HOゲージ

HOゲージとは、鉄道模型における規格の呼び名のひとつである。

概要

縮尺1/87、あるいは線路幅16.5ミリ、どちらかで規格をそろえる模型に対して主にこの呼び名が使われる。

逆に言うと、このおかげでNゲージに比べてかなり多くの規格違いが誕生しているのだが、ここでは主に日本における展開を紹介する。

日本におけるHOゲージ

もともと米国式・欧州大陸式のHOゲージが入ってきたことが日本におけるHOゲージの始まりとされている。これは縮尺1/87、線路幅16.5ミリ（現在の日本では新幹線模型がこれに相当する）であった。

そして戦後、主に輸出のために模型を製造していた日本のメーカーが、生産インフラや部品をそのまま流用して国内向け製品を生産できるように、今で言う在来線（欧州や米国より線路が狭い狭軌）の模型も16.5ミリの規格で作るようになり、これらの縮尺は少し大きめの1/80となった。

縮尺1/80、線路幅16.5ミリの規格は当初は「日本版HO」あるいは「16番ゲージ」と呼ばれていたが、のちに大手メーカーが積極的にHOという表記をパッケージに打つようになっていった。最近発売数の多いプラ成型車体の製品の大半は、これらの「かつて16番と呼ばれていた規格」と、Nゲージのインフラを使ってトロッコ鉄道などを再現する「HOナロー（縮尺1/87、線路幅9ミリ）」が多くを占めるようである。

いっぽう、「16番はHOではない、車体に対して線路が狭い狭軌感が再現されていない」と考える人もいて、縮尺1/87、線路幅12ミリの規格でも製品が出されている。これらは提唱する人によって呼び方がかなり分かれている。12ミリゲージととりあえず呼称することが無難かもしれない。

これから始めたい人へ。とりあえず車両はNゲージより高いです。しかし加工やディテールアップにこだわる作業は、車体が大きくなった分、むしろNよりやりやすいかもしれません。線路についてはレンタルレイアウトを活用するなども、ご検討ください。

主なメーカー

関水金属

Nゲージと同じように、道床式レール（ユニトラック）も含めてプラ製品を手広く出している。特にこの規格での道床式レールをTOMIXが出していないため、頼っているユーザーも多いかもしれない。Nゲージより車体が大きくなった分、DCC（デジタルコントロール）を比較的取り付けやすくなっている。

TOMIX

Nゲージの製造技術の蓄積を経て参戦した。プラ車体の車両を発売している。機関車はだいたい1両2万円台、ただしパーツ取り付けなどをしっかりやってパッケージングしたプレステージモデルもあり、そちらはお高い。

天賞堂

Nではものすごい価格の製品を出していたが、この規格では買いやすいものと超高級品に相当な差がある。電気機関車の金属車体ハイグレードモデルなどは20万を超えるが、ダイキャスト車体製品だともう少し買いやすくなる（サウンドつきEF58が68000円）。そしてプラ製品の蒸気機関車あたりだともう少し買いやすい（C58が4万円台、9600形も5万円台）。このほかDCCなしでもサウンドを鳴らしながら運転できる「カンタムサウンド」が搭載された車両もあるので注意して見てほしい。

エンドウ

真鍮製品に絞って製品を出し続けてきた老舗。はっきりいって超高級品が目白押しである。このほか自作車両製作用にパーツを分売していたりもしているため、ヘビーユーザーはエンドウの完成品を買わずともパーツの世話にはなっている、という場合も多々ある。

関水金属とは別個に16.5ミリの道床式線路（ニューシステム線路）を販売している。

※かつてはNゲージも製造していたが現在は撤退している。

カツミ

1945年創立のエンドウに肩を並べる、1947年創立の老舗。やはり真鍮製品を製造している。1959年から日本型車両の模型を出してきた草分け的存在である。

トラムウェイ

日本で企画し、中国で生産する形で製品を増やしてきたプラ車体完成品のメーカーである。価格帯は、たとえば過去に発売された8620形で4万円台、キハ30系でT車が最高9000円、M車が最高18500円という設定になっている。

マイクロエース

Nゲージ車両の模型を展開するかたわら、この会社もプラ車体完成品を発売している。マイクロエースらしいというべきか、車両のチョイスが独特である。

関連動画

車体をプラバン、バルサ木材、あるいはボール紙などで作る工作派も昔から存在する。

関連商品

ニコニコ市場でHOゲージと検索して出てくる製品は１６番ゲージのプラ車体製品が大部分である。

関連コミュニティ

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関連項目

• 鉄道模型
• Nゲージ