Diablo3 単語

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ディアブロスリー

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Diablo3とは、アメリカブリザード・エンタテインメント開発・販売・運営しているハック&スラッシュゲームである。2012年5月15日に発売された。Windows, MacPCのみならず、PS3, Xbox360, PS4, Xbox One, Nintendo Switchとコンソール機でも幅広く販売されている。

概要

ハック&スラッシュであるDiabloシリーズの最新作。前作Diablo2から12年を経て発売された。1人~4人までのオンラインマルチプレイに対応した見下ろしアクションRPGシーズン制が採用されており、今でも定期的更新が行われている。

PC版ブリザード・エンタテインメント社の配信プラットフォーBattle.netクライアントから起動する。PC版日本語には対応していない。従来どおり、キーボードマウスで操作する。

コンソール版は全日対応翻訳のみならず吹き替えもされており、品質も高い。2019年6月まではスクエア・エニックス日本での販売を担当していたが、現在ではブリザード・エンタテインメントから直接販売されている。コントローラでの操作に最適化されており、快適に操作できる。ハクスラとしては画期的。携帯Switch版が発売されたことで、ベッドにいる時間さえ奪う悪魔ゲームとなった。

ハクスラとしての深さを持ちつつカジュアル寄りに調整されており、未経験者でもプレイしやすい間口の広いゲームとなっている。

ストーリー

前作Diablo2の12年後が舞台となる。

物語は旧トリストラムの古びた大聖堂からはじまる。

大聖堂で膨大な書籍と向き合い一心不乱に調べ物をするのは、ホラドリムの最後の生き残り、賢者デッカードケイン。その傍らでうたた寝をするのは、魔女エイドリアリア。予言によると、地獄の軍勢がサンクチュアリに攻めてくる日が近いのだという。

そんな折、大聖堂に隕石が落ちてくる。逃げようとする二人だが、不幸にも老いたケイン逃げ遅れてしまった。リアは辛くも一命を取り留めたが、クレーターの周囲にケインの姿はく――

場面は変わり、主人公たちがそれぞれの理由からニュートリストラムの町に訪れる。隕石が落ちて以来、死者がって人々を襲っているのだという。あなたは人々の手助けをするため、探索に向かうこととなる。

特徴

拡張パック

クラス

クラスによって参照するメインステータスが違う。使用するリソースクラスごとに異なり、生成方法・使用用途も異なる。性別を選べるが、男女で性は変わらず、変化するのは見たと一部のテキストのみ。

Barbarian / バーバリアン

バーバリアンとは、前作で消失したアリート山を守護していた戦士たち。守るべき故郷を失った彼らは、放浪していたが、バーバリアンの誇りを取り戻すため、人々の救済に立ち上がった。

プライマリステータスはStrength(筋)、リソースはFury(怒り)。Furyはプライマリスキルで攻撃するか、攻撃を受けるごとに溜まり、何もしないと自然減少していく。

己の体を駆使したパワフルな戦い方が特徴。通称は馬場二刀流も可。雄叫びを上げたり、自然を身にまとって巨大化したり、古の守護者を呼び出したりすることができる。

Demon Hunter / デーモンハンター

悪魔家族を惨殺され孤独となった者。悪魔駆逐を誓った他の生存者たちにその復讐心を見いだされ、悪魔を狩る者として鍛え上げられた。

的な遠距離キャラで、クロスボウを装備して戦う。投げナイフグレネードを扱ったり、マシンガンのように矢を乱射したりと、現実世界銃火器を意識したようなスキルもある。

プライマリステータスはDexterity(敏捷性)。リソースはHatred(憎しみ)とDiscipline(自制心)という用途の異なるものが2種類ある。Hatredに攻撃に、Desciplineは防御に用いる。Hatredはそこそこの速さで、Disciplineはかなり遅く自然回復する。

