国鉄8620形蒸気機関車とは、日本国有鉄道の前身である鉄道院が製造した旅客列車牽引用のテンダー式蒸気機関車である。
愛称は「ハチロク」。日本で始めて本格的に量産された旅客用蒸気機関車として知られる。
明治末期に輸入された急行列車用の蒸気機関車を参考にし、大正3年(1914年)から昭和4年(1929年)までの15年間にわたり672両(樺太向けのものも含めると687両)製造された機関車。半数以上が汽車製造会社製造であり、他には川崎造船所、日本車輌製造、日立製作所、三菱造船所も製造した。
汎用性を高めることによって、将来輸送量が増加した場合にはローカル線に転用することを考慮して設計された。8620形は北は北海道、南は鹿児島まで日本各地で活躍した。当初は幹線急行旅客用の機関車であったが、晩年には貨物列車や混合列車を牽引することが多かった。旧式ながらも蒸気機関車末期まで使用され続けたのは、その高い汎用性からであろう。動輪の粘着力が非常に強く、「絶対に空転しない機関車」とも言われていた。
製造順に1番目が8620、2番目が8621、3番目が8622となるのは分かりやすい。11番目は8630と、今度は十の位に数字を足していく。となると、80番目が8699、81番目は普通に考えると百の位を上げて8700となる。しかし、すでに8700形という形式の蒸気機関車が存在したため万の位を使い、81番目は18620とした。以後80番目ごとに万の位の数字が繰り上がり、160番目が18699、161番目が28620… ややこしいね(´・ω・`)
8620形は昭和3年(1928年)に蒸気機関車の称号改正が行われる前に製造された機関車であるため、このような複雑な付番法を用いた。同じように称号改正が行われる前に量産された蒸気機関車には9600形があるが、8620形は「20」という中途半端な数字があるため余計にややこしいものとなっている。
ナンバーと製造順一致させる公式おいておきますね ( `・ω・)っ
東京都青梅市の「青梅鉄道公園」に保存されている製造1両目の8620号機を筆頭に、日本各地に静態保存された車両が存在する。
以下動態保存機について解説する。
京都鉄道博物館に保存されている。大正3年(1914年)汽車会社製。昭和54年(1979年)に車籍を抹消されているため、営業路線上は走行不可能であるが、京都鉄道博物館内で「スチーム号」を牽引して走行することがある。
見ろよ…入れ替え作業もこなしてるぜ…(関連動画参照)。
2020年12月には「鬼滅の刃」とのコラボの一環で、無限プレートが取り付けられている。
JR九州が保存。大正11年(1922年)日立製作所笠戸工場製。現役時代には唐津線でお召し列車を牽引している。
昭和50年(1975年)3月31日付けで廃車されたが、九州に蒸気機関車を復活させようとのプロジェクトのもと昭和63年(1988年)に小倉工場で修復された。
その後豊肥本線の「SLあそBOY」、肥薩線の「SL人吉号」として、アメリカ風に改装された客車とともに運転開始された。アメリカ風の客車のイメージにあわせて濃緑色に塗装され、除煙板が取り外され、カウキャッチャーが取り付けられたこともあった。あのさあ、欧州の影響をうけている日本の蒸気機関車にあろうことかアメリカ風のカウキャッチャーつけるとか何事。
以後「SLあそBOY」「SL人吉号」として活躍するものの老朽化が激しく、平成17年(2005年)車軸焼けを起こし、とうとう運転休止、運用離脱となってしまった。それも、単なる車軸のトラブルではなく、台枠、つまり人間の背骨に当たる部分が歪んでしまったため、もはや現役続行は絶望的と思われた。
しかし、JR九州は同機の車籍を敢えて残し、動態保存の継続を模索していた。日本車輌製造で奇跡的に新造当時の図面が発見されたという幸運もあって、台枠新調を含めて約4億円をかけての修復を実施。その結果新造当初の主要部品はほとんど交換されたといういわゆる「テセウスの船」状態となった。その後も炭水車の車輪が一体圧延車輪とコロ軸受に交換されたりと少しずつ大正期SLとしての本来の姿は失われつつある。
ともかく上記修復後、同機は平成21年(2009年)4月25日より「SL人吉」として復活。2020年現在も肥薩線の熊本駅~人吉駅間を煙を吐きながら駆け抜けている。
ところが、2020年夏の球磨川の水害によって肥薩線が鉄橋が流されるなどの甚大な被害を受け、「SL人吉」は2020年11月現在運転休止中である。
2020年11月には、同機と「SL人吉」用客車を使用して、アニメ「鬼滅の刃」とのコラボ列車「SL鬼滅の刃」が運転され、その先頭に立った。
「SL人吉」項も参照のこと。
掲示板
10 ななしのよっしん
2021/10/16(土) 01:36:54 ID: RFZA2LQxV2
戦後は入れ替えやローカル線での運用だったのも大きいな
コストパフォーマンスを考えると早期のディーゼル化は難しい
設計の優秀さはもちろんだが上手いポジションを確保できたともいえる
11 ななしのよっしん
2021/11/26(金) 03:52:30 ID: dOAP7pRL+/
大正オトメ御伽話の第7話に登場したので記録。
大正十一年の国鉄佐倉駅だったかな。
12 Nekui_Otabifus
2023/08/08(火) 11:47:00 ID: 5aAh76k2AB
8月6日(ハチロク)に投稿しようと試みるも間に合わず、8月8日になっての投稿。
まあ、ベースとなったのが8800形であるし、「8620」の中二つを足して「8」(無理矢理)ということで、御免下さいましな。
タイトル:8620形8630号機のプレート
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最終更新:2024/03/19(火) 10:00
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