MoMA(モマ)とは、
1929年開館、モダン・アートの殿堂としてニューヨークっ子だけでなく世界中の人から“MoMA”の愛称で親しまれている。セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンに始まり、キュビズム、シュールレアリスムへと続く20世紀の芸術史を垣間見ることができる作品を数多く所有している。
主な収蔵品は以下の通り。
時は1998年に遡る。
1998年10月、大型エキスパンション『ウルザズ・サーガ』が発売された。正確にはその少し前のスポイラーリストが出回った段階で、ある1枚のカード──《トレイリアのアカデミー》がとてつもなくヤバイと世界中のプレイヤーの間で囁かれ始めた。自分がコントロールするアーティファクトの数だけ青マナを生み出すというこのカードだが、時代は奇しくも1マナ以下のアーティファクトには事欠かない時代。青マナを使うカードはゲームの根幹ルールに干渉するカードが比較的多いため、他の色のマナよりも増産が難しい……はずなのだが、そのバランスはたった1枚のこのカードによって崩壊してしまう。
発売の日を迎えると皆がこぞってこのカードを使ったデッキを作り始めたが、程なくして1つのコンボデッキが世に知れ渡る。1つ前のエキスパンション『エクソダス』に存在するカード、《精神力》と組み合わせたデッキである。大まかなコンボの流れは以下のとおり(カードの説明は後述)。
なお、開発チームはこういうデッキが組める事をテストの段階で把握していたらしい。把握した上で、このようなデッキが作られても大した事は無いと判断し、さしたる修正も無いまま世に送り出した。なぜこのような、ガムシロップとハチミツを足して砂糖を加えたような甘い判断がなされてしまったのかというと、開発陣は《意外な授かり物》と《時のらせん》という、一瞬で自分の手札を大幅に回復できる2枚のカードの存在を失念していたからである。実際、この2種のカードを使わないでコンボを始めると始動に時間がかかり、かつ途中でコンボが止まることもしばしば起きる不安定なデッキになる。そのためデッキパワーを過小評価されてしまった。しかし実際は遠慮なく上記の2枚のカードが使われ、2~3ターンもあれば相当量のアーティファクトをばら撒いた上で手札を7枚フルチャージし余裕綽綽でコンボスタート出来るデッキが生まれてしまった。
このデッキが出来てしまったことで、トーナメントはMoMa一色に染まってしまう。
ジョインジョイントキィで有名な『AC北斗の拳』での最初の全国規模の大会『闘劇06』でさえも、ぶっ壊れバグチートキャラと呼ばれたトキは62人中27人。5割に満たない使用率であった。しかし全盛期におけるMoMaは5割を余裕で越す使用率を誇り、ベスト8中6人がMoMa、ベスト4は全員MoMaという笑えない事態を引き起こす。その有様は、当時の季節が冬であった事と、過去に『ネクロディスク』というデッキが世界を席巻した事を“ネクロの夏”と呼んでいたことに合わせて“MoMaの冬”と呼ばれ、MoMaはMTG史上最悪のデッキと呼ばれるようになった。
しかし実を言うと、凶悪さだけならば『メグリムジャー』や『ハルクフラッシュ』など、MoMaよりもヤバいデッキはいくつか存在する。にも関わらずMoMaが未だに史上最悪と呼ばれ続けているのは、他の凶悪デッキと違って「デッキが生まれてからパーツを禁止カード指定されて死亡するまでの間に、大きな大会で活躍する機会があった」という点である。大きな大会で、禁止されるべき凶悪カードが1枚も欠けていない完全体の状態で暴れまわった結果、上記のベスト4が全員MoMaでした[1]などと言う洒落にならない事態を引き起こし、歴史に名を残した。
このデッキが暴れていた時期は、カジュアルの野試合はともかくある程度大きな大会ならばMoMaと当たらない事は極めて稀で、「MoMaに瞬殺されるかされないか」というゲームになりつつあり、「ゲームは以下の3つの段階に分かれている──コイントス[2]と、マリガン[3]と、先手の第1ターン目だ」というとんでもないジョークが生まれてしまうほどであった。
カードプールが狭く、中々凶悪なデッキが生まれないはずのスタンダードでさえ1ターンキルの確率が5パーセントを超えてしまうほどの化け物(エクステンデッドなどならばさらに高確率)デッキだったため、あまりジョークになっていないジョークである。2~3ターン目までならばほぼ安定して相手は死ぬ。
なお、MoMaと言う名前はキーカードの1つである《精神力/Mind Over Matter》の英語名を略したものであり、同時にコンボが始動した後の動きの美しさを皮肉って冒頭の1の美術館の名前をかけたもの。MaがMatterの頭2文字であるため、最後のaは小文字で書く事が多い。
Mind Over Matter / 精神力 (2)(青)(青)(青)(青)
エンチャント
カードを1枚捨てる:アーティファクト1つかクリーチャー1体か土地1つを対象とする。あなたはそれをタップまたはアンタップしてもよい。
本来1ターンに一度しか使えない土地などを手札が許す限り、何度でも使うことができる。本当はこのカード自体を場に出すのに必要なマナが多めなので、簡単に出せるものではないのだがマナを生み出すアーティファクトや《トレイリアのアカデミー》を用いると、いとも簡単に場に出せる。普通にゲームをプレイしてたら土地は1ターンに1枚しか出せないので6ターンはかかるが、MoMaなら1ターン目から普通に出てくる。《トレイリアのアカデミー》の恐ろしさを如実に表している。
