GeoGuessrとは、Googleマップのストリートビュー機能を使った位置当てゲームである。
2013年にサービス開始し話題となった。その後、2020年のコロナ禍に外出が難しくなったときに再度ブームが訪れているほか、日本では2022年と2023年にRTA in Japanで取り上げられ一部で注目された。ブラウザゲームだが、Android版・iOS版アプリもある。
以前は無料で遊べたが、現在ブラウザ版では有料プランへの加入が必須となり、アプリ版も無料アカウントではプレイ回数に制限が設けられている。課金して遊ぶ場合の料金は月額2ドル程度(2024年2月時点)。
ゲームを開始すると、地球上のどこかの場所のストリートビューが表示されるので、その風景から場所を推測する。Googleマップで最初の地点だと予想した場所を指し示し、正解の地点との距離が短いほど得点が高くなる。場所を推測することをゲーム内の表記に合わせて「ゲス(Guess)」と呼ぶ。
都心の市街地から看板一つない山奥や離島まで出題地点は様々であり、当然場所によって難易度は大きく異なる。稀に太平洋とか日本海等の海の中に落とされたり、電車の車内(新幹線他)や博物館等施設の中とかという頭を抱えるところからスタートすることもある。それもGeoGuessrである。
言うまでもなく推測には様々な地理の知識が必要だが、自身の旅行・居住経験も大いに役立つ。対人戦の場合、慣れ親しんだ地元が登場しプレイヤーの中で自分だけが瞬時に場所を当てられた、なんてこともしばしば。
2023年10月にはゲームリリース10周年を記念し、スウェーデンのストックホルムで世界大会が開催された。2024年も予選を拡大して開催予定。
これらのルールに加えてゲーム外で様々な縛りを課す例も存在し、中には「ゲーム内で表示された場所に実際に行かなければならない」という過酷極まりないルールでプレイする人もいる(一部ではこのルールは「リアルジオゲッサー」と呼ばれている)。
GeoGuessrのゲームモードは頻繁に追加・廃止が行われているため、ここでは主に遊ばれているものを紹介する。
最も基本的なモード。好きなマップを選んで5ラウンドプレイする。各マップには「MOVE」「NM」「NMPZ」別のランキングが掲載されている。RTA in Japan Summer 2022で登場したのはこちらの「MOVE」での25000点タイムアタックである。
プレイ時に「チャレンジ」を選択することで、URLで他のプレイヤーに同じ問題を共有し得点を競い合うことができる。
クラシックマップのルールに基づき、日替わりで用意された5ラウンドをプレイするもの。全プレイヤーに毎日共通の問題が出題されるため、日毎に世界のプレイヤーと得点を競うことができる。
出題地点の国を連続で当てる「カントリーストリーク」と、アメリカを対象に州を連続で当てる「US州ストリーク」がある。ユーザーが作成した一部の人気マップをカントリーストリークのルールでプレイすることもできる。
RTA in Japan Summer 2023で登場したのはこちらのモード。
複数人で出題地点の国当てを競うゲーム。国を間違えるとライフを失い、ライフが0になるか他のプレイヤー全員が国を当てると脱落となる。最後まで残ったプレイヤーが勝利。
出題範囲は全世界。ランクマッチとフリーマッチがある。
「バトルロイヤル カントリー」の距離版。複数人で出題地点を推測し合い、正解から最も遠い場所を解答したプレイヤーが1ラウンドずつ脱落していく。最後まで残ったプレイヤーが勝利。
出題範囲は全世界。ランクマッチとフリーマッチがある。
対人戦で最も遊ばれるモード。複数人でチームを組んで対戦する場合は「チームデュエル」と呼ばれる。
1ラウンドごとに点数を競い、点数が高かった方(正解の場所に近かった方)が相手のライフにダメージを与えることができる。ダメージは相手との点差が大きいほど増え、またラウンドが進むにつれダメージに倍率がかかるようになる。そのため、倍率の高い後半のラウンドで一方が国や地域を大きく外してしまうと、それが致命傷となって逆転が起きることも多い。
出題範囲は全世界。ランクマッチとフリーマッチがあり、ランクマッチでは1v1での対戦となる。
いわゆるカスタムマッチを開くことができるモード。他のプレイヤーを招待し、ルールやマップを自由に設定して遊ぶことができる。上述の「バトルロイヤル」「デュエル」だけでなく、共通の5ラウンドを複数人が同時進行でプレイし得点を競う「ライブチャレンジ」、プレイヤーが協力して正解の場所を絞り込む「ブルズアイ」などのモードも選べる。配信者が視聴者参加型のルールで遊ぶ際や、非公式の大会を開く際によく用いられる。
