SCP-409-JPとは、ふしぎな落語家(噺家)である。オブジェクトクラスはEuclid。
SCPとはなんのこっちゃという方は→SCP Foundation
SCP-409-JP | |
基本情報 | |
---|---|
OC | Euclid |
収容場所 | 未収容 |
著者 | Rhapsodyyyyyy |
作成日 | 2015年7月12日 |
タグ | euclid jp scp 人間型 未収容 生命 知性 |
リンク | scp-409-jp |
SCPテンプレート |
東京都の某所の演芸場で「笑来亭ふしぎ」という名前で演目を行っている。SCP財団からは50代前半の東洋人男性とされているが、話し方が江戸言葉なので、生粋の江戸っ子だと思われる。
噺の内容自体は異常なものではなく、既存の落語とあらすじの同じものを演じている。むしろふしぎ師匠の噺の質が高いため、観客も自然と聞き入ってしまう。
しかし、SCP財団に登録されている以上、この人物も異常性を持っており、出現後には噂が広まらないよう、目撃者にクラスAの記憶処理が施される。
普通の落語家と違う点として、大きく分けると3つの点が挙げられる。
1は、つまり「観客や主催者も想定していないのに、突然ふしぎ師匠が割り込む」ということである。それが原因で他の演目が遅れたり飛ばされたりするが、特に誰も気にしない。
2は、ふしぎ師匠が始まる前に「今日はなんの噺をしようか」と観客に尋ねる。原則として一番早く答えた観客のリクエストに応じて、噺を行う。「狐の出てくる噺」など、タイトルでないものでも可能。
一番厄介なのは3で、話の演目が終わった後、周辺に異常が発生する。異常の内容は噺の内容と対応していることが多い。SCP財団がいくつか実験をしているので、以下にその例を示す。
4回目~6回目が落語なのに洒落にならないことになっているが、いったい何があったのか順を追って説明する。
<今回のリクエストは「寿限無」。リクエストしたのはエージェント・███。その結果、演目終了後にエージェント・███の名前が「エージェント・寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助」となった。しかも関係人物の記憶改変まで伴っていたため、最初は財団も名前が変わっていたことに気付かなかった。
ここで「寿限無」のストーリーをおさらいする。「なんで寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助の話を今更聞かなくちゃいけないんだ?」「寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助の話って該当記事「寿限無」の説明を読んでもらえればいいんじゃないの?」と思うかもしれないが、一応。
ある夫婦の間に子が生まれる。どのような名前を付けようか悩み、寺の和尚さんに相談しに行く。いろいろとありがたい名前を教えてもらうが、どれもいい名前で迷ってしまう。その挙句、教えてもらった名前を全部つけ、「寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助」とすることにした。
その後、寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助はすくすく育った。ある日、寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助は友達の頭にたんこぶを作ってしまう。「寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助がたんこぶを作った!」と話をしているうちに、名前が長すぎて、たんこぶが引っ込んでしまった。
…というもの。オチは寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助が溺死するものもあるが、今回は寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助が作った友達のたんこぶが引っ込むというものを紹介した。
その後、財団が複数回同様の実験を行った結果、「エージェント・寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助」が3人生まれてしまった。2人は改名を希望したが、1人はそのまま「エージェント・寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助」を名乗りたいと希望した。
財団の人事部は「エージェント・寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助」への改名を止めなかった。
ただし「公式文書にはエージェント・寿限無と書くように」と通達した。理由は上の文章を見てもらえればお察しのとおりである。
今回のリクエストは「時そば」。リクエストしたのはエージェント・███。一応エージェント・寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助から元の名前に戻ったようだ。
ある男が屋台のそばを食べ終わった後、支払いをしようとする。男は細かい銭しか持っていないとして、一枚ずつ銭を渡していく。
「1、2、3、4、5、6、7、8…ところで今何時(なんどき)でい?」
「9つでい!」
「10、11、12、13、14、15、16…っと。ご馳走さん!」
まんまと1枚ちょろまかすことに成功した。
この後、それを聞いた別の男が挑戦するが、時刻が違っていたため余計に支払う羽目になってしまったというオチがある。
