H-IIA 単語

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H-IIAとは、日本液体燃料ロケットである。※正しい表記はH-ⅡAであるが、H-IIA、H2Aなど表記がいくつかある。→ 「H-IIA or H2A or H-ⅡA or H-2A」でタグ検索exit_nicovideo

概要

15号機(H2A202型)

JAXA(組織統合前の旧NASDA)および三菱重工開発し、製造は三菱重工が行なっている。

13号機からは打ち上げ事業が三菱重工に移管され、現在JAXAが安全監理業務、三菱重工が打ち上げ業務と分担して打ち上げを実施している。

打ち上げ時の射点としては、種子島宇宙センターの吉信第1射点(LP1)が使用されている。

生機としてH-IIBイプシロン、計画段階で終了のJ-I 2号機がある。

また、2024年9月時点で、H-IIA/Bの後継機として「H3ロケット」が完成しており、打ち上げ3回中2回に成功している。

打ち上げ実績

2024年10月2日現在、49回中48回の打ち上げに成功。(成功率98%

打ち上げ予定

2024年度

2024年度中に最終号機となる50号を打ち上げ、H-ⅡAロケットは退役となる予定である。

以降の日本ロケット打ち上げははH-3ロケットによって代替される予定となっている。

機体バリエーション

H-IIAロケットは、SRB-A(固体ロケットブースター)、SSB(固体補助ロケット)を追加することで機体のバリエーションを増やし、様々な大きさ、重さの衛星打ち上げに対応できるよう設計されている。当初構想では202/2022/2024/204/212/222の6種類が構想されていたが、実際に開発完成したのは202/2022/2024/204の4種類で、三菱重工への運用移管後はさらに202/204の2種類に集約されている。

さらにロケット先端の衛星を保護するカバーである衛星フェアリングは、ロケット本体とほぼ同じ直径4.07mの4Sと大衛星用の直径約5mの5Sがあり、他に2個の衛星を同時に軌投入可な4/4D-LS、4/4D-LC、5/4Dの計5種類が存在する。 なお衛星フェアリングの開発・製造は、川崎重工が担当している。

型式名の意味

H-IIAの式名の意味は次の通り。

H2AXxYZ
Xロケットの段数。現在は第1段と第2段の2段式なので全て2である
x :LRBLiquid Rocket Booster、液体ロケットブースター)の数。現在は全て0である。
  (LRB・・・増強構想で検討されていた第1段目より大きい巨大なブースター。exit高価かつ実績に乏しいLE-7Aエンジンを35基も用いる、1本構成ではロケットが非対称な形になって機体制御が困難、など欠点が多く、第1段本体を増強する現在H-IIBプランに置き換えられる形で開発中止になった。)
YSRB-A(Solid Rocket Booster、固体ロケットブースターの数。2又は4基構成。
   (SRB-A・・・TOP画像でロケット本体の両に2本装着しているブースターIHIエアロスペース社製。)
ZSSB(Solid Strap-on Booster、固体補助ロケットの数。0基の場合は省略される。最大4基構成。
   (SSB・・・SRB-Aより外径が半分以下の細いブースターATKランチスシステムズ製のキャスター IVA-XLを輸入。N-I/N-II/H-ISSB、キャスター IIの後継品。射点損傷防止のためリフトオフ10後に中点火されるようになっており、初期H-IIA打ち上げの見所のひとつであった。打ち上げ性向上幅にべて価格が高く、効率が悪かったため、生産ラインの効率化や第1段本体のLE-7エンジン向上などに伴って退役。)

例1:ひまわり6号を打ち上げた7号機(SRB-A2基SSB2基)の場合 ⇒ H2A2022
例2:きく8号を打ち上げた11号機(SRB-A4基SSB0基)の場合   ⇒ H2A204

機体バリエーション

SRB-A SSB

●:本体
SRB-A
SSB

全長
(m)
質量
(t)
参考動画
H2A202 2基 0基


53 289 H2A202型15号機 H2A202型4号機
H2A2022
(退役)
2基 2基

  

53 321 H2A2022型13号機 H2A2022型13号機
H2A2024
(退役)
2基 4基

  

53 351 H2A2024型14号機 H2A2024型3号機
H2A204型 4基 0基

53 445 H2A204型11号機 H2A204型11号機

打ち上げ能力

打ち上げ(重量)

地球重力圏脱出*1

静止トランスファ軌
(GTO)



近地点高度
250km
遠地点高度
約36,000km

ロングコース
静止トランスファ軌
(Long-coast GTO)

近地点高度
2,700km
遠地点高度
約36,000km

太陽同期
(SSO)

高度
800km

低軌
(LEO)


高度
300km

HTV*2



高度
250km

H2A202 2,500kg

4,100kg
(3,800kg)*3

1,700kg
(2,900kg)*4
3,600kg4,400kg(他) 10,000kg -
H2A2022
(退役)
-

4,500kg
(4,200kg)*3

- - - -
H2A2024
(退役)
-

5,000kg
(4,700kg)*3

- - - -
H2A204型 -

6,000kg
(5,800kg)*3

2,300kg
(4,600kg)*4

- 15,000kg 12,000kg

*1 第二宇宙速度や他の惑星用。
*2 国際宇宙ステーションISS)への宇宙ステーション補給機「こうのとり」HTVH-II Transfer Vehicle)を投入する軌。ただし、HTV生機のH-IIBで打ち上げられている。 詳細はこちらを参照HTVH-IIB
*3 6号機の失敗後、SRB-Aの最大推を下げて信頼性を向上させる改良が行われたため、SRB-A改良を使用した7号 機13号機は1号6号機と較して打ち上げ若干低下している。なお、さらに改良を加えたSRB-A3を使用する14号機以降では本来のを 取り戻している。
*4 第2段機体高度化改良後の値。