部屋への参加は無料アカウントでも可能だが、部屋を立てるには有料アカウントが必要。
GeoGuessrプレイヤーによって場所を特定するための様々な要素が日夜研究されており、それらはTipsとしてコミュニティ内で共有されている。ここでは、上級者がどのような点に注目しながらプレイしているのかを解説する。詳しいTipsが知りたい場合は、記事下部の関連リンクにある各種攻略Wikiを参照のこと。
道路の向き、周辺の建物・構造物、遠景の市街地や山などが、自分から見てどの方角にあるかというのは最も基本的な情報の一つである。特に満点を狙う場合は交差点を一つ間違えただけでも失敗してしまうため、道路や川がどちらに伸びているか、店舗や空き地はどちら側にあるかを入念に確認しなければならない。
またこれに派生して、太陽が南北どちらにあるかも手掛かりとなる。太陽が南なら北半球、北なら南半球の可能性が高い(朝夕の太陽が低い位置にある際はこの限りではない)。
ストリートビューは基本的に道路上で撮影されるため、道路にある様々な構造物は全て場所特定のヒントとなる。具体的には、
などが挙げられる。これらは国・地域によって形状や色が異なることが知られており、これらを暗記して国当てができるようになることが中上級者への登竜門となる。
また道路に関しては道路番号も非常に重要。Googleマップにも各幹線道路に道路番号を記載している国が多いため、この番号を頼りに場所の範囲を一気に絞ることもできる。交差点の場合、その場所が2本以上の異なる道路番号の道路の交差点であれば、その情報だけでピンポイントで場所を特定することも可能である。日本の場合は、丸みを帯びた逆三角型の国道番号と六角形型の都道府県道番号に注目しよう。
電柱は道路脇に並行して並べられていることが多いが、こちらも国別に電柱の形状が違っており、国を推測する上で欠かせない要素の一つである。また、電柱側面に貼られた反射板や支線ガードなどもヒントになる。
日本マップでは、地名がない場合に大まかな場所を特定する材料として最も使われる。というのも、円柱という全体の形状は全国どこもほぼ同じなのだが、電柱に貼られた各電力会社のプレートやNTTのプレート、電柱上部の構造に差異があることが知られている。そのため、電柱の側面や上側を確認することで、関東や関西などざっくりとした地域を絞ることが可能である。
日本では「0」から始まる市外局番だが、これは地域毎に特定の番号を振り分けることで同一地域内での通話を簡易化するためのシステムである。同様の制度は諸外国にも存在するため、各国の市外局番を覚えていれば看板に記載された電話番号から大まかな地域を判別することができる。しかしながら、日本のように区分が細かく暗記が難しい国もあるため、まずは番号の振り分け方の傾向を覚えるところから始めるのがよい(日本の場合、北海道が01、九州・沖縄が09という具合に北から南に大体振り分けられている)。
日本マップの場合、日本で生まれ育ち、日本語を母語とする多くの日本人にとって、地名は最も重要なヒントである。というより、日本マップでは地名の有無が問題の難易度を大きく左右すると言っても過言ではない。日本マップで高得点を取りたい場合、47都道府県および各県の人口上位の自治体の名前と位置は覚えていないと厳しい。
地名を確認できる要素は幅広いが、特によく参照されるのは看板・施設名・店舗名・道路標識とその注面など。中でも、「槍を持って静岡に攻め込む看板」のような幹線道路上で見られる青い案内標識は、地名と道路番号と道路の方角が併記された非常に有用な情報源であり「SSR」とも呼ばれている。
都道府県や市区町村のような広域を対象とする地名の場合はその地域内での場所の精査が必要なため、大体の範囲を絞る目的にしか使えない。一方で、電柱広告の下部に見られる大字・字は知らない地名であることが多く、満点を狙う際の細かな場所の特定に用いられる。他地域で同一の地名が見られる場合(例:東京都府中市と広島県府中市)には他の情報と合わせて場所を絞る必要があるし、「東京大学だから東京にあると思ったら柏キャンパスだった」などの引っかけのようなパターンもあるので注意。
