BY ORDER OF THE OVERSEER COUNCIL
監督評議会命令
The following file describes a CLASS VIII spoilerhazard, and is level 5/3000 classified.
Unread access is forbidden.
以下のファイルはクラスVIIIネタバレ災害を描写しており、レベル5/3000に分類されています。
未読でのアクセスは禁止されています。
[レベル5/3000セキュリティ資格での取得情報を閲覧]
Item #: SCP-3000 Anantashesha (アナンタシェーシャ)
Object Class: Thaumiel
この記事は非常に読みづらくなっています。この記事を読むくらいなら、本家記事(英語)、もしくは日本語訳、解説を読みたいならアニオタwikiでも読んだ方がいいです。
SCP-3000のオリジナルの文章はインターネット上に掲載されています。英語が理解できない職員に向けた翻訳文章も存在します。閲覧にはレベル5/3000セキュリティクリアランスが必要です。貴方はレベル5/3000セキュリティクリアランスを所有しており、閲覧が可能です。
SCP-3000は財団の主催する「SCP-3000コンテスト」(テーマ: ホラー) の優勝作品です。残念ながらSCP-3000に選ばれなかったとはいえ、他の作品も非常に優秀な作品です。SCP-3000を閲覧したら、ぜひ他の作品もご覧ください。
これより下記はクラスVIIIネタバレ災害です。オリジナルのSCP-3000報告書を閲覧しないまま下記に接触してはなりません。
SCP-3000は、英語圏のシェアワールド創作作品群「SCP Foundation」に存在するオブジェクトの1つです。SCP-3000はドクウツボに似た巨大な実体です。頭部の直径は2.5m、体部の直径は10mあります。全長は計測不能ですが、恐らくは600~900kmあるのではないかと言う仮説が立てられている。SCP-3000は現在水深7000mガンジス海底扇状地に生息しており、身体の大部分はそこに収まっています。SCP-3000は固着性で身体は滅多に動きません。頭部もまたあまり動きませんが、刺激や捕食行動時は素早く頭部を動かして捕食します。
SCP-3000はクラスVIII認識災害です。SCP-3000を直接視認した人物は重度の精神的変容が、視認したり単に近くにいた人物は不可解な頭痛やパニック、記憶の喪失や改変などの影響を受けます。暴露の治療法はありません。影響を受けた人物は無期限に拘留されます。SCP-3000収容領域の直径300kmの海域は常に財団の軍艦でパトロールし、一般人の深海探査またはダイビングの試みを阻止します。
SCP-3000は、1971年にインド沿岸を漂流した2隻のバングラデシュの漁船と15人の漁師が行方不明になった事件をきっかけに発見されました。当時バングラディシュはパキスタン領東パキスタンからの独立間もなく、パキスタンからの政治的迫害を受けていた事から、この事件は他国からの攻撃の結果としてメディアの注目を集めました。財団は2年前の事件とこの事件の類似性に気づき、ベンガル湾の徹底的な捜索で漁船を発見し、それに伴いベンガル湾の底に未知の質量を発見しました。初期の接触後、SCP-3000の収容手段は1972年には確立されました。後述するアザック・プロトコルは1998年10月に採用されました。
TOP SECRET
最高機密
SCP Foundation Official Documentation
SCP財団公式文書
151-HOLLISTER ATZAK PROTOCOL
151-ホリスター・アザック・プロトコル
This protocol dictates certain interactions with a CLASS VIII COGNITOHAZARDOUS ENTITY,
SCP-3000, and as such is LEVEL 5/3000 CLASSIFIED.
