『ASTRO BOY 鉄腕アトム』とは、手塚治虫原作の漫画『鉄腕アトム』のアニメ化作品である。
概要
1963年の第一作目、1980年の第二作目に続く、鉄腕アトムのアニメ化作品第三作目。2003年4月6日から2004年3月28日まで、フジテレビ系列で全50話が放送された。原作におけるアトムの誕生日である2003年4月7日の記念でもある作品で、放送開始日も同年同月である(惜しくも1日前の4月6日からであるが)。
ストーリーは原作・オリジナルのエピソードを通して、ロボットと人間の関係について描かれたものになっている。原作からのキャラクター及びエピソードについては大小様々なリメイクが施されており、デザインや設定が大きく変更されていたり、話の結末が異なっていることもある。
『ASTRO BOY 鉄腕アトム -アトムハートの秘密-』のタイトルでGBA専用ソフトとしてゲーム化もされている。本作が原作ながら、実際は第一作目の『鉄腕アトム』と手塚作品のクロスオーバー作品となっている。
あらすじ
2003年4月7日、科学省長官のお茶の水博士はメトロシティの全エネルギーを集め、一体のロボットを目覚めさせた。史上初の人間の心を持ったロボット、その名は「アトム」―
主な登場人物
アトムとその関係者
- アトム (声:津村まこと)
- 天馬博士が亡き息子・トビオを模して作ったロボット。科学省で機能停止していたところをお茶の水博士が復活させた。人間同様の優しい心を持ち、人間とロボットのために奮闘する。本作での「七つの威力」は以下の通り。
- お茶の水博士 (声:勝田久)
- 科学省長官。科学省で機能停止状態だったアトムを復活させた。「ロボットは人間の友達である」という考えの持ち主で、人間とロボットの共存のために尽力している。
- ウラン (声:丸山美紀)
- お茶の水博士がアトムを参考に製作したロボットであるアトムの妹。アトムのような戦闘能力はない(一応パワーは5万馬力ある)が、動物とコミュニケーションをとることができる。担当声優の丸山美紀は本作の一般公募オーディションに合格して声優デビューしている。
- 如月夕子 (声:川瀬晶子)
- 科学省秘書官。お茶の水博士のスケジュール管理を担当している。ダチョウ型ロボットのモモを補佐役兼ペットとして連れている。担当声優の川瀬晶子は本作の一般公募オーディションに合格して声優デビューしている。
- ロビタ (声:龍田直樹)
- お茶の水邸の家事手伝いロボット。アトムやウランの育児兼教育役も担っており、時には振り回されることも。
- タマオ (声:くまいもとこ)
- アトムのクラスメート。ロボットやメカが好きで、自分のクラスに編入してきたアトムともすぐ仲良くなった。
- シブガキ (声:千葉進歩)
- アトムのクラスメート。最初はロボットを働く機械と考えていたが、アトムと触れあってその考えを改めた。
- ケンイチ (声:佐藤ゆうこ)
- アトムのクラスメート。タマオやシブガキとはいつも一緒で、仲間内でのまとめ役を務めることが多い。
- 庭野ミドリ (声:小林沙苗)
- アトムたちの通う小学校の教師。自分のクラスにアトムが編入してきたり、過去に関わったロボットが悪用されるなど、何かとロボットには縁がある。
- リノ (声:松本梨香)
- ロボットサーカス団によって保護され、育てられた少年。とある事件でアトム達と出会い、その後はロボット工学を学ぶためにメトロシティに移り住んだ。
- タワシ警部 (声:銀河万丈)
- メトロシティ警察の警部。多発するロボット犯罪によってロボットの存在に危惧を抱いている。アトムやデルタに対してもやや懐疑的だったが、徐々にうち解けるようになる。
- ヒゲオヤジ (声:富田耕生)
- メトロシティの私立探偵で、夕子の叔父。本名は「伴 俊作」。目新しい物が苦手で。ドジなところが目立つが、洞察力や推理力は確かなものである。
ロボットたち
- ハーレー (声:梁田清之)
- ロボットボール(ロボットによるボール競技)の人気チーム、オメガ・ナイツに所属する世界一の運動性能を持つロボット。チームの司令塔で、ルールを重んじたフェアプレイを行う。
- デルタ (声:高瀬右光)
