PiTaPaカードのラインナップ

PiTaPaは、他の各種IC乗車カードと比較すると、カードのラインナップが非常に多彩（かつ、ほとんどが提携カード）なため、本項で詳解する。なお、「一体型」や、いわゆる「親カード」に「ETCカード」や「iD」、「QUICPay」などのオプションサービスを付随できるカードも存在するが、それらの説明について本記事では原則として割愛させていただく。

選べる3タイプ+α

PiTaPaサービスの申し込み前に、自分の生活圏や（各カード独自の）割引サービスなど、メリット（例えば「PiTaPa交通エリアの◯◯電車／××バス沿線で暮らしていたり、用務・通学先があり、PiTaPa割引も充実」「遊びに行くのは△△地下鉄沿線」「PiTaPa交通エリアの近くには暮らしていないけど、関西圏・静岡中部・岡山方面に用事が無いわけではないし、他の交通系IC乗車カードとの相互利用もできるので、とりあえず作っておくか…」「自分が持つクレジットカードや、銀行キャッシュカードのオプションとして作れるみたい！」）など、じっくり比較検討するのがよいだろう。

一体型

クレジットカードと一体化しているタイプ。財布にたくさんカードを詰めたくない方（カードを整理したい方）におすすめ。紛失・盗難時が一番怖いのだが、その代わり、単独型と比べると補償サービスが充実している。一部の事業者では定期券サービスが搭載できない（国際ブランド一体型であると、カードフェイス表面に印字／発色することはできず、対応PiTaPaは裏面に小さく印字面が確保されるのみで、シール等での対応は交通事業者のハード的な取扱いおよび、国際的にも行ってはならないことなのである。なぜなら、ほとんどの場合クレカやSuicaなどの他交通系ICカードは「役務者から会員へ貸与」しているものだからである）ものもあるので、申込前にそれなりの研究・熟考が必要。

分離型

国際ブランド付きクレジットカード（に加え、交通事業者の独自IC乗車カード機能を持たせたものも一部ある）とPiTaPaカードが、各1枚ずつ（もしくはPiTaPaカードがオプション）発行されるタイプ。様々なサービスに対応しやすい。ただし「カードを複数枚持ち歩くのはいろいろ面倒！」という方にはお勧めできない。

単独型

PiTaPaカードのみが発行されるタイプ。ショッピングではPiTaPa加盟店でしか使用できないうえ、ポイント還元サービスも一体型・分離型よりも劣るのが難点であるが、「クレジットカードは持ちたくないけど、公共交通は後払いにして、PiTaPa交通割引サービスを受けたい」という方にお勧め。入会費や年会費がほとんどの場合無料で（上述した「PiTaPa維持管理費」を最低年1回クリアすればよい）、入会審査も比較的緩い。「PiTaPaベーシックカード」「STACIA PiTaPa NCカード」「OSAKA PiTaPa LiTE」がこれにあたる。

特殊型

上記3つのパターン＋αの特殊機能が付いたタイプ。「池田泉州銀行」の「STACIA+sa-ica（スタシアサイカ）」カードがこれに該当する。「池田泉州銀行のキャッシュカード」「PiTaPa」「JCBクレジットカード」「Sポイント(旧称STACIAポイント)カード」として四刀流の使い方が可能である。入会には必然的に池田泉州銀行の普通預金口座開設を要するが、同行の営業エリアに居住する人であれば、コストパフォーマンスは高い。また、このカードは唯一ICチップを搭載するPiTaPaカードでもある。

