El Shaddai - エルシャダイ - とは、イグニッション・エンターテイメント(現:株式会社crim)より発売された3Dアクションゲームである。
正式名称は『El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON(エルシャダイ アセンション オブ ザ メタトロン)』。タイトルの「El Shaddai」という言葉は全能の神を意味するヘブライ語であり、副題の「ASCENSION OF THE METATRON」は"メタトロンの昇天"を意味している。
2011年4月28日にPS3及びXBOX360でリリースされた。
主人公イーノックを操り、大天使ルシフェルを始めとする守護天使の力を借りながら、 堕天したグリゴリの天使達を捕縛・浄化し地上界を救う3Dアクションゲームで、作品のテーマは「自由選択」。世界観・設定は旧約聖書偽典エノク書がモチーフになっている。
ビジュアル面での狙いは「新しくて引っかかるけれどイヤじゃない」だそうで、ある意味計画通りである。どうやら私達は華麗に彼らの戦略に釣られてしまっているようだ。
2010年のE3で公開された告知動画がブームとなり、niconicoでは大量のMADが作られた。因みに、東京ゲームショウ(TGS)に出展された未発売のゲームの中から10タイトルが選ばれる賞である、日本ゲーム大賞2010フューチャー部門を受賞している。
発売から10年経った2021年9月2日にSteam版が発売され、合わせてクリエイター奨励プログラムへの対応も発表されている。[1]
2024年4月28日には、Nintendo Switch用ソフトとしてHDリマスター版が発売された。
一見洋ゲーを思わせるデザインだが、実は『Devil May Cry』『バイオハザード』『大神』などの元カプコン~クローバースタジオの開発スタッフを中心として開発されている。音楽は『モンスターハンター』『Devil May Cry』の甲田雅人が担当。ディレクター兼デザイナーの竹安佐和記はこれまで『Devil May Cry』『鉄騎』『大神』のデザインを手がけており、イグニッション・エンターテイメントのイギリス本社社長が氏の絵に惚れ込んだ事が開発のきっかけでもある。
ゲームを開発したイグニッション・エンターテイメント・リミテッドは本社をイギリスに構える、インド資本出資の企業で、歴史が浅く他に代表作もないため、未だ無名の存在だった。
当初の計画では1作目の開発で得られた資産を活用して2作目、3作目を作るつもりだったが、リーマンショックの影響でスタジオの閉鎖が決まり、エルシャダイは最終調整に十分な時間が取れないまま発売された。ストーリーも未完で、クレームが殺到したという。[2]
ゲームのコンセプトは「説明書いらず」。見て・さわって、直感的に分かることを重視している。
特徴の一つは体力ゲージなどの表示が一切ない画面構成。絶えず変化する幻想的なゲーム世界を隅まで眺められる。代わりのダメージ表現として、攻撃を受けるとイーノックや敵の纏う鎧が破壊され剥がれていく。
戦闘では敵の武器を奪い、イーノックがそれを浄化して使用する。武器はアーチ、ベイル、ガーレの3種類で、それぞれに有利不利があり、三すくみをなしている。どの武器を使うか、プレイヤーは最良の選択をして欲しい。
難易度は4段階。EASYは初心者でも簡単に操作でき、EXTRAに挑む上級者はノクトにさえ装備を剥かれる鬼畜プレイを楽しめる。ランク評価もあるので、多彩なコンボや必殺技を駆使しつつ立ち向かってほしい。
ポーズやセーブはルシフェルが行っているという設定。公開されているトレーラーでは、不十分な装備で戦闘に挑んだイーノックが敗北しかけるが、時間が巻き戻され、「一番いい装備」で挑み直している。
ヒトの言葉や思想が分かれるよりも遥か昔。
神はグリゴリの天使たちに地上界の監視を命じた。彼らは長いあいだ、地上界を観察し続けるうちにヒトへの憧れを抱き、堕天という禁忌を犯してしまう。
天界は激怒し、地上界を一掃する洪水を計画するが、
ヒトでありながら天界の書記官を任されるイーノックの嘆願により、
堕天使たちの捕縛を条件に計画の執行を待つことを約束した。いま、地上界の命運を賭けたイーノックの長い旅が幕を開ける。
このゲームの主人公。 CV:三木眞一郎、Blake Ritson(英語版)
清く強い心によって、神に選ばれし青年。ルシフェル曰く72通りの名前があるらしく、本来の名前が何なのかは不明。人間でありながら、神の意志によって天界に召し上げられ、エルダー評議会で書記官を務める。若干無鉄砲な性格なのか、頑固者なのか、トレーラーではルシフェルの忠告を聞かず不十分な装備のまま敵に向かってフルボッコにされてしまった。
