FM-8(FUJITSU MICRO 8)とは、1981年に富士通が発売したパーソナルコンピュータである。
FM-8(FUJITSU MICRO 8)は、1981年5月20日に富士通が初めて発売したパーソナルコンピュータである。定価は218,000円であった。当時としても安価ではなかったが、それでも性能を考えると驚異的な低価格を実現したマシンであった。
1978年に日立とシャープ、1979年にNECがパーソナルコンピュータを発売しており、それに比べると富士通は大きく出遅れたように見えるが、実際には「業務利用を前提とした性能で出すならば、それは今ではない」ということであえて「待ち」の姿勢をとったものであった。
FM-8の最大の特徴として、後のFM-7/77シリーズにも引き継がれるデュアルCPU構成があげられる。CPUにモトローラ社のMC6809(メインCPUにMC68A09、サブCPUにMC6809)を採用し、640x200ドット、デジタル8色表示というこの時代としては最先端のグラフィックスを実現した。
このCPUとグラフィック解像度は、前年発売された日立のベーシックマスターレベル3で既に実装はされていた。しかし、ベーシックマスターでは横8ドットごとにしか色指定が出来なかった(セミグラフィックと呼ばれた)。8bitCPUは64KBのメモリ空間しか持たないが、640x200ドット、デジタル8色表示を実現するにはRGB各16KBづつ、合計48KBをVRAMに割かなければならない。だがこれだとメインメモリとして使える領域が極狭になってしまうため、FM-8ではCPUを二つ搭載し、それぞれにメモリ空間を持たせる設計にしたのである。富士通はこれを「CPUを2個搭載して、アドレス空間は128Kバイト」として宣伝した。
また、BASICの描画命令もこれ以前のものに比べると充実しており、タイリングによる中間色ペイントなどの技術も発見されて高解像度グラフィックによるCGの文化も生まれた。
ただ、メインCPUから直接VRAMのアクセスが出来ない仕様(メインとサブは128バイトの共有RAMを通じてやりとりする)のためにビットマップの描画が高速に出来ず、後継のFM-7と共に「アクションゲームに弱い」ハードという評価を受けることになってしまった。
もっとも、この問題は「YAMAUCHIコマンド」と呼ばれるサブシステムを自由自在に使うための隠し命令が発見されたことで、ある程度は解決された。
ここまではFM-8もFM-7も共通だが、FM-8ならではの特徴としては、補助記憶装置として最大128KBの磁気バブルメモリーを採用したことがある。当時はフロッピーディスクはとても高価でオーディオテープを使った補助記憶装置が一般的だったため、磁気バブルメモリーは大容量かつ高速にデータの読み書きができることで注目された。しかし周辺の磁気に影響されやすく記録も飛びやすい問題があったため、それ以降の機種では採用されなかった。
なお、NECがFM-8に対抗するために開発したのがPC-8801である。
翌年には、あまり使われなかった機能の一部を削減し、CPUの高速化を行った上で10万円近い値下げを図った廉価モデルのFM-7、ビジネス向けを念頭に置き、16bitCPUのi8088モデルも用意された上位機器のFM-11が発売された。
富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は、FM-8が発売された1981年5月20日の40周年目にあたる2021年5月20日に、「FUJITSU PC 40th Anniversary」としてさまざまな催しを企画していることを明らかにした。発表時点で明らかとなった情報は少ないが、「40周年モデル」「40周年サービス」「オンラインイベント」「記念グッズ」などを予定。それぞれの詳細は順次アナウンスされる。
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最終更新:2024/04/17(水) 09:00
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