Tolarian Academy / トレイリアのアカデミー
伝説の土地
土地は1ターンに1枚しか場に出せない上、ほとんどの土地は1マナしか生み出せない。2マナ以上を生み出せる土地は大抵かなりのデメリットを負ってしまうのだが、このカードは違った。前述のとおり、1マナ以下のアーティファクトには事欠かない時代であったため、これ1枚でかなりの量のマナを生み出せる。《精神力》と組み合わせて複数回使うととんでもない量のマナを1ターンで発生させる事ができる。
“伝説の土地”であるため、場に1枚しか出すことができない。当時のルールでは、《トレイリアのアカデミー》が2枚以上場に出たら後から出たほうが墓地に置かれてしまうという、という欠点がある。MoMaがあまりにも猛威を振るっていたため、青マナもアーティファクトも全く使わないデッキですら、先にこのカードを出すために4枚入れることもあったというのだから驚きである[4]。
ソーサリー
時のらせんを追放する。各プレイヤーは、自分の墓地と手札を自分のライブラリーに加えて切り直し、その後カードを7枚引く。あなたは土地を最大6つまでアンタップする。
場に出したカード以外(墓地と手札と山札)を全てリセットできる。
マジック黎明期には、同じ効果を持つ上に必要なマナがこのカードの半分で済む《Timetwister》というカードがあった。手軽に墓地を再利用出来て手札を補充できるカードが弱いわけもなく、黎明期に作られたカードである為にきちんとした調整が出来ていないのは仕方ないと言える。だから、このカードはオリジナルより必要なマナが2倍! これはきちんと調整できてるだろう! とドヤ顔でこのカードを提示してきた。
ところが当時は《トレイリアのアカデミー》という強力なマナ生成カードがあったため、6マナでも使うことができた。さらに問題となったのは、使用後に土地を6枚アンタップできるという部分。
アミバ様もビックリな間違え方をしてくれた開発陣。潤った手札のカードを使えるのは次のターンから、というオリジナルの欠点を克服してしまったのだ。もちろん、普通に使うには必要なマナが多めなので一口にオリジナルより強いとは言い難いが、場合によっては上回るかもしれないという恐ろしい可能性を秘めたものとなってしまった。可能性を生み出しただけでアウトなんだよとはよく言ったものである。
と、強力なカードなので様々な環境で禁止、制限カードに指定されていたが昨今の環境の高速化を受けてなのか、一部の環境で制限が解除された。
Stroke of Genius / 天才のひらめき (X)(2)(青)
インスタント
Xは自分の好きなように決められるので、例えばカードを3枚引きたい場合は(X=3)(2)(青)で合計6マナ必要になる。
このカードの特徴は自分にはもちろん、対戦相手にも使えるというところで、ルールにもよるが最低60枚のデッキを用いなければならないこのゲームだと、60-初期手札7=53より多くのマナをXにつぎ込んで相手に使えば、大抵の場合は対戦相手のライブラリーが尽きてカードが引けなくなるため、その時点で敗北となる。
ソーサリー
各プレイヤーは自分の手札を捨てる。その後、これによりプレイヤーが捨てたカードの枚数のうち最も大きい枚数に等しいだけのカードを引く。
要するに手札の入れ替えなのだがこのカードも他のカードに負けず劣らず壊れており、このカードを使用したプレイヤーの手札が0枚だったとしても他のプレイヤーの手札が7枚なら、7枚引けてしまう。上述の《精神力》を使うのに必要な手札を補充して、再び《トレイリアのアカデミー》をアンタップするわけである。
予想外の手札入れ替えで相手の計画はぐちゃぐちゃ、しかし自分は手札が潤う。もちろん、こんなカードが容認されるわけもなく、現在では厳しい使用制限が課せられている。こんなぶっ壊れたカードを見落とした開発陣は社長に怒られて当然である。
↑エクステンデッド版。プロツアー(世界大会)で圧倒的な成績で優勝した。
↑《トレイリアのアカデミー》と《意外な授かり物》が禁止されたスタンダード版。大幅弱体化したがそれでも圧倒的なパワーを誇る。
掲示板
122 ななしのよっしん
2023/12/08(金) 23:01:03 ID: uGO8YVoFjA
ここ数年のマナバーンでMoMAの冬都市伝説説っていう感じの反証あったんだけど
こういうカード語りたいオタクにとってはぼくちんの頭の中のほうが真実に勝るので編集しても差し戻されるだけなんだよな
オカルトとか陰謀論にハマるジジババと大差ないっていう
123 ななしのよっしん
2023/12/27(水) 21:15:03 ID: T7oIaJMXlR
場末の掲示板+肝心の中身出しもしないで後出し+関係ないもんと結びつけて冷笑しぐさとかそれこそ役満で失笑もんだろう
恥かくだけだから他所でやるなよ
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最終更新:2025/03/18(火) 23:00
最終更新:2025/03/18(火) 22:00
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