Diablo3とは、アメリカのブリザード・エンタテインメントが開発・販売・運営しているハック&スラッシュゲームである。2012年5月15日に発売された。Windows, MacとPCのみならず、PS3, Xbox360, PS4, Xbox One, Nintendo Switchとコンソール機でも幅広く販売されている。
ハック&スラッシュの金字塔であるDiabloシリーズの最新作。前作Diablo2から12年を経て発売された。1人~4人までのオンラインマルチプレイに対応した見下ろし型のアクションRPG。シーズン制が採用されており、今でも定期的に更新が行われている。
PC版はブリザード・エンタテインメント社の配信プラットフォームBattle.netのクライアントから起動する。PC版は日本語には対応していない。従来どおり、キーボードとマウスで操作する。
コンソール版は完全日本語対応。翻訳のみならず吹き替えもされており、品質も高い。2019年6月まではスクエア・エニックスが日本での販売を担当していたが、現在ではブリザード・エンタテインメントから直接販売されている。コントローラでの操作に最適化されており、快適に操作できる。ハクスラとしては画期的。携帯可能なSwitch版が発売されたことで、ベッドにいる時間さえ奪う悪魔のゲームとなった。
ハクスラとしての奥深さを持ちつつカジュアル寄りに調整されており、未経験者でもプレイしやすい間口の広いゲームとなっている。
大聖堂で膨大な書籍と向き合い一心不乱に調べ物をするのは、ホラドリムの最後の生き残り、賢者デッカード・ケイン。その傍らでうたた寝をするのは、魔女エイドリアの娘、リア。予言によると、地獄の軍勢がサンクチュアリに攻めてくる日が近いのだという。
そんな折、大聖堂に謎の隕石が落ちてくる。逃げようとする二人だが、不幸にも老いたケインは逃げ遅れてしまった。リアは辛くも一命を取り留めたが、クレーターの周囲にケインの姿は無く――
場面は変わり、主人公たちがそれぞれの理由からニュートリストラムの町に訪れる。隕石が落ちて以来、死者が蘇って人々を襲っているのだという。あなたは人々の手助けをするため、探索に向かうこととなる。
クラスによって参照するメインステータスが違う。使用するリソースもクラスごとに異なり、生成方法・使用用途も異なる。性別を選べるが、男女で性能は変わらず、変化するのは見た目と一部のテキストのみ。
バーバリアンとは、前作で消失したアリート山を守護していた戦士たち。守るべき故郷を失った彼らは、放浪していたが、バーバリアンの誇りを取り戻すため、人々の救済に立ち上がった。
プライマリステータスはStrength(筋力)、リソースはFury(怒り)。Furyはプライマリスキルで攻撃するか、攻撃を受けるごとに溜まり、何もしないと自然減少していく。
己の肉体を駆使したパワフルな戦い方が特徴。通称は馬場。二刀流も可能。雄叫びを上げたり、自然の力を身にまとって巨大化したり、古の守護者を呼び出したりすることができる。
悪魔に家族を惨殺され天涯孤独となった者。悪魔の駆逐を誓った他の生存者たちにその復讐心を見いだされ、悪魔を狩る者として鍛え上げられた。
典型的な遠距離キャラで、主に弓やクロスボウを装備して戦う。投げナイフやグレネードを扱ったり、マシンガンのように矢を乱射したりと、現実世界の銃火器を意識したようなスキルもある。
プライマリステータスはDexterity(敏捷性)。リソースはHatred(憎しみ)とDiscipline(自制心)という用途の異なるものが2種類ある。Hatredは主に攻撃に、Desciplineは防御に用いる。Hatredはそこそこの速さで、Disciplineはかなり遅く自然回復する。
俗世から離れた天空の地、イヴゴロッドで修行を積む修道僧。闇の勢力が世界を席巻し始めたのを見かねた長老たちから派遣された。
格闘攻撃で戦う格闘家。武器を持っていても、それを背中にしょって殴る姿は、トンファーキックを彷彿とさせる。味方に対するバフや回復、敵に対するデバフなど、多人数プレイで役立つスキルが多い。前作で言うオーラに当たる、マントラと呼ばれるスキルも使える。