このプロトコルはクラスVIII認識災害実体であるSCP-3000との接触を描写しており、
したがってレベル5/3000に分類されています。
SCP-3000は重大な認識災害実体です。通常このような実体には影響範囲外からの監視などで収容するのが望ましく、接触は人材の浪費を招くため推奨されません。しかしながら財団は、専用の潜水艦SCPFエレミタを水深7000mに展開し、常にSCP-3000の主要部位、即ち頭部の位置をモニターしています。更にSCP-3000に頻繁に接触しています。このような行動をしている理由は、SCP-3000が放出する化合物「Y-909」と関係があります。
Y-909は、SCP-3000と財団の初接触時にその存在が確認されました。Y-909はSCP-3000の身体の先端部から排出される暗い灰色の粘液代謝物であり、当初は血液と考えられましたが、実際にはプリオン懸濁液に近い事が判明しています。口語的に "ウナギのゼリー" と呼ばれるY-909は非常に有毒で、接触した人物はSCP-3000から受けるのと同じ認識災害の症状を呈します。SCP-3000の認識災害がSCP-3000自身にあるのか、それともY-909が間接的に関与しているのかは不明ですが、SCP-3000の認識災害はY-909を放出していなくても起こる事から、恐らくは前者です。
ここで少し話の軸が移りますが、財団では頻繁に「記憶処理」と言う単語が登場します。記憶処理とはその名の通り記憶を忘却したり改変する処理を加える事です。記憶処理はその種類により空気中への散布、経口摂取、注射など形態が変わりますが、いずれも薬品を摂取させるという点では一致しています。記憶処理は財団の機密保持や認識災害の治療などに利用される欠かせない物質です。一方で薬品である以上、頭痛、嘔吐、心臓障害といった副作用と、長期保管による劣化が避けられません。
Y-909を精製して得られた化合物は、既存の記憶処理剤よりはるかに優れている事が確認されています。Y-909をベースとした記憶処理剤は、既存品の倍以上劣化速度が遅く、嘘の記憶を刷り込む為の暗示をかけやすくなり、より多く記憶消去を可能とし、副作用を減少させ、侵入性記憶の発生抑止を5~10年も継続させると言った効果が確認されています。Y-909をベースとして開発された記憶処理剤には、最も頻繁に使用されるクラスAや、ミーム災害にも対抗できる強度の強いクラスDなどのバリアント (変種) が含まれています。アザック・プロトコルの開始が1998年10月な事を考えると、それ以降に使用されている記憶処理剤はY-909をベースにされている可能性が高いです。
一方で、Y-909は未だに人工的に再現されていない化合物です。財団はY-909を利用し始めた際、それを人工的に再現しようと試みました。結果似たような化合物であるY-919を合成する事には成功しましたが、これは重大な副作用がありました。Y-919は記憶処理を行うものの、消去する必要のない記憶まで全てを消去し、そして死亡します。Y-919を改善する試みは、コストが天文学的になり中止されました。従って財団はY-909をSCP-3000より採集する以外の手段を持っていません。一方でSCP-3000がY-909を放出するのは決まっています。SCP-3000が捕食を行った後です。そしてSCP-3000の捕食対象は唯一、ヒトのみです。SCP-3000がヒトを捕食する事、そしてY-909を放出する事は、SCP-3000と財団の初接触時に判明しました。接触に当たったMTFオリオン-9 "カワセミ" 3名は全員SCP-3000に捕食されましたが、この際に放出されたY-909が回収された事で財団はY-909の性質に気づきました。現在財団は、Y-909を採集するためにDクラスを "捕食" させ、消化プロセスの間に放出されたY-909を特殊チームが回収する作業を行っています。このY-909回収及び加工の方法を示したのが「アザック・プロトコル」です。
