407
31 とりのはは
2009/06/20(土) 15:19:21 ID: BZkL5mIp6n
さて、現時点での擬人化設定まとめ。
サイト「つきなみき」のウサビッチコーナーにもまとめがありますが、ばらばらすぎるので・・・
まとめの転載 1
キレネンコはもともと『普通の方法では死なない』特殊な体質の生まれです。
彼の家系には、そういう変わった体質に生まれてくる人がしばしば出ました。
そのせいで地元の人々から「悪魔のようだ」と恐れられ、一目置かれていました。
そして、しまいにはマフィアの一家のトップに立つようになりました。
ところで、キレネンコは双子で、兄弟そろって不死身の生まれでした。
しかし、昔からこの一家には「家族に同時に不死身が二人以上現れるのは不吉だ」との言い伝えがありました。
家督争いで兄弟・従兄弟同士で争ったとしたら、不死身同士の喧嘩ですから なかなか勝負が付かないまま周囲を巻き込んで 悲惨なことになります。
そんな言い伝えがあったため、キレネンコのお父さんは双子の一人(クロネンコ)を里子に出しました。
何年も、貧しい田舎の村で静かに平和に暮らしていたクロネンコ。
しかし、養い親が殺され、彼一人生き延びる事件があって、彼が不死身の生まれだということ、マフィアのボスの息子だということが村人達に知れました。
村に居ずらくなったクロネンコは、一人で、本当の親兄弟がいるはずの都会の町に出かけていきました。
32 とりのはは
2009/06/20(土) 15:48:08 ID: BZkL5mIp6n
設定まとめ 2(サイト「つきなみき」にある文章を手直ししたもの)
さて、マフィア一家のボスのお屋敷で育った双子の弟、シロネンコ。
顔も体質もそっくりだけれど、育ちの違いから、尊大でワガママで派手好きで寂しがり。
無口で地味なクロネンコとは正反対ですが、二人はお互いに相手を認め合いました。
めったなことでは怪我をしない、すぐに回復する不思議な体質を持つ同士。双子だということは一目瞭然、疑いようも無いし、育ちの違いから性格や考え方に違いが生まれ、それがかえって良かったのかもしれません。
やがて、二人協力しあってマフィアの組を切り盛りします。
弟のシロネンコが表面に出てボスを襲名、兄のクロネンコは陰から補佐をしました。二人の仲も、マフィアの繁栄も、うまくいっているように見えました。
しかし組内部の一派が裏切り、二人は爆弾でやられてしまいました。
体がバラバラになり、一度、死んだような状態になりました。
ところで、この国には、警察及び刑務所と深く関わりを持つ秘密組織がありました。
爆発現場に入った警察の中にも秘密組織と内通しているものがいて、シロネンコとクロネンコのバラバラになった肉片が集められ、すぐに組織に送られました。
『不死身の肉体』を持つという伝説の双子は 以前から研究対象として、組織にマークされていたのです。
組織の科学者達が爆死した双子の体を寄せ集めて、体のどの部分が残っているのか調べるために パズルのように 並べておくと、不思議なことに、特に縫合処理などでつなぎ合わせたりしていないのに、勝手に肉片が寄り集まって、一人の男として生き返りました。
これがキレネンコです。
33 とりのはは
2009/06/20(土) 16:04:40 ID: BZkL5mIp6n
キレネンコは体をつなぎ合わせたわけではないので、最初のうち、ちょっとしたはずみで、体の双子の部分が剥がれ落ちることがありました。
21話で頭がポロッと欠けたように、血も出ないで落ちますが、その部分を清潔にして元通りあわせてしばらく包帯で縛っておくと、またくっつきました。
そのせいで「キレネンコ」と呼ばれるようになりました。
組織はキレネンコの頭骸骨の中に電極などの部品を埋め込んで コントロール可能に勝手に改造して、キレネンコを警察に引き渡しました。
(生き返ってしまった以上、隠しとおせるものでもないし、どうせすぐに刑務所送り出し刑務所も秘密組織が影から牛耳っているので、ずっと管理下におけるとふんでいた)
また、残ったバラバラの肉体(双子のもう一人分)は、組織の研究材料となりました。
34 とりのはは
2009/06/20(土) 22:54:07 ID: BZkL5mIp6n
ここの設定では、安全ピンは 飾りとかおしゃれではなく、秘密組織の科学者が埋めた金属製の部品の一部が露出したもの。
全体に頭蓋骨にめり込んでいるので簡単には取れない。
また、装置はもうとっくの昔に壊れていて、役に立たない。
キレネンコはもう10年以上刑務所に閉じ込められている。
(根拠は、第1シーズンの壁に貼ってあるカレンダーの厚さ。三年間のプーチンと比べて、ものすごく分厚い。)
