Getting Over It with Bennett Foddyとは、
ハンマーだけで移動して
文章にすると意味不明だが、本当にそういうゲームなので仕方ない。
タイトルは直訳すると「ベネット・フォディと乗り越えよう」。なおベネット・フォディとは本作品の作者である。
日本での通称は「壺おじさん」「壺オッサン」「壺おじ」「壺」。
文章で説明すると意味不明になってしまうので、まずはトレーラーかプレイ動画を見て欲しい。
※このゲームは内容を知っているかどうかで味わえる苦しみ楽しみが変わってくるため、もしまっさらな気持ちでプレイをしたいのであれば何も読まず、動画も開かずに完全初見プレイしてみることをオススメします。また動画を見ていてプレイしてみたいと思えば一旦動画を閉じてプレイしてから再視聴してもいいでしょう。
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壺にはまったおじさんをハンマー1本で山登りさせるゲームである。
無論山頂を目指すため急な坂や崖、アスレチック(?)などが立ちはだかる。
登ろうとして失敗して、落下し、またスタート地点に戻される。この時普通のゲームならばセーブ機能で失敗したところからやり直せるのだが、このゲームでは
その為セーブ&ロードが出来ず、またランダム要素も一切ない。
ゲーム画面は常に、100%、あなたのプレイングの結果だということと、自ら向き合う必要がある。
苦行ゲーと言われる所以である。
頂上に到達した者を待つのは...?
作者ベネット・フォディ氏はあのランナーをガクガクしながら走らせる『QWOP』と同じ人物。
慣れるまで一歩目を踏み出すことすらままならない特殊な操作性と、達人の鮮やかなプレイは本作との共通性を感じるだろう。
作者がなぜこんなゲームを作ったのかはPVやこのゲームを進めることで聞けるナレーションなどで少し語られている。
ちなみに男が入っているのは公式日本語訳だと「大釜」と書かれているが、英語の原文だと「pot(ポット、壺)」という表記。
「やり直すことは、やり始めるより辛い。
もしその心の準備が整っていなければ…既に嫌なことがあった日だとかなら
この先にあるものはあまりにも辛いかもしれない。
それなら気軽に離れて、また戻ってきてください。
私はここで待っていますから。」
基本的なことは概要に書かれている通り。冒頭にも書いているがこのゲームは「特定の人を傷つけるために」生まれたゲームであり、非常に難しく、とても辛く酷く苦しい体験を提供するゲームである。個人差はあるが少なからず辛い思いをする。
このゲームは普通のアクションゲームとは違い死亡・残機という概念が無く、常時オートセーブ機能である関係上失敗する直前から途中スタートすることはできないため、普通のアクションゲームのように一つの区間を何十回やってただ1回~数回成功すればいいというものではなく、失敗して落ちたら落ちた後の場所から登り直さなければならない。そのため操作に慣れて登り方も覚えるまでそれこそ数えきれないほど落ちて登ってを繰り返すことになる。
ゲームシステムはとてもシンプルだが操作性が非常に特殊で、操作を覚えること自体が攻略の第一歩であり最大のカギとなる。攻略法を探りながら操作に慣れるまでがいわばチュートリアル、操作と攻略法を一通り覚えた後はもはや違うゲームと化す。
このゲームは「ただクリアしたいと思う人ほど苦しむゲーム」である。早く先に進みたいという気持ちが強ければ強いほど落ちた時の精神的ダメージは大きくなり、冷静さを失い焦燥して操作が乱れまた安易に落ちてしまうという悪循環を起こし、絶対クリアしてみせるという野心的なプレイヤーの心を完膚なきまでに叩きのめす。
一見アクションゲームのように見えるが実態はパズルゲームに近く、ステージの各所にはいくつかの解き方が存在し、一つ一つ解答を見つけそれを実践していくというものである。よく考えなくとも登れるようで「考えずに登れば簡単に滑落する上に同じところまで登ることすら安定しない」という作りになっており、アクションゲームのような感覚で勢いだけで登ろうとするプレイヤーの心を容赦なくへし折る。
運要素も無いため、「ツイてなかった」という言い訳すらできない。
一応プレイを続ければ次第に操作を覚えていきアクションゲームのようなプレイでもある程度まで登っていけるのだが、それでも深く考えずにプレイしていると中々気づけない要素も多く不十分な操作に不完全な攻略法で数え入れないほど落ちていき、延々と苦しみ続ける。中途半端に登れてしまうせいで中々諦めもつかない。
とにかく登って落ちてを繰り返していくことになるため「まるで賽の河原だ」とさえ言われる。
人によっては「鬼のせいにできる分、賽の河原の方がまだマシ」だとか。
さっさとクリアしたいと思えば思うほど苦しむため、疲れた時は気軽に中断したほうが精神衛生上良いだろう。
…ちなみにそうした理由から中断の難しい環境、たとえば配信や録画をしながらプレイすることはかなり過酷な条件でプレイしているとも言える。クリアだけを目指すならのんびりゆっくり進めよう。
このゲームの本質、攻略法はただ登っていくことではなく「登り方を覚えていくこと」にある。操作自体は非常に製作者の正気を疑うレベルで特殊だが、ステージ構成そのものはそれほど理不尽な難易度というほどではなく、むしろ良く考えて巧妙に作られている印象さえある。考えずに勢いに任せて登ろうとすれば簡単に滑落するが、考えて丁寧に操作できればかなり安定して登っていくことができるという絶妙なバランスになっている。もちろん慣れて慢心してるとうっかり操作ミスして滑落するようになっている。
心に余裕をもって目の前の崖のことと必要な操作を冷静に考えて丁寧に登ることができれば着実に進むことができ、しっかり計算して登ることができていれば例え落ちてしまったとしても登り直すことが苦になりにくい。
プレイを続けていくにつれ操作にも慣れていき登り方を一つ一つ覚えていくと、落ちてから再び登るのにかかる時間がどんどんと短くなっていく。そうしてプレイヤーは自分自身が成長していくことを感じ取り、奇妙な充実感、微妙な達成感を覚えるのである。このゲームで積み上げていくのは簡単に失ってしまうオッサンの登った高さではなく、プレイヤー自身の経験と知識なのだと。
登り方を覚えてしまえば順調に登っていけるため最初の登頂まで十数時間~二十時間以上かかっていたとしても二回目の登頂は1時間~数時間で済むことも多く、また繰り返し練習していけばいくほど登頂にかかる時間は短縮されていき(Steam版実績の)50回も登頂する頃には「一時間に何周」という速さで登れることだろう。そうして短くなっていくタイムに自身が成長していく感覚、充実感をさらに感じるのだ。
それくらいやり込んだプレイヤーから「いわゆるクソゲーとは違うものだ」といった感想が出てくる。狂ってしまったのかと思われてもしかたないが、ただ理不尽に難しく作られているわけではないと気づくにはそのくらいやり込む必要があるのだ。ただ、その段階ではもはや「俺のやってるGetting Over Itと違うゲームだ」と言われるような状態だが…。
ただパズルのように解き方を覚えていくゲームではあるが独特で異様な操作性によって、たとえ答えを知っていたとしても決して簡単ではなく落ちる危険を背負い、登るプレイヤー全員が手に汗握り緊張と興奮を味わうことのできるゲームでもある。
しかしながら合わない人にはとことん合わないゲームでもある。ただ数多のゲームをプレイしてきたゲーマーが挫折しているかと思えば「アクションゲームが苦手」という人が何度もクリアしていたりするため、合うかどうかは実際にやってみないと分からない。
もし余裕があるのならば実際にプレイしてみるといい。…Steamで820円(iOS版は600円)とこの手のゲームとして微妙に高く地味に手が出しにくいが…。
解説動画もいくつも上がっているため、どうしてもダメだと思った時は先人の知恵を借りると良い。
>ニコニコ動画キーワード検索「Getting_Over_It+解説」
登頂するとスタートからクリアまでにかかった時間が表示されるため、それを競うタイムアタックが世界的に競われている。現在の記録については関連リンクから参照、上位の記録動画は必見。
他人と競うのに限らず実績全解除のクリア50回を超えた後は(他の目標がほぼ無いため)自己最速の記録を目指すということが主な楽しみ方になる。
このゲームには世界観を説明するようなストーリーは一切無いが、ゲームを進めていくと作者本人のナレーションでこのゲームが作られた背景などについて話をしてくる。かろうじてそれがストーリーだと言えなくもない。
また大きく落下をしたりすると失敗したプレイヤーに対してナレーションが格言を言ったり音楽を流してくれる他、落ちたり登れなくて同じ場所を何度もプレイし続けていても話しかけてくる。
…のだが、ほとんどのプレイヤーはこのゲームの不親切さや難しさで精神的な余裕が無くなって、ナレーションや音楽が酷く煽ってきているように聞こえてしまい、さらに心を乱し精神力を削られていくという負のスパイラルに苛まれることになる。(作者もうるさい自覚があり、何度も聞いているとオフにする方法を教えてくれる。)
ただ煽ってきてうるさいからとナレーションをオフにしているとゲーム進行度によるナレーションも聞けなくなる。このゲームの核心についても話しているため初回プレイではオフにせず良く聞きながらプレイすることをオススメする。
そもそも作者は最序盤のナレーションで辛かったり疲れたりしたら自由に中断して離れたり休んだりすることを勧めている(公式日本語訳字幕は少々おかしいが)し、落下時のナレーションが煽ってきているように聞こえると言ってもただの暴言といったものはない。
心に余裕が無いと酷い煽りに聞こえてしまうわけだが、心に余裕をもってプレイできればそれほど酷く不快にはならない。それどころか好意的に受け止めることのできる人もいるらしい。聖人か?
ナレーションへ強い苛立ちを覚えるほど余裕が無い時はまともに攻略できないため一旦中断して休むべきだ。
全ての元凶。Sexy Hikingとはナレーションなどで言及されるGetting Over Itのオマージュ元であるJazzuoという謎の人物が制作したフリーゲームのことである。2002年に発表されたものだが今でも探せばプレイできるが、正直おススメできない。
このSexy HikingがあったからこそGetting Over Itは生まれてしまったのである。
ただハンマーを振り回して障害物を越えて登っていくという点はGOIと同じだが、(古いゲームであることもあって)動きが非常にチープで、操作性が非常に特殊なだけでなく接触判定や動き方がさらに奇妙で分かりづらく、ハンマーも瞬時には動かない。GOIもGOIで分かりづらいがまだGOIの方がまだ動きも分かりやすく素直なのではないかとさえ思えてくる。
またステージの構成も非常に苛烈で、GOIでは勢いの要素が非常に強くハンマーを適当に動かしていても多少登れることもあるが、Sexy Hikingにおいて運良く進めることはほぼ一切無い。動かし方登り方をよく考え、それを実践できなければいけないため非常に難しい。Sexy Hikingは最初から登ることが難しい代わりにステージはやや短くまとまっており、4ステージ制で落ちても戻されるのはステージの最初までとその点は有情。GOIは長めのステージで下手なプレイヤーをむしろ途中まで登らせてから不意に突き落としてくるため一回の精神ダメージに優れた心折設計となっている。GOIはSexy Hikingの辛い要素をうまく昇華して作られているとも言えるだろう。
諸々と違う点も多く、Sexy HikingとGOIとは似ているようで実際にプレイしてゲームから受ける印象はかなり異なるだろう。ただしっかりと腰を据えて集中して冷静にプレイしなければクリアが限りなく遠いという所は同じだ。Sexy Hikingはフリーゲームなので興味があったら気軽にプレイしてみると良いとは言い難い。
…どっちの方が難しいかって? やってみれば分かるんじゃないかな…
Steam版のクリア実績の取得率はSteam版公開から約二ヶ月たった2018年2月初旬時点で4.3%(4月中旬で4.5%)とかなり低く、実際非常にクリアの難しいゲームと評されながら全体のレビューによる評価は「非常に好評」となっていた時期もあった。(現在19年6月時点で評価は「ほぼ好評」、クリアは5.0%)
実際にプレイすると自然に力が入り、緊張から汗が流れ、鼓動が高鳴っていき、思わず声が出る。ゲームシステムはシンプルでストーリーもほとんど無いのだが、プレイすることで分かるプレイしなければ分からない体験によってプレイヤーの心をとても揺さぶるゲームとなっており、多くの人の心をつかんだゲームとも言えるだろう。あるいは多くの人の心を砕いたゲームとも言える。
また見る分にはとてもシンプルで分かりやすく、プレイヤーが思わずリアクションしてしまうようなゲームで、世界中の様々な人によって(プレイヤーの怨嗟の声なども含めた)プレイ風景の配信などがよく行われている。そして視聴者がそのリアクションを愉しむためのゲームである。検索するとゲーム配信時の失敗した時のリアクションの録画をした動画がよく見つかり人気のほどがうかがえる。
特にゲームの画面やシステムが非常にシンプルで一見簡単そうにも見えてしまい「自分にならできるのでは?」と勘違いした人がプレイを始めるケースも後を絶たないが、実際は全体で20人に1人ほどしかクリアしていないようである。プレイ動画を投稿してる人も必ずしもクリアまで到達できているわけではなく、諦めてもはやなかったことにしているパターンもよくあるようだ。
