SIG Sauer P226はスイスのSIG社と、SIG社によって買収されたドイツのザウアー&ゾーン社によって開発・製造されたオートマチック拳銃である。SIG Sauerとは元々はSIG傘下となった後のザウアー&ゾーン社で製造された拳銃に付けられたブランド名であったが、2007年にアメリカの現地法人であるSIGARMS社が改名してSIG Sauer社となっている。(買収やその後の事業売却についてはSIGを参照)
同社のP220をベースに改良が加えられている。ダブルカラムマガジンの採用を最大の特徴としており、P220の9+1発から15+1発と大幅に装弾数が増加した。現行モデルでは、トリガーアクション、バレル長、フレーム素材、装弾数、アジャスタブルサイトの有無などの違いから、「X-FIVE」や「XPRESS」などの明確なモデル分けが幾つも存在する。これに口径の違いやカラーリングなどの差を加えると、P226だけで数十種類にも及ぶ。口径バリエーションは9mmパラベラム弾、.40S&W弾、.357SIG弾がある。
米軍の制式採用拳銃トライアルでは、M1911の後継の座を最後までベレッタ92Fと争っている。トライアルの成績では上だったが、マニュアルセーフティのない構造(P226はマニュアルセーフティを持たない代わりに、ハンマーを安全に戻すことにできるデコッキングレバーを有している)と価格の高さを指摘され、不採用という結果となる。しかし、採用直後の92Fで射撃中にスライドが破断を起こし、破損したパーツによって射手が負傷するという事故が複数回発生。事故の原因は「製造工程の不具合によるスライドの強度不足」である、一時的だがこれが米軍内で92Fへの不信感を高めることとなった。その後は事故防止処理を施した92FSの登場などにより沈静化していった。米軍制式採用拳銃トライアルの顛末とごたごたについてはベレッタ92の記事が詳しいのでそちらを参照されたし。
米軍制式拳銃の座こそ逃したものの、その性能と信頼性の高さは評価されている。前述の92Fのスライド破損事故をみて不安視したのか、米海軍特殊部隊SEALsがP226の長時間水や泥の中に浸けた後でも確実に作動するほどの堅牢さと耐久性の高さに注目しMk24として採用したのである。後年には本銃の改良型であるP226RもMk25として採用されている。
SEALsで採用されたのを皮切りに、その後は士官向けや特殊部隊向けに米軍内でも調達が始まる。FBIや州警察でも制式採用が決まり、日本の海上自衛隊やSAT、ドイツ、イギリス、スペイン、など各国の軍や警察でも多く導入された。ちなみに本銃のコンパクトモデルであるP228はM11コンパクトピストルとして米陸軍に正式採用されている。
余談 Mk24の呼称について
特殊部隊向けとして選定されたMk23が余りにも個性的すぎた為に現場で使われない拳銃となって10数年、2005年にSOCOMが大々的に次期制式拳銃のトライアルを行ったが、トライアル自体が無期限延期の白紙となる。白紙にはなったが、この時に登場したMk23を大幅にコンパクト化したHK45は特殊部隊向けに少数導入された模様。紛らわしいが現在はHK45がMk24に置き換えられており、P226は(改良型のP226Rだが)Mk25のことを指す。
掲示板
8 ななしのよっしん
2017/01/27(金) 02:53:16 ID: 365sPl05pZ
9 ななしのよっしん
2019/03/18(月) 06:27:42 ID: wdtu9sRtev
無骨でごてごてし過ぎずにまとまった感じのフォルムが好き
だけど知名度はそんなにない気がする
10 ななしのよっしん
2023/01/11(水) 23:58:21 ID: SGSSM9YKpy
いかにもザ・現代銃って感じのデザインとスペックだけど、かれこれもう43歳の大先輩なのに他の銃にお株を持ってかれるどころかまだまだ大現役なんだよなあ(なお扱いシンプル+格安+高スペ後輩のグロック君には敵わなかった模様)
いや、むしろこんな傑作が80年にあったこと自体が良い意味で斬新だったか
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最終更新:2023/06/05(月) 09:00
最終更新:2023/06/05(月) 09:00
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