月に普天間基地移設問題などの責任を取る形で総辞職した。
菅直人が後任となったが、支持率の低迷が続き、2011年3月に発生した東日本大震災(詳しくは後述)での福島第一原発事故での対応も問題となり、震災から半年後の2011年9月に退陣した。
次には野田佳彦が首相に就任したが、自民党への政権再交代の流れが強く、民主党への支持率は低迷が続いた。2012年12月の第46回衆議院選挙で自民党に政権を譲ることになり、2009年から続いた民主党政権は3年4か月で終焉を迎えた。
2012年12月に復活した自民党政権では、2006年~2007年に一度首相を務めた安倍晋三が再び首相に就任した。第二次安倍内閣はアベノミクスと命名した経済政策を中心に据え、安定的な政権を作ることに成功、歴代で最も長い在任期間となり、2010年代の終了時点でも首相を務めた。
2011年3月11日に発生した東日本大震災は死者・行方不明者が1万人を超えた未曾有の震災となった。震災瓦礫の処理や福島第一原子力発電所で生じた事故の処理などは、震災から8年以上が経過した2010年代終了時点においても未だに解決を見ず、後を引く問題を残した。
2011年7月24日に地上アナログ放送が停波。58年の歴史に幕をおろし、地上デジタル放送に完全移行を果たした。東日本大震災で大きな被害を受けた岩手・宮城・福島の3県は2012年3月31日まで完全移行が延期された。
幾多のネット文化を生み出してきたニコニコ動画は2016年12月12日に、ニコニコ大百科は2018年5月12日に開設10周年を迎えた。時の流れはおそろしい。
2019年4月30日をもって約30年5ヶ月の間続いた「平成」の時代が終了した。この改元は天皇陛下の生前譲位という形で行われることとなり、1817年に行われた光格天皇の譲位による改元(文化→文政)以来202年ぶりの出来事となる。
2019年5月1日から12月31日までは「令和元年」となった。
2010年代はそれまでのフィーチャーフォン(ガラケー)に代わりスマートフォンが普及し、それに伴いLINEなどのメッセージアプリやTwitterやInstagramなどのSNSがコミュニケーションツールとして広く利用されるようになった。商品の購入・決済や動画の配信・閲覧に加え、スマートフォンゲームといった新たな市場が生まれ、スマートフォンは人々の生活に無くてはならない社会の基盤となっている。
2010年代の音楽シーンは、テレビの露出によるプロモーションを前提とするアイドル・ダンスグループ、着うたで若い世代に人気のアーティスト、アニメで話題となった楽曲、ボーカロイドを中心とするネット音楽など、2000年代と比較しても流行曲の多様化が進んだ。
アイドル業界は嵐を中心とするジャニーズ系と、AKB48を中心とする秋元康系アイドルの2大巨塔を中心に多数のグループが人気を博し、その様相は「アイドル戦国時代」と表現された。
一方、着うた・ダウンロードを中心に西野カナ、きゃりーぱみゅぱみゅ、SEKAI NO OWARI、back numberなどのアーティストが人気を博した。
2010年代後半になるとYouTubeやApple Musicなどストリーミングで音楽を聞く文化が定着し、YouTubeやストリーミングサービスを起点としたヒット曲が多数生まれる一方で、CDは音楽を聞くためのものから、ファングッズとして、また「推し活」としての意味合いが強くなっていく。
2018年にあいみょんのマリーゴールドがヒットしたことで「サブスク時代」が本格的に始まり、次いでOfficial髭男dism、King Gnuなどのアーティストが高い認知度を得るようになった。
ボカロ・歌ってみたを中心とするUGC(ユーザー生成コンテンツ)文化は一般の音楽業界にも大きな影響を与えるようになった。米津玄師はボーカロイドシーン発のアーティストとしてその象徴的な存在である。2000年代から若いクリエイターが音楽を自由に表現し、コミュニケーションする場として発展したニコニコ動画が果たした役割は非常に大きいと言えるだろう。
2010年代にはスマートフォンの急速な普及により、これまで家庭用が中心だったゲーム業界にスマホゲームという大きな波が訪れた。2012年配信開始の「パズル&ドラゴンズ」や2013年配信開始の「モンスターストライク」などのヒットを皮切りに、次々とスマートフォン向けゲームがリリースされた。当初スマホゲームはライトゲーマー向けの作品が多く、またコンプガチャ問題などの商法が問題視され、ゲーマー層からの期待は低いものだった。
しかしながら、端末の高性能化に伴ってスマートフォンゲームも大きな進化を遂げ、2010年代の終盤には3Dグラフィックを自由自在に操り、多人数でリアルタイム対戦が可能なバトルロイヤルゲームも数多く登場した。また、2016年に配信開始された「ポケモンGO」はAR技術を活用し実際の街中でポケモンを捕まえる要素が話題となり、社会現象を巻き起こした。
家庭用ゲームでは、2011年にニンテンドー3DSとPlayStation Vita、2012年にWiiU、2013年にPlayStation 4とXbox One、2017年にNintendo Switchが発売された。また、VR向けではOculus Questなどの新たな端末も登場している。これらの世代では、端末の性能差が少なくなり、複数のプラットフォームで発売されるゲームソフトも増加した。
「Undertale」のように個人や小さい組織によって開発されたインディーゲームが各ゲームプラットフォームで配信され人気を博すようになったことも2010年代の大きな特徴である。
スマートフォン、タブレット端末の普及や、動画配信サービスでのゲーム実況、e-Sportsの人気の高まりなど、ゲーム業界はこれまでのハード・ソフトを売るだけのビジネスモデルにとどまらず、様々なジャンルと融合し、人々とより密接に関わる存在となった。
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最終更新:2024/09/17(火) 17:00
最終更新:2024/09/17(火) 17:00
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