最初のうちは暴れたり 看守に暴力をふるうと、電波で懲らしめておとなしくさせることが可能だった。その副作用で、視覚聴覚などがダメになったことがある。(後述のエピソードに続く)
しかし、機械が故障した後は、特殊体質の不死身のキレネンコのこと。すっかり治ってしまい、今は視聴覚を含めて健康そのもの。
35 とりのはは
2009/06/20(土) 23:10:19 ID: BZkL5mIp6n
さて、キレネンコは昔のこと、自分自身の少年時代のことやマフィア時代のことは、あまり鮮明に覚えていませんが、ぼんやりと思い出すことができます。
自分が罪を犯して死刑を待つ身として刑務所にいることも理解しています。
とりのははのイメージするキレネンコは割とストイックなヒトです。
サイトにあるこの小説あたりは、去年の春に書いたものですが、自分にとって大事なものです。(閉じ込められて食べ物を食べられなかったために・・・という部分は、頭蓋に埋められた装置の電波のせいで、に改変予定)
http://s
(プーチンの立場から)
http://s
ュキレネンコの立場から)
36 とりのはは
2009/06/21(日) 12:38:33 ID: BZkL5mIp6n
うーん、我ながらチートな設定が続きますが。
キレネンコが靴を集めて 磨いているのは、上記SS焼けた砂を踏んで・・のような幻覚を体験したため、死後の世界(地獄)で荒地を自力で歩いていくために、死に装束として靴を履いて逝きたいと望んでいるからです。
そして、待機中の兵士が鎧を磨くように、処刑を待ちながら 毎日靴を磨いているのです。
キレネンコの頭の安全ピン、実は外科的に埋め込まれた機械の一部、という設定の補足ですが。
もともと。孫悟空の頭のワッカのように苦しめるもので、キレネンコの行動まで細かく支配するものではありませんでした。「痛いめにあうのが嫌ならおとなしくしろ!」というような。
それも、今ではもう支配力が無いということで。
ちなみに、双子の兄弟(主にシロネンコの肉体)の残骸は 記憶を除去され、さんざん研究されたのち、爆発で粉々になって足りないところは機械で補われた、ネガネンコという名の男として登場予定ですが、それはまたあとで。
ネガネンコは公式絵を参考にすると安全ピン2本のはずですよね?
この設定の延長だと、頭蓋に二種類のコントロール装置が埋められていて、ひとつは苦痛を、ひとつは快感を与え、それによって行動を制御されてロボット化された 不死身の男・・・ということになります。
秘密組織は、彼を人間兵器として使うと共に、そのような死なない、そして命令に従う不死身人間を 軍隊を編成できるほど多数作ることをねらっています。
もちろん、同時に、不死身人間を殺す(もしくは行動不能にする)方法も研究しています。
苦痛の安全ピンに電気が走ると ネガネンコは顔をゆがめ、胸をかきむしったり体を折り曲げたりして絶叫します。
快楽の安全ピンがonになると表情が柔和になり、周囲の様子が気にならなくなって、数分も続けるとぐっすりと眠りこけてしまいます。彼にとって、熟睡がなによりしあわせな時間。いえ、他に何も残されていないから。
・・・ということで、チートな設定、次はプーチン編です。
37 とりのはは
2009/06/21(日) 13:08:28 ID: BZkL5mIp6n
まず、自分のサイトからまとめページの文章引用。
実験体にされたプーチン。
懲役三年の刑のプーチンですが、ふとしたことから自殺未遂を謀り、死んだこととされて、秘密組織に送り込まれました。
そしてプーチンの体にはNEGA細胞が植え付けられました。
ところが、特殊な体質だったのか、不思議なことが起こりました。特殊能力が芽生えたのです。
他の人が1秒過ごす間に1時間分の仕事が出来る能力(22話戦車注意で一瞬で車の改造ができたのは、この能力のお陰)です。
一見便利なようですが、プーチンはいつでも自由自在にこの能力が使えるわけではありません。
また、能力を使っている間もプーチンはなんでもできるわけではありません。
ただ歩くだけでも空気抵抗はまるで水の中のよう、モノを動かすのにも摩擦が普通より大きくて重い物は動かせないし、柔らかい物はすぐにボロボロと壊れます。また、ドアは鍵がないと開けられないし、壊そうとして叩くと自分の腕が骨折するほどの衝撃を受ける…光も暗く音も匂いも識別できない、止まった時間の中ではプーチンは孤独な別世界に放り込まれたよう。苦労が一杯。
しかも、細胞の発達はある程度行くと止まってしまいました。
それで、プーチンは実験失敗と見なされて、あわや、殺される…?
