アイマックス
IMAXとは、カナダのIMAX社が開発した大型映像向けのフォーマットである
70ミリ15パーフォレーションという非常にばかでかいフレームを持ったフィルムを、毎秒24コマで水平方向に動かして上映する。(IMAX HDに至っては毎秒48コマで動かしている)映写機も専用のものが必要で、光源は15000ワット出力の水冷式クセノンショートアークランプを使っている。
何しろ1コマの大きさがブローニーフィルムの67判と同じなので、フィルムの消費スピードが半端じゃない!1000フィートのフィルムを約3分で上映しきってしまうので、1作品あたり40〜60巻ものフィルムを運搬してつなぎ合わせないといけず、そんなことやってられるか!という現場の声を受け、最近ではIMAXデジタルというフォーマットが一般的である。ハードディスクユニットをケーブルでプロジェクターにつなぐだけなので、合理主義のアメリカではほとんどのIMAXシアターがデジタル化してしまった。(ただし、画面の解像度は2Kに落ちてしまう。)
このIMAXを使った作品で有名なのは、大阪万博で上映された「虎の子」。そして最近では「ダークナイト ライジング」など近年のクリストファー・ノーラン監督作品である。撮影では1000巻もの65ミリネガフィルムを消費しまくり(時間換算で約3000分、つまり50時間)、その中から使えるシーンを73分分だけチョイスして12K超ハイビジョンスキャナーでデジタル化し、本編に使用したとのこと。1作品に数百億かけられるハリウッドならではの暴挙である。余談だがこの作品の撮影で、IMAXカメラが2台ぶっ壊れたそうである。
なおIMAX用のカメラはIMAX社でしか貸し出していない。しかも借りる際は3日間の操作講習を必ず受講しないといけず、その期間もレンタル料金に加算されてしまう。ネガフィルムも1000フィートが約19万円、65ミリネガ現像と35ミリ縮小ラッシュプリント制作で31万ほどかかる(これらの作業はアメリカのイマジカでしかやっていない。)このためIMAXで作品を作る場合は、最低でも数十億の予算がないとできないと言われている。
本家IMAXカメラ以外に、MSM9801、MSM9802というカメラも存在する。値段は、フルセットで4000万もする。ちなみにレンズマウントはペンタックス67マウントである。(本家のカメラはハッセルブラッドマウント)フィルムのセットアップが非常に単純(スリットにフィルムを落とし込むだけ)なため、本家のカメラを扱ったことがあるスタッフが、装填の容易さに感動したという逸話も残っている。なおフィルムの幅が広いため、ゲート部分で真空ポンプによるバキュームを行ってフィルムをゲートにしっかり吸着させている。と同時にフィルムを固定する上下各4本のレジストピンが出て、フィルムをしっかりホールドしている。ここまでしないとピンぼけなネガフィルムができてしまうとのこと。(しかもこれを1秒間に24回行うので、結構動作音はうるさい!デジタル一辺倒なカメラマンが、動作音を聞いて驚いたという逸話がある。)
掲示板
12ななしのよっしん
2020/10/25(日) 06:51:44 ID: rkX9nXwP3y
13ななしのよっしん
2021/03/29(月) 10:45:15 ID: X4RXeNz7U4
日本でIMAXフィルムがはやらないのは、国内で現像しているところがないのが原因
日本のイマジカ経由でアメリカのイマジカでネガ現像と35ミリ縮小ラッシュ起こしをするので、時間とお金がかかる。
知り合いのドキュメンタリーカメラマンがIMAXを扱ったときは、三分あたり50万のコストがかかったとのこと。なので撮影に失敗すると、試写室内でカメラマンがボコボコにされるとか。
14ななしのよっしん
2021/07/05(月) 01:40:46 ID: 0dqk8Ov4IQ
そこそこIMAXで映画見てきたけど、音響でいえば上映前の「針の落ちる小さな音も、ジェットエンジンの大轟音も」のジェット機が離陸する轟音がどの作品よりも一番迫力あるわ
爆音上映は除くけど
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最終更新:2022/07/05(火) 05:00
最終更新:2022/07/05(火) 05:00
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