三角関数の加法定理を繰り返し適用することで、下記の公式が導かれる。
sin7θ = 7sinθ - 56sin3θ + 112sin5θ - 64sin7θ
cos7θ = 64cos7θ - 112cos5θ + 56cos3θ - 7cosθ
tan7θ = (7tanθ - 35tan3θ + 21tan5θ - tan7θ) / (1 - 21tan2θ + 35tan4θ - 7tan6θ)
2倍角の公式と3倍角の公式を覚えているならば4倍角・6倍角・9倍角などが導出できるので、7θを「3θ + 4θ」や「9θ - 2θ」などと分解することで加法定理の適用回数を減らすこともできる(とはいえ倍角公式は加法定理の特殊な場合をまとめたものであり、本質的には加法定理の繰り返し適用で変わりはない)。
また、ド・モアブルの定理を用いて cos7θ + i・sin7θ = (cosθ + i・sinθ)7 を展開し、実部と虚部を係数比較することにより求める方法もある。
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この項目は、2015年の大学入試センター試験のネタバレを含んでいます。 これから大学受験を控えている方は、過去問演習後の閲覧をおすすめします。 |
2015年度センター試験数学②(数学IIまたは数学II・数学B)の第1問で数式中に「7θ」を含む問題が出題された。
この問題を見て「7倍角の公式なんて知らない!無理!(>_<)」と投げ出してしまった受験生も多かったという。試験終了後には「7倍角」がTwitterトレンド入りするほどの騒ぎとなった。
O を原点とする座標平面上の2点 P (2cosθ, 2sinθ), Q (2cosθ + cos7θ, 2sinθ + sin7θ) を考える。
(中略)
OQ2 = [ウ] + [エ](cos7θcosθ + sin7θsinθ)
= [ウ] + [エ]cos([オ]θ)(以下略)
しかし、この問題は倍角公式の適用を要求しているわけではない。「7」という数字はたまたま7だったというだけであり、8θでも9θでも334θでも1.44θでも、どんな数字であっても成立するのである(ただし桁数が変わるのでマークシートの解答欄の数を変える必要はあるが)。
こうした反応に対し、数学が得意な人は「これを7倍角と捉える発想はなかった……」などと驚きと困惑を隠せなかったという。
OQ2 = (2cosθ + cos7θ)2 + (2sinθ + sin7θ)2
= (4cos2θ + 4cosθcos7θ + cos27θ) + (4sin2θ + 4sinθsin7θ + sin27θ)
= 4(cos2θ + sin2θ) + (cos27θ + sin27θ) + 4(cosθcos7θ + 2sinθsin7θ)
= [5] + [4](cosθcos7θ + sinθsin7θ)加法定理より cos(A - B) = cosAcosB + sinAsinB なので、
OQ2 = 5 + 4(cosθcos7θ + sinθsin7θ)
= 5 + 4cos(θ - 7θ)
= 5 + 4cos(-6θ)
7倍角の公式を知っていた場合(またはその場で導出した場合)、下記のように展開することができる。展開結果が sin2θ と cos2θ の式になるので、半角公式を用いて cos2θ に統一するのが得策だろう。
[ウ]と[エ]までが求められた状態で、cos([オ]θ)の部分を展開する。
7倍角の公式より、
cosθcos7θ + sinθsin7θ
= cosθ(64cos7θ - 112cos5θ + 56cos3θ - 7cosθ) + sinθ(7sinθ - 56sin3θ + 112sin5θ - 64sin7θ)
= 64cos8θ - 112cos6θ + 56cos4θ - 7cos2θ + 7sin2θ - 56sin4θ + 112sin6θ - 64sin8θ半角公式 sin2A = (1 - cos2A)/2, cos2A = (1 + cos2A)/2 を用いると、
64cos8θ - 112cos6θ + 56cos4θ - 7cos2θ + 7sin2θ - 56sin4θ + 112sin6θ - 64sin8θ
= 64(1 + cos2θ)4/16 - 112(1 + cos2θ)3/8 + 56(1 + cos2θ)2/4 - 7(1 + cos2θ)/2 + 7(1 - cos2θ)/2 - 56(1 - cos2θ)2/4 + 112(1 - cos2θ)3/8 - 64(1 - cos2θ)4/16
= 4 + 16cos2θ + 24cos22θ + 16cos32θ + 4cos42θ - 14 - 42cos2θ - 42cos22θ - 14cos32θ + 14 + 28cos2θ + 14cos22θ - 7/2 - 7cos2θ/2 + 7/2 - 7cos2θ/2 - 14 + 28cos2θ - 14cos22θ + 14 - 42cos2θ + 42cos22θ - 14cos32θ - 4 + 16cos2θ - 24cos22θ + 16cos32θ - 4cos42θ
= 4cos32θ - 3cos2θ
幸いなことにセンター試験はマークシート方式なので、こうした当てずっぽうも可能である。
7倍角の公式より、
cosθcos7θ + sinθsin7θ
= cosθ(64cos7θ - 112cos5θ + 56cos3θ - 7cosθ) + sinθ(7sinθ - 56sin3θ + 112sin5θ - 64sin7θ)
= 64cos8θ - 112cos6θ + 56cos4θ - 7cos2θ + 7sin2θ - 56sin4θ + 112sin6θ - 64sin8θ
= 64cos8θ - 112cos6θ + 56cos4θ - 7cos2θ + 7(1 - cos2θ) - 56(1 - cos2θ)2 + 112(1 - cos2θ)3 - 64(1 - sin2θ)4
= 64cos8θ - 112cos6θ + 56cos4θ - 7cos2θ + 7 - 7cos2θ - 56 + 112cos2θ - 56cos4θ + 112 - 336cos2θ + 336cos4θ - 112cos6θ - 64 + 256cos2θ - 384cos4θ + 256cos6θ - 64cos8θ
= 32cos6θ - 48cos4θ + 18cos2θ - 1「cos([オ]θ)」はcos(2θ)からcos(9θ)までの8通りしかないので、2倍角の公式から9倍角の公式までをすべて書き出し、上式に該当するものがないか確認する。
掲示板
9 ななしのよっしん
2024/01/12(金) 20:14:15 ID: 0ZFcAnUBA3
10 ななしのよっしん
2024/01/12(金) 22:40:49 ID: lzPcLEVhi+
>>9
やっぱり地獄という認識でいいんだよねアレは
https://
11 ななしのよっしん
2024/12/20(金) 07:52:01 ID: tE6GeXkfAH
[ネタバレ注意]
加法定理の逆適用が思いつかない場合は多分これが一番早いと思います
cos7θ cosθ + sin7θ sinθ = cosオθ が常に成り立つので, θに適当な値を代入しても成り立つはずである。
そこで、計算しやすいθ=30°を代入してみると、(左辺) = (-√3/2)・(√3/2) + (-1/2)・(1/2) = -1となる。
よってcos(オ・30°) = -1であるから、 1桁の整数としてオに入り得るのは[6]のみである。
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最終更新:2025/03/28(金) 06:00
最終更新:2025/03/28(金) 06:00
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