BB(楽器)とは、ヤマハが開発したエレクトリックベースである。1977年の発売以来、
モデルチェンジを繰り返しつつ現在でも生産を続ける、同社の代表的な楽器の一つ。
正式名称はBroad Bassで、その頭文字を取ったBBがモデル名に冠されている。
ごく初期のモデルはピックアップは1つだが、後にプレシジョンベースに見られるスプリットタイプのピックアップを
ネック側に、バータイプのピックアップをブリッジ側に計2つ配置したモデルが基本仕様となっている。
ネックは価格帯、および音の出方の差別化を図るためスルーネックまたはボルトオンの2種類がある。前者は
ネックとボディの一部が一体になっており、音の減衰までの時間が長い。また後者はネックをねじ止めするため
生産性が上がりメンテナンスが容易、かつ歯切れの良い音が出やすい。材質はメイプルが多い。
ボディは中低音部の伸びが良いアルダー(カバノキ科ハンノキ属)を用いることが多い。音響特性向上のため
一部のモデルではメイプルを貼り合わせて使用することもあった。
<黎明期>
1977年に発売開始。当時、フェンダー社のコピーモデルであるPBやJB、またオリジナルではあるものの
サーフ・ミュージックを意識した形状やサウンドだったSBとは一線を画すベースの開発が待たれていた。
そこでヤマハは下記のような目新しい試みを盛り込んだBBを世に送り出した。
●プレシジョンベースともジャズベースとも異なる、コンター加工のなされた幅広のボディ
●スプリットタイプのピックアップを、通常とは左右逆にマウント(→低音弦の音圧の向上)
●上位機種ではスルーネックの導入(→サステインの向上)
ただし、発売当初の価格がボルトオンのBB-1000で10万円、スルーネックモデルでは12万円と、大卒初任給と
ほぼ同額だったため、それよりも安価なコピーモデルの生産はしばらく続いた。他のシリーズの開発も進み、
PB、JBとも生産が完了するのは1985年のことである。
<成長期>
1980年代に入ると、フュージョン(ジャズやファンクなどとロックを融合させた音楽)がブームとなり、CASIOPEAが
白眉の存在となる。もともと彼らはヤマハが開催したアマチュアバンドのコンテストで見出されたグループだが、
ドラマーの神保彰とベーシスト・櫻井哲夫はCASIOPEAの結成当初から脱退、JIMSAKUを経てソロ活動に至るまで
ヤマハの製品を使用し続けている。この時期に現在のBBシリーズの形がほぼ完成された。
また、フュージョン以外ではヴァン・ヘイレンのベーシストだったマイケル・アンソニーや、セッションベーシストとして
エリック・クラプトンなどのサポートを行っているネイザン・イーストがBBの使用者となった。
<現代>
フュージョンブームが一段落した後のバンドブームではあまりシェアを伸ばせていなかったこと、RBXやSBVなど
同社の比較的廉価な別モデルが売れ行きを見せたこと、多弦ベースのTRBが徐々に普及したこともあり、BBは
高級化路線を進めていた。しかし2000年代に入ってからはモデルの見直しとシリーズ数の削減に伴い、再び
BBはエントリーモデルからハイエンドモデルまでを担うモデルとなった。ロングセラーであったBB-3000および
BB-Xの生産を完了し(いずれも1982年発売、2009年完了)、アクティブイコライザーを搭載したモデルや、
2010年からはメイプルにナトーのラミネート加工を施したネック・弦をボディの裏側から通すなどの改良を加えた
新たなBBを初心者向けの価格帯とハイエンドモデルの両方で世に送り出している。
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最終更新:2024/03/29(金) 23:00
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