プライマリステータスはDextirity(敏捷性)、リソースはSpirit(スピリット)。
死体や死霊、自然物を操って戦うウンバル族の戦士。主人公は指導者のの腐敗を確信し、彼らに反旗を翻した若きウィッチドクター。真実と名誉を求め旅をしていた。
敵を無力化したり、デバフを与えるなどの絡めてに長けている他、ゾンビ犬や炎を纏うコウモリ、巨大なガルガンチュアンなどの冥界の魔物の召喚して戦う。
プライマリステータスはInteligence(知力)、リソースはMana(マナ)。他のクラスと違い、プライマリスキルでもマナを消費する。その代わりに自然回復量も多い。
魔法を扱う者の中でも、才能がありすぎて禁忌とされる秘術にも手を出してしまった若者。Wizardを自称し知識を求める旅を続ける中、人間界に台頭し始めた闇の軍団を倒すことに自らの宿命を見出した。
火、氷、雷以外に、アーケインという属性のスキルを扱う。ブリザードやメテオなどの範囲攻撃や、ビームの放出、炎を吐くハイドラの召喚など、多彩な魔法攻撃を持つ。強力な魔法を放つことができるArchon(アルコン)に変身するスキルもある。
プライマリステータスはInteligence(知力)、リソースはArcane Power(アーケインパワー)。自然回復はそれなりに早い。
メフィストによって穢されたザカラム教団の救済を目的とする者たち。クルセイダーは弟子を人間兵器へ育て上げ、やがて師匠が死ぬと弟子が名と盾、そして使命を受け継ぐという。主人公は放浪の旅を続ける若きクルセイダーの一人。
神聖魔法と重鎧を拠り所とし、フレイルと強固な盾をもって戦う。クルセイダーの盾は防御のみならず攻撃にも使われる。法による常時バフを持つほか、ダメージ減少と引き換えに両手武器を片手で持つパッシブスキルなどが存在する。
プライマリステータスはStrength(筋力)で、リソースはWrath(憤怒)。
死者の軍勢を操る死霊術師。生死の循環を守るラズマの使徒のひとりで、隕石の落下で死者が蘇っていることを知った師父によって遣わされた。
敵の死体を利用するだけでなく、自ら周囲に死体を出現させ、それを利用することもできる。スケルトンやゴーレムを召喚するだけでなく、骨や血、呪いを使った攻撃を得意とする。召喚した配下に指定した敵を攻撃をさせられるのが特徴。
期間ごとにすべてのプレイヤーが0からはじめ、どこまで強くなれるかを競い合うシステム。シーズンジャーニーと呼ばれる数段階の目標が設定され、報酬として装飾アイテムなどがもらえる。前作のラダーにあたる機能。
ストーリーをクリアし、エンドゲームをある程度進めてシーズンジャーニーと呼ばれる目標をクリアしていくと、ボーナスとして選択したクラスのセット装備を一式貰える。装備することでより高難易度のエンドコンテンツに挑めるようになるため、ストーリークリア後はまずはこれを目指してプレイするとよい。
シーズンごとに「報酬が増える」「セット装備の必要数が1つ減る」などのバフ効果が設定されており、通常とは違った体験をすることができる。
レベルが上がるとスキルやスキル枠が解禁されていく。スキルツリーは存在しない。
アクティブスキルを6つ選んで各キーに割り当てて使用することができる。用途により6つのカテゴリに分かれており、リソースを生成するスキルも存在する。
※オプションから「スキルの自由選択」を選択すると、カテゴリの枠を超えて自由にスキルを割り当てられる
各アクティブスキルには5種類のルーンからひとつ選んで設定でき、ルーンによってさまざまな追加効果が得られる。これによるスキルのカスタマイズがこのゲームの大きな要素。
また、おおよそ20あるパッシブスキルから4つを選択して装備することができる。
これらのスキルやルーンはいつでも自由に変更でき、ビルドの変更が簡単にできるのが大きな特徴。ストーリー中はスキル取得ごと、レジェンダリー取得ごとにビルドを転々としていくことになる。