尤も、SCP-3000に対するDクラスの給餌を捕食と表現していますが、SCP-3000はその巨大なサイズにも関わらず、本質的に生きるために食料を必要としているのかは確定していません。SCP-3000の体内を放射線で透過撮影した結果、SCP-3000の体内には死体が大量に存在しました。即ち、SCP-3000はヒトを消化していません。仮説ですが、SCP-3000はヒトが知的生命体である事を決定づける "知的な何か" を分解し、皮膚で濾過した結果生じるのがY-909である可能性があります。即ちY-909から得られる記憶処理剤は、Y-909の "エーテル" (エーテルはかつて麻酔として使われていた事から、記憶に関わる物質の比喩であると考えられる) です。
普段Dクラスを使い捨てにしているように見える財団ですが、一応倫理規定が存在し、代替え可能な限り人命の浪費は避ける方針です。アザック・プロトコルは明らかにDクラスを生贄としており、回収チームもSCP-3000に接近する事から、消化時は認識災害が弱まるとは言え危険を伴い、捕食そのものの危険もある非人道的な行為です。実際アザック・プロトコルについて、財団の倫理委員会や機密レベル審査委員会も "許容可能である事に見せかけるのに執心している" 状態です。しかしながら、アザック・プロトコルを行っているサイト-151の管理者ノックスは「忌まわしい事」「厳しい現実」としつつもY-909とアザック・プロトコルの実行を認めています。なぜならY-909を使用しない場合、代替えとなる記憶処理剤はアヘンやクロロホルムと言った、即ちはより毒性の強い物質です。管理者が「暗黒時代に戻らなくてはならない」と形容する事から、Y-909登場以前の記憶処理の実態はかなり酷かったのだろうと想像されます。幸いいいニュースもあります、これまで回収を行っていた人員に代わり、水中遠隔操作機が導入される予定です。これにより不必要な犠牲が減る事が期待されます。
記憶処理剤は財団の活動において欠かせない物質です。Y-909に替わる物質が開発されない限り、あるいはもっと倫理的な手段が確立されない限り、アザック・プロトコルは続けられるでしょう。以上が財団がアザック・プロトコルを続ける理由であり、情報がレベル5セキュリティにより伏せられ、SCP-3000がThaumielである所以です。
アナンド・マナバは財団の臨床心理学者です。マナバ博士はSCP-3000に携わった任務中、個人的に日記をつけていました。記録には日記の抜粋があり、ある人物の葬式から始まっています。
ベンガトラマン・クリシュナモージーは、SCP-3000に携わっている財団のレベル3研究員です。2009年██月██日、エレミタのエアロックから潜水服無しに外に出ようとしました。クリシュナモージー研究員のCRV (認知抵抗値) は26であり、乗船前に鬱や自殺の兆候を見せなかったのにです。CRVの設定ははっきりと定まっている訳ではありませんが、強力な認識災害であるSCP-2316の情報閲覧には14.5以上が求められる事から、かなり高い値である事が示唆されます。SCP-3000による影響が疑われたため、拘束しインタビューを行った後、2日間拘禁しました。しかしながらアザック・プロトコルの実行に必要な人員だったため拘禁が解かれましたが、その直後にクリシュナモージー研究員は潜水服を着て許可なくエレミタを脱走。SCP-3000に接近後捕食されました。
クリシュナモージー研究員はインタビューで、SCP-3000の任務に就いてから記憶がはっきりしない事と、SCP-3000に関する個人的見解を述べています。記憶の混乱は、例えば自分の母親の事、妻や子供がいるかどうかについて、インタビューを行っているマナバ博士とどう知り合ったかなどを思い出せないという事です。クリシュナモージー研究員は2度結婚しており、合わせて2人の息子と3人の娘がいます。そしてそれと共に、全く知らない土地や人が浮かぶ、他人の夢を見ていると訴えています。覚えている事として、母親が話していた事である、インド神話に登場する蛇の王「アナンタシェーシャ」について言及しています。アナンタシェーシャの名は無限を意味し、この宇宙の始まる前から原初の海を泳いでいる存在です。ヒンドゥー教の神であるヴィシュヌはアナンタシェーシャを船の代わりとして寝ており、世界が創造される時も、ヴィシュヌはアナンタシェーシャの上でへそから世界蓮を咲かせ、そこから創造神ブラフマーが、ブラフマーの額からは破壊神シヴァが生まれたとされています。世界が滅び去った後も、ヴィシュヌはアナンタシェーシャの上で再び眠るとされています。クリシュナモージー研究員はSCP-3000はアナンタシェーシャであり、記憶の混乱は全ての時にまたがって存在する神であるアナンタシェーシャの近くにいるからではないかと考え、更に記憶そのもの、即ち自分自身の人生が無意味になる事、忘れ去られる事といった無関心への恐怖を感じたと述べています。