衛星打ち上げ実績

機体番号 日時 式・フェアリン 搭載衛星
試験1号機 (TF1) 2001/08/29 16:00
 H2A202・4S
※H2A202型初飛行
試験2号機 (TF2) 2002/02/04 11:45
 H2A2024・4/4D-LC
※H2A2024型初飛行
3号機 (F3) 2002/09/10 17:20
 H2A2024・4/4D-LC
4号機 (F4) 2002/12/14 10:31
 H2A202・5S
※相乗りとして海外衛星初搭載
5号機 (F5) 2003/03/28 10:27
 H2A2024・4/4D-LC
6号機 (F6) 2003/11/29 13:33
 H2A2024型4/4D-LC
※打ち上げ失敗
7号機 (F7) 2005/02/26 18:25
 H2A2022・5S
※H2A2022型初飛行
打ち上げ業務 RSC
8号機 (F8) 2006/01/24 10:33
 H2A2022・5S
9号機 (F9) 2006/02/18 15:27
 H2A2024・5S
※打ち上げ業務 RSC
10号機 (F10) 2006/09/11 13:35
 H2A202・4S
11号機 (F11) 2006/12/18 15:32
 H2A204型・5S
※H2A204型初飛行
12号機 (F12) 2007/02/24 13:41
 H2A2024・4/4D-LC
13号機 (F13) 2007/09/14 10:31:01
 H2A2022・4S
※H2A2022型ラストフライ
以降打ち上げ業務三菱へ移管
14号機 (F14) 2008/02/23 17:55
 H2A2024・4S
※H2A2024型ラストフライ
15号機 (F15) 2009/01/23 12:54
 H2A202・4S
衛星同時打ち上げ数日本最多タイ
16号機 (F16) 2009/11/28 10:21
 H2A202・4S
17号機 (F17) 2010/05/21 06:58:22
 H2A202・4S
18号機 (F18) 2010/09/11 20:17
 H2A202・4S
19号機 (F19) 2011/09/23 13:36
 H2A202・4S
20号機 (F20) 2011/12/12 10:21
 H2A202・4S
21号機 (F21) 2012/05/18 01:39
 H2A202・4/4D-LC
※「アリラン3号」は相乗りによる初の商業打ち上げ
22号機 (F22) 2013/01/27 13:40
 H2A202・4/4D-LC
23号機 (F23) 2014/02/28 03:37
 H2A202・4S
衛星同時打ち上げ数日本最多タイ
24号機 (F24) 2014/05/24 12:05
 H2A202・4S
25号機 (F25) 2014/10/7 14:16
 H2A202・4S 
26号機 (F26) 2014/12/3 13:22:04
 H2A202・4S
27号機 (F27) 2015/2/1 10:21
 H2A202・4S
28号機 (F28) 2015/3/26 10:21
H2A202型・4S
29号機 (F29) 2015/11/24 15:50
H2A204型(高度化)・4S型
※初の商業単独打ち上げ
30号機 (F30) 2016/2/17 17:45
H2A202型・4S
31号機 (F31) 2016/11/2 15:20
H2A202型・4S
32号機 (F32) 2017/1/24 16:44
H2A204型・4S型
33号機 (F33) 2017/3/17 10:20
H2A202型・4S
34号機 (F34) 2017/6/1 9:17
H2A202型・4S
35号機(F352017/8/19 14:29
H2A204型・5S型
36号機 2017/10/10 7:01
37号機 2017/12/23 10:26
38号機 2018/2/27 13:34
39号機 2018/6/12 13:20
40号機 2018/10/29 13:08
41号機 2020/2/9 10:34
42号機 2020/7/20 6:58
43号機 2020/11/29 16:25
44号機 2021/10/26 11:19
45号機 2021/12/23 0:32
46号機 2023/1/26 10:50
47号機 2023/9/7 8:42
48号機 2024/1/12 13:44
49号機 2024/9/26 14:24

関連動画

試験機1号機(LRE)・試験機2号機(つばさ・DASH)

3号機(こだま・USERS)・4号機(みどりⅡ)

5号機(情報収集衛星光学1号機・レーダ1号機)

7号機(ひまわり6号)・8号機(だいち)

9号機(ひまわり7号)・10号機(情報収集衛星光学2号)

11号機(きく8号)

13号機(かぐや)・14号機(きずな)

 

15号機(いぶき)・16号機(情報収集衛星光学3号機)

17号機(あかつき・IKAROS)・18号機(みちびき)

19号機(情報収集衛星光学4号機)・20号機(情報収集衛星レーダ3号機)

21号機(しずく・アリラン3号)・22号機(情報収集衛星レーダ4号、光学5号実証衛星)

23号機(GPM主衛星)・24号機(だいち2号)

25号機(ひまわり8号)・26号機(はやぶさ2)

27号機(情報収集衛星レーダ予備機)・28号機(情報収集衛星光学5号機)

29号機(Telster 12 VANTAGE)・30号機(ひとみ)

31号機(ひまわり9号)・32号機(きらめき2号)

33号機(情報収集衛星レーダー5号)・34号(みちびき2号)

35号機(みちびき3号)

その他

 

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