かつてヨーロッパを席巻していたヤードポンド法は、異なる単位ごとの計算においては最悪極まりないものであった。
これでは、例えば2フィート9インチが何インチなのか、直感的にわかりづらい。
これを是正すべく、メートル法では、基本単位に対する補助単位を10進法に則って決めることにした。
これならば、例えば1m93cm=193cmと、桁を変えるだけで求めることができる。
現在では、その他の単位もSI接頭語によって補助単位が作られるように基本的に統一されている。
基本的に、3桁ごとに設定されている。キロ(k)からミリ(m)の間のみ1桁ごとに設定されているが、使われるのは一部の単位にとどまる。
接頭語 | 読み方 | ×10n |
---|---|---|
Q | クエタ(quetta) | 30 |
R | ロナ(ronna) | 27 |
Y | ヨタ(yotta) | 24 |
Z | ゼタ(zetta) | 21 |
E | エクサ(exa) | 18 |
P | ペタ(peta) | 15 |
T | テラ(tera) | 12 |
G | ギガ(giga) | 9 |
M | メガ(mega) | 6 |
k | キロ(kilo) | 3 |
h | ヘクト(hecto) | 2 |
da | デカ(deca) | 1 |
(接頭語なし) | 0 | |
d | デシ(deci) | -1 |
c | センチ(centi) | -2 |
m | ミリ(milli) | -3 |
μ | マイクロ(micro) | -6 |
n | ナノ(nano) | -9 |
p | ピコ(pico) | -12 |
f | フェムト(femto) | -15 |
a | アト(atto) | -18 |
z | ゼプト(zepto) | -21 |
y | ヨクト(yocto) | -24 |
r | ロント(ronto) | -27 |
q | クエクト(quecto) | -30 |
これら接頭語は、既存の単位や記号などと混同しない文字が選ばれているが、それでもnm(ナノメートル)がnm(ノーティカルマイル/海里)とまぎらわしいなどの問題を含むことがある。
もともとが60進法で定義された単位であり、現在でもSI接頭語で統一されていない。3600秒は普通、「3.6キロ秒」ではなく「1時間」と表される。
一方、秒より小さい単位はSI接頭語が使われており、「ミリ秒」「ナノ秒」や「フェムト秒」などがコンピューターや物理学の分野で頻出している。
なお、フランス革命期に時間を10進法にする案が示されたことがあるが、早急すぎたためか普及していない。
SI基本単位の中で唯一、接頭語つきの単位が基本単位となっている。そのため、基本単位の1000分の1が接頭語なしの単位「グラム」となっている。
さらに、1kgの1000倍が1Mg(メガグラム)ではなくt(トン)、1tの1000倍がkt(キロトン)…などとトンを基準に接頭語がつけられるのが慣例となっている。
例えば、1m2に接頭語k(キロ)をつけた1km2は、1000m2ではなく1000×1000=1000000m2である。
このように、接頭語ごと2乗3乗されてしまっているため、接頭語の統一ができていない。
また、これにより、接頭語つきの単位が100万と非常に大きな単位となってしまっており、間を埋めるために非SI単位であるa(アール)とha(ヘクタール)が今でも生き残っている。体積におけるL(リットル)も同様である。
情報量を表すバイト(Byte)はそもそもSI単位ではないが、SI接頭語を借用してKB(キロバイト)、MB(メガバイト)…と表されている。
しかし、情報量は原則として2進数であるため、キロ、メガの値も10進法ではなく2進法で決まっている。210=1024のため、コンピューター上では1KB=1024Byte、1MB=1024KBである。区別のためKiB、MiBなどと表されることもある。
更に、カタログでは1000Byte=1KBと10進法基準で表示されることが多いため、例えば8TBのHDDを買ったのにPCに繋いだら7TB強しかない、ということがよくある。
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最終更新:2025/03/17(月) 02:00
最終更新:2025/03/17(月) 01:00
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