Monk / モンク

俗世から離れた天空の地、イヴロッド修行を積む修僧。闇の勢世界を席巻し始めたのを見かねた長老たちから派遣された。

格闘攻撃で戦う格闘武器を持っていても、それを背中にしょって殴る姿は、トンファーキックを彷彿とさせる。味方に対するバフ回復、敵に対するデバフなど、多人数プレイで役立つスキルが多い。前作で言うオーラに当たる、マントラと呼ばれるスキルも使える。

プライマリステータスはDextirity(敏捷性)、リソースSpirit(スピリット)。

Witch Doctor / ウィッチドクター

死体や死霊、自然物を操って戦うウンバル族の戦士主人公導者のの腐敗を確信し、彼らに反旗を翻した若きウィッチドクター真実と名誉ををしていた。

敵を化したり、デバフを与えるなどの絡めてに長けている他、ゾンビや炎をコウモリ、巨大なガルガンチュアンなどの冥界魔物の召喚して戦う。

プライマリステータスはInteligence(知)、リソースMana(マナ)。他のクラスと違い、プライマリスキルでもマナを消費する。その代わりに自然回復量も多い。

Wizard / ウィザード

魔法を扱う者の中でも、才ありすぎて禁忌とされる秘術にも手を出してしまった若者Wizard自称し知識をめるを続ける中、人間界に台頭し始めた闇の軍団を倒すことに自らの宿命を見出した。

火、氷、以外に、アーケインという属性スキルを扱う。ブリザードメテオなどの範囲攻撃や、ビーム放出、炎を吐くハイドラの召喚など、多魔法攻撃を持つ。強魔法を放つことができるArchon(アルコン)に変身するスキルもある。

プライマリステータスはInteligence(知)、リソースArcane Power(アーケインパワー)。自然回復それなりにい。

Crusader / クルセイダー

メフィストによって穢されたザカラム教団の救済を的とする者たち。クルセイダー子を人間兵器へ育て上げ、やがて師匠が死ぬと子が名と、そして使命を受け継ぐという。主人公は放浪のを続ける若きクルセイダーの一人。

魔法と重を拠り所とし、フレイルと強固なをもって戦う。クルセイダーは防御のみならず攻撃にも使われる。法による常時バフを持つほか、ダメージ減少と引き換えに両手武器を片手で持つパッシブスキルなどが存在する。

プライマリステータスはStrength(筋)で、リソースはWrath(憤怒)。

Necromancer / ネクロマンサー

死者の軍勢を操る死霊術師。生死の循環を守るラズマの使徒ひとりで、隕石の落下で死者がっていることを知った師によって遣わされた。

敵の死体を利用するだけでなく、自ら周囲に死体を出現させ、それを利用することもできる。スケルトンゴーレムを召喚するだけでなく、や血、呪いを使った攻撃を得意とする。召喚した配下に定した敵を攻撃をさせられるのが特徴。

プライマリステータスはInteligence(知)で、リソースEssence(エッセンス)。

シーズン制

期間ごとにすべてのプレイヤーが0からはじめ、どこまで強くなれるかを競い合うシステムシーズンジャーニーと呼ばれる数段階の標が設定され、報酬として装飾アイテムなどがもらえる。前作のラダーにあたる機

シーズンボーナス

ストーリークリアし、エンドゲームをある程度進めてシーズンジャーニーと呼ばれる標をクリアしていくと、ボーナスとして選択したクラスセット装備を一式貰える。装備することでより高難易度エンドコンテンツに挑めるようになるため、ストーリークリア後はまずはこれをしてプレイするとよい。

シーズンバフ

シーズンごとに「報酬が増える」「セット装備の必要数が1つ減る」などのバフ効果が設定されており、通常とは違った体験をすることができる。

システム

スキル

レベルが上がるとスキルスキルが解禁されていく。スキルツリーは存在しない。

アクティブスキルを6つ選んで各キーに割り当てて使用することができる。用途により6つのカテゴリに分かれており、リソースを生成するスキルも存在する。
オプションから「スキル自由選択」を選択すると、カテゴリえて自由スキルを割り当てられる