洪水計画による地上の滅亡を止めるため、堕天したグリゴリ天使団を追って、調停役として地上に降り立つ。
ムービーとゲーム画面とで顔が別人の如く違っているが、突っ込んではいけない。
赤い目の水先案内人。 CV:竹内良太、Jason Isaacs(英語版)
天界でも一、二を争う程の大天使である。黒いシャツにジーンズ(おそらくEDWIN製)という洋装に加え、ビニール傘・携帯電話を持ち出したりと、イーノックとは違ったかなり現代風な雰囲気を醸し出している。
時間を自由に行き来する能力を持ち、彼の手に掛かれば時空停止や過去や未来へのタイムスリップも思いのまま。
神の命により、他の守護天使たちと共にイーノックの旅をサポートする事になる。
イーノックを個人的に気に入っており、とても協力的。
『焦る必要はないさ、時間はいくらでもあるんだ』
『やっぱり今回も駄目だったよ』
イーノックを導く盲目の少女。 CV:加藤英美里、名嘉祐佳、Samantha Francis(英語版)
堕天使達と対立する人間の集団「自由の民」の長に育てられている。何らかの理由で小さな頃の記憶がなく、正確な出生は不明。周囲の大人達からイーノックの伝説や予言を聞かされており、彼に対して強い尊敬と憧れを抱いている。
堕天使達が築いた背徳の塔『タワー』でイーノックと出会い、彼を助け導いてくれる。
子供らしい面と神秘的な面を併せ持っているらしい。謎の生物ネフィリムに乗っていたりと意味深なキャラクター。
『あなたイーノックでしょ? …ねえ、どうしてずっと黙ってるの?』
堕天使の一人。 CV:森山周一郎、David Rintoul(英語版)
グリゴリ(「見張る者たち」の意)の天使の一員だったが、人の「進化」という可能性に強い憧れを抱き、天界を捨て堕天する。天使として地上を監視していた頃から、堕天の首謀者であるセムヤザの右腕的存在にある。「進化」や「技術」を司る天使であり、彼が堕天したことで天界の様々な技術を地上に流出させてしまう事となった。
『「進化」こそ最もすばらしい! 神よ! なぜ理解してくださらんのか?』
堕天使の一人。 CV:此島愛子、Nicolette McKenzie(英語版)
グリゴリの天使の一員だったが、人の子や家族に対する深い想い「家族愛」や「母性愛」に惹かれ、その温かさに強い憧れを抱き地上界に家族を求めて堕天した。何故だかセリフが非常に片言臭い。
どんな相手にも母親然とした優しく子を諭すような態度で接し、母親が子供をしかる時のように怒ったりもする。その異常な母性愛はとても一方的で、時には相手に恐怖を与えるような一面もある。
エゼキエルの使役獣(地上界で従える生き物)はブタで、エゼキエルの力を受けて様々なモンスターと化している。
因みにPV内に出てきたザコキャラは全てこのエゼキエルの使役獣、つまりはブタである。驚きを禁じ得ない。
『子を思い、家族を想う愛情、なんて素晴らしいのでしょう! 私は全てを愛してますよ!』
『オトートノカタキヲトルノデス』
グリゴリの天使の一員だったが、人間の男女の愛の美しさに魅了され、人間達を愛しまた愛される為に堕天した。
強い信念を持った人格者であり、男女を問わず人間達からも真に愛され尊敬されている。
彼は神に背いたのではなく、愛故に堕天の道を選んだのであり、今でも神への敬意と畏怖の念を持ち続けている。
自らが彼を慕う人間達とともに作り上げた理想郷と、愛する人々を守る為、確たる信念を持ってイーノックと対峙する。
『愛し愛される心のなんと美しいことか! 神よ! 俺は狂おしいほどに愛し続けたいのだ!』
ここまでの説明だとごく普通のアクションゲームに思えるかもしれない。
が、E3で公開されたトレーラーの一本が実にシュールな内容で、イーノックの微妙なイケメン顔、ルシフェルの渋い声による謎めいた(かつ突っ込みどころ満載の)語り、独創的なグラフィック、一見しただけでは理解し難い世界観、プリレンダムービーとリアルタイムでのゲーム画面のギャップ等、シリアスな笑いを誘う要素が多数盛り込まれていた。
このシュールさが受け、トレーラーが公開された6月頃から早速ふたば☆ちゃんねるやそれに関連した大手ブログ、2chのゲーム系列の板やニュース速報板等における一部の層の間で、話題を呼んでいた。
ニコニコ動画においても、夏のうちからエルシャダイの潜在的な面白さに目を付けた職人達がトレーラーを素材としたMAD動画を投稿し始めた。そして、9月中旬に行われたTGSでの体験会(37台もの試遊台を設置し、大々的に宣伝されていた)を期にそれらが一斉に注目を浴び始め、ランキングにエルシャダイ関連の動画が大量にランクイン、同時にMAD動画も爆発的に増加、という状況にまでなったのである。
