PC-8001とは (ピーシーハッセンイチとは) [単語記事]

PC-8001とは、1979年に日本電気（現NEC）が発売したパーソナルコンピュータおよびその後継機である。

概要

NECはワンボードマイコン（マザーボードに簡易的なキーパッドと7桁の数字を表示するディスプレイを載せたもの）のTK-80を1976年に発売し、記録的な好セールスを記録していた。日本初のパーソナルコンピュータとして登場した日立のベーシックマスターから遅れること1年、NECが1979年 9月に満を持して発売した初のパーソナルコンピュータがPC-8001である。キーボードと本体が一体化されており、プリンタ、データレコーダ、CRT インタフェースを備えていた。

BASIC インタプリタは独自開発のものを採用する予定であったが、西和彦の強力なプッシュによりマイクロソフト BASICを採用することに方針転換した。このBASIC（N-BASIC）はROMで本体に搭載され、電源をONすることで即座にプログラミングすることが可能となった。

168,000円という戦略的な価格設定をしたPC-8001はベストセラーとなり、1980年には国内シェアの60％以上を獲得した。1981年に上位機種のPC-8801が発売された後も販売は継続され、ゲームソフトや実用ソフト、周辺機器も多数発売された。

1983年に後継機種であるPC-8001mkⅡ、そして1985年にPC-8001mkⅡ SRが発売され、シリーズは終了した。

1983年に発売。

互換性を維持しつつ、メモリが増量。それに伴い、グラフィック性能も向上した。本体に拡張スロットが内蔵され、RS-232CやFDD接続インターフェイスが標準搭載された。富士通のFM-7に対抗するための低価格機（123,000円）として登場したとされており、当時としても完全に見劣りする性能であったにも関わらず、かなり売れたそうである。

1985年発売。

FM音源やALU（高速VR AM書き込み）の搭載など、上位機種のPC-8801mkII SRと同等の進化を遂げた。88にはない320 ドットのグラフィックモードを有しており、高速なグラフィック処理によりゲームの作りやすいマシンになった。しかし、1985年はFDDの急激な値下がりでFDDが標準ではない機種は選択肢には入りにくかった。本体価格は108,000円と安価ではあったが、FDDと漢字 ROM（何故か非搭載だった）を導入するとPC-8801mkII SRより高価になってしまうことなどがネックとなり、本機は全く存在感を示せず市場から消えた。そして、ついにPC-8001シリーズの開発は終了した。