駆け足の文章で、わけがわかりませんねぇー。こちらの文章(SS&挿絵も)をどうぞ。
http://s
「もう一度青空の元に」
↑の補足でプーチンの実家の事情http://g
NEGA細胞実験体の末路http://s
止まった世界のプーチンhttp://s
38 とりのはは
2009/06/22(月) 15:07:29 ID: BZkL5mIp6n
39 とりのはは
2009/06/22(月) 21:54:02 ID: BZkL5mIp6n
40 とりのはは
2009/06/22(月) 22:58:19 ID: BZkL5mIp6n
気が付くと、わしは誰かを殴っていた。見慣れたエンジ色の防具。看守の一人だ。
コンコンという音がする。扉の方を見ると、すでに出入り口が板で打ち付けられていた。
そうか。わしはまた扉を壊して、看守を痛めつけてしまったんだ。何で怒ったのか、すぐには思い出せないが・・・。わしは時々、カッとなってやりすぎてしまうことがあった。頭がボーっとする。わしは無抵抗の看守から手を離して、いつもの自分のベッドに戻った。
カーッとなったわしを止めることができる者は、ここには誰もいない。プーチンも、いつものように見て見ぬふりをしていたが、わしが興味を失ったと知ると、看守のそばに駆け寄った。
「大丈夫?」急いで分厚いゴム製の防具をはずす。シャワだ。
「大丈夫だよ、この間よりは、ひどくない。ヘルメットの上から殴られただけだから。」
「だめだよ、腫れてる。冷やさなきゃ。」
プーチンは、ぬらした布をシャワの頬に押し当てた。
41 とりのはは
2009/06/22(月) 23:21:42 ID: BZkL5mIp6n
「他の看守は?」
「扉、くぎ付けにされちゃった。当分、誰も入ってこないよ。」
「そうか。じゃぁ・・・ッツ」
「ダメだよ、動かないで、横になって。」
「そうだな、時間はたっぷりある。」
プーチンがちらっとわしの方を振り向いた。わしは知らん振りして、ごろっと横になって雑誌を広げた。
しばらくたって、シャワとプーチンがうなづきあったのをわしは感じた。
(ね、シャワ。どうしてあんな無茶をしたの?)
(君と二人きりで話をしたかったからさ、プーチン。他の看守たちに聞こえないところで。だからわざとキレネンコを怒らせたんだ。)
(そんなこと・・・)
(大丈夫だって言ったろ。見かけほど痛くはないさ。それより、体の調子はどう?)
(相変わらずだよ。)
(そうか。あのね、この薬。予想外に突然君の能力が発現しそうになったとき、この薬を飲めば、抑えられるかもしれない。)
(このために、わざわざ・・・?)
(うん。・・・ただし、言うまでもなく、試作中の薬だから、効き目のほどは保証できないし、危険かもしれない。)
(わかってる。でも、おいら、その薬、もっていてもいい?)
