Class23とは・・・
第2次世界大戦後、イギリス国内の鉄道の近代化を進めるうえで、これまで使用してきた蒸気機関車を置き換える必要があった。しかし、電化率の低いイギリスでは電気機関車への置き換えの為には車両だけでなく、電化工事もあわせて行う必要があり、莫大な予算が必要とされた。予算捻出が不可能な為、イギリス国鉄はディーゼル機関車による置き換えを決定、そこで開発された車両の一つがClass23型ディーゼル機関車である。愛称は『Baby Deltics(ベビーデルティック)』。
同車はEnglish Electric社によって開発された車両で1959年にデビュー、本線での普通列車等の牽引から支線での運用も考慮し、小型な車両として作られた。1100馬力のエンジンを1基搭載、2軸台車二つに搭載されたモーターを駆動させる電気式とし、運用最高速度は時速75マイル(約120km/h)と、支線運用前提の機関車としては十分な性能を発揮出来るように設計された。
しかし、実際に運用に就いてみると、一番肝心のエンジンがトラブルを頻繁に起こし、まともに走れない事のほうが多いほどであった。この車両に使用されているエンジンは、英Napier社が英国海軍の魚雷艇用に開発したデルティックエンジンという物で、機構は非常に複雑でなおかつ、搭載するにあたって十分な冷却機構が必要であるにも拘らず、小柄な車体に無理矢理搭載した為、冷却機器も十分な冷却が出来ずオーバーヒートを連発、同時に様々なトラブルを引き起こした為、製造数も10両で終わってしまう。また、少数しか製造されなかった上、故障も頻発していた為メンテナンスに掛かる費用はかなり膨れ上がっていた。その後イギリス国鉄が巨額の赤字を出した際、コスト削減の対象となり廃車になっている。ちなみに、エンジンの製造元であるNapier社は、系列会社で製造していたV8エンジンへの換装を提案したが、これに交換すると車両重量が8トンも増えてしまい、軌道設備の弱い路線での運用が出来なくなる恐れがあり、その提案を断っている。また、廃車になる頃には通常のディーゼルエンジンでも十分な性能を発揮出来る新型ディーゼル機関車が増えてきた事も、引退を早める要因となっている。
現在、イギリスの保存団体の手により、1両が復元に向けて修復を行っている。
掲示板
提供: 火炎瓶パラダイス
提供: リョウ
提供: 匿名希望一般ニコ民
提供: タチコマ
提供: 猫牛
急上昇ワード改
最終更新:2025/04/11(金) 09:00
最終更新:2025/04/11(金) 09:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。