ポーションは特定ボタンに設定されており、無限に使用できる。ただし長めのクールダウンがあるため連続使用はできない。消費型のアイテムだった従来の形式から大きく変更された箇所。また、ポータルスクロールも存在せず、いつでもポータルを開くことができる。
基本難易度として、ノーマル、ハード、エキスパート、マスターがあり、その上にトーメントと呼ばれる難易度が1~16まで存在する。難易度が上がるごとに敵の体力と攻撃力が上がるが、アイテムのドロップ率や得られる経験値も上昇する。
難易度はメニュー画面に戻ることで、いつでも変更できる。最初はエキスパートまでを目安に難易度を選択するとよい。トーメント1以上はレジェンダリーのドロップ率が上がるが、ストーリークリア後を想定した難易度となっている。
基本的に同じモンスターの集団で現れる。時折、青色や黄色をしたエリートモンスターと呼ばれる種類のモンスターが出現する。通常のモンスターより強く、固有の能力を持っているが、倒すとレアなアイテムをドロップしやすい。
青色のモンスターはチャンピオンモンスター。数体の集団で現る。
黄色のモンスターはレアモンスター。能力持ちの弱めの手下を数体連れて現れる。
エリートモンスターが持つ固有能力はランダムに決定する。「倒したら爆発するもの」「プレイヤーを凍結させる爆弾をばらまくもの」「回転するアーケインのビームで行動を阻害するもの」など多様で、モンスター自体の攻撃力よりも固有能力の方が危険な場合も多い。
敵を倒すとたまに赤い球体がフィールド上にドロップする。これはライフグローブと呼ばれ、拾うと体力が一定割合回復する。黄色い球体がドロップすることもある。これはパワーオーブと呼ばれ、拾うとネファレムグローリーと呼ばれるバフ効果が一定時間発動し、攻撃力の上昇などの恩恵を得られる。
スマートドロップシステムにより、操作しているキャラクターのクラス向けのアイテムがドロップしやすく、他クラス向けのアイテムはあまりドロップしない。
アイテムにはレアリティが設定されており、ノーマル(白)、マジック(青)、レア(黄)、レジェンダリー(橙)の順にレアリティが高い。マジック以上のアイテムにはAffix(付加効果)が設定されており、ランダムに各種ステータスやダメージ上昇の効果が付く。レアリティが高いほどAffixの数が多い。
ほとんどのレジェンダリーにはスキルやキャラクターを大幅に強化するレジェンダリーパワーが付いているため、役に立つものは積極的に活用しよう。
Diablo3では基本的には特定モンスターからのユニークドロップはないため、同じモンスターを周回して狩る必要はない(全くないわけではない)。
装備品にはソケットがあいているものがあり、宝石をはめることでステータスを強化できる。宝石の種類と装備品の部位によって強化されるステータスが異なる。
ハードコアを選択しなければ、死んでもゲームオーバーにならない。アイテム等も失われないが、アイテムの耐久度が減る。耐久度が0になると装備効果が失われ、拠点の鍛冶屋で若干のお金をかけて修理してもらうことになる。
ストーリーを進めると協力者が現れ、共に戦闘に参加してくれるようになる。戦闘にただ戦闘に参加してくれるだけでなく、独自のスキルを持っており、プレイヤーキャラクターを支援してくれる。
ストーリーを進めると鍛冶屋と宝石屋と符術師(エンチャンター)が旅の仲間として加わり、アイテムのクラフトができるようにになる。彼らにお金をかけて訓練すると、レベルが上っていき、より多くのクラフトレシピを覚えるようになる。
倉庫は最初から全キャラ共通の共有倉庫となっている。倉庫はモード別・シーズン別に管理される。クローゼットのような見た目をしたArmoryに触れるとビルド一式を保存できる。装備セットだけでなくスキル構成や宝石の種類も保存される。
ストーリーモードを終えたプレイヤー向けのモード。すべてのエリアが解放されており、ストーリーで戦ったボスたちとも再戦できる。
ここでは、Actごとに5つ、ランダムな報酬ミッションが設定されており、すべてクリアするとティラエルからActアイテムと呼ばれるクラフト用素材といくつかの報酬が入った報酬箱が貰える。レベル61からはDeath Breath(死の吐息)というクラフト用素材が手に入るようになる。
