EUROGROOVE(ユーログルーヴ)とは、小室哲哉が1994年に自身の非日本語ダンスミュージックを海外進出させるために立ち上げた音楽プロジェクト、ユニット名、および音楽ジャンルのことである。
「TKブーム」と言われる社会現象で氏がミリオンヒット曲を連発する中においては影に埋もれがちな楽曲達であるが、ダンスミュージックとしてよく練られており、現在でもそれほど古さを感じないクオリティがある。また、現在のEDM路線につながるダンスミュージックの研究を20年も前にやっていたという点でも再注目されるべきプロジェクトである。
EUROGROOVEプロジェクトは、小室哲哉が1993年にtrf(TK Rave Factory)を企画し「EZ DO DANCE」が大注目され、翌1994年に篠原涼子 with t. komuroとして「恋しさと せつなさと 心強さと」が初のシングル売上200万枚突破し空前の「TKブーム」が始まった、まさにそんな時期に立ち上がった。
当初は小室哲哉とDJ KOOが中心となり、そこに楽曲ごとに固定しないボーカリストを招聘してクラブ向けのダンスミュージックを作るという企画であり、そのルーツはおそらくtrfの「ONE MORE NIGHT」と思われる。
1993年7月にリリースされたアルバム「EZ DO DANCE」の5トラック目にtrfのボーカル YU-KI(ユーキ)が歌う日本語バージョンとともに、8トラック目に「ONE MORE NIGHT (UK DANCE VERSION)」という英語版の曲が収録されているのだが、これが出色の出来で、日本語版の歌い出しが「YOU GIMME LOVE YOU GIMME JOY」を1拍目からキッチリ歌うのに対し、英語版は「YOU」を前の小節から弱起で歌いだすことで絶妙のグルーヴ感を生み出すことに成功したのである。日本語で「あなた」となるところを英語なら「YOU」とスピード感をもたせることができ、しかもボーカルラインの自由度がこの例のように飛躍的に高まるのである。
小室哲哉は音楽プロデュースする際に作曲と同時に作詞もこなすが、日本語の歌詞では当時のカラオケブームも考慮した歌詞やボーカルラインを考えなければならず、trfよりもっと突き詰めた本格的なダンスミュージックを英語ベースで作り海外で勝負してみたいという欲求からEUROGROOVEプロジェクトは立ち上がったと推察される。
(また、この「ONE MORE NIGHT」はTM NETWORKの「NERVOUS」という曲と似たフレーズを用いているが、過去の自身の曲をダンスミュージックとしてリプロダクトしたいという欲求もあったかもしれない。)
EUROGROOVEは、当初はユーロビート・ハウスミュージック・レイヴミュージックに和楽器で和のテイストを加味したダンスミュージックを志向するというものであったが、海外進出した際に「SCAN ME」が「It's on you」として現地向けに作り直される過程で和のテイストがどこかに吹き飛んでしまうと、EUROGROOVEの定義も一緒に吹き飛んでしまい、「小室哲哉の海外進出ブランド」という最大公約数に落ち着いてしまった印象がある。なお、最終的にリリースされた楽曲「Let's Go」はユーロどころかジャングル全開になっている。
EUROGROOVEとしては、シングル版、マルチシングル版、海外版(2 COMPACT DISC PACK-IN THE GROOVE / UNITED NATIONS OF REMIXING)などをリリースしているが、ここでは日本版のアルバムのみに絞って記述する。
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最終更新:2024/04/24(水) 06:00
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