KTクオリティとは (キンテツクオリティとは) [単語記事]

KTクオリティとは、近鉄（近畿日本鉄道）独特の技、編成、配線などをまとめたもので、言ってしまえばハマの赤いあんちくしょうこと京急のKQクオリティの近鉄版である。

概要

　近鉄はその前身である大阪電気軌道や参宮急行電鉄時代に多くの鉄道会社を吸収、合併を行ったため、その総営業キロ数は近畿東海二府三県501,1km（かつては岐阜県にも路線があった。現在の養老鉄道、三岐鉄道）。また、阪神電鉄との相互乗り入れにより近鉄車両が阪神三宮にまで顔を出すようにもなり、日本一の私鉄であると言えよう。それだけ大きいからなのか、多数の鉄道会社を吸収したからなのか、はたまた色々な苦難を乗り越えてきたからこそなのかは分からないが、どこかのハマの赤いあんちくしょうばりの独特の技を見せてくれる。

　それぞれ東の赤い電車も西の赤い電車も独自の技とカオスな何かを持っていると言うこと

代表例

柔軟な車両運用を得意とする近鉄だからこそのカオス編成
- ブツ6（2両+2両+2両で６両編成を作る）やブツ8（同様に８両編成作る）は当たり前！ひどい時にはブツ10も！！
- 朝の10両快速急行は4両+2両+4両か2両+2両+6両が多い。ただし4両+6両はほとんどない。
- 稀に3両+3両+4両で10両を作ることも。なんでや！阪神関係ないやろ！ (阪神乗り入れ非対応的な意味で)
- 最新型通勤車両”シリーズ21”2両編成が先輩の8000系列に両サイド挟まれて大阪難波へと快速急行運用。（なお名古屋線では見られない）
- 旧型車両と新型車両を併結しても同じ特急料金を徴収　近鉄南大阪線ではかなりの格差が・・・
- 中川短絡線のせいで仕方がないともいえるが、志摩線系統では特急の号車が名古屋方面行と難波方面行で異なる。
形式の付け方がおかしい複雑すぎる
- 補助電源装置やディスクブレーキの違いで形式を分ける。
- 見た目が全く同じ車両でも実は全く違う形式何てことはザラ
- XX XX系のトップナンバーがXX XXFではないということも普通（Ex:6432系のトップナンバーが6422F）
JR西もびっくりの古い車両を末永く大切に使いましょう計画
- 阪急や元々傘下だった南海、かつて乗り入れていた京阪等に他の関西私鉄にも言えるが、大阪万博を2回迎える車両が在籍している。
近鉄の代名詞とも言える名阪特急のライバルは特急南紀や快速みえではなく『東海道新幹線』
- 奈良県内、三重県内は近鉄王国と言われるほどJRに圧勝している。
- その昔、わずかながらも東海道本線特急「こだま」より名阪間所要時間が短かった時代も　しかし、東海道新幹線開通後は所要時間では負けていたが、国鉄の運賃値上げ等で近鉄に客が戻り始めた。
- また、アーバンライナーは製造されて結構長い年月が経っているにも関わらず、京急もびっくりの変態加速。
- 2020年には名阪甲特急専用となる新型車両「ひのとり」が導入された。
- 余談だが、奈良県は国内で唯一の「JRの特急もしくは新幹線が走っていない県」である。
駅名が異なるのに同一駅扱いの大和八木駅と八木西口駅。
平城京跡を突っ切る奈良線。
- 遺跡が発見される前に線路を敷いてしまったのが原因。
- 2021年にようやく別ルートの計画が近鉄と行政の間で決まったが、着工が2040年、完成が2060年予定とかなりの長期計画である。後述の大和西大寺駅の工事も絡む以上長期工事になるのは必然ではあるが。
名阪甲特急の中川短絡線内での走行中に行う乗務員交代
- 名阪甲特急名物の走行中の乗務員交代は、長距離運用を行う近鉄だからこその妙技！
- しかし、2012年 3月20日のダイヤ改正をもって乗務員交代は津駅で行われるように　詳しくは中川短絡線←クリック
- また短絡線は中川短絡線のみならず、大和八木駅～新ノ口間と大和八木駅構内に新ノ口短絡線と八木西口短絡線が設置されている。こちらは京伊特急及び団体・臨時列車専用。
おそらくポイントの数日本一(?)を誇る関西随一のカオス配線駅　大和西大寺駅
- 近鉄奈良線、近鉄橿原線、近鉄京都線と西大寺車庫へとつづく線路が平面交差してることによってポイントの数が尋常じゃないことに！おそらく日本一ポイントが多い駅(?)