その後に続くマナバ博士の個人的な日記は、自分の父が遺産、即ち自らが存在した記憶を残そうと躍起になっていた事に対する階層、クリシュナモージー研究員の遺品からただ1つ持ち出したのはヒンドゥー教の神の1柱であるガネーシャの像だった事、自分自身もクリシュナモージー研究員と同じく、記憶の断片が消えており、人物の顔は思い出せるが名前や関係性などが思い出せないなどの症状が出ている事を記述していた。ただし、クリシュナモージー研究員と異なり、マナバ博士は写真に自分と共に写る妻と娘の写真を自分の家族だと認識していた。
しかしながらある日、マナバ博士はうっかり写真立てを落として割ってしまった。そして掃除をしている際に写真の裏を見て、そこの筆跡を見て驚いた。筆跡は自分の物ではなく、クリシュナモージー研究員の物だったのである。どうしても気になったマナバ博士は財団の職員アーカイブにアクセスし、真実を知った。自分が妻と娘だと認識していた人物 ― 笑い声や髪の匂いさえ鮮明に覚えている ― は、クリシュナモージー研究員の最初の妻と娘だったのである。即ち自分自身の体験の記憶だと思っていたのは、クリシュナモージー研究員の記憶だったのである。
マナバ博士はこの事実を認識し、SCP-3000に関する真の性質について気づきました。SCP-3000に付随する認識災害は、認知そのものを嫌い、人間の精神を破壊し、魂と信じているヒトの一部を、 "私" が "私" であるという何か、つまりいつの日か不活性となる電気信号が、本当に "私" 自身の物になるまで撒き散らすのです。では、 "私" が "私" 自身を思い出せないのなら、他の誰が "私" を覚えているのでしょうか?結局のところ、 "私" はそれより以前、あるいは後の幾千人と同じく、忘れ去られ、闇へと消え去るのであり、これは自分自身だけではなく我々全てがそうである逆らえない運命なのだと気づきました。SCP-3000は、クリシュナモージー研究員の言うようにアナンタシェーシャではないかもしれません。しかしながらSCP-3000は "私" の消滅や、人類の破滅、あるいは万物の終焉を見せているのではありません。終焉がどのように見えるかを我々に示しているのです。これは即ち、SCP-3000の性質を利用している、記憶処理そのものにも当てはまる恐れもあります。何が真実の記憶で何が欺瞞の記憶か、誰が証明出来るのでしょう?
そして我々が何を信じようとも、どのような理想を抱こうとも、どのような信仰に祈ろうとも、私は、我々全てにとってこのことが真実たるに十分だと知るのである。
我々は最後には、忘れ去られるのだ。
マナバ博士はエアロック付近で不応答状態で発見されました。大量の未加工のY-909を摂取した事が示唆されています。マナバ博士はサイト-151に分析のため留置されています。
掲示板
80 ななしのよっしん
2020/10/16(金) 15:09:29 ID: gloKpp3GLv
81 ななしのよっしん
2021/04/16(金) 01:57:27 ID: s8dB8ut7W1
記憶を食らい忘失をもたらす存在が"無限に残りたるもの"という名を冠するのはなかなかに皮肉
これより以前にjpのtaleに出てきた「忘れないウツボ」との偶然に似通っているのも面白い
82 ななしのよっしん
2022/06/11(土) 18:41:51 ID: V2gZuEnN5/
WTmU0dN4TWのように自己喪失を絶対的恐怖として奉る人、
自分と違う意見を見ただけで我を失って攻撃するんだよな
なぜここまで必死に連レスしたか今となっては説明できまい
ウツボに接触するまでもなく、人間は我を失い記憶を失うものなんだよね
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/25(木) 10:00
最終更新:2024/04/25(木) 10:00
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