Sa・Ga2 秘宝伝説とは、スクウェアから発売されたゲームボーイのRPGである。
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概要
あらゆる種族と文化がごった煮状態で共存する世界観、レベルの概念が無い、ほとんどの武器に耐久力があり原則消耗品であるなど、今後のサガシリーズに引き継がれる要素を取り入れた作品。
これらを端的に表現するならば、「その肌に触る者は火傷し、その眼で見られた者を石化させるエスパーが、パワードスーツを着込んで右手に七支刀・左手にエクスカリバーを持ちながらレオパルト2を乗り回し、ケアルを唱えながら核爆弾で敵を倒すゲーム」とでも言えば分かるかと思われる。
2009年9月17日には、スクウェア・エニックスからニンテンドーDSでリメイク版『サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY』が発売された。
舞台を3Dに移しはしたものの、メインストーリーや台詞・戦闘バランスなどは原作に極めて忠実に再現されている。
3D化に伴いテレポートや高速移動などのマップアビリティが追加され、秘宝のうち、○○のマギだったものの一部がマップアビリティ用の秘宝に変化している。
戦闘はシンボルエンカウントになり、エンカウント時に近くにいる敵も一緒になって大勢で襲ってくるチェーンエンカウントや、サガフロンティアの連携が搭載され、このシステムに関連するミューズとモイライが追加されている。連携ではサガシリーズお馴染みの技が多数登場する。
また、この連携によってチーム内の人間関係が変化していき、それによってサブイベントが発生する時もある。
その他、強化されたボスと戦える亡者の闘技場や魂の暗域が追加され、ボスを撃破したあかつきにはレアアイテムが貰えるため、これによって複数入手・再入手不可能アイテムがほぼなくなった。
細かいところでは、若干やりすぎた感のあるパロディのごく一部及び、CEROに引っかかるためかご禁制の品がそこはかとなく修正されている。
このほか、最後の最後で最大の変更点があるのだが、それはぜひ自分の目で確かめて頂きたい。
種族紹介
GBサガ(及びサガフロンティア)は種族毎に通常の特性だけでなく成長システムまでもがまるっきり違うという、かなり個性的な面々となっている。秘宝伝説では4つの種族から好きなように選択して四人パーティを作ることになるが、編成したパーティによって全く違う戦略が必要となる。
- にんげん
- 装備した武器で戦うオーソドックスな種族で、自身は何の特殊能力も持たないがよく伸びる。
- このゲームにはレベルの概念は存在せず、戦闘中に取った行動によって戦闘が終了時にステータスがたまに上昇する。
- 体術や弓や鞭で素早さが、剣などの武器で力が、魔法を使えば魔力が成長していく。盾を使えば防御も上がることがあるにはあるが、確率は非常に低い。
素早さは素早さ系の武器の威力の他、命中率と行動順、逃走率にかかわってくるため鍛えこむと先に行動できて尚且つ威力も安定しやすくなると便利だが、終盤の強力な武器は力依存がほとんどなのでどちらの育成を優先するかは悩ましいところ。なお銃はダメージが安定している、カウンター系攻撃を受けない、一部はグループ攻撃が出来るといい事ずくめだが、銃を使っていると能力が伸びない上に命中率は力依存なので注意。
- 魔法の自力習得はしないが、各種魔道書を装備すれば対応する魔法の使用が可能。
DS版では武器の熟練度が導入され、同じ系統の武器を使い続けると強くなるようになった。
- エスパー
- 基本は人間と同じだが、たまに特殊能力を習得することがある。
特殊能力はファイアやケアルと言った魔法から、テレポートなどの移動用特技、○ほのお といった耐性まで多岐に渡り、最大で同時に4つまで習得できる。たまに ×でんき などの弱点属性を習得してしまうこともある。
