E257系

E257系とは、JR東日本が保有する特急型電車である。

概要

首都圏から各地を結ぶ特急列車に使用されてきた183系電車が老朽化してきたことから、交直流特急電車E653系をベースに設計され誕生したのがE257系である。

同車は車体形状や性能などに汎用性を持たせたことで、広い範囲において活躍することができる。同車には3種類の区分が存在し各路線で運行されているほか、臨時列車として直流電化区間の広い範囲に入線した実績を持つ。

中央線特急

新宿(東京)から松本を結ぶ中央線特急「あずさ号」、及び甲府止まりの「かいじ号」向けの車両。番台区分は0番台である。所属は松本車両センター。

かつてからこの役目には国鉄来の183系が運用されており、その一部はJR東日本が開発したE351系電車で置き換えられた。しかしこの車両は振り子(車体傾斜)機構を持つため、スピードと引き替えに経済性と居住性に難がある。そのため残りの183系の置き換えとして、これらの課題を改善したE257系が2001年に登場した。

需要に応じて増結ができるよう、9連の基本編成と2連の付属編成が用意されている。昨今の非貫通前面の車両ばかりな傾向の中、連結時の通り抜けを可能にするため貫通型の先頭車も用意され一部に組み込まれた(上イラスト)。ブラックフェイスに幌枠を巧みに織り込み、違和感の少ない表情となっている。

車体は白く、中央にポップな色の大きな菱形が複数貼付されアクセントとなっている。それらの配色は車両ごとに違えてあり、編成を眺めると楽しい。

先述の2列車において運行され、低い重心のおかげで若干の時間短縮を実現した。またE351系のピンチヒッターとして稀に「スーパーあずさ号」の運用にも就くが、そこまでは速くはないため時刻変更を要する。

2016年以降に導入されるE353系により置き換えられる形で「あずさ・かいじ」運用から撤退し他の特急運用に就く予定と報道がされた。そして2019年3月のダイヤ改正で定期の「あずさ・かいじ」運用から離脱し、基本編成は「踊り子」への転用を前提とした改造が始まっている。改造後は2000番台となり外観の変更やグリーン車の半室→全室化といった大掛かりな改造がなされている模様。2連の付属編成は改造されることなく廃車された。

2000番台化されなかった3編成は2021年以降に5000番台へと改造。大宮総合車両センター常駐となり、臨時の「あずさ・かいじ」「新宿さざなみ」など、多方面の波動輸送に就いている。

房総特急

東京から内房線を経由し館山を結ぶ「さざなみ号」、外房線を経由し安房鴨川を結ぶ「わかしお号」、銚子ほかを結ぶ「しおさい号」・「あやめ号」向けの車両。番台区分は500番台である。所属は幕張車両センター。

こちらも同じく183系の置き換えを目的として2004年に登場。先に登場していた255系電車の投入後も残っていたグループを全て置き換えた。

編成は5連とコンパクトで、グリーン車は連結しない。また特に需要の多い列車に充当する際に、2編成を連結した10連での運行も可能としている点が特徴である。そのため全ての先頭車が貫通型となっている。

車体の配色は255系と同様に白・黄・青を採用するが、青色の配置などに非連続性を取り込み印象を違えてある。前面はパーツの配置を工夫し、中央部の銀色を黄色い額縁で囲む未来的なイメージとした。それにあわせて幌枠も灰色のものを取り付けている。

先述の列車には同車の他に255系も使用されるが、編成両数が違うため事前の区別が可能。5両編成または10両編成の列車がE257系、9両編成の列車が255系である。

2019年に入って余剰編成の一部に「BOSO EXPRESS」のロゴの上に「SERIES E257」と書かれたステッカーを貼った編成が登場している。これらの編成は豊田車両センター常駐となり臨時の「富士回遊」など主に河口湖方面の波動輸送に就いている。

500番台の余剰編成も「踊り子」への転用を前提とした2500番台と波動用（→高崎線特急）の5500番台への改造が行われた。

伊豆方面特急

東京から伊豆急下田、または修善寺を結ぶ「踊り子号」向けの車両。番台区分は先述の0番台を改造した2000番台、500番台を改造した2500番台である。所属は大宮総合車両センター。

これまで「踊り子号」として使用されてきた185系の置き換えを目的として0番台13本を2000番台に、500番台4本を2500番台に改造する予定で、2019年に2000番台、2020年に2500番台が登場。2019年は主に試運転を行い、2020年3月のダイヤ改正から「踊り子」として運行を開始し、2500番台も2021年3月13日のダイヤ改正で伊豆箱根鉄道駿豆線等で営業運転を開始した。

2000番台、2500番台の主な改造点として

• グリーン車の半室→全室化
• 塗装を白、黒、青（ペニンシュラブルー）を基調としたものに変更
• 前照灯、尾灯のLED化
• 貫通面への幌枠の設置（2500番台は撤去）
• 座席の交換

などが挙げられる。

関連動画

0番台

500番台

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2000番台

関連商品

関連項目

• 鉄道
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• あずさ（特急）
• わかしお(特急)
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