拠点にはNepharem Alter(ネファレムの祭壇)があり、後述するネファレムリフトとグレーターリフトにアクセスできる。
レベル70を超えても経験値は溜まり続け、今度はパラゴンレベルというものが上がっていく。パラゴンレベルが上がるとパラゴンポイントがもらえ、これを割り振ることでさらにキャラクターを強化できる。パラゴンポイントは自由に振り直すことができる。
パラゴンポイントで強化された内容は他のキャラクターと共有されるため、新しいキャラクターを育てる際の手助けとなる。
セシェロンの廃墟のどこかにあると言われる、ゾルタン・クーレが探し求める魔道具。入手すると以下の機能を使用できる。どれも強力なので、ストーリーを終えたら必ず手に入れよう。
セットアイテムとは、同じシリーズのセットアイテムを特定数同時に装備すると効果を発揮するタイプの、レジェンダリーアイテムの一種。たび重なるアップデートで強化された結果、セットアイテムを完全に揃えると、特定スキルを15000%の強化とか、やけくそ気味に強くなる。
この装備でグレーターリフトでこれまたやけくそ気味に強くなっていく敵に挑むのが本作のエンドコンテンツの真髄。今までとは段違いのスピード感と爽快感でゲームが進行する。
また、高難易度ではレジェンダリーアイテムやセットアイテムには、レジェンダリー効果は変わらないがAffixの上限数値が高い上位品としてエンシェント(橙)や、そのさらに上位品のプライマルエンシェント(赤)が存在する。
セットアイテムを全く装備せず、装備したレジェンダリーの個数に応じて強化がかかる超強化アイテムも存在する。
拠点に設置されているNepharem Alter(ネファレムの祭壇)から行くことができるエリア。ランダム生成の無限階層のダンジョンで、通常より大量の敵が出現する。敵を倒してゲージを溜めていき、MAXにするとリフトガーディアンが現れる。リフトガーディアンを倒すとグレーターリフトの要石を含めた報酬がもらえる。
通常のモンスターを倒してもゲージは溜まるが、チャンピオンやレアのモンスターを倒すとドロップするオーブを拾うと、より多くのゲージが溜まる。ネファレムリフトは現在遊んでいる難易度に応じた強さの敵が出現する。
グレーターリフトの要石を消費することで、Nepharem Alter(ネファレムの祭壇)から行くことができるエリア。ネファレムリフト異なり、エリアを開く際に難易度を選択する形式。ネファレムリフトよりさらに多くの敵が出現する。ネファレムリフトと違って時間制限があり、モンスターはアイテムをドロップしない。代わりにリフトガーディアンが大量のアイテムをドロップする。
グレーターリフトの難易度に上限はなく、どのレベルのグレーターリフトまで攻略できるか挑戦するのがこのゲームのエンドコンテンツである。
グレーターリフトのリフトガーディアンはレジェンダリージェムという特別な宝石をドロップする。指輪とアミュレットのソケットにはめることができる宝石で、十数種類あり、それぞれ強力な固有の効果を持っている。レジェンダリージェムにはレベルがあり、強化すると効果が強くなっていく。
リフトガーディアンを倒した際に現れるウルシに話しかけると、通常3回、死なずにクリアすると追加で1回レジェンダリージェムを強化してくれる。レジェンダリージェムはクリアしたグレーターリフトのレベル相応までしか強化できない(正確にはそれ以上でも1%の確率で強化できる)。
グレーターリフトを開く際に追加でGoldを支払うことで、強化されたグレーターリフトに行くことができる。難易度は変わらないが、レジェンダリージェムを追加で1回強化してくれる。
報酬でもらえるアイテムの中にBlood Shard(血の破片)という通貨がある。ネファレムの祭壇のそばにいるカダラが、ランダムなレアリティのアイテムと交換してくれる。通称カダラガチャ。