アクティブスキルには5種類のルーンからひとつ選んで設定でき、ルーンによってさまざまな追加効果が得られる。これによるスキルカスタマイズがこのゲームの大きな要素。

また、おおよそ20あるパッシブスキルから4つを選択して装備することができる。

これらのスキルルーンいつでも自由に変更できビルドの変更が簡単にできるのが大きな特徴。ストーリー中はスキル取得ごと、レジェンダリー取得ごとにビルドを転々としていくことになる。

ポーション

ポーション特定ボタンに設定されており、無限に使用できる。ただし長めのクールダウンがあるため連続使用はできない。消費アイテムだった従来の形式から大きく変更された箇所。また、ポータルスクロールも存在せず、いつでもポータルを開くことができる。

難易度

基本難易度として、ノーマルハードエキスパートマスターがあり、その上にトーメントと呼ばれる難易度が1~16まで存在する。難易度が上がるごとに敵の体力と攻撃が上がるが、アイテムドロップ率や得られる経験値も上昇する。

難易度メニュー画面に戻ることで、いつでも変更できる。最初はエキスパートまでを安に難易度を選択するとよい。トーメント1以上はレジェンダリードロップ率が上がるが、ストーリークリア後を想定した難易度となっている。

モンスター

基本的に同じモンスターの集団で現れる。時折、青色黄色をしたエリートモンスターと呼ばれる種類のモンスターが出現する。通常のモンスターより強く、固有のを持っているが、倒すとレアアイテムドロップしやすい。

青色モンスターチャンピオンモンスター。数体の集団で現る。
黄色モンスターレアモンスター持ちの弱めの手下を数体連れて現れる。

エリートモンスターが持つ固有能ランダムに決定する。「倒したら爆発するもの」「プレイヤー凍結させる爆弾をばらまくもの」「回転するアーケインビーム行動を阻するもの」など多様で、モンスター自体の攻撃よりも固有能の方が危険な場合も多い。

ライフグローブとパワーオーブ

敵を倒すとたまにい球体がフィールド上にドロップする。これはライフグローブと呼ばれ、拾うと体力が一定割合回復する。黄色い球体がドロップすることもある。これはパワーオーブと呼ばれ、拾うとネファレムグローリーと呼ばれるバフ効果が一定時間発動し、攻撃の上昇などの恩恵を得られる。

アイテム

スマートドロップシステムにより、操作しているキャラクタークラス向けのアイテムドロップしやすく、他クラス向けのアイテムはあまりドロップしない。

アイテムにはレアリティが設定されており、ノーマル()、マジック()、レア()、レジェンダリー()の順にレアリティが高い。マジック以上のアイテムにはAffix(付加効果)が設定されており、ランダムに各種ステータスダメージ上昇の効果が付く。レアリティが高いほどAffixの数が多い。

ほとんどのレジェンダリーにはスキルキャラクターを大幅に強化するレジェンダリーパワーが付いているため、役に立つものは積極的に活用しよう。

Diablo3では基本的には特定モンスターからのユニークドロップはないため、同じモンスターを周回して狩る必要はない(全くないわけではない)。

ソケットと宝石

装備品にはソケットがあいているものがあり、宝石をはめることでステータスを強化できる。宝石の種類と装備品の部位によって強化されるステータスが異なる。

デスペナルティ

ハードコアを選択しなければ、死んでもゲームオーバーにならない。アイテム等も失われないが、アイテム耐久度が減る。耐久度が0になると装備効果が失われ、拠点の鍛冶屋若干お金をかけて修理してもらうことになる。

従者(Follower)

ストーリーを進めると協者が現れ、共に戦闘に参加してくれるようになる。戦闘にただ戦闘に参加してくれるだけでなく、独自のスキルを持っており、プレイヤーキャラクター支援してくれる。