世界マップの場合、案内標識が有用である点は日本マップと変わらないが、首都などの有名な地名を除けば基本的に暗記が必要であり、しかもストリートビュー上では現地の言語で表記されることになるためやや使いづらい。しかしながら、ロシアやアメリカのような国土の広い国では地域を外すと失点が大きい側面もあるため、上位ランクでは諸外国の都道府県や州を覚えることが必須スキルの一つとなっている。
(2023年のワールドカップではフランス人選手が「栃木県 鬼怒川」と書かれた山奥の看板を見て那須地域に解答を置き、日本語配信の実況解説共々絶句するシーンがあった。ランカーやばすぎでしょ……)
看板や標識に書かれた言語は国の特定に大いに役立つ。とはいえ、「ハングル→韓国」のように一目で区別できかつ限定的な地域でしか使われていない言語ならともかく、ラテン文字やアラビア文字のような複数の言語で使用されている文字の場合は絞り込みが難しい。当然、GeoGuessrに出てくる全ての国の言語を習得することは不可能なので、細かな表記法の違いなどから判別する必要が出てくる。
ちなみに、海外プレイヤーにとっては漢字の判別が非常に難しいらしく、特にひらがな・カタカナがない際の日本と台湾の区別が厄介なのだそう(中国はストリートビューの公式カバレッジがないため基本出題されない)。
GeoGuessrにおけるメタとは「Googleストリートビューの撮影方式」に着目したヒントのことを指し、大きく以下の4種類に分けられる。
他にも、「現在の公式日本マップでは沖縄県は出題されない」といった、ゲームの特性を利用したメタも存在する。(そのため、上級者の大会では地域別の出題頻度を調整したユーザー作成のマップを利用することが多い)
上記以外にも、世界マップでは「国旗」「広告のURLのドメイン」「車の右側通行・左側通行」「制限速度などがメートル法かヤード・ポンド法か」などが、日本マップでは「マンホールの絵柄や種類」「ガードレールの色」「スノーポール(視線誘導標。豪雪地域の道路脇に置かれる紅白のポールのこと)」「ローカルチェーン店」などが場所当ての道具として使われる。建築様式や植生も地域を特定する上で大事な手掛かりになる。
以上で挙げたTipsは基本的に事前の勉強やプレイ経験が必要なものが多い。もしあなたがGeoGuessrを極めたい、強くなりたいというのであれば、これらの知識を逐一覚えてプレイをこなしていく必要がある。
だがそもそもの話として、GeoGuessrは決して高得点を取らなければ楽しめないゲームではない。25000点を狙う、縛りプレイでスコアアタックをするといった高難易度のプレイスタイルもいいが、自分の住んでいる地域を選んで知識試しをしたり、世界各地の場所を巡って旅行気分に浸ったりと、いろんな遊び方が可能だ。自分の実力に合わせ、自分なりの楽しみ方を見つけてほしい。
初心者の人は、まずは時間を気にせず「どこここ?」「ちょっとずつわかってきたな」という感覚を楽しんでみよう。日本マップの場合は公式のJapanマップや地元を扱ったマップから、世界マップの場合は首都や国旗など特定のテーマに限定したマップから遊ぶのがいいかもしれない。
掲示板
28 ななしのよっしん
2024/06/03(月) 07:45:46 ID: psiAFyEZdW
29 ななしのよっしん
2024/12/13(金) 22:53:20 ID: Usdo88gRQC
プレイしてると『十五少年漂流記』を思い出すなあ
この漂着した陸地は無人島なのか?大陸なのか?森の向こうに見える水は広大な湖なのか?それとも海なのか?
島だとしたら大陸に近いのか?島だと信じて、覚悟を決めてこの陸地を拠点に生活すべきか?大陸だと信じて人がいる土地を目指すべきなのか…?大陸だとしても、どのくらい歩けば人のいる土地にたどり着けるのか?無人島だとしたら、四季があるのか?南半球?北半球?南半球なら北半球と逆の時期に冬が来る。冬が来るなら、急いで資源を集めなければ…
みたいな話をずっとする小説だから
30 ななしのよっしん
2025/03/26(水) 11:41:21 ID: jBdVtNWnWV
4月中にsteam版のアーリーアクセスが始まるらしい。
地理当てゲーム『GeoGuessr』なんとSteam版発表、4月に早期アクセス配信へ。協力対戦モードなどは無料で遊べる
https://
提供: mnbvc
提供: モモンガ
提供: 元堺人
提供: ゲスト
提供: mou
急上昇ワード改
最終更新:2025/04/14(月) 22:00
最終更新:2025/04/14(月) 22:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。