もらえるアイテムの種類はある程度指定できるが、レアリティはまちまちで、レジェンダリーがもらえることもあれば、マジックしかくれないこともある。血の破片には貯蓄上限があるため、上限オーバーする前に定期的に使おう。
ストーリーモードともアドベンチャーモードとも独立したモード。自分のキャラクターは使わず、与えられたキャラクターとビルドで時間内にお題をクリアできるかを試すチャレンジ。クリアするとアドベンチャーモードのアクト報酬などが多めに貰える。2017年6月のパッチ2.6.0で追加された。
与えられるビルドを全く触ったことがないプレイヤーでも簡単にそのビルドの楽しみを味わえる。ビルドの展示会も兼ねている。アドベンチャーモードより手早くアクト報酬が手に入るので、見かけたら積極的にこなすとよい。
今でこそハクスラとしてカジュアルな方向性にまとまっている本作だが、発売から今に至るまでには紆余曲折があった。以下にその経緯をまとめる。
2008年正式に製作が発表され、PVが公開されたときは大きな熱狂を持って迎えられた(記事)。初期はトゥーン調に寄ったキャラクターや、フィールドの明るさに「Diabloらしくない」などと反対署名が集まる騒動があったり、コンソール機向けの開発が行われていることが話題になったりした。
その中である発表がなされる。リアルマネー対応のオークションハウスである。昔からオンラインゲームはRMT(リアルマネートレード)の被害に悩まされており、Diablo3ではその画期的な解決策としてRMTをシステムとして取り込んでしまうオークションハウスの実装を提案した(記事1,記事2)。これは議論を呼んだが、実装するまでは誰にもどう転ぶかわからないシステムだった。
そんな心配はよそに、2011年に開始されたクローズドベータや2012年のオープンベータにはファンがこぞって応募し、大盛況となった。ベータ期間中も開発陣による熱心なシステムの調整は続けられた(記事)。
発売初日の24時間で350万本、初週では630万本ものセールスを記録し、PCゲームのタイトルとしては歴代最高記録を塗り替えることとなった。
セールスは好調だったが、発売後しばらくはアクセスが集中したことでログインすらままならない状況が続いた(記事)。このことからリアルマネーを使ったオークションハウスの実装は一時的に見送られた。なおゲーム内マネーオークションハウスは既に実装されている。
初期はストーリーモードのみで、難易度がNormal・Nightmare・Hell・Infernoと上がっていく仕組みだった。レベルキャップも60までで、パラゴンレベルも存在せず、現在とはプレイ感が全く異なる。レジェンダリどころかレアアイテムが貴重品で、Magic Find(マジックアイテム発見率)というステータスが存在し、重要視される傾向にあった。
しばらくするとオークションでは低レベルアイテムは供給過多で値崩れし、手軽にレアアイテムが入手できる状況となった。このことに萎える人は出たが、あえて利用しなければ影響はなかった。ストーリーを繰り返しに飽きる人もいたが、Nightmare、Hellまではそれなりの評判をもって遊ばれていた。
しかし、やり込もうとするととたんに問題が発生する。Infernoがイカれた難易度で、Act2,3ともなると並の装備だと触れただけで即死する激マゾ仕様だった(記事)。特にエリートモンスターが今より遥かに硬く、特定の固有能力の組み合わせは理不尽の一言。協力プレイも人数の増加以上に敵が強くなり、メリットが皆無だった。
この頃の高難易度の状況を書いてみると (ヨハネスブルグのガイドラインでもあるまいが)
この状況をあえて楽しむか、クソゲーと断じて辞めるかは人それぞれだった。
最初の頃はコミュニティでは、ストーリークリアや、最高レベルへの到達、Infernoの全クリアを、誰が最初に成し遂げるかなどが話題となり、Kripparrianなどの伝説級のストリーマーも生まれたが、1ヶ月を過ぎる頃には早くもユーザー離れが進み、初期に見られた活気はなくなっていた。