職人(Artisan)とクラフト

ストーリーを進めると鍛冶屋宝石術師(エンチャンター)仲間として加わり、アイテムクラフトができるようにになる。彼らにお金をかけて訓練すると、レベルが上っていき、より多くのクラフトレシピを覚えるようになる。

倉庫(Stash)と武器庫(Armory)

倉庫は最初から全キャラ共通の共有倉庫となっている。倉庫はモード別・シーズン別に管理される。クローゼットのような見たをしたArmoryに触れるとビルド一式を保存できる。装備セットだけでなくスキル構成や宝石の種類も保存される。

アドベンチャーモードとエンドコンテンツ

アドベンチャーモード

ストーリーモードを終えたプレイヤー向けのモード。すべてのエリア解放されており、ストーリーで戦ったボスたちとも再戦できる。

ここでは、Actごとに5つ、ランダム報酬ミッションが設定されており、すべてクリアするとティエルからActアイテムと呼ばれるクラフト素材といくつかの報酬が入った報酬が貰える。レベル61からはDeath Breath(死の吐息)というクラフト素材が手に入るようになる。

拠点にはNepharem Alter(ネファレムの祭壇)があり、後述するネファレムリフトグレーターリフトアクセスできる。

パラゴンレベル

レベル70をえても経験値は溜まり続け、今度はパラゴンレベルというものが上がっていく。パラゴンレベルが上がるとパラゴンポイントがもらえ、これを割り振ることでさらにキャラクターを強化できる。パラゴンポイント自由に振り直すことができる。

ラゴンポイントで強化された内容は他のキャラクターと共有されるため、新しいキャラクターを育てる際の手助けとなる。

カナイキューブ

セシェロン廃墟のどこかにあると言われる、ゾルタン・クーレが探しめる魔具。入手すると以下の機を使用できる。どれも強なので、ストーリーを終えたら必ず手に入れよう。

セットアイテムとエンシェントアイテム

セットアイテムとは、同じシリーズセットアイテム特定数同時に装備すると効果を発揮するタイプの、レジェンダリーアイテムの一種。たび重なるアップデートで強化された結果、セットアイテム全にえると、特定スキル15000%の強化とか、やけくそ気味に強くなる

この装備でグレーターリフトでこれまたやけくそ気味に強くなっていく敵に挑むのが本作のエンドコンテンツ髄。今までとは段違いのスピード感爽快感でゲームが進行する。

また、高難易度ではレジェンダリーアイテムセットアイテムには、レジェンダリー効果は変わらないがAffixの上限数値が高い上位品としてエンシェント()や、そのさらに上位品のプライマルエンシェント()が存在する。

セットアイテムを全く装備せず、装備したレジェンダリーの個数に応じて強化がかかる強化アイテムも存在する。

ネファレムリフト

拠点に設置されているNepharem Alter(ネファレムの祭壇)から行くことができるエリアランダム生成の無限階層のダンジョンで、通常より大量の敵が出現する。敵を倒してゲージを溜めていき、MAXにするとリフトガーディアンが現れる。リフトガーディアンを倒すとグレーターリフトの要石を含めた報酬がもらえる。

通常のモンスターを倒してもゲージは溜まるが、チャンピオンレアモンスターを倒すとドロップするオーブを拾うと、より多くのゲージが溜まる。ネファレムリフト現在遊んでいる難易度に応じた強さの敵が出現する。

グレーターリフト

グレーターリフトの要石を消費することで、Nepharem Alter(ネファレムの祭壇)から行くことができるエリア。ネファレムリフト異なり、エリアを開く際に難易度を選択する形式。ネファレムリフトよりさらに多くの敵が出現する。ネファレムリフトと違って時間制限があり、モンスターアイテムドロップしない。代わりにリフトガーディアンが大量のアイテムドロップする。