PiTaPaのラインナップ

交通事業者系

交通事業者が、銀行や信販会社、自社グループの商業施設などと提携して発行しているものも含め概説する。

• OSAKA PiTaPa(一体型)
  大阪市交通局（同局天下り外郭企業の「大阪メトロサービス」）が発行するPiTaPa。選べるカードブランドはVISA,Master,JCBの3種。VISAとMasterは「三井住友カード」と、JCBは「トヨタファイナンス」との提携。カードには表裏ともに定期券情報印字スペースが省略されているため、IC定期券機能を搭載することはできない（後述の「LiTE」を除く）。その代替として「マイスタイル」と呼ばれる特殊な料金制度が設定されており、定期券の代用としている（詳しくはこちら）。
  また「楽楽ポケット」と呼ばれるクーポン機能を搭載しており、最大８サービスまでポイントカードやクーポンカード、スタンプラリーカードとして利用することが可能。
  このカードをC&C Club加盟店で提示すると、会計時に20%引きの特典が受けられる（LiTE除く）。
• OSAKA PiTaPa LiTE（単独型）
  クレジット機能なし。PiTaPaショッピングは使用可能、ただしOSAKA PiTaPa提携施設・店舗での提示特典などに一部制限がある。IC定期券は搭載可能なので、「他社（局）との連絡定期券を購入（搭載）」する必要のある人、「PiTaPa割引は受けたいけど、クレジットカードはいらない」という人、などが選択肢となる。
• 京都ぷらすOSAKA PiTaPa（一体型）
  「大阪メトロサービス」が、京都市交通局から発行事務を委託しているPiTaPa。現時点では「OSAKA PiTaPa」の、いわば京都市版OEM的な存在となっている。なお、肝心の京都市営バスでは2013年現在利用できず、京都市営地下鉄のみのヘビーユーザーがメインターゲットと思われる。
• e-kenet PiTaPa（分離型）
  京阪電気鉄道が提供するPiTaPa。発行は「京阪カード」が「三菱UFJニコス」に委託している。京阪電車の乗車や、京阪グループ商業施設および沿線店舗などでの利用額に応じて「おけいはんポイント」や「花まるクレジットポイント」と呼ばれるポイントが貯まっていく。親カードである「e-kenet VISAカード」のブランドは言うまでもなくVISA。_{説明文脈上ご容赦およびお察しください。}このカードは、親カードから同時申し込みのオプション（子カード）扱いで発行されるPiTaPaであるが、PiTaPaの発行を受けたほうが年会費などで断然有利である。
• STACIA PiTaPa（一体型＆単独型＆特殊型）
  阪急電鉄・阪神電気鉄道・大阪モノレール・北大阪急行電鉄など「阪急阪神ホールディングス」沿線在住者や阪急百貨店・阪神百貨店の顧客、宝塚歌劇団ファン・阪神タイガースファンなどをメインターゲットとし、「阪急阪神カード」が発行するPiTaPa。
  全PiTaPaの中で派生型カードの種類が一番多く、「エメラルド（STACIAのノーマル。ただし、阪神百貨店がかつて「エメラルドカード」というハウスカードを発行していたが、現在はその名称だけを利用した全く別物のカードとなっている）」・「ペルソナ（阪急・阪神百貨店）」・阪急阪神第一ホテルグループ・「タカラヅカレビュー（宝塚歌劇 宝塚友の会）」・「阪神タイガース」・「NC（単独型）」・「sai-ca（上述の特殊型・池田泉州銀行）」などとなっている。一体型のカードでは定期券を付けることが出来るカードも最多であり、sai-ca以外のカードで定期券を搭載することが可能である。
• minapita（分離型）
