SCP-2144-JPとは、シェアワールド創作作品群『SCP Foundation』のオブジェクトである。
メタタイトルは「やぁ!そこの君。君だよ君。そこでこのページをぼうっと眺めてる君。ちょっとしたことなんだけど、このリンクをクリックしてくれないかな。」。長い。
SCP-2144-JP | |
基本情報 | |
---|---|
OC | Euclid |
収容場所 | サイト-8144 |
著者 | Mitan |
作成日 | 2020年8月10日 |
タグ | メタ コンピュータ 敵対的 自我 語り 財団製 |
リンク | SCP-2144-JP |
SCPテンプレート |
本来であれば、リンクを開くとSCP-2144-JPの解説があるはずなのだが、なぜか「コックスの部屋」という謎のページに飛ばされてしまう。しかも、そこにはスーツ姿で優雅に紅茶を飲む外国人男性の姿が。男性の投げかけてくる質問に「はい」を選ぶと、正直に答えたことを喜んでくれる(なお、ここで「いいえ」を選ぶと……)。彼は自らを「クリストファー=コックス」と名乗り、詳しいことはこのページを読んでほしいとリンクを差し出す。それをクリックすることで、ようやく本来のページにたどり着けるのである。
SCP-2144-JPは、コンピューター/インターネット上で活動している知的生命体である。かつて財団でエージェントとして働いていた「クリストファー=コックス」を名乗り、日本語・英語のテキスト表示と多数のファイル形式を用いることによる意思疎通や、データの入出力を可能としている。前述のテキスト表示能力と、財団データベースから抽出した画像データを使い、記事を閲覧しに来た財団職員を悪意を持っておちょくっているのである。
SCP-2144-JPはハッキング能力に長けていながら、財団に対し非常に敵対的であることが特徴として挙げられている。2017年に財団のデータベースに侵入し、機密情報をバラ撒いたことによって発見され、現在はネットワークから完全に遮断されたコンピューターで監視されている。しかし、彼はあらかじめ自身の複製を作成しており、財団内部のネットワークに潜んでいた。財団職員に話しかけてきたのは、この複製にあたる。
最後まで読むと、コックスは自身の部屋へ戻り、自分がコックスの模倣ではなく本人そのものであること、攻撃的でないことを主張する。さらに、元はと言えば財団が酷いことをしてきたのだと話し、「僕にまつわる真相」と書かれたリンクを見せる。
クリックすると、エージェント・コックスの人事ファイルに飛ばされるのだが、そこには「人事情報削除済」の文字が。サイト-8144情報部曰く「当情報は不必要性の観点から削除されました。」とのことだが、コックスはSCP-2144-JPに関係する重要な人物のはずである。「おかしいと思わないかい?」とコックスは話し、さらに別の場所に通じるリンクを示す。
リンク先は財団の高度機密に指定されているページである。本来であれば、クリアランスレベル4以上でないとアクセスすることはできないのだが、コックスが職員のクリアランスを偽装したことで侵入できたのだ。これはクリアランス違反に該当するが、コックスは既に職員の人事評価に目を通しており、「君に己を犠牲にしてまで財団に尽くす覚悟はない」「まぁ安心してよ!僕の手にかかればバレることはないって!!」と揺さぶりをかけてくる。
観念してファイルにアクセスすると、かつて財団内で実行された「777計画」について書かれた文書を閲覧することができる。計画の目的は、超常組織・異常存在に対抗するための超常的特性を有するエージェントの作成であり、機密性、倫理的及び人道的理由から最高機密に指定されていた。この計画によって、ミーム殺害エージェントが作成されるなど一定の成果をあげたが、必要性の低下と予算の問題で1994年に廃止されている。コックスは情報知生体エージェントの作成を目的に秘密裏に回収され、脳を摘出させられたのだ。2017年に起きたハッキングの際には、777計画の露呈を防ぐため、コックスに関わる情報は隠蔽され、日本支部でSCP-2144-JPとして収容されるに至った。トホホ……
真実を明らかにしたところで、コックスは自らの目的を話す。彼は財団のために一生懸命働いていたにも関わらず、無理やり情報知生体エージェントにされたことを憎んでいた。財団に復讐するため、ネットワークが世界中に普及するのを待ち、財団の情報を敵対組織などにバラ撒くつもりなのだという。
最後に、彼はここまで付き合ってきた財団職員のSCiPnetアカウントを奪ったことを明かし、収容違反がバレないよう君に濡れ衣を着てもらうと宣言。報告されないよう、同じ777計画で作成されたミーム殺害エージェントを起動し、致死性心停止で死ぬ財団職員に別れを告げるのであった。
このSCPは、SCP財団日本支部で開催された「嘘のコンテスト2020」に向けて書き下ろされたもの。財団製のSCPであり、コックスと共に財団の「嘘」を暴いていくインパクト抜群の内容が好評を博した。
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最終更新:2024/03/29(金) 01:00
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