グランド・セフト・オート(Grand Theft Auto)とは、米国のゲームパブリッシャーであるRockstar Games(Take-Two Interactive Softwareの子会社)が販売しているクライムアクションアドベンチャーゲームのシリーズ、またその1作目のタイトルである。略称はGTA。
2023年11月時点で、全世界でシリーズ累計4億2,000本以上を販売している記録を持つ、ゲーム史上最大級のシリーズである。
開発元は一部作品を除いてスコットランドのエディンバラにスタジオを置くRockstar North(旧DMA Design)。
シリーズ通してオープンワールドを採用しており、非常に自由度の高いゲーム性が特徴で、様々な組織の依頼を受けて過激な犯罪に手を染め名を上げていくというスタイルと、タイトルの「グランド・セフト・オート」=「自動車窃盗罪」の通り、あらゆる車を盗んでは乗り回すというアクションが主軸。
シリーズが進化するにつれ、プレイヤーに与えられたアクションはドライブと銃撃戦に留まらず、空を飛んだり海上を進んだりといった行動範囲の拡大はもちろん、様々なスポーツやミニゲームに興じたり、キャラクターをカスタマイズしたり、スタントに挑戦したりと、どんどん多様になっている。
現在では、リアルに再現された都市の中を自由に動き回る、オープンワールドゲームの代表的作品として知られる。
シリーズは『GTA1』~『2』までは俯瞰見下ろし型の2Dアクションであったが、『GTA3』以降は3Dアクションとなった。
人気が爆発したのはPS2・PC(後にXbox)で発売された『GTA3』からで、以降、新作が発売されるごとにゲームのセールス記録を更新し続け、ギネスワールドレコーズの常連となっている。
『GTA4』では初日売上でそれまでエンタメ業界最大のヒットと言われていたハリー・ポッター最終巻超えを果たし、『GTA5』に至っては3日間で2000万本を売り上げるという怪物的なセールスにまで達した(『CoD』シリーズや『FIFA』シリーズさえも抑えるほどの数字である)。
自由度の高さ故に、数々の論争(VCのハイチ人訴訟問題、SAのHotCoffee等)を引き起こしていることでも知られている。日本でも有害図書に指定され、CEROによるZ区分(18歳未満購入禁止)が設けられる契機となったことで有名である。
Rockstar Gamesでは、シリーズの世界観を大きく3つの「Universe」に分けて紹介している。
なお、これらの作品は「2D Universe」として一括りにされているものの、作品ごとの繋がりはほぼ無いに等しい。
『GTA2』の設定年代については諸説あり、公式サイトの記述から2013年とする説や、作品中のラジオで「ミレニアムの到来」に言及されていることから1999年・もしくは2999年説などがある。
発売は、『GTA3』→『GTAVC』→『GTASA』『GTA ADVANCE』→『GTALCS』→『GTAVCS』の順。
現実世界と同年代の世界を描いた作品は『GTA3』のみである。
そのため、多くの作品では、劇中で流れる音楽や、劇中に登場する車のデザインが、かなり懐かしい古いものとなっていることが多い。
どん底の生活を送る男や、様々な権力に追い詰められた男が、裏切りや圧力に苦しめられながらも仲間を作り、やがて成功を掴んでその都市の頂点に立っていく、といったような、勧善懲悪では決してないもののダイナミックなサクセスストーリーが多い。
HD対応ハードに進出してからは、それまでのシリーズから世界観が一新されている。
PS2時代とは比較にならないほど世界がリアルに構築されるようになり、都市のデザイン・構成も一新され、名前こそ一緒だが全く別の都市として生まれ変わっている。
街の権力者たちから見ればちっぽけな存在である主人公が、暴れまわった末に成功を手にしていく、という軸こそあまりブレていないものの、大団円とは言い切れない苦い結末を迎えるハードな雰囲気の物語が多くなっている。
『TLaD』と『TBoGT』は『GTA4』のダウンロードコンテンツである。
『GTACW』については、『GTA4』とは同じ構成のリバティーシティを舞台にしているという以外に殆ど関わりがないが、『GTA4』の方でLCPDの犯罪者データベースにアクセスしてみると、『GTACW』の主人公ホァンをはじめとして多くのキャラクターの名前が登録されているというファンサービスが仕込まれている。
作品によって例外はあるが、殆どの作品がアメリカの3都市をモデルにした架空の都市を舞台としている。
世界観と共に街も一新されており、世界観をまたいだ場合同じ名前を持つ都市でも地形が全く異なる。
