J-I とは、日本が1990年代に開発をしていた全段固体燃料のロケットの名称である。
1996年に試験機が打ち上げられるも、計画は凍結された。
J-I ロケットとは宇宙開発事業団(NASDA)と宇宙科学研究所(ISAS)が、
石川島播磨重工と日産自動車宇宙航空事業部(現IHIエアロスペース)と共同開発していた
3段式の固体燃料ロケットである。
J-I の読みに関しては、日本の他のロケット同様「じぇいわん」や「じぇいいち」と複数の呼び名がある。
J-I は、今後需要の増大が見込まれていた低軌道(LEO)への1トン級衛星を輸送する目的で開発が計画された。
既存のシステムを組み合わせロケットの研究開発費を抑える目的で、
宇宙開発事業団のH-II ロケットと宇宙科学研究所M-3SII ロケットの技術をジョイントする事になる。
3段式の全段固体燃料ロケットで、上記のように日本の既存技術をもとに開発が進められた。
全長33.1メートル、総重量88.5トン。(積荷の人工衛星を除く)
第1段機体
宇宙開発事業団H-II ロケット用の固体ロケットブースター(SRB)を流用。
ただSRBにはロール制御機能が無い為、これを付加する外部バーニアエンジン「EVE」を石川島播磨重工が開発。
試験機1号機打ち上げ後はH-IIAロケット用のSRB-Aを流用した2号機の開発が進められていたが、
計画凍結から本体はH-IIAロケットの打ち上げに使用されたという。
第2段機体
宇宙科学研究所M-3SII ロケットからM-23 固体ロケットモータを流用。
第3段機体
宇宙科学研究所M-3SII ロケットからM-3B 固体ロケットモータを流用。
但し計画凍結で打ち上げの消えた2号機に搭載予定だったものであり、日の目を見ずに終わることになる。
誘導方式
電波誘導方式。
全1回の打ち上げに成功。
既に終了していたM-3SII 製造ラインの再開や異なる制御系に基づく第1段と第2段以降の調整など、
コスト軽減の思惑は上手く行かず宇宙開発委員会の計画見直しに伴い開発は凍結となる。
但し既存のシステムを流用するという構想自体は世界的にも多く、日本でもイプシロンロケットで実現となる。
また余談あるが...試験機1号機によって打ち上げられた極超音速飛行実験「HYFLEX」は、
計画後半になって急遽追加された機体回収という誰の見た目にも判りやすい成果に失敗している点と
J-I ロケットに対するイメージが付加された影響かそれ自体「失敗」の印象を持たれがちだが
極超音速域での飛行データ収集という当初の目的で実験は成功している。
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最終更新:2024/04/19(金) 21:00
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