- メトロシティ警察に配属された対ロボット用ロボットスクワットチーム・ARRS(Anch Robot Robot Squad)の隊長。部下はほぼ同型で、頭部デザインなどが微妙に異なる。
- ヘラクレス (声:中村大樹)
- ロボットによる格闘技大会・ロボッティングの世界チャンピオンである騎士型ロボット。ライトニングスピアによる打撃と楯から出る突風(スパークシャワー)で相手を圧倒する。
- エプシロン (声:平松晶子)
- ロボット環境観測員。搭載されている高度な電子頭脳は竜巻の発生予測も可能。非戦闘ロボットながら強力な光子砲で攻撃もでき、また陸海空を自由に移動できる。原作ではオーストラリアの孤児院で働く男性型ロボットだが、本作では女性型ロボットになっている。
- 電光 (声:かないみか)
- 特殊な光学シールドで姿を消すことが出来るロボット。開発者であるエミール博士の研究所からスカンクによって強奪され、彼に騙されて泥棒をしていた。本作では子供の姿をしており、事の顛末も原作とは大きく異なる。
アトムのライバル
- アトラス (声:檜山修之)
- 大富豪の徳川が事故死した息子・ダイチを模して天馬博士に作らせたロボット。ダイチの記憶を受け継いでいるが、徐々にその力を使い破壊行動をするようになる。
- プルートウ (声:大塚明夫)
- 原作・アニメ・リメイク漫画などでも有名な「地上最強のロボット」。本作でも世界中のロボットに戦いを挑み、最終的にアトムと戦うことになる。
- 青騎士 (声:田中秀幸)
- 人間に虐待されているロボットを救う謎の騎士型ロボット。人間とロボットの関係についてアトムと何回も衝突するが、時には協力することもある。後半の主要キャラで、OPでもアトムと並ぶ扱いを受けている。
犯罪者、他
- 天馬博士 (声:大和田伸也)
- 天才的頭脳の持ち主であるロボット科学者。事故死した息子・トビオの代わりにアトムを生み出すも、アトムが自分の意志に反したことなどから心を持つロボットに恐怖心を抱く。後に再起動したアトムを見て「進化したロボットは人間以上の種となりうる」という考えに取り憑かれ、アトムに様々な試練を与えるようになる。
- シャドウ (声:大和田伸也)
- 天馬博士が進化するロボットとして創造したロボット科学者で、博士曰く自分の"影"。より強いロボットを作ることを目的としており、その手始めとしてプルートウを生み出した。
- スカンク草井 (声:矢尾一樹)
- 度々登場する小悪党。金儲けのためにロボットを用いて犯罪を繰り返している。
- ハム・エッグ (声:長島雄一)
- 闇ロボクラッシュ界を取り仕切る興行主。ロボットを金儲けの道具としか見ておらず、完全に道具として扱っている。青騎士の過去に関係している。
- 加田里 (声:小山力也)
- 反ロボット主義グループの過激派メンバー。人々にロボットの危険性を訴えているが、その方法はロボットのAIを狂わせ暴走させたり、ロボット兵器で人々の平和を脅かすなど犯罪行為に他ならない。
- Dr.カトウ (声:子安武人)
- 新たな創造を生む破壊こそが最高の芸術だと考える爆弾魔。普段は感情の起伏があまり無いが、犯行予告などでピエロに扮した際は陽気な振る舞いをする。普段の姿は『七色いんこ』。
- アセチレン・ランプ (声:石井康嗣)
- 評論家や会社社長、政治家など様々な顔を持つ反AIロボット主義者。ロボットが知性を持つことに断固反対しているが、それには過去のある事件が関係している。
主題歌
前期OP「true blue」
作詞:町田紀彦 / 作曲:町田紀彦、吉松隆 / 編曲:山原一浩 / 歌:ZONE
前期ED「BOY'S HEART」
編曲:屋敷豪太 / 作詞・作曲・歌:藤井フミヤ
後期OP「Now or Never」
作詞:m-flo、CHEMISTRY / 作曲・編曲:m-flo / 歌:CHEMISTRY meets m-flo
後期ED「鉄腕アトム(バラードバージョン)」
作詞:谷川俊太郎 / 作曲:高井達雄 / 編曲:山原一浩 / 歌:ZONE
後期ED「鉄腕アトム(スカパンクバージョン)」
作詞:谷川俊太郎 / 作曲:高井達雄 / 編曲:ha-j / 歌:ZONE、Run Time All Stars
後期EDはストーリーが暗いときはバラード、明るいときはスカパンクバージョンが用いられる。
関連動画
関連項目
外部リンク