  南海電気鉄道が発行し、同社線および_{別法人ながら事実上の支線である}泉北高速鉄道の沿線在住者をメインターゲットとするPiTaPa。_{重箱の隅をつつくようなつまらない話であるが}正式な名称は「南海グループカード minapita」。親カードのブランドは「minapita VISA」（三井住友カードと提携）と「minapita JCB」（アプラスが事務代行）から選択可能。南海グループの商業施設(なんばCITY・なんばパークス・なんばPier・いずみおおつCITYなど)での特典がある。家族PiTaPaカードの発行も可能。また、これら会員側へのサービスとはまったく別枠の、南海電鉄の自主的な社会貢献活動として、南海なんば駅／関西空港駅で土休日にminapita PiTaPaカード会員が乗降した回数を集計し、平成23年実績で6,126,294円を沿線等の環境保全活動機関に寄金したそうだ。優しいぞ南海、_{空港島に弄ばされながらも}くじけるな南海、ステキだ南海！…、泣ける話じゃねぇか！こういう話を聞くと、PiTaPa交通サービス社局外の相互利用で使う無駄金みたいな現金チャージも、進んで南海の機器でやりたくなる。_{おっと、熱くなっちまった…。}なお、南海グループのバス・軌道でPiTaPa交通利用を受け入れる態勢は2013年春現在、残念ながらまだ整っていないが、整備に向けての動きは報じられているようだ。過去に関西空港会社と提携して発行していた「KANKU CLUBカード」については後述。
• KIPS PiTaPa（分離型&特殊型）
  近畿日本鉄道が三菱東京UFJ銀行、沿線地方銀行である百五銀行、三重銀行・カード会社・航空会社などと提携し発行するPiTaPa。発行は「KIPS協議会」。近鉄グループでの利用で各種特典がある。派生型として、日本航空と提携している「JMB（JALマイレージバンク）KIPS」や、三菱東京UFJ銀行と提携している「ICクレジットカード KIPS　『三菱東京UFJ-VISA』」などがある。銀行口座紐付け系PiTaPaを利用するためには、必然的に各銀行に口座を開設する必要がある。近鉄沿線在住者および近鉄特急のヘビーユーザー、近鉄百貨店その他近鉄グループの顧客であればメリットがある。
• KOBE PiTaPa（一体型）
  神戸高速鉄道・神戸電鉄・北神急行電鉄・神戸市交通局・神戸新交通・山陽電気鉄道が共同運営している「KOBEカード協議会」が発行している。神戸エリア以西の社局が、事業者や所属グループの垣根を越え共同でプロジェクトを立ち上げたおかげで、カード提示による優待範囲が広いのが特徴。神戸市域～明石～姫路間を主な行動範囲にしている方にお奨め。
• LuLuCa+PiTaPaカード（分離型）
  静岡鉄道のPiTaPa。「しずてつカード事務局」が「JCB」と提携し発行している。家族カードの申し込みはできず、静鉄グループは2013年7月現在「PiTaPa定期券」を発行していない。同社沿線でPiTaPaショッピングができる店舗といえば「洋服の青山」くらいしか見当たらず、追加発行を受けてまで持つべき理由は「京阪神地区に足しげく通う用事がある」「（他社互換カードとして）TOICAは持ちたくない」程度しか、現状では残念ながらひいき目に見ても見当たらない。_{ついでに現状を述べると、静鉄グループの商業施設をはじめ沿線エリアでPiTaPa加盟店が大幅に拡充するような動きは、2013年夏現在見られない。静鉄グループでのPiTaPa交通割引も、ハウスカードであるLuLuCaと比較するとしょぼいので、沿線に散らばったPiTaPa対応コカ・コーラ自販機で地道に年会費請求回避しかない。もういっちょ言うと、2012年春をもって上記カード事務一切から「静岡銀行」が突如手を引いた（証拠）。我々には見当もつかないとってもアダルトな、オトナのフクザツなもつれた事情と思われるが、以下お察しください。}なお、静鉄ほかのPiTaPa加盟社局機器を巧みに使いこなせば、JRをはじめとする他共通利用交通社局SFオートチャージ時に（わずかながらも)「LuLuCaポイント」の足しになる。