そんな中、リアルマネーオークションハウスが実装される。やり込んだプレイヤーはアイテムを売って小銭を稼げたが、問題は別にあった。オークションハウスを想定して調整されたであろう、あまりに低いレアドロップ率、装備に付くAffixのあまりのランダム性の高さに使えるアイテムが少なすぎることだった。この状況では大半のプレイヤーはオークションに頼らざるを得なくなった。運営はオークションハウスのマージンで儲けることしか頭にないと言われることもしばしばだった。
この頃のDiablo3はまさに苦行だった。パッチで敵の激烈な強さが緩和されたかと思ったら代わりにアイテムのドロップ率が下げられ、オークションハウスとにらめっこしながら、不毛の荒野をさまよいモンスターを狩り続ける日々が続いた。それでもコアなプレイヤーはクソクソ言いながら遊んでいたが、とてもいいバランスとは言えなかった。
Diablo2に戻る人が出たり、同時期に発売されたTochlight2がDiablo2の血を正しく受け継ぐものとして話題になったのもこの頃だった。他のハクスラの、当たり前のドロップバランスに癒やしを感じた人もいたことだろう。
しかし、1.0.4パッチでパラゴンシステムが導入され、レベル60からさらに経験値を積み上げることでMagic Findを上げることができるようになった。エリートの固有能力も理不尽な組み合わせは制限され、硬直しきっていたビルドに対してスキルの大幅なバランス調整が行われた。協力プレイの敵の強化も見直された。
このことで少し人が戻ってきた。レビューでも再評価される向きがあった。
続く10月の1.0.5パッチでは、Monster Powerが導入され、難易度上昇と引き換えにMagic FindとGold Findを上げることができるようになった。適用時は敵の数がぐっと増え、爽快感も増した。さらにInfernal Machineという要素も追加された。これと同時にMonster Power未適応時の敵の弱体化、ドロップするアイテムレベルの仕様の改善、レジェンダリのドロップ率の上昇、高難易度でのクラウドコントロールの仕様変更などが行われた。
オークションハウスは相場の暴落によって荒れたが、ゲーム体験はぐっとよいものとなった。1.0.6、1.0.7、とゲームの改善は重ねられていった。しかし、初期に離れた多くのプレイヤーを引き戻すことはできなかった。
2013年に入ると、ついには開発陣もオークションハウスは失敗だったと発言するにまでに至った(記事)。オークションハウスがこのように不健全に機能するとは想定されていなかったようだ(明らかにオークションハウスを使わせようとする設計だったが?)。そしてDiablo3のディレクターだったJay Wilsonが異動となる。彼のについてはもはや語るまい。
この年9月(日本では翌年1月)にはPS3版が発売された。コントローラーに最適化され、PC版からオークションハウスを外し、ドロップが調整されたバージョンとなる。日本でも初週売上4万本を記録し(記事)、それなりの評価も得た。
そんなDiablo3だったが、ここでゲームを根本から変える大転換がなされる。
拡張パックReaper of Soulsの発売に合わせて、オークションハウスを閉鎖し(記事)、トレードも原則的に不可能となった。さらに2.0アップデートとして、様々な変更が入った。レジェンダリーアイテムに固有能力が追加され、アイテムドロップにも大幅な調整がされた(Loot2.0)。レベル上限が70まで引き上げられた他、難易度システムの刷新(Normal~Master、Torment1~6)、アドベンチャーモード・ネファレムリフトの追加、ほとんどの要素からのMagic Findの削除などシステムの大幅な刷新が行われた。他にも、完全にランダムについていたAffixがプライマリAffixとセカンダリAffixに区分され、不要なAffixばかりになることを防げるようになり、Affixの数値の振れ幅も狭まった。さらにAffixを振り直すエンチャンターが追加された。
