Class55とは・・・
第二次世界大戦後の1950年代、イギリスでは鉄道の動力近代化を進める為、蒸気機関車に変わる機関車の導入を検討していた。しかし、イギリスの鉄道は非電化区間が多く、電気機関車を導入しようにも電化工事から始める必要があり、その為の費用を捻出出来るほどの資金力は当時のイギリス国鉄には無かった。そこでイギリス国鉄はディーゼル機関車への置き換えを決定、そこで開発された車両の一つがClass55型ディーゼル機関車である。愛称は『Deltic(デルティック)』。
同車はEnglish Electric社によって開発された車両で1961年にデビュー、先にデビューしていたClass23型ディーゼル機関車同様、Napier社製デルティックエンジンを搭載している。但し、こちらはフライングスコッツマンを始めとする本線系統の優等列車を牽引するために作られた車両の為、出力は大幅にアップしており、1650馬力のデルティックエンジンを2機搭載、3軸台車2つに搭載されたモーターを駆動させる事により最高速度は時速100マイル(約160km/h)に向上している。
実際の運用についてみると、確かにその性能は蒸気機関車とは比べ物にならない程ではあったものの、Class23同様エンジンに関するトラブルが頻発、Class23ほどでは無いにせよ、まだまだ問題のあるレベルであった。また、このデルティックエンジン自体が非常に複雑な構造をしていた事もあり、イギリス国鉄の整備士では満足に扱う事が出来ず、修理やメンテナンスの度にエンジンの製造元であるNapier社に依頼するという状態に陥り、手間も時間も非常に掛かってしまった(この点はClass23も同様であった)。また、ピストンやクランクシャフト、ギヤの数が半端無く多く、騒音も非常に大きい等の問題も発生した。Class23と違い、優等列車の運用を持っていたClass55は、その後エンジン開発元のNapier社度重なる修理と改良によって、何とか通常エンジンのディーゼル機関車と同程度のメンテナンス周期、信頼性を獲得するまでに改良された。しかし、デルティックエンジンそのものの整備や、冷却機構のトラブルに関してはどうしても解決する事が出来ず、引退までこの問題は解消しなかった。
そして1976年、開発中であった高速旅客列車、HST(イギリス国鉄)が完成、これによりバトンタッチする形で次々と運用から撤退、1980年代に全車引退となった。
現在は博物館やデルティックエンジンに魅了された保存団体の手によって6両が保存されている。一部は現在でも走行可能な模様。
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最終更新:2024/04/24(水) 14:00
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