銀行・信販系

銀行（主にPiTaPa交通利用エリアを含む地域で事業を展開）が信販会社と提携したり、信販会社自身がそれぞれスルッとKANSAI協議会と提携して発行しているものを概説する。PiTaPa交通事業者と提携しているカードは上述。すべて分離型。

• 三井住友PiTaPaカード（三井住友カード）
• MIE BANK PiTaPaカード（三重銀行）
• たんぎんPiTaPaカード（但馬銀行）
• 南都PiTaPaカード（南都カードサービス・南都銀行グループ）
• JP BANKカード PiTaPa（ゆうちょ銀行）
• KANSAI CARD PiTaPa（関西VISAカード・関西アーバン銀行グループ）
• みなとカードPiTaPa（みなとカード・みなと銀行グループ）

以上は（三井住友）VISAカードが関連して発行するカード。

• TS CUBIC PiTaPaカード（トヨタファイナンス）
• UC PiTaPaカード（クレディセゾン）

他業種提携のもの

航空・インフラ・流通系の企業が単独で、スルッとKANSAIと提携して発行するPiTaPaについて概説。

• ANA PiTaPaカード(分離型)
  全日本空輸（全日空）がカード会社と提携して発行するPiTaPa。貯蓄したマイレージをPiTaPa交通利用額と交換することが可能。「ANA VISA Suicaカード」でもPiTaPaを追加発行出来るため、ひとつの請求口座でSuicaとPiTaPaの両方を持つことが可能である。なお「ANAアメリカン・エキスプレスカード」に限り、PiTaPaの追加発行が出来ない。
• はぴe PiTaPaカード(分離型)
  関西電力が「三井住友カード」と提携して発行するPiTaPa。住宅に「オール電化」を導入して貯蓄したポイントをPiTaPa交通利用額と変換することが可能。_{逆に述べればアレなオール電化導入家庭（更に関西電力エリアの契約者）以外、入会意義はほぼ皆無希薄である。}
• AOYAMA PiTaPaカード・Papas PiTaPaカード・Mamas PiTaPaカード（一体型）
  「洋服の青山」で知られる「青山商事」のPiTaPa。発行は、同社グループの「青山キャピタル」。派生型として「ヴィッセル神戸」と提携している「VISSEL KOBE CLUB MEMBERS PiTaPaカード」もある。なお、これら「洋服の青山」系PiTaPaは、裏面に定期券情報印字スペースがないため、IC定期券機能が搭載できない。

その他

「あまり推奨はしない」「どうしてもPiTaPaを持つ必要がある」「日本人は持てない」そんな属性を持ったPiTaPaについて概説。

• PiTaPa ベーシックカード(単独型)
  いわゆる「無印」カード。不正利用に対する補償が皆無なため、お勧めできない。
• 保証金預託制PiTaPa(単独型)
  PiTaPaベーシックカードの劣化版各種PiTaPaの発行を希望するも「審査の結果によっては、入会のご希望に添いかねる場合がございますのでご了承ください」というテンプレのホンモノを発出されちゃったけど、どうしてもPiTaPaが欲しい（PiTaPa交通割引サービスを受けたい）人の最後の砦。ショッピング利用不可はおろか、IC定期券サービスすら搭載できない。また「預託金」が利用限度額の4倍、最低40,000円からとなっている。債務不履行に陥ったらボッシュート、何らかの事由で解約し満額が手元に帰ってきても当然無利子。
• LOTTE PiTaPaカード_{（一体型・韓国ウォン建て・日本国籍者は持てない）}
• _{日本で「ロッテ」といえば、「お口の恋人」な菓子を中心とした食品メーカーであるが、韓国で「ロッテ」といえば「ロッテ財閥」、コンツェルンである。そこで金融事業を手がける現地法人の「ロッテカード」が発行する、日本国籍の人々にはほぼ無関係なPiTaPaである。当然韓国籍の人にしか発行されない。もっとも、PiTaPaマークが付くからには全国相互利用のレビューとか、期限満了後のSFチャージ額返金処理とか、いろいろ聞いてみたいけど。}

存在が確認されているPiTaPa（非公開で現用中のもの）

IC乗車カードの機能を応用させた特殊なものに「Suica職務乗車証」「PASMO社員証・学生証」や、バス乗務員に貸与され、出入庫時にカードリーダにかざすことで運用管理を行うものなどがあり、それらは公開されていたり、非公開だったり。webで存在が確認できているもののみ記す。

• 立命館小学校児童証・保護者証（PiTaPa）

かつて存在したPiTaPa

• HANA PLUS PiTaPaカード（阪急電鉄／阪急カード）
• CoCoNet PiTaPaカード（阪神電気鉄道）
• 以上2つのPiTaPaカードは、上述した「STACIA PiTaPa」へ統合されている。なんでこうなったのかと端的に述べれば、阪神グループの経営について「村上ファンド」と通称されるお金持ちの人たちが、何かといじくり回した結果である。
• KANKU CLUBカード（「minapita」の派生形で一体型であった。有効期限が到来するまで使用できる。「KIXカード」と呼ばれるポイントカードにサービスを縮小した）

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なお、「PiTaPa交通ご利用エリア」のうち、岡山エリアで加盟する4社は2013年7月現在、独自のPiTaPaカード発行事務を行っていない（取扱い車両の車内や案内所などで「PiTaPa総合ガイドブック」パンフレットを配布するのみにとどまっている）。_{ちょ、「IC導入したかっただけでPiTaPaに加盟したに過ぎない」だとかゆーな。}

関連商品

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関連コミュニティ

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関連項目

• PiTaPa
• スルッとKANSAI
• 大阪市交通局
• 阪急阪神東宝グループ
• 京都市交通局
• 京阪電気鉄道
• 近畿日本鉄道
• 南海電気鉄道
• 静岡鉄道