グレーターリフト難易度に上限はなく、どのレベルグレーターリフトまで攻略できるか挑戦するのがこのゲームエンドコンテンツである。

レジェンダリージェム

グレーターリフトリフトガーディアンレジェンダリージェムという特別な宝石ドロップする。指輪とアミュレットのソケットにはめることができる宝石で、十数種類あり、それぞれ強な固有の効果を持っている。レジェンダリージェムにはレベルがあり、強化すると効果が強くなっていく。

リフトガーディアンを倒した際に現れるウルシに話しかけると、通常3回、死なずにクリアすると追加で1回レジェンダリージェムを強化してくれるレジェンダリージェムクリアしたグレーターリフトレベル相応までしか強化できない(正確にはそれ以上でも1%確率で強化できる)。

グレーターリフトを開く際に追加でGoldを支払うことで、強化されたグレーターリフトに行くことができる。難易度は変わらないが、レジェンダリージェムを追加で1回強化してくれる。

Blood Shards(血の破片)とカダラ

報酬でもらえるアイテムの中にBlood Shard(血の破片)という通貨がある。ネファレムの祭壇のそばにいるカダラが、ランダムレアリティアイテムと交換してくれる。通称カダラガチャ

もらえるアイテムの種類はある程度定できるが、レアリティはまちまちで、レジェンダリーがもらえることもあれば、マジックしかくれないこともある。血の破片には貯蓄上限があるため、上限オーバーする前に定期的に使おう。

チャレンジリフト

ストーリーモードともアドベンチャーモードとも独立したモード。自分のキャラクターは使わず、与えられたキャラクタービルドで時間内にお題をクリアできるかを試すチャレンジクリアするとアドベンチャーモードアクト報酬などが多めに貰える。2017年6月パッチ2.6.0で追加された。

与えられるビルドを全く触ったことがないプレイヤーでも簡単にそのビルドの楽しみを味わえる。ビルドの展示会も兼ねている。アドベンチャーモードより手アクト報酬が手に入るので、見かけたら積極的にこなすとよい。

かつてDiablo3は究極のクソゲーだった――現在に至るまでの紆余曲折

今でこそハクスラとしてカジュアルな方向性にまとまっている本作だが、発売から今に至るまでには紆余曲折があった。以下にその経緯をまとめる。

2008年 Diablo3の発表、2011年 ベータ版公開まで

2008年正式に製作が発表され、PV開されたときは大きな熱狂を持って迎えられた(記事exit)。初期はトゥーン調に寄ったキャラクターや、フィールドの明るさに「Diabloらしくない」などと反対署名が集まる騒動があったり、コンソール機向けの開発が行われていることが話題になったりした。

その中である発表がなされる。リアルマネー対応のオークションハウスである。昔からオンラインゲームRMT(リアルマネートレード)被害に悩まされており、Diablo3ではその画期的な解決策としてRMTシステムとして取り込んでしまうオークションハウス実装を提案した(記事1exit,記事2exit)。これは議論を呼んだが、実装するまではにもどう転ぶかわからないシステムだった。

そんな心配はよそに、2011年に開始されたクローズベータ2012年オープンベータにはファンがこぞって応募し、大盛況となった。ベータ期間中も開発による熱心なシステムの調整は続けられた(記事exit)。

2012年5月 Diablo3発売

発売初日の24時間で350万本、初週では630万本ものセールスを記録し、PCゲームタイトルとしては歴代最高記録を塗り替えることとなった。

セールスは好調だったが、発売後しばらくはアクセスが集中したことでログインすらままならない状況が続いた(記事exit)。このことからリアルマネーを使ったオークションハウス実装は一時的に見送られた。なおゲーム内マネーオークションハウスは既に実装されている。

初期はストーリーモードのみで、難易度NormalNightmare・Hell・Infernoと上がっていく仕組みだった。レベルキャップも60までで、パラゴンレベルも存在せず、現在とはプレイ感が全く異なる。レジェンダリどころかレアアイテム重品で、Magic Find(マジックアイテム発見率)というステータスが存在し、重要視される傾向にあった。