ブームのきっかけとなったトレーラー「【PS3/Xbox360】 El Shaddai -エルシャダイ- E3 2010 ルシフェルver」は現在も再生数を伸ばし続けており、2010年9月30日03:30頃には100万再生を達成した。ランキング上位に浮上してから僅か十数日の間で成し遂げた快挙であり、その人気と注目度の高さがうかがい知れる。
そしてトレーラー中の台詞「そんな装備で大丈夫か?」は、未来検索ブラジル開催の「ネット流行語大賞2010」において栄えある金賞を受賞した。竹安佐和記氏による喜びのコメントがこちら。
後述するITMediaによるインタビュー記事によれば、開発のイグニッション・エンターテイメント・リミテッド側もこのニコニコ動画を中心としたネット界隈でのブームを容認しているらしい。しかも、ファミ通Xbox360の2010年12月号記事によれば、ニコニコのMADやネット上の2次創作絵を気に入っているほか、あのトレーラーは最初から狙って作っていたのだという。今後の動向や最終的な売上が期待される。
しばらく経った2018年3月、上記トレーラーの全編がフリー素材として公式に配布された(今更感が強いが)。商用利用もinfo@crim.co.jpに連絡さえすれば大丈夫だ、問題ない。実際に使われている様子
ゲーム発売前だというのに、エルシャダイオンリー同人誌即売会が2010年11月3日に開催された。 イベントサイト
元々これは、単独が困難な小規模オンリーの合同イベント「スキマフェスティバル5」内のオンリーイベントのひとつであり、イベントサイトが開設された直後からWeb上のあちこちで話題を呼んだ。
イベント開催が決まった時点で既にネット上での二次創作等は活発だったものの、やはり本編が未発表であり、さらにサークル参加申し込み〆切まで2日しかないなど、色々と前代未聞の内容だった。しかしそのあまりのインパクトから話題沸騰、サイトへのアクセスはもちろんサークル参加希望者も殺到し、90超ものスペースを集める結果に。あまりに人が集まり過ぎたのでエルシャダイオンリーのみ別フロアとなった。
主催者はQ&Aで、「サークル参加申込み締切まで2日しかないが、大丈夫か?」との問いや様々な批判にも、『大丈夫だ、問題ない』と自信を持って答え、イベントへの不安と期待は膨らんだ。
いざ当日を迎えると、一般参加者の列が会場から最寄駅まで伸び、パンフレット完売&入場規制など、イベントは大洪水大盛況となり、最終的には全サークル完売にまで至った。
なお念のため言うが、これらのイベントは公式イベントではない。
紀元前のビンテージ!?
事の発端は東京ゲームショウ2010。そこでイーノックモデル、ルシフェルモデルの紀元前のジーンズが展示されていた。発売するのはジーンズを専門に製造するあのEDWINである。価格は¥13,650(税込)、発売日は12月21日で公式に書かれている店舗で取り扱われた。
また、ルシフェルが一番いいジーンズを求めてEDWIN DENIM GALAXY原宿店に来店したというニュースがEDWIN公式から入った。
店舗の他、近場にお店がない人のための通販も21日より行われた。が…
…あぁ、やっぱり完売したよ。エルシャダイ人気は話を聞かないからな。
4月22日、ジーンズ再販開始と共にアトレ秋葉原にてスペシャルショップ開設(~5月15日 5月31日まで延長)。限定版ジーンズやチャリティTシャツ、ルシフェルの傘が販売される。ゲーム発売日である4月28日には特別イベントが行われた。さらにゲーム内での「最強装備」も商品化された。ツナギっていうよりパジャマっぽいとか言うな。
詳しいことはアークエンジェルたちにでもきいてみるんだな。
掲示板
5990 ななしのよっしん
2024/09/05(木) 00:49:26 ID: +213cq9EOa
日清カップヌードルといいマックといいかつてニコニコを見ていた中〜大学生あたりが社会人になって公式MAD作る時代になったんだなぁ、って。
5991 ななしのよっしん
2024/09/08(日) 17:22:40 ID: zXupG8l2ql
『エルシャダイ』開発者新作ローグライクゲーム『スターノート』、実は『エルシャダイ』とつながっていると明かされる。
https://
5992 ななしのよっしん
2024/09/09(月) 23:07:21 ID: 6s4UzhcM1x
つべでも見たが、このネタはやっぱコメ付きじゃないと楽しめんな。
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最終更新:2024/10/13(日) 09:00
最終更新:2024/10/13(日) 09:00
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