イギリス国内の鉄道の高速化、近代化の為、APT計画とほぼ同時期に計画されたのがHSTである。
新技術で全く新しい車両を作ろうとしたAPTに対し、こちらは既存の技術を組み合わせて安定、かつコストパフォーマンスの面でも優れた車両として作られた。列車はMk-Ⅲ型客車6~9両(民営化された現在はそれぞれの運行会社が編成を所有しており、会社によって客車の両数や組み合わせが違う)をクラス43電気式ディーゼル機関車を両端に配し挟む形の、動力集中方式となっている。
最高速度は時速125マイル(200km/h)で、この数字からこの列車はInterCity125と呼ばれている。気動車である為、地方の非電化区間でも運行できる事から、イギリス国内の様々な路線で現在も運行されている。目立ったトラブルも無く、気動車の為、電化等にお金をかけずに列車の速度向上が可能な事から、オーストラリアにも輸出されている(オーストラリアではXPTという兄弟列車が活躍している)。
上記の通り、非電化区間でも走行可能な為、イギリス国内で現在でも活躍しているが、老朽化が進んできているため、近年では新型車への更新が検討されている一方、リニューアル・延命工事を施した車両も存在する事から、もう暫く使うようである。また、開発当時に製造された試作編成先頭の機関車が、イギリス国立鉄道博物館(本館・ヨーク)に静態保存されてたが、近年動態保存機として復活している。このほか、Barrow Hillで試作編成の中間客車1両が保存されている。
HSTに使用される機関車は、編成の両端に1両ずつ付いている。APTのような新技術はあまり無く、ごく一般的な電気式ディーゼル機関車である。
ディーゼル機関車としては世界最高速の時速148マイル(238km/h)を記録している。
機関出力は2,240hp(後期に作られた車両は2,400hp)、駆動方式はカルダン駆動と、至って普通である。その一方で高い出力を出す為か騒音が激しく、排気もすさまじい事で有名である(但し、エンジン換装が済んでいる車両はそれほどでもない)。但し、中間の客車の車内は客車らしく静かである。
映像作品「きかんしゃトーマス」の原作「汽車のえほん」ではHSTをモデルとしたの「ピップとエマ(Pip&Emma)」というキャラクターが登場している。
TVシリーズでは未登場。31巻「Gordon the High-Speed Engine」にて初登場した。
ディーゼル機関車で200km/hで走行するという英国面全開の鉄道であるが、アナログな構造で堅牢かつ線路があればどこでも走れるとあまりにも使い勝手がよすぎたため、HSTを完全代替する後継車計画が死屍累々であった。しかたなく古い車両を大切に末永く使いましょう計画で改修を繰り返して製造後40年間使い倒してきたが一線で走り続けるにはさすがに厳しい環境となってきた。
近年の環境対策やバリアフリー対応も法的に義務化されたという事情もあり本腰を入れて後継車両を導入する必要性も生じた。しかしイギリス国鉄の分割民営化後、小規模になった鉄道会社にHSTを代替する新型車両を購入する体力もないためイギリス運輸省の主導で一括購入する「インターシティエクスプレス」計画が発表された。そこで白羽の矢があたったのがイギリスへ初の鉄道輸出となったclass395で堅実な評価を得た日立製作所の製造する「ディーゼルでも架線電力でも走ることができる」バイモード鉄道車両class800である。
2017年から本格的に運行されたが導入当初はHSTとの使い勝手と違いや初期ロットでの故障、路線の電化計画の遅れにまきこまれるなどトラブルが発生した。しかしこれら諸問題を一つ一つ解決した結果、class800を初めて導入するグレート・ウェスタン鉄道の本線では数年でHSTからほぼ完全に代替された。この実績を持って他社の路線でもHSTの置き換えとしてclass800の導入計画が目白押しである。
今後class800への置き換えによりHST(InterCity125)は幹線から急速に消えていくが、支線へまわされたりやclass800の導入がしばらくの間かなわない小規模鉄道会社へ転属したりと、助っ人として走り続けることとなる。
変態紳士トレイン(Hentai Shinshi Train) → 変態助っ人トレイン(Hentai Suketto Train)
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最終更新:2024/04/25(木) 11:00
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