『GTA3』以降は、ゲームの構造上いずれも島のような形をとっている。
ニューヨークをモデルにした大都市。劇中ではおそらく世界最大の都市でありながら、あらゆる人種の移民が流入しそれぞれが大規模かつ悪質な犯罪組織を結成しているため、常に犯罪や抗争が絶えず、どの作品においても「アメリカ最悪の街」と呼ばれている。
今までに3つのタイプが登場しており、ゲームの舞台としては最も登場回数が多い。
『GTA1』に登場したものは、名前こそ違うものの、マップ全体の形は露骨にマンハッタン、ブルックリン、ジャージーシティを模していた。
『GTA3』では、シリーズで最初に街すべてが3Dで描かれ、世界に衝撃を与えた。この3Dフルマップは「シェンムー」の影響も受けたともいわれている。人口は400万人。
3つの島から構成されており、東からそれぞれ、ブルックリンをモデルにした工業地区「ポートランド」、マンハッタンをモデルにした商業地区「ストートン島」、ジャージーシティをモデルにした住居地区「ショアサイド・ベイル」となっている。
『GTA3』と『GTALCS』の2作品に登場するが、いずれもハード初期の作品であるためか、3つの島を行き来するごとに読み込みが発生していた。あと水に落ちると問答無用で死ぬ。
『GTA4』では、HDハードにシリーズが進出してやはり最初に描かれた都市であり、より現実に近いスケールの、大迫力の高層ビルが立ち並ぶ大都市となった。
人口800万人で、やはり「アメリカ最悪の街」だが、今作では「チャンスの街」とも呼ばれているようだ。
4つの島で構成されており、東の島にはブルックリンをモデルにした「ブローカー」地区とクイーンズをモデルにした「デュークス」地区があり、その北の小さな島はブロンクスをモデルにした「ボーハン」地区、東の島の西側に隣接する島はマンハッタンをモデルにした「アルゴンキン」地区となっている。
西端の島は、正確にはリバティーシティではなく隣の州である「オルダニー」である(モデルはニュージャージー州)。
より現実のニューヨークに近い都市になっており、例えばアルゴンキンの中心部にあるスター・ジャンクションは、実際のタイムズスクエアと瓜二つだったりする。一方、オルダニーとアルゴンキンの間にあるハピネス島には、現実さながらに女神像が鎮座しているが、そのデザインがかつて『GTASA』に抗議してきたヒラリー・クリントンに対する皮肉になっていたりと、お遊びも多く盛り込まれている。
『GTACW』でも『GTA4』のリバティーシティが舞台になっているが、ハードの都合上オルダニーが丸ごと削除されている。
アメリカ西海岸をモデルにした都市、というか地域。リバティーシティと違って温暖で、街中にも椰子の木が並ぶ。また、非常に坂が多い。
これをモデルにした作品は、ハード末期のものが多く技術的にも成熟期を迎えているため、都市のみならず山岳地帯や湖、砂漠地帯なども再現される。そのため、都市というよりは州そのものと言った方がいい。
名前の由来は、現実にアメリカ西海岸に存在する巨大断層「サンアンドレアス断層」。
やはり3つのタイプが登場している。
『GTA』に登場したサンアンドレアスは、やはり露骨に西海岸で、サンフランシスコ周辺を西側から見たマップとなっている。サンフランシスコ~オークランド~バークレー~リッチモンド~サンラフェルの辺りがモデルになっている。
『GTASA』では、形状は現実とはかけ離れているが、『GTAVC』の4倍という広大なマップで再現された。
ロサンゼルスをモデルにした「ロスサントス」、サンフランシスコをモデルにした「サンフィエロ」、ラスベガスをモデルにした「ラスベンチュラス」という3つの大都市が存在し、その間に広大な山岳地帯や砂漠地帯が広がっている。
シリーズで初めて広大な自然を描き、さらに大都市を3つ登場させるという圧倒的なスケールでプレイヤーを魅了した。しかもそれらの間を移動するのに読み込みが入らなくなった。
『GTA5』では、シリーズ最大、127平方キロメートルという巨大なマップで描かれている。
卵形の巨大な島で、大都市ロスサントスを抱える南部の「ロスサントス郡」と、巨大な塩湖、砂漠地帯、山岳地帯を抱える北部のド田舎「ブレイン郡」の2つで構成されている。
登場する都市はロスサントスのみであり「サンフィエロ」「ラスベンチュラス」は含まれていない。やはり『GTASA』のそれからはデザインが一新されており、『GTA4』のリバティーシティ(オルダニーを除く)とほぼ同等の広さの大都市となっている。
マイアミをモデルにしたリゾート都市。「堕落の街」という超ストレートな名前の通り、マフィアも警察も軍隊も腐敗しきった街である。