この演目後、会場に併設された売店の売上額が実際の商品の合計額と一致しなくなってしまった。お客さんが同様の手口を使った可能性がある。
ちなみに、財団の収容プロトコルの名前も「時そば」になっている。おそらくこれが現時点で最も被害の少ない演目ということらしく、ふしぎ師匠の出現時には財団職員が他の観客よりも先に「時そば」をリクエストして、被害を最小限に抑えているということなのだろう。ただ、何度もやりすぎるとさすがに売店の人がかわいそうなので、実験を経て「井戸の茶碗」か「道具屋」に変えることも検討されているようだ。
今回のリクエストは「狐が出てくる噺」。リクエストしたのはエージェント・███で、実際に演じられたのは「王子の狐」だった。あらすじを紹介する。
昔から人を化かすことで有名だった王子(現:東京都北区王子)の稲荷神社の狐。しかし女性に化けようとしている所を男に隠し見されてしまう。男は何も知らない女狐を騙し、料理屋で狐を酒に酔わせて眠らせ、勘定を払わずにトンズラしてしまう。
狐が起きてみると男がいなくなっていた。驚いて尻尾と耳が生えてしまい、店の者に狐だとバレて追いかけまわされてひどい目に遭う。
事の顛末を男は知人に話すが、「狐は執念深い。祟られるぞ」と言われ、青ざめて王子の稲荷神社まで詫びに行く。すると子狐がいたので、詫びの品のぼた餅を渡して謝り、帰った。
子狐は先ほど騙された母狐にぼた餅を渡そうとするが、あの騙した男が渡したというのでなかなか信用できない。子狐がぼた餅を食べようとすると、「いけないよ!馬の糞かもしれない」と止める。
この演目後、エージェント・███が消失。翌日、自力で戻ってきた。演目を聞きながら弁当を食べていたと思ったら、いつの間にか東京都内の某所の公園で██を食べていたらしい。幸いにもエージェント・███は軽い胃痛だけの症状で済んだ。
何を食べていたのかはご想像にお任せする。ひょっとしたら胃痛以上の苦痛があったかもしれない。
今回のリクエストは「一眼国」。リクエストしたのは一般人の66歳男性。別の演目で実験しようとしたエージェント・███より早くリクエストしてしまった。「一眼国」のあらすじを紹介する。
見世物を出していた香具師が、六十六部(巡礼中の修行僧)から「江戸から100里ほど北の方角に行ったところで、一つ目の女の子を見た」という話を聞き、見世物に使えないかと思い探しに行く。
すると、実際に一つ目の女の子がいたので、香具師が連れ去ろうとした。するとたくさんの人々が現れ、香具師はお縄になってしまう。不思議なことに、その人々は全員一つ目だった。
代官らしき一つ目の人物から尋問を受けるが、「顔を上げろ」と言われ香具師が顔を見せると、「二つ目の顔だ、珍しいぞ」「取り調べは後だ、さっそくこいつを見世物に出そう」ということになってしまった。
実は一つ目の方が普通だと思ってしまった香具師が自分で目を潰し、「これで俺も普通の一つ目になったぞ」となるオチもある。
演目の後、リクエストをした66歳男性が消失。そのまま行方不明になってしまった。
この後、エージェント・███は戒告処分を受け、SCP-409-JPの担当から外された。代わりに、エージェント・██が担当となり、以降はSCP-409-JP、つまりふしぎ師匠に強硬策をとるようになっていく。
リクエストはなし。ふしぎ師匠が壇上に上がると、財団職員が非常ベルを鳴らし、観客を退場させた。
これにふしぎ師匠は早口の江戸言葉で激怒。エージェント・██がふしぎ師匠の確保のため舞台に上がると、師匠は舞台袖に逃げていき、直後に消失した。
エージェント・██が時そばをリクエストし、公演中に携帯電話を鳴らすなどしてふしぎ師匠の演目を妨害する…予定だった。
師匠が壇上に出てくるが、めくりの部分に表示された名前は「笑来亭ふしぎ」ではなく「凶来亭おわり」だった。同時にエージェント・██が全く椅子から動けなくなってしまう。今回、おわり師匠は客からのリクエストを募らず「大丸屋騒動」を演じた。あらすじを記す。
主な登場人物は伏見(現:京都市伏見区)の大手町にあった商家大丸屋の兄の宗兵衛、弟の宗三郎、そして舞妓のおときの三人。宗三郎は護身用に、妖刀と恐れられた村正を持っていた(宗三郎が村正を持っていた経緯については複数の噺の筋がある)。
宗三郎はおときを愛人にするが、親戚からの怒りを買い、別居する。兄の宗兵衛は親戚を説得して二人を結ばせようとするが、おときが花嫁修業をして親戚に認められるまで待つことにして、宗三郎とおときに「それまで双方会わないように」と伝える。
しかし宗三郎は我慢できずに、村正を持って祇園にいるおときに会いに行ってしまう。なかなか会おうとしないおときに宗三郎はイライラし始め、会っても付き合いを渋るおときについに鞘を付けた村正を振り下ろしてしまう。すると、鞘が割れおときに村正が直撃、死亡する。それを目撃したおときの妹も、何が起こったのか説明しようとした宗三郎の村正に当たってしまい死亡する。
そのまま宗三郎は村正を持ち、気が狂ったのか、妖刀に魅せられてしまったのか、祇園を歩く人々を次々と襲い始める。
騒ぎを聞きつけた宗兵衛は宗三郎を羽交い絞めにして止める。宗三郎は村正を振り回すが、なぜか宗兵衛には傷一つつかない。不思議に思った役人が尋ねると、
演目終了後、[データ削除]が発生。SCP-409-JPの確保作戦は無期限延期となった。
おあとがよろしいようで。
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最終更新:2024/03/29(金) 01:00
最終更新:2024/03/29(金) 01:00
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