Mi-24とは、ソ連が開発した戦闘ヘリコプターである。
評価版の初飛行は1970年。
簡潔に説明すると、兵員輸送能力を持ったソビエトロシアの戦闘ヘリ。
他国の同様の戦闘ヘリと比較し、防弾装備や対戦車攻撃能力を持ちながらも
胴体内に8名の兵士や物資等を乗せられる兵員輸送室を持っている事が大きな特徴である。
ベトナム戦争でアメリカ軍が本格的にヘリコプターを戦場に投入したことでその価値は大いに注目されていた。特にヘリで兵士を輸送するヘリボーン作戦は非常に画期的で従来の空挺作戦よりずっと柔軟に航空機による歩兵の輸送が可能になった。そしてAH-1などこれらを護衛する攻撃ヘリコプターが誕生するのである。(詳しくは攻撃ヘリコプターの記事を参照)
だがしかし、ソ連ではアメリカ軍のような攻撃ヘリという思想ではなく別の考えが生まれることとなった。つまるところ、「輸送用と攻撃用を分けたりしなくても、高い攻撃力を持った輸送ヘリが戦闘も輸送も両方やればいいんじゃないの?」ということで開発されたのが「強襲ヘリコプター」Mi-24である。単純にいえば空飛ぶ歩兵戦闘車といえよう。世界初のIFV(BMP-1)を開発したソ連らしい発想かもしれない。
Mi-24は1個歩兵分隊8名をその兵員室に搭乗させることができる輸送能力と、機首に12.7mm機銃(後のタイプでは20mm機関砲も)、スタブウィング(短翼)にそれぞれ3つずつの計6箇所のパイロンに大型の対戦車ミサイルやロケット弾ポッドを備え付けることができる攻撃ヘリとしてもかなり大きな攻撃能力・兵器搭載量を併せ持つことになった。
対戦車ミサイルとは別に蜂の巣のような巨大な32連装ロケット弾ポッド(UB-32A-24)を4つ吊り下げた場合、単純計算でも128発のロケット弾を投射する能力を持つ。
自機に搭乗させた兵士を作戦地域に投入する際、作戦中、果ては撤退や脱出時に地上支援や掃討といった援護も可能。兵員輸送室に弾薬や食料を積めば物資も運べて便利!…など一見するとかなり使い勝手の良い機体にも思える。
しかしそれを実現するため機体の大型化を招いており、アメリカのAH-1が全長13.4mに対しハインドは全長21.5mとかなりの差異がある。このため鈍重で運動性が悪かった。また武装は申し分なかったものの兵員輸送能力は中途半端であり、空中強襲旅団は結局専門の輸送ヘリも同時に装備することとなった。
エンジンは双発だが後部コクピット上部に仲良く2つ並んだレイアウトとなっており、被弾した際に同時に吹っ飛んで飛行不能になってしまうといったリスクもある。
こういった問題から結局は戦闘と輸送の両用は諦めて普通の攻撃ヘリとして使うことが普通になり、西側と同様に専門の攻撃ヘリであるMi-28やKa-50を開発することになる。(後者は二重反転ローター)
しかし、その存在は西側世界に恐れを抱かせるには 十分であった。大型化してしまったがゆえの強力な攻撃能力は西側戦車兵の脅威であったし。そしてそれ以上に重要なのがソ連軍もヘリボーンによる歩兵の空中機動が可能になったことである。
NATO諸国はただでさえ東側の膨大な数の戦車師団の猛突撃にどう対応しようか頭を悩ませていたのに、それと同時に空中から後方の重要地点に向かってMi-24の群れが歩兵を乗せて雪崩れ込んでくるのである。そうなれば前からは戦車の群れ、逃げようにも強力なヘリに支援された歩兵部隊が退路をふさいでいるということにもなりかねない。さらには通信施設や指令所の襲撃・占領なども考慮に入れねばならないのである。
上記のような欠点もあるもののMi-24は東側の主力戦闘ヘリとして大量に生産され、東側諸国にばら撒かれた。そのため数多くの地域紛争や戦争で活躍し戦闘ヘリのベストセラーとなっている。地味に輸送に使えるというのも便利かもしれない。
1978年-1989年におけるソ連のアフガニスタン侵攻において、当初は猛威を振るっていた。
その後、大気の薄い山岳を単独で低空飛行してただでさえ鈍い動きが鈍ったところを米軍に供与されたスティンガーミサイルで容易に撃墜される事態が多発し大きな損害を出すこととなった。
ちなみにMi-24に限った話ではなく、歩兵の携帯式地対空ミサイルよって容易に撃墜されてしまうといった欠点は他の戦闘ヘリコプターも同様であり、同時にそれらを存在を脅かすものとなっている。
初期のモデルはコクピットの窓が角ばっているため判別しやすい。
初代メタルギアソリッドにおいては通信棟屋上で戦ったため、思い出に残っている方も多いかもしれない。(初期型はMGS3で飛行している様子が見られる)
CoD:BOにおいては敵から強奪したものをプレイヤーが操作でき、地上の歩兵を吹っ飛ばせる。
エンジンから後部にかけて同国の輸送ヘリであるMi-8の面影がある。
そちらの機体にも別途で短翼を取り付け同様にロケット弾ポッド等を搭載することもできる。
掲示板
51 ななしのよっしん
2022/07/23(土) 14:13:59 ID: 2ulHiud2ko
>>49
ハインドは増槽2本積んでもまだハードポイント4つ使えるからな
52 ななしのよっしん
2022/12/11(日) 14:37:50 ID: YAc+YiycXX
某同人誌のおかげで正面から見たら左右非対称な設計だって今さら知った…
53 ななしのよっしん
2023/02/05(日) 23:25:49 ID: y3WpcrTNtw
フルに武装を積んだら垂直離陸が出来なくなるというのは、試験段階でもっとよく考えるべきだった。
滑走路が使えるんなら固定翼機を飛ばす方が安いだろが。
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最終更新:2024/04/19(金) 18:00
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