システムやスキルも大きく見直されたことで、以前とはもはやほぼ別のゲームというレベルに変貌した。レベル上限の引き上げによって、それまでの最高装備は価値を失い、オークションハウスが閉鎖したことで、自ら装備を集めることが求められた。開発陣によるスクラップ&ビルドだった。
これは今までの短所をすべてまとめて消し潰すことで成し遂げた改革だった。レジェンダリーやセット装備がゲームの中心になり、環境が一新されたことで、Diablo3は新たなスタートを切った。
2014年8月にはパッチ2.1.0でシーズン制とグレーターリフトが導入され、新たに継続的な運営体制への道筋が敷かれた。シーズン制によって定期的にリセットされる環境となった。
Diablo3はもはや既存のコアプレイヤーのためのゲームではなくなっていた。この頃にUltimate Evil EditionとしてPS3・PS4版が発売される(海外ではXbox版も)。これが高評価を集め(記事)、日本での新規プレイヤーからの評価も高い(初週売上3万本, Amazonレビュー)。既存のものを切り捨てた結果、新たなユーザー層を獲得したのだ。コンソール機での協力プレイも盛り上がりを見せた。
2015年1月のパッチ2.1.2ではレジェンダリーの上位のエンシェントレジェンダリーが追加、2015年6月のパッチ2.3.0ではカナイキューブが追加され、キャラクターの能力が向上すると同時にビルドが大幅に広がった。また、クラフトにより比較的容易にレジェンダリーが手に入るようになった。
より間口が広くなり、ソロプレイでもエンドコンテンツまで快適に遊ぶことができる環境が整ってきた。より簡単になっていくアイテムの入手に対し、エンシェントなどのよりレアリティの高いアイテムを出し、エンドコンテンツを拡充することでバランスを取っていくことで、ライトプレイヤーも、コアプレイヤーも満足させる、そんな開発方針となっていった。
――より快適に高レベルに到達し、より快適にエンドコンテンツを遊ぶ。苛烈な難易度の中じわりじわりと歩を進める初期Diablo3だけだなく、ハクスラというジャンルを築き上げ多くのファンを熱狂させた前作Diablo2とも大きくかけ離れた、新しいDiablo3が完成しつつあった。
その後もさらなる上位レアリティのプライマルエンシェントの追加や、トーメントの拡張が行われた。スキルやセットアイテムの効果にも次々と強化が入り、今やプレイヤーキャラクターの強さはインフレを続けている。しかし、グレーターリフトの無限の難易度がインフレにも対応しうる状況を作っているというのが現在のDiablo3である。
以上が今に至るまでの紆余曲折のざっくりした経緯である。なおこの項目には、個人の経験談が多く含まれており、物語調にまとめるために事実と乖離したところがあるかもしれないので、注意してほしい。
掲示板
152 ななしのよっしん
2023/08/17(木) 14:00:00 ID: lgCw2dvx2M
オークション閉鎖してRoSで神ゲーになったとか言ってる人いるけど、シーズン制度で決められた装備で散歩しながらガチャチケット拾うだけってスタイルがガチャ中毒の日本人に受けただけって感じだよなぁ
経済もPvP要素も切り捨ててクリックアンドガチャゲーにぶっちぎったゲームがディアブロなのかというと今でもそうとは思えんわ
153 ななしのよっしん
2023/08/20(日) 12:07:22 ID: 0L0knPm1+/
4が発売されたので概要の「Diabloシリーズの最新作」ってところプレ垢の人だれか修正よろしく
154 ななしのよっしん
2024/04/18(木) 16:52:59 ID: TypDPs0d6e
日本人には異常なレベルで評価が高い謎のゲーム
カジュアルゲーマー(自分ではそう思ってない人含め)かつコンシューマー勢がほとんどなんだろうけど
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/20(土) 08:00
最終更新:2024/04/20(土) 08:00
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