しばらくするとオークションでは低レベルアイテムは供給過多で値崩れし、手軽にレアアイテムが入手できる状況となった。このことに萎える人は出たが、あえて利用しなければはなかった。ストーリーを繰り返しに飽きる人もいたが、Nightmare、Hellまではそれなりの評判をもって遊ばれていた。

しかし、やり込もうとするととたんに問題が発生する。Infernoイカれた難易度で、Act2,3ともなると並の装備だと触れただけで即死するマゾ仕様だった(記事exit)。特にエリートモンスターが今よりかに硬く特定の固有能の組み合わせは理不尽の一言協力プレイも人数の増加以上に敵が強くなり、メリット皆無だった。

この頃の高難易度の状況を書いてみると (ヨハネスブルグガイドラインでもあるまいが)

この状況をあえて楽しむか、クソゲーと断じて辞めるかは人それぞれだった。

最初の頃はコミュニティでは、ストーリークリアや、最高レベルへの到達、Infernoの全クリアを、が最初に成し遂げるかなどが話題となり、Kripparrianなどの伝説級のストリーマーも生まれたが、1ヶを過ぎる頃にはくもユーザー離れが進み、初期に見られた活気はなくなっていた。

そんな中、リアルマネーオークションハウス実装される。やり込んだプレイヤーアイテムを売って小銭を稼げたが、問題は別にあった。オークションハウスを想定して調整されたであろう、あまりに低いレアドロップ、装備に付くAffixのあまりのランダム性の高さに使えるアイテムが少なすぎることだった。この状況では大半のプレイヤーオークションに頼らざるを得なくなった。運営オークションハウスのマージンけることしか頭にないと言われることもしばしばだった。

この頃のDiablo3はまさに苦行だった。パッチ敵のな強さが緩和されたかと思ったら代わりにアイテムドロップ率が下げられオークションハウスにらめっこしながら、不毛の荒野をさまよいモンスター狩り続ける日々が続いた。それでもコアプレイヤークソクソ言いながら遊んでいたが、とてもいいバランスとは言えなかった。

Diablo2に戻る人が出たり、同時期に発売されたTochlight2がDiablo2の血を正しく受け継ぐものとして話題になったのもこの頃だった。他のハクスラの、当たり前のドロップバランス癒やしを感じた人もいたことだろう。

2012年8月 1.0.4でのバランス調整

しかし、1.0.4パッチラゴンシステムが導入され、レベル60からさらに経験値を積み上げることでMagic Findを上げることができるようになった。エリートの固有能も理不尽な組み合わせは制限され、硬直しきっていたビルドに対してスキルの大幅なバランス調整が行われた。協力プレイの敵の強化も見直された。

このことで少し人が戻ってきた。レビューでも再評価される向きがあった。

続く10月の1.0.5パッチでは、Monster Powerが導入され、難易度上昇と引き換えにMagic FindとGold Findを上げることができるようになった。適用時は敵の数がぐっと増え、爽快感も増した。さらにInfernal Machineという要素も追加された。これと同時にMonster Power未適応時の敵の弱体化ドロップするアイテムレベル仕様善、レジェンダリのドロップ率の上昇、高難易度でのクラウドコントロール仕様変更などが行われた。

オークションハウスは相場の暴落によって荒れたが、ゲーム体験はぐっとよいものとなった。1.0.6、1.0.7、とゲーム善は重ねられていった。しかし、初期に離れた多くのプレイヤーを引き戻すことはできなかった。

2013年に入ると、ついには開発オークションハウスは失敗だったと発言するにまでに至った(記事exit)。オークションハウスがこのように不健全に機するとは想定されていなかったようだ(明らかオークションハウスを使わせようとする設計だったが?)。そしてDiablo3のディレクターだったJay Wilsonが異動となる。彼のについてはもはやるまい。

この年9月(日本では翌年1月)にはPS3版が発売された。コントローラー最適化され、PC版からオークションハウスを外し、ドロップが調整されたバージョンとなる。日本でも初週売上4万本を記録し(記事exit)、それなりの評価も得た。

