SA80 単語

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SA80とは、女王陛下である。
1980年代にL85としてL1A1 SLR(FN FALセミオート)を更新して以来、英国軍の歩兵火器の地位にある。

豊富な実戦経験に基づいた手堅い設計のアサルトライフルとして世界的な知名度を得ており、特に高い信頼性がyoutubeなどでも高く評価されている。

特徴

SA80ブルパップ構造(グリップより後方に機関部と弾倉が位置する)を採用。
英国らしい、抜けない素さと斜め上な先進性が同居するデザインに魅了されるマニアも多い。さすが紳士小銃である。

また、プレスを多用したことにより、5.56ミリ弾を使用するとしては破格の重量を得ることに成功した。
この重量の優位がSA80の特徴の一つであり、フルオート射撃時のコントロールと重厚な安心感を兵士に与えている。

ブルパップ構造の欠点の一つである、照準線長(照、照門間の距離)の短さを補うため、SUSATスコープを標準装備している。
現代小銃における学装置の重要性に着した先進性はさすが英国ならではである。

沿革

SA80は第二次大戦後、NATO共通弾薬を選定する際に英国小口弾薬とともに試作したブルパップの自動小銃ルーツをもつ。
結局アメリカの横により、.308(7.62ミリ)弾がNATO弾として制式化されたが、この弾薬は強すぎてフルオート射撃には不向きであった(L1A1がセミオートのみであるのはこのため。一方自衛隊では減装弾を使用した)。

後に身勝手にもアメリカ自身が.308に見切りをつけ、.223(5.56ミリ)弾をNATOの制式弾薬とすることとなり、この流れを受けて英国でも5.56ミリ弾を使用するアサルトライフルでL1A1を更新することとなった。
こうして開発されることとなったのがSA80である。

SA80はL85として英国陸軍に採用され、ついで分隊支援火器のL86が採用された。
SA80シリーズは採用当初から高く歓迎されたが、現場からの要を反映して何度かの修を行い、現在ではL85A2となっている。

H&Kによる改悪

SA80の優れたポテンシャルを危惧したドイツH&K社は、ブリティッシュエアロスペース社との関係を利用してSA80の修計画に割り込み、割高な修予算を要した。この額は一丁あたりにすると新品のG36H&K製のアサルトライフル)を購入できるほどの額であり、うがった見方をすればG36の販路拡大を狙ったH&Kの策略ともいえる。

H&Kの関与したプログラムの結果、SA80の性は現代アサルトライフルとしてはなものに近づけられてしまった。

SA80の評価

ここまで述べてきたとおり、SA80は現代歩兵小銃として優れたポテンシャルを有している。  
一方で、SASSBSといった英軍の特殊部隊がSA80を採用していないことを理由に、SA80のを疑問視する向きもある。

こうした特殊部隊の装備選定は機密のベールに包まれており、詳細を部外者がうかがい知ることは不可能に近い。推測にならざるを得ないが、、彼らがM16系を使用するのは米軍との共同運用上の必要性や、保守的な組織文化いは何らかの政治的な事情によるものではないだろうか。

けっしてSA80が重くて作戦行動に支障をきたすとかとか壊れやすいとか拡性に乏しいとかすぐにジャムるとか装備に関する自由裁量がある特殊部隊で使う理由が見当たらないとかそんな理由ではないはずである。

結論

日本に住む民間人である々が、他の軍用を実際に射撃する機会はあまりない。そもそも兵器の性とは運用環境ライフサイクルコストを含めた取得性などを考慮して多的に評価されるべきものである。

「結局撃ってみる機会はないんだからわかるわけがない」

という不可知論的立場もそれはそれで確かではあるが、自分が知りうる情報を総合して、自分なりの評価を持ってみるのも一である。
間違っていてもそれはそれ、ということで。

なんだかんだいっても、SA80ってかっこいい・・・よね?