- 前述の奈良線工事と並行で立体交差化が計画されている。京急蒲田や現在工事中の阪急淡路に次ぐ要塞になるかもしれない。
そして京急蒲田や阪急淡路に匹敵するとの噂があるのが奈良線と大阪線の（書類上）合流する布施駅。二層構造となっている。奈良線と大阪線の快速急行は通過するが、大阪線の一部阪伊特急は停車する。
関西一の増解結のプロ
- 京急では連結のみだが、近鉄では奈良線花園駅列車暴走追突事故を教訓に列車を連結する際には相互の車両と行き来できるように貫通扉同士を幌でつないでいる。連結から出発までの速さでは京急に敵わないが、幌を繋ぐなどの作業を通しての連結作業は、柔軟な車両運用を得意とする近鉄ならではのお家芸。どちらも素晴らしい。
伝統と歴史ある鮮魚列車
- 1963年から運行を開始。以来、松阪や伊勢志摩の漁師に親しまれてきた。しかし、年々利用者が減り続けているが、現在のところ近鉄2680系三両編成で運行している。
- 2020年ダイヤ改正で独立した運用は廃止。2410系2423Fを改造して、急行や快速急行に併結される形で存続。
名古屋線の標準軌化工事の際に行った営業線の上に仮設の渡り線を通して列車を工場に入れる大道芸
- 伊勢湾台風の被害を受け、復旧作業と同時に標準軌化工事を近鉄は行った。これは後に伝説の名言「禍を転じて福となす（佐伯勇社長）」として今でも有名である。狭軌から標準軌へと変わるのだからそれに合わせて列車の台車も変えなければならない。その際、列車を工場に入れるときに行ったのが、営業線の上に仮設の渡り線を通して工場に入れるという大道芸をやってのけた。これは次の動画の20分20秒ごろに映っている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
近鉄奈良線（瓢箪山駅～石切駅）、近鉄大阪線（大和朝倉駅～榛原駅）、同線青山峠などの長距離急勾配
- 近鉄奈良線の瓢箪山駅～石切駅間では最大35.7‰　近鉄大阪線の大和朝倉駅～榛原駅間は最大33‰とそれぞれなかなかの急勾配。特に奈良線の勾配はかつての鉄道規則の制限35‰をもオーバーしていた(現在は廃止)。しかし、これらの急勾配をもろともせず、平然と登っていくのが近鉄。
- この勾配を登る力は乗り入れ先の阪神なんば線の九条～西九条間でも遺憾なく発揮されている。
これまたどこかのハマの赤いあんちくしょうばりの近鉄版逝っとけダイヤ（逝てまえダイヤ）
- 結構遅れ出すと発車時間がかなり前後して先発次発案内がされるのは序の口。かなりひどい遅延が発生すると駅のパタパタ（案内表示器）が匙を投げて無表示になったり、途中の駅で到着する寸前でこの駅で打ち切ると言う放送が流れたかと思うと、駅に着いたとたんやっぱり最後まで運転するなど結構カオスだったりする。（ちなみに、車掌さんも若干キレ気味でした）
- 兵庫県南部地震発生約1時間後に通常運転をしていたという嘘かほんとかわからない逸話もある。
ゲリラ豪雨は基本気にしない
- 近頃夏場に多いゲリラ豪雨だが、そのぐらいだったら近鉄は平気で平常運転する。もちろん速度なんて落とさない。
- しかし霧には弱く、山間部はダイヤが乱れやすい。
台風も基本気にしない
- 暴風域に入っても普通に運行する。一応台風接近中は「運転を見合わせる場合がある」というアナウンスはされるが、実際に運転見合わせになったことはほぼない。
少しのダイヤ遅れは当たり前
- 通勤通学時間帯に2分程度遅れるのは日常茶飯事で、車掌からのアナウンスもない。5分遅れてようやく告知するレベルである。それを見越してか最初からダイヤ遅れを織り込んで駅に到着する利用者も散見されるほど。
2つの規格に対応する変態車両の開発計画
- けいはんな線が乗り入れているOsaka Metro中央線がIR 開発が進められている夢洲まで延伸することを受け、奈良駅から東生駒駅まで奈良線を走り、東生駒駅～生駒駅の間に連絡線を作って別規格である第三軌条方式のけいはんな線、中央線に乗り入れて夢洲まで走る特急列車を導入する計画を打ち出した。既に海外メーカーに車両開発を依頼している。
- 上記以外にもこの計画には課題が多く、他に計画している山陽電鉄への特急乗り入れ以上に実現が困難であるが、大真面目に経営計画に載っている。
- なお、吉野線と橿原線を直通するためフリーゲージトレインも開発中である。