わしはいつのまにか眠っていたようだ。
隣のベッドを見ると、シャワとプーチンが座って話をしていた。
ひそひそ声ではなく、普通の声で、わしが聞いてもわかる、たわいない話を。
牢屋の外でどんな風に季節が過ぎていくのかとか、看守たちのちょっとした失敗談とか。
プーチンが明るい声で笑っている。
シャワの用事はすんだんだな、とわしは頭のスミで思った。
もちろん、そんな考えはおくびにも出さないで、いつものように、二人には興味の無いふりをしていたが。
42 とりのはは
2009/06/23(火) 20:37:48 ID: BZkL5mIp6n
プーチンのいる部屋で毒ガス攻撃っていうのは、もともと、あまりにひどいですよね。
43 とりのはは
2009/06/23(火) 21:27:28 ID: BZkL5mIp6n
設定語り
キレネンコはもともと「不死身体質」でめったなことでは死なないため、死刑を執行されてもなかなか成功しないわけです。
マフィア時代はキレネンコ兄弟の命令で大勢の人間が殺されたり苦しめられたりしたので、キレネンコにはシャバに戻るという道は残されていない。それで、死ぬまで何度も死刑執行される、という運命。・・・というのは建前。
前述の、不死身の戦士軍団を作って兵器として悪用しようとしている秘密組織。
クロネンコの肉体がベースになって、足りないところにシロネンコの体がくっついて勝手によみがえってしまった方、キレネンコも、もちろん、実験材料に使われているんです。
主にシロネンコの肉体の破片の方は研究所にあり、培養された細胞が普通の人間の肉体に移植される実験が進んでいました。
体質の合う人、合わない人がいて、体質の合う人は不死身細胞(NEGA細胞といいます)が体内の一定の組織で増殖し、特殊能力を発揮するようになりました。
しかし、NEGA細胞は、その人本来の体から見ると「異物」です。異物を排除するために白血球をはじめとする免疫組織が働きます。でも、NEGA細胞は免疫組織の働きでは死滅することはありません。そのため、周囲の健康な普通の細胞が無駄に痛めつけられ、病気になったり、ひどくなると弱って移殖された人間そのものが死に至ることもあります。秘密組織では、その対策も研究中です。
一方で、不死身の細胞を移植された人間を「殺す」もしくは「行動不能にして封じ込める」方法も研究されていました。兵器として製作するとしたら、当然必要となりますから。
それが、キレネンコの死刑。
つまり、キレネンコを殺すことのできる方法=ふじみ野戦士を制御する方法だからです。
44 とりのはは
2009/06/23(火) 21:45:42 ID: BZkL5mIp6n
>>43誤字 ふじみ野戦士→不死身の戦士
さて、この秘密組織は警察だけでなく、刑務所も、裏から手を回して牛耳っていました。だから、刑務所の隣に研究施設のある、この刑務所にキレネンコが収容されたんです。
処刑のときは、たいてい、キレネンコは部屋から出され、隣接する建物へつれていかれました。
扉が開くと、いつもはプーチンが嬉しそうに近寄ってきますし、看守もたいていプーチンに向かって話し掛けたり命令したりします。
でも、時には、やってきた看守が重々しい声で「キレネンコ、表へ出ろ。」と言うことがありました。
そんなとき、キレネンコは少し待て、と手で合図して、いつもきれいに磨いている赤い方のスニーカーに履き替えます。
プーチンは、神妙な表情で自分のベッドに引き下がってじっと座っています。
キレネンコはチラッとプーチンを見ますが、言葉はかけません。そのまま、のしのしと歩いて、看守と一緒に行ってしまいます。
そしてたいてい、何時間も後・・・時には一日二日たってから、キレネンコは戻されてきます。自分で歩いてくることもあるし、看守が3,4人でタンカに乗せてくることもあります。
たいてい、弱っているか、ボーっとしていて、すぐにベッドに横になって眠ってしまいます。
↓このSSのような状態で。
http://s
45 とりのはは
2009/06/23(火) 22:19:36 ID: BZkL5mIp6n
わしには、もうとっくに覚悟なんてできてるんだ。
こんなばかばかしい毎日から、早く開放されたいんだ。
それなのに、なぜだろう・・・。
プーチンが、わしを見とる。
鉄の扉が閉まっても、見えなくとも、わしを見とる。
わしは、今回も、プーチンの待つ部屋に、戻るかもしれん。
戻りたいわけではない。生き続けたいわけではない。
でも、なぜだろう。
プーチンがわしを待っているような気がする。
46 とりのはは
2009/06/23(火) 23:02:18 ID: BZkL5mIp6n
さて、キレネンコがやってくる前から、秘密組織の研究施設は刑務所の隣にありました。そして、兵器開発と人体実験を行っていました。その目的は・・・刑務所から死刑囚やごまかしのきく人間を掠め取って、人体実験に使用するためでした。
プーチンも、刑務所に来てから事故で医務室に運ばれたことがあり、そのときに人体実験されてしまっていました。しかも、実験失敗で殺される運命だったのを、シャワの機転で助かったのです。