この能力は装備欄と共有されており、能力を4つ覚えると装備は半分の4つまでしか身に付けられなくなる。逆に、装備を5個以上身につけている状態では能力3個以下でスペースが埋まってしまうため、装備を外さないとそれ以上能力を覚えられない。
- 人間同様、戦闘時に取った行動によって成長する。育つ速度は人間と比べて緩慢で、特に力はからっきしであるが、防御は人間よりもやや上がりやすい。
- メカ
- 自身は全く成長しないが、武器や防具を装備すると対応するステータスが上昇する。パーツを良いものにアップグレードするような感じで強くなっていく。
装備によってしか能力を上げられない分、ほとんどの場合1回で人間やエスパー以上に大きく上昇するため、新しい街に辿り着いて武器防具を新調すると仲間内で一番強くなる事が多い。さらに防具を装備箇所を無視して重複装備することができる。また、他種族と比べて銃の火力が上昇する特性を持っている。
- メカに装備した武器はその時点で使用回数が半分になってしまうが宿屋に泊まると使用回数が回復するため、強い武器をメカに装備すれば半永久的に使用することができる。
- 魔法は一切使用できなかったが、DS版では魔力回路が登場し、少々無理すれば魔法を使えるようになった。
- モンスター
- 成長というよりは変身していく種族で、戦闘終了時に敵モンスターが肉を落とす場合があり、これを食べると別の種族のモンスターに変化する。
- この肉食いには一定の法則があり、必ずしも強くなるとは限らないが、原則として強い敵を食べると強いモンスターになれる。強敵を喰らえば一気に強い種族になることも可能。
- 能力や特技は種族毎に完全に固定されており、装備品やアイテムの使用は不可能となっている。
- DS版では特技継承や変異種が追加された他、以前は最終盤の中ボスのみだった最高クラスの肉を落とすモンスターが第四世界に登場し、魂の暗域で何度も戦うことができるため、モンスターが4体でも全員最高ランクのモンスターになれるようになった。
NPC
秘宝伝説にはプレイヤーとして選択した四人の他、イベントで一時的に五人目の仲間が加わることがある。
- せんせい
- 主人公たちが住む故郷の学校で教師をしている、その名の通りのせんせい。父親を探す主人公と三人の仲間の旅立ちを温かく見送ると思いきや、不安だったらしく最初の洞窟を抜けるまでは同行してくれる。
- 種族はモンスター。前作魔界塔士のスライムのような外見をしており、DS版では種族がスーパースライムと明記された。
- 最序盤の仲間にしては戦闘力が非常に高く、最初の洞窟の戦闘は彼に頼り切りになる。HP吸収の溶かすに加え、グループ攻撃のファイアも所持しており攻撃力は抜群。防御面ではケアルで生徒のケアも万全。
- 洞窟の出口に待ち構えるボスを瞬殺した後はその場で寝ずの番をしており、主人公たちの故郷へ帰還を24時間体を張って阻止する。学校はほっといていいんですか。
- カイ
- イシスの神殿に住む女神官。癒しの力を持ち、容姿もかわいいため最初の世界のアイドル的存在であるが、戦闘の際は巨大なバトルハンマーで僕らのハートをノックアウトしてくれる可憐な乙女。
- 癒しの力は生まれた頃から体内に持っていた秘宝の力によるもので、後に秘宝を狙う敵に体内へ侵入され、それを追う主人公たちに体内を思うさま踏み荒らされることになる。特に、手足の血管や腸の中だけに留まらず、心臓や脳の中にまで侵入することになるため、あまり派手な技は使わないようにしてあげよう。
- 秘宝を抜かれた後は癒しの力を失ってしまったらしく、神殿からはすっかり人気が失せてしまう。参拝客も現金なものである。
- ふくめん
- 砂漠の世界で牢屋に閉じ込められている男。共通の目的を持つ主人公たちに同行してくれるが、最初は武器を奪われている。途中で武器を取り戻すが、いかんせんバトルハンマーなのでイマイチ役に立たない・・・と思いきやえれえ強い。道中のザコはおろか、ボス戦でさえ彼のバトルハンマーは猛威を振るう。最初の壁と言えるボスとの戦いを彼のおかげで切り抜けられたというプレイヤーは少なくないだろう。
- 見た目が露骨に父親に似ているがツッコんではいけない。
- リン
- 行方不明の父親に代わって病気の母親を看病している少女。母の病気に効くという薬を探して山に入り、帰れなくなってしまったため主人公たちが町まで送っていくことになるが、そこで探していた薬がポーションなのにツッコミを入れたプレイヤーは多いはず。それは山で採取するモノなのか。
- 中華風な見た目に似つかわしく体術を持つが、戦闘ではまったくの役立たずである。無理に活躍させたければ銃器を装備させるのが無難だが、迷子の少女に火縄銃を撃たせるのは道徳的にいかがなものだろう。
- その後も別件でもう一度仲間になるが、役に立たないのは相変わらず。しかも、今度は装備を調えることもできない。
- ちちおや
- 主人公の父親。旅の途中で再会するが、秘宝を守る目的があるため家には帰れないと言うものの主人公とは一時的に共闘してくれる。過去に聖杯や聖櫃、さらに四つのクリスタルを守ったことがあるという。魔界塔士の にんげんおとこ ではないか?という説が流れているが真相は闇の中。
- サブマシンガンや電撃ムチを装備しており攻撃力は十分、ケアルの書で回復もこなせるが、アーマーベストを脱ぐと防御力がマイナスになる虚弱親父でもある。
- ところで、両親共にどう見ても人間であるにもかかわらず、主人公がモンスターだったりメカだったりすることもあるが、ツッコんではいけない。きっとパーツでも取り付けたんだろう。
- おたま
- 大江戸の世界で父親の後を継いで女だてらに岡っ引きをしているキップのいい姐さん。子分にカメのでんぱちいるのだが、追われる身になったでんぱちを匿う言い訳が「吉原にでも遊びに行ったのでしょう」なのは少々直球勝負すぎやしないだろうか。吉原あるの?
- 岡っ引きらしく十手を装備し投げ銭も使うが、武器としての性能は低いため、そこそこ高いステータスが活かせない。余っている武器があれば、それを渡すと活躍するだろう。さりげなく流し目も装備しており、お色気を武器にするしたたかさも持ち合わせているようだ。ただし、敵をマヒらせるのを色気と言っていいのかどうかは疑問。
- ローニン
- おたまと同じく大江戸の世界で寺子屋を開いている浪人。もとは岡山藩士だったらしい。岡山もあるの?
- 寡黙だが義理人情に篤く、主人公たちに同行して江戸の巨悪を討つために戦ってくれる。
- 白刃取りを使う剣術の達人だが、人間系特効の村正で群がる敵をバッサバッサと斬り捨て、あまつさえ寺子屋にいるときも二本差しを腰から離さない危ない人。
- めがみ
- 冒険の終盤で仲間になる古き神。
- 全ステータスがカンストしており、えらく強い。と思いきや、破壊力抜群のメインウェポンは使用回数が少なく、使用回数無限のサブウェポンは威力がイマイチな上に単体攻撃なので意外と頼りにならない。
- それでも、いざというときの切り札としてはそれなりに役に立つ。
敵キャラ
- ラムフォリンクス
- 故郷の町を出たところにある最初の洞窟の出口に陣取っている固定敵なのだが、せんせいに溶かされて一瞬で死ぬ運命にある悲しいモンスター。もっとも、せんせい抜きでも普通に倒せる強さなのだが・・・。
なお、ラムフォリンクスは後に普通に出てくる雑魚モンスターであり、この手の「ちょっと強い雑魚の固定敵」は随所に登場するため珍しくもなんともないのだが、多くのプレイヤーがラムフォリンクスの名前だけはよく覚えているようである。
「ひほうをよこせ!おれはかみになるんだ!」
- アシュラ
- 第2世界を支配するボス。砂嵐の中に隠れる阿修羅の塔の最上階にいる。
「○ダメージ」を持ち魔法が効かないためやたら強くみえるが、塔の中で仲間になるふくめんのスーパー・バトルハンマーのおかげで主人公らがよほど弱くなければ労せず勝てる。
元は1匹のただのゴブリンだったらしいのだが、秘法を手に入れたお陰で6本の腕を持つ怪物に変化したんだとか。秘宝といってもただの炎のマギとかそんなんばっかなのだが。
- アポロン(小世界2まで)
- 第4世界に君臨する新しき神。
主人公らと出会った当初は紳士的であり、アシュラを倒してくれたことに礼を言うと共に、これ以上の力は必要ないと言って主人公らに秘宝をくれる。しかも同世界にまだ残っている秘宝のありかのヒントまで教えてくれる。
そうして第4世界は特に何事も無く通り過ぎることになるが、そこでの態度は仮の姿。途中色々なところで再登場しては裏で暗躍しており、最終的には本性を表して主人公らの持つ秘宝を全て奪おうとする。
- ビーナス
- 第6世界で大都会を治めている。ビーナスの名の通り美を愛するが、一方で美しくないものを極端に嫌うがゆえに自分の都市を高い壁で覆って外界から遮断してしまい、美しくなくなった者は容赦なく壁の外へ追放している。
そのあまりの傲慢さから主人公らと対立することになる。決戦の際にパーティーメンバーの一人(主人公ではない)に言われた「いまのあんたがいちばんみにくいぜ!」は名言。
なお、ほとんどのボスには標準装備の ○へんか を持っていないため、石化攻撃で即死するボスとして有名である。厳密にはアシュラも ○へんか を持っていないのだが、時期的にアシュラには石化攻撃をする手段が普通はない[1]ため、即死するのは事実上ビーナスだけである。
- しょうぐん おおごしょ
- 第7世界の大江戸を統治するボス。しょうぐんは越後屋と裏で手を組んで麻薬を流すなど悪事の限りを尽くしているが、コイツ自身はただのバカ殿で大して強くもない。
しかししょうぐんを倒した後に現れる黒幕のおおごしょは秘宝を持っており、強力なたつまきを起こす他、バルカン砲を乱射するなどかなり危険な人物。
- オーディン
- 第8世界のバルハラ宮殿に住む新しき神。
ここまででは、戦闘で全滅すると見知らぬ宮殿のような場所に飛ばされる。そこにいる人物から「まだやるか」と問いかけられ、そこで「はい」と答えると全滅した戦闘を最初からやり直せるようになっているのだが、初めて復活させてもらうときに「将来わたしと戦え」と誓わされる。この時の宮殿がバルハラ宮殿であり、戦うことを誓わされた人物がオーディンその人である。
なお一度も全滅せずオーディンの世話にならないままここに来ても戦うのは避けられない。ただし互いに無言のまま戦うので何者だったのか主人公達が理解できたのかは不明。
- DS版では全滅しないまま来た場合にも戦闘前に会話があるのだが、何故か双方共に異様に喧嘩腰な内容となっている。
倒すと秘宝を手に入れると共に宮殿を抜けて次の世界にいけるようになるが、これ以降は全滅すると即座にゲームオーバーになってタイトル画面に戻されるようになる。
- デスマシーン
- 第9世界にて最後の秘宝を守っているボス。
雑魚モンスターではないというだけで特に会話があるわけでは無い。
いるのは洞窟の最深部だが、そんな場所で容赦なくかくばくだんをぶっ放してくる大変物騒なマシーン。
- アポロン(第9世界以降)
- 汚い手で主人公らが集めた秘宝を奪い、その力によって大幅なパワーアップを遂げて天界の中央で主人公らを待ち受ける。「この イージスのたてで きみらのこうげきは ふせぐぞ」という言葉の通り、最初はひたすら盾に隠れるだけで何もしてこないが、一定ターン経過すると秘宝の効果が現れて怪物へと変貌する。
怪物になってからはやたら強いが、頑張って倒さなくても待っていると勝手に死んでくれる。
秘宝を全て揃えずに使ったため不完全な変身をしてしまい自滅したようだが、それならたった7個の秘宝で変身してたアシュラは何だったんだろうか?
ピコカキコ
作曲は植松伸夫と伊藤賢治の共作
関連動画
元ネタ
神話(エクスカリバー・ゲンブ・アポロン等)ネタやテンプレ的ファンタジー(ミスリル・エリクサー等)ネタは省略。
青字はDSで追加されたもの、赤字はDS版で修正されたもの。
関連項目
脚注
- *特定の食い合わせで石化攻撃を持つ高Lvモンスターが作れるので、やり方次第では可能