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関連項目

実際のところ

まさに英国面そのものといえるである。特にH&K良する以前のモデルであるSA80A1までははっきり言って産廃もいいところである。

欠点一覧

  • 装填不良があまりにも多い

あまりにも致命的な問題。な原因としては設計のマズさがある。

結局、装填と排莢のどちらのプロセスにも大きな不安要素があり、この組み合わせによって装填不良が頻発する。話によると、クウェートで行われた試験では均99発に1発作動不良を起こしたという悪夢のような数字が飛び出している。(1マガジンあたり30発。つまりマガジン3本とちょっと撃ったら弾詰まり)もちろんこれは均の数値であり、運が悪ければ関連動画のようにがんがんジャムる。結果、現場では修理不能レベルまで破損して工場送りになることもしょっちゅうだったとか。

チールプレスを多用したせいで、全備重量5kg重い。これは一般的なアサルトライフル重いM16A2が3.5kg、AK474kg)とされる。ただ、分隊支援火器モデルに限ってはこの重量のおかげで反動制御が容易でこの点は好評らしい。

  • 使い勝手が悪い

単純に使い勝手が悪い。重量、ブルパップ方式共通のマガジン交換のしづらさの問題のほかにセレクターの問題がある。普通セレクターは操作しやすいようにトリガーの周辺に配置されるのだが、SA80はなんとセレクターストックに付いている。こうなるともはやどっちかの手を離して切り替える必要があり、操作性は悪いを通り越して劣悪である。わがの89式のセレクターもしばしば批判の種になるがこれとべたら可愛い物、いやべるのもおこがましいといえる。アンビセレクター?なにそれおいしいの?

このSUSATスコープ英国面丸出しである。普通スコープというと+←このようなレティクルが普通である。最近だとこれにさまざまなメモリを追加して標的までの距離判断や偏差射撃、あるいは弾道スコープが狙っている点を一致させるゼロインという非常に重要な作業がやりやすいようになってきている。ではSUSATスコープはどうかというと、Δ←こんな形のぶっとい針が一本あるだけである。こんなレティクルでは偏差射撃ゼロインはやりづらいことこの上ないし、遠距離標だと針と標がかぶって非常に狙いづらい。かといって代わりにキャリングハンドル内蔵の固定サイトを使おうにも全長が短いため精度が悪い。結局、SA80A2では米軍ご用達のACOGを採用している。

H&Kによる大改修

イギリスは80箇所以上の修を重ねどうにか問題を解決しようとしたが、結局解決しなかった。そんだけ直してまだ直らんのかと。そこで当時買収されブリティッシュエアロスペース社の一部門になっていたH&K社が修することになった。この修は前述のとおり、一丁あたりの値段が新品のG36とどっこいとなった。(ただし、実際にイギリスライセンス生産するとなるとG36はもう少し値上がりする)この修によって誕生したSA80A2晴れて装弾不良トラブルから開放されることとなった。もっとも、それ以外の問題はそのままであるし、ようやく前世代のアサルトライフル準に並んだだけのことである。

配備状況

イギリス軍に行き渡っているほか、バッキンガム殿衛兵もこれを装備としている。外ではネパールジャマイカも導入している。押し付けられたんじゃあるまいな。また、前述のとおりイギリス軍でも信頼性の面から装備に自由度がある特殊部隊はSA80をあまり使用せずM16系列のを使用している。

銃剣突撃

SA80と切っても切れないのが銃剣突撃である。現代戦において銃剣突撃を行う機会などほぼいといってよく、陸軍2010年銃剣訓練を止している。しかし、SA80を装備したイギリス軍は今世紀に入って22回も銃剣突撃をやっているのである(2012 3/7現在)。……まぁ確かに相手の士気を挫くという意味では大きな効果もあるだろうが、わざわざする必要があったのかどうか。SA80A2なら装填不良はあまり起こらないはずだが……。

終わりに

個人的に、デザートイーグルの記事の言葉を一部借用して締めさせていただく。

なんだかんだいっておっきってかっこいいけどね! 
 こっちを向いてなければ。後自が使うのでなければ。

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