プーチンは書類上は死んだことになっていましたが、一命を取り留めて二ヶ月間ほど医務室に入院していた囚人、ということに書き換えられました。その処置は、看守長のソウやゼニロフなど一部の看守は知っていましたが、若い看守たちは知りません。
そして、キレネンコの部屋に入れられたのです。(若い看守たちには、他の人と同室の時に性的虐待を受けた、キレネンコのそばだとその点は安心なので、プーチン自身の強い希望により、キレネンコと同室になっている、と説明されました。みんな納得)
キレネンコは自分の死刑が成功するまで、つまりちゃんと殺されるまでここに閉じ込められているのだという自分の立場を理解しているし、特にやりたいこと、生きたいという希望もなく、長らく檻に入れられている猛獣のようにおとなしいですが、たとえば食べ物がまずいといったちょっとしたことでカーッと怒ることがあり、そうなったら誰も止められません。
キレネンコの世話は、看守たちにとって命がけの、難しい仕事でした。
でも、プーチンが来てから、ずっと楽になりました。相変わらずしばしば殴られますが、なぜ殴られたのか理由がわかるようになった、コミュニケーションが取れるようになってきたのです。
プーチン自身、キレネンコの世話をしながら、衆人の一人としてこの部屋にいれば、ソウやゼニロフをはじめとする看守たちが自分をかくまってくれることをよく知っています。
実験失敗・処分されたはずの実験体の生き残りだとばれたら、改めて殺されてしまいます。
それに、プーチンはこの刑務所と実験施設の近くにいなくてはならない理由がありました。
47 とりのはは
2009/06/23(火) 23:18:56 ID: BZkL5mIp6n
設定語り続き・>>37で貼った外部リンク先の説明と重複します。
プーチンは、通常なら特に罰せられないようなちょっとしたことがなぜかとがめられ、3年間の懲役を言い渡されて刑務所にやってきました。実はプーチンの実家の土地問題でもめ事があり、プーチンははめられたのでした。そして彼の留守中に家族が病死、土地は人手に渡り、あれよあれよという間に帰る家も待っている人も失ってしまいました。
プーチンは刑務所に来てまもなく、見張りをかいくぐり囲いを乗り越えて 高所からの飛び降りを図りました。木の枝に引っかかって大事には至らなかったものの、彼は医務室へ、そしてそのまま隣の実験施設へと送り込まれました。
プーチンは「キレネンコを殺す薬」=「NEGA細胞を移植された不死身の戦士軍団を制御する薬」の開発の実験台にされました。
少量のNEGA細胞を体内に移植され、そのNEGA細胞を殺す薬を何種類も体内に入れられたのです。ところが、不思議なことが起こりました。プーチンの体内でNEGA細胞が増殖し、特殊能力が現れたのです。ほんの一瞬ですが、プーチンは普通の人の数千倍の速さで動くことができるようになりました。1秒に1時間分の仕事ができる能力です。
でも、残念なことにこの能力は自由に制御できない上、NEGA細胞の増幅もすぐに止まってしまいました。
それで、プーチンは実験失敗とみなされて殺されるところだったのを、シャワが看守長たちに話をつけて、キレネンコの部屋にかくまわれたのでした。
ところで、>>43に出てきたこの説明
NEGA細胞は、その人本来の体から見ると「異物」です。異物を排除するために白血球をはじめとする免疫組織が働きます。でも、NEGA細胞は免疫組織の働きでは死滅することはありません。そのため、周囲の健康な普通の細胞が無駄に痛めつけられ、病気になったり、ひどくなると弱って移殖された人間そのものが死に至ることもあります。秘密組織では、その対策も研究中です。
プーチンも、いつNEGA細胞のせいで自分の体が病気になるかわからない、ちょうど爆弾を抱えているようなものです。もちろん、普通の病院では手のうちようもありません。でも、シャワの近くにいると、いざというとき、何とか助かるかもしれません。
48 とりのはは
2009/06/23(火) 23:25:05 ID: BZkL5mIp6n
そして、シャワもプーチンも、この秘密組織の悪を世間に暴きたいという気持ちがありましたので、証拠をつかむためにも秘密組織の研究施設の近くにいる必要があったのです。
ちなみに、シャワの奥さんもNEGA細胞を移植されていて、特殊能力(五感が鋭くなる。たとえば、麻薬の匂いなどは訓練された犬のように感じることができる。同様に誰がピストルを忍ばせている、などということもわかる。)を生かしてマフィアの元で働かされていました。シャワは奥さんの命を握られているので、普通の医者を辞めてこの刑務所で仕事をしていたのです。
この辺の設定説明
http://g
シャワについて。この手紙も、思い出深いSSです。
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49 とりのはは
2009/06/24(水) 22:35:42 ID: BZkL5mIp6n
今日は「ウサビッチ」はお休み。
まだ初描きでイメージ模索中だし、ネタばれでもあるので、詳細は差し控えます。とりあえず、別ジャンルの擬人化です。
50 とりのはは
2009/07/01(水) 16:36:44 ID: BZkL5mIp6n
ずいