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H-IIB

H-IIBとは、JAXA三菱重工H-IIAベースに共同で開発した日本の新液体燃料ロケットである。2009年9月11日に試験機の打ち上げに成功した。

正しい表記はH-ⅡBであるが、H-IIB、H2B、H-2Bといった表記がいくつかある。
「H-IIB OR H2B OR H-ⅡB OR H-2B」でタグ検索exit_nicovideo

概要

国際宇宙ステーション(ISS)に物資を補給する日本独自開発輸送機HTV(H-II Transfer Vehicle)の打ち上げのために開発された。

当初の計画ではHTVの打ち上げにはH-IIAに、その第1段ロケットと同サイズの機体にLE-7Aエンジンを2基登載した液体燃料ロケットブースターを一機装着するH-IIA増強が予定されていた。しかし、ただでさえ高価でデリケートなLE-7Aを3基も使う事によるコスト高やシステム全体の信頼性の低下、そしてロケット全体が非対称形になる事によるバランスの悪さなどが問題となったため計画は見直され、H-IIAベースにしながらもの向上したロケット事実上新規開発する事となった。これがH-IIBである。

打ち上げ時の射点としては、種子島宇宙センターの吉信第2射点(LP2)が使用されている。

2020年5月F9打ち上げを以て、全9機の打ち上げ成功という快挙を達成して退役した。

機体構成

全長56m、打ち上げ時総重量551トンHTV打ち上げ時)。そこ! あと1m長く1トン少なければ大地を揺るがして巨体がうなるぞ飛ぶぞになるのになどと言わない!

第1段は新規に開発されるもので大きさはH-IIAより直径で1.2m太い5.2m。全長は1m長い38.2m。推進剤の量はほぼ倍。これにLE-7Aエンジンを2基登載するクラスター形式となり、さらにH-IIAと同形であるIHIエアロスペース製のSRB-A(固体ロケットブースター)が4本装着される。第2段はH-IIAと同じLE-5B-2エンジンを使用する。

衛星フェアリングはHTV打ち上げ時は専用の5S-Hを用いるが、基本的にH-IIAと同じものが使え、衛星2機同時打ち上げにも対応する。衛星インターフェイスH-IIAと互換性がある。こちらの製造は川崎重工

打ち上げ能力

打ち上げ実績

機体番号 打ち上げ日時 搭載衛星
試験機(TF1)
2009/9/11 02:01:46
2号機(F2) 
2011/1/22 14:37:57
3号機(F3) 
2012/7/21 11:06:18
4号機(F4) 
2013/8/4 04:48:46
※打ち上げ業務三菱へ移管
5号機(F5) 
2015/8/19 20:50:49
6号機(F6) 
2016/12/9 22:26:47
7号機(F7) 
2018/9/23 02:52:27
8号機(F8) 
2019/9/25 01:05:05
9号機(F9) 
2020/5/21 02:31:00

コストその他

打ち上げ業務移管

2012年9月26日JAXAはH-IIBロケットの打ち上げ事業を民営化し三菱重工業に移管したことを発表した。
今後は三菱重工衛星の軌投入までを一貫して担当する。

関連動画

試験機 (打ち上げ日時:2009年9月11日2時1分46秒)

2号機 (打ち上げ日時:2011年1月22日14時37分57秒)

 

3号機 (打ち上げ日時:2012年7月21日11時06分18秒)

4号機 (打ち上げ日時:2013年8月4日4時48分46秒)

 

5号機 (打ち上げ日時:2015年8月19日20時50分49秒)

 

6号機 (打ち上げ日時:2016年12月9日22時26分47秒)

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最終更新:2024/03/29(金) 17:00

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