そうしたプレイやクリアの難しさから「クソゲー」「人にはオススメできない」「嫌がらせに送りつけるためのゲーム」「罰ゲーム用」「拷問」など散々な言われ方もされるものの、Steamのレビュー評価はなぜか好評が多い。(元々そういうゲームだと公言しているので説明通りなのも低評価にされにくい理由かもしれないが…)
ただ難しさの原因のほとんどは非常に劣悪特殊な操作性にあり、思い通りに操作できないことによるものである。そしてやり込んでその操作性に慣れてしまったプレイヤーからは「一概にはクソゲーとも言い難い」「いわゆるクソゲーとは異なるもの」と評されることもあり、やり込んだプレイヤー曰くこのゲームは"考えずに作られた典型的なクソゲーとは異なり、とても計算して組み上げられたゲームだ"とのこと。クソゲーではないとも言い切れないが。
(19年6月時点)ちなみにSteam版の2回クリア実績の取得率は初クリア実績の半分以上(全体からクリア5%:2回3.5%)でクリアしたプレイヤーの大半が再登頂をしている上に、クリアしたプレイヤーの5人に1人(全体の1.0%)は50回以上登頂(実績「So Over It.」)しているなど、ハマる人はとことんハマるゲームだ。ハマりすぎて気づいたら壺やってて他のことが捗らないとか
Steam版とiOS版では登頂を重ねるごとに黒い壺が金色へと変色していき、およそ50回の登頂で完全な金色となる。動画などでプレイヤーが金色の壺だった場合、それが相当の猛者であると一目でわかる。金壺などとも呼ばれる。
(なおそれより先に配布されていたバージョンのものでは金色にならない模様。かなりやり込んでいても真っ黒な釜のまま。)
※このゲームは動画を見てしまうと初プレイでも感じる印象が一部変わります。特に解説動画はもちろん完走動画でも各所のネタバレを見てしまうことになるため、まっさらな気持ちでプレイしたい方は動画を見る前にプレイすることをオススメします。ネタバレを気にしない方はご自由に。
ただ各所のネタバレを見てもこのゲームはとても歯ごたえのあるゲームですので、もし動画を見てプレイしたくなったらどうぞ自己責任で。見ている途中でやってみたいと思ったなら視聴を中断して先にやってみるという選択肢もある。
以下、主な動画をいくつかあげているがこれらの他にも見応えのある動画はあるのでぜひ探して見てほしい。(特徴的なリアクションの動画は一部分だけを単発でまとめてある事が多い)
>ニコニコ動画キーワード検索「Getting_Over_It」
(断念) |
(←の元ネタ) |
ちなみに現在の世界記録は1分台で争う世界。しかし5分以内にするだけでも相当の熟練が必要でありこれらのタイムアタック記録は十分ヤバイ。
ニコニコ静画などではゲーム内のおっさんのイラストだけでなく、他のキャラクターやVTuberなどが大釜(壺)に入っているイラストなども投稿されている。なおニコニコ静画などのタグでは文字数制限の関係で略称の「Getting_Over_It」が使われている。
掲示板
340 ななしのよっしん
2023/10/08(日) 10:37:54 ID: kHqk7GoSwd
類似ゲーの中で1番酷い出来
先行者利益の大きさを実感できる
341 ななしのよっしん
2023/11/26(日) 20:33:06 ID: 5FMNMic1iq
壺ライクゲーやってみると、いかにこのゲームがユーザーのことを考えて作られているか分かるよ
有名どころだとキチガイ難易度のポゴスタックとか
342 ななしのよっしん
2024/03/12(火) 07:24:09 ID: DUE7/IWMx1
A Difficult Game About Climbingっていう壺から出たおじさんが壁をつたって登山するゲームが最近出たな
急上昇ワード改
最終更新:2024/03/19(火) 22:00
最終更新:2024/03/19(火) 22:00
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