名前の由来の1つとして、人気ドラマ『マイアミ・バイス』がおそらく挙げられる。特にPS2以降の作品では、このドラマと同様に80年代が舞台になっているため、作品そのものがこのドラマを意識していることがわかる。
『GTA4』でリバティーシティが再構築されたことを踏まえ、発売順的に次はバイスシティが再構築されるのではないかと予想したファンも多かったが、1つすっ飛ばしてサンアンドレアスが再構築されることになった。
『GTA』に登場したバイスシティは、やっぱり現実のマイアミそのままであった。
『GTAVC』では、人口180万人のリゾート都市となっている。
マイアミをモデルにした都市部である「東の島」、マイアミビーチをモデルにしたリゾート地区である「西の島」という巨大な縦長の2つの島で構成されており、それらの間に、巨大な邸宅が立ち並ぶ「スターフィッシュ島」「プローン島」という小さな2つの島がある。
やっぱり東の島と西の島の行き来には読み込みを要した。
また、『VCS』では泳げたが、『GTAVC』ではまだシステムが未成熟で、リゾート都市なのに水に落ちるとプレイヤーは死ぬようになっていた。
発売予定の『GTA6』では、レオナイダ州の一都市として登場することが確定している。
上に挙げた3都市以外が舞台になったことは『GTA3』以降はほとんどない(『GTA5』のごく一部のミッションにおいては、ノースダコタ州をモデルとした「ノース・ヤンクトン」という地域が登場する)。
『GTA』の追加ミッションパックでは、1961年・1969年のロンドンが舞台となった。それまでも、名前が違っても明らかに実際の都市そのままの舞台が用意されていたが、実在の都市をそのまま舞台にしたのは今作が唯一であった。
異彩を放つのは『GTA2』で、日本っぽい雰囲気の大都市が舞台となっている。この都市のみ、未だに正確な名前が発表されておらず、アメリカにあるという設定のみ判明しているが、それ以上の詳細は不明。ファンによるWiki等では「Anywhere City」などといわれている。
「ザイバツ」という巨大組織の黒服が全域で暗躍しており、「船橋」「浅草」「広島」といった地名が登場し、「テリヤキちゃん」というよくわからないが日本人っぽいラジオDJが日本語でラジオ番組を放送していることから、日本を意識していることは明白である。
東京や大阪、香港、上海、ソウルのように無機質な高層ビルが乱立している都市の雰囲気は、アメリカの都市のそれとは明らかに違う。舞台の雰囲気を一新して全く違った都市を作るにあたり、ロックスターは一旦アメリカを離れ、アジア的な都市をモデルにしたと考えられる。
その後の作品でも、例えばGTA3ではヤクザ組織が登場したり、GTASAでは「キモノホテル」など日系と思しき商業施設が町並みを飾り、またバブルで儲けたと思しき日本語を話す通行人が登場したり、GTA4では一部のタクシードライバーが日本語を話すなど随所に日本要素が見られるが、シリーズを追うにつれて概して少なくなってきている。
大半はPC版にMODを導入したものであり、映画を再現(SAのターミネーターが有名)したものや、アニメ系スキンを導入してコラボレーションさせた動画も非常に多い(最近ではSAにおける東方Projectネタ、いわゆる東方GTA)が流行っている模様)。
他にも普通のプレイ動画は勿論のこと、シリーズ恒例である手配レベル6から逃げる動画や、暴動+武装チートでプレイする動画、バイクや車などでスタントをする動画や、極端なところまで行くとゲーム内で安全運転や観光をする動画、本道である殺戮万歳動画、細かな要素を実験追究していくものなど様々な動画が存在する。このことからも、このゲームが持つフリーダムさ、奥の深さが窺える。
掲示板
355 ななしのよっしん
2024/01/03(水) 11:36:12 ID: jD1QIly186
6のPV公開されたけど全然盛り上がってないのな
YouTubeで1.6億再生叩き出してたけど
356 ななしのよっしん
2024/01/15(月) 15:24:07 ID: n1c1EH3OH2
>>350
RDRも好きなんでそっちも楽しみにしてる
バスターのバラードやキラーズオブザフラワームーンみたいな近年の西部劇をどうゲームに落とし込んでくれるか期待
357 ななしのよっしん
2024/12/06(金) 20:12:06 ID: vl9knc/5JS
急上昇ワード改
最終更新:2025/03/10(月) 08:00
最終更新:2025/03/10(月) 08:00
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