2014年3月25日 拡張パック Reaper of Souls の追加
Pach 2.0によるシステムの大幅な刷新

そんなDiablo3だったが、ここでゲーム根本から変える大転換がなされる。

パックReaper of Soulsの発売に合わせて、オークションハウス閉鎖し(記事exit)、トレードも原則的に不可能となった。さらに2.0アップデートとして、様々な変更が入った。レジェンダリーアイテムに固有能が追加され、アイテムドロップにも大幅な調整がされた(Loot2.0)。レベル上限が70まで引き上げられた他、難易度システムの刷新(NormalMasterTorment1~6)、アドベンチャーモードネファレムリフトの追加、ほとんどの要素からのMagic Findの削除などシステムの大幅な刷新が行われた。他にも、全にランダムについていたAffixがプライマリAffixとセカンダリAffixに区分され、不要なAffixばかりになることを防げるようになり、Affixの数値の振れ幅も狭まった。さらにAffixを振り直すエンチャンターが追加された。

システムスキルも大きく見直されたことで、以前とはもはやほぼ別のゲームというレベルに変貌した。レベル上限の引き上げによって、それまでの最高装備は価値を失いオークションハウス閉鎖したことで、自ら装備を集めることがめられた。開発によるスクラップ&ビルだった。

これは今までの短所をすべてまとめて消し潰すことで成し遂げた革だった。レジェンダリーセット装備がゲームの中心になり、環境が一新されたことで、Diablo3は新たなスタートを切った。

2014年8月にはパッチ2.1.0でシーズングレーターリフトが導入され、新たに継続的な運営体制への筋が敷かれた。シーズン制によって定期的リセットされる環境となった。

Diablo3はもはや既存のコアプレイヤーのためのゲームではなくなっていた。この頃にUltimate Evil EditionとしてPS3PS4版が発売される(海外ではXbox版も)。これが高評価を集め(記事exit)、日本での新規プレイヤーからの評価も高い(初週売上3万本exitAmazonレビューexit)。既存のものを切り捨てた結果、新たなユーザーを獲得したのだ。コンソール機での協力プレイも盛り上がりを見せた。

2015年1月パッチ2.1.2ではレジェンダリーの上位のエンシェンレジェンダリーが追加、2015年6月パッチ2.3.0ではナイキューブが追加され、キャラクターが向上すると同時にビルドが大幅に広がった。また、クラフトにより較的容易にレジェンダリーが手に入るようになった。

より間口が広くなり、ソロプレイでもエンドコンテンツまで快適に遊ぶことができる環境が整ってきた。より簡単になっていくアイテムの入手に対し、エンシェントなどのよりレアリティの高いアイテムを出し、エンドコンテンツを拡充することでバランスを取っていくことで、ライトプレイヤーも、コアプレイヤー満足させる、そんな開発方針となっていった。

――より快適に高レベルに到達し、より快適にエンドコンテンツを遊ぶ。苛難易度の中じわりじわりと歩を進める初期Diablo3だけだなく、ハクスラというジャンルを築き上げ多くのファンを熱狂させた前作Diablo2とも大きくかけ離れた、新しいDiablo3が完成しつつあった

その後もさらなる上位レアリティプライマルエンシェンの追加や、トーメントの拡が行われた。スキルセットアイテムの効果にも次々と強化が入り、今やプレイヤーキャラクターの強さはインフレを続けている。しかし、グレーターリフト無限難易度インフレにも対応しうる状況を作っているというのが現在のDiablo3である。

さいごに

以上が今に至るまでの紆余曲折のざっくりした経緯である。なおこの項には、個人の経験談が多く含まれており、物語調にまとめるために事実と乖離したところがあるかもしれないので、注意してほしい。

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世界観紹介動画

プレイ動画(2.0 Reaper of Souls 以降)

初期のプレイ動画(2.0 Reper of Souls 以前)

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