227系とは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が所有する直流近郊形電車である。
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これまで国鉄時代に製造された車両が主力であった広島地区の車両更新を目的に、2015年3月14日より0番台が導入された。その後は2019年より和歌山地区向けに1000番台、2023年より岡山・福山地区向けに500番台が導入されるなど、主に地方線区において従来型車両との置き換えが進められている。
車両は225系をベースに開発され、車体先頭部の形状は521系3次車と同じものが取り入れられている(この形状は後に新製された225系新番台や323系にも採用)。その中でも特徴的なのが車体先頭部の転落防止幌で、他編成との連結部における転落防止対策が施されている。その見た目が翼を広げているように見えることから、0番台の愛称「Red Wing」の由来にもなっている。また、運転台の計器類を液晶モニターで表示する「グラスコックピット」をJR西日本の在来線車両では初めて搭載している。
番台別の詳細は下記の通り。
103系、105系、113系、115系と言った末期色古い車両ばかり走っていた國鐵廣島脱却を図るJR西日本広島支社管内。そこに2013年3月に発表された中期経営計画によって2014年より新型車両を投入することが判明。2014年6月19日に形式は「227系」となることが発表された。なお、広島地区に電車が投入されるのはJR西日本になってから初めてのことであり(気動車を含めるとキハ120形が最初)、国鉄時代に遡っても約30年ぶりの新車投入である。
外装・内装には広島らしさをイメージした「赤」が使用され(広島らしい赤は厳島神社の大鳥居、広島県の木であるもみじ、広島東洋カープを指す)、車体には愛称の「Red Wing(レッドウィング)」、広島都市圏の路線愛称の「JR CITY NETWORK HIROSHIMA(広島シティネットワーク)」のロゴが入っている。
最高速度は110km/h。搭載する保安装置は従来からのATS-SWと「新保安システム」ことATS-DW(D-TAS)となる。ATS-DWとは、車両にあらかじめ信号機、速度制限箇所の位置およびホームの左右をあらかじめ登録しておき、車両の回転数で走行距離を把握、地上子経由で信号機の現示、列車の進行ルートを伝送するシステムである。このシステムの導入により、最高速度・徐行に対する防護や、オーバーラン防止、ドアの誤開閉防止が実現可能となる。
このATS-DWは2018年より広島地区の山陽本線などに順次整備が進められている。
車内案内表示はLED式、行先表示についてはカラーLEDが採用される(普通列車がほとんどを占める広島地区でカラーLEDが採用されたのは、運行区間に路線記号・ラインカラーが導入され、それを表示させるためである)。なお、側面の行先表示は種別幕と統一化される。
2014年9月26日に、製造事業者の近畿車輛(JR西日本の業務提携企業)にて本系列車両が報道公開(■■)され、同月28日に川崎重工業兵庫工場より甲種輸送(A03編成、兵庫→鷹取駅)ののち、広島支社エリアに試運転を兼ねた回送運転(鷹取→広島)が実施された(■)。そして2015年3月14日より営業運転が開始された。
2019年3月16日ダイヤ改正にて3両編成64本と2両編成42本の計276両の導入が完了。山陽本線(三原駅~岩国駅間)、呉線、可部線は観光列車を除き227系で統一された。
2023年7月22日より岡山・福山地区向けに500番台が投入された(■ ■)。このエリアもこれまで瀬戸大橋線を除いて国鉄型車両が主力で、新型車両導入は223系5000番台以来約20年振りである(JR四国所属車両を除く)。
デザインコンセプトは「豊穏の彩(ほうおんのいろどり)」。岡山のモモ・福山のバラ・尾道のサクラをイメージした「ピンク」を基調に、車体横にはかつての117系快速サンライナーを彷彿とさせるオレンジなど暖色系のラインも取り入れられた。広島向け0番台と同様に「JR CITY NETWORK OKAYAMA」のロゴが車体に掲示されているが、2023年7月時点において広島シティネットワークやアーバンネットワークのような路線愛称が付けられたとの公式発表はされていない。
広島向け0番台との共通点が多く、座席も転換クロスシートが採用されているが、こちらはスペース拡大のためにドア付近の座席が一列ずつ減らされているほか、モケットは225系などと同じ茶色のものが使用されている。また、車内防犯カメラ、ドア開放中の盲導鈴(新幹線などで耳にする「ポーン」という音)も227系では初めて搭載された。保安装置はATS-SWに加えATS-Pが搭載された一方、広島地区のATS-DWは搭載されていない。
2023年7月22日より2両編成8本の16両で運行開始。これに合わせて117系が定期運用から引退した。
2024年1月20日からは2両編成が全13本と3両編成4本の計38両に増備され、運行区間も拡大。その後も増備が進んでおり、2024年度までに3両編成25本と2両編成13本の計101両を投入し既存車両と置き換える予定となっている。なお、2024年4月時点において赤穂線の一部区間と福塩線については沿線設備の都合上、乗り入れ不可となっている。
ちなみに、2024年には伯備線の特急やくもに使用される車両が381系から新型車両273系に更新されるなど、長らく国鉄型車両の楽園とも呼ばれてきた岡山・福山地区エリアでも急速に車両の置き換えが進んでいる。
2019年3月16日ダイヤ改正より和歌山地区向けの1000番台が投入された。
近畿エリアの223系や225系のデザインを踏襲しつつ、運行区間である和歌山県や奈良県の歴史・文化・自然の奥深さを表現した「緑」を基調としている。
座席は0番台や後に導入された500番台とは違い、混雑を考慮してロングシートに変更されている他、車内収受式のワンマン機器を搭載している。車両制御装置は323系と同じSiC-MOSFET素子VVVFインバータが採用されている。
2両編成34本の計68両が製造された。2019年9月30日までに105系の運用を全て置き換え、和歌山線、桜井線、紀勢本線和歌山~和歌山市間と運用範囲が広がった。2020年3月14日ダイヤ改正にて、紀勢本線和歌山~紀伊田辺間で運用されていた113系を置き換え、同区間と和歌山線全線にて車載型ICOCAの運用が開始された。更に2021年3月13日ダイヤ改正より紀伊田辺~新宮でも運用を開始。これにより和歌山県から国鉄型車両が消滅した。
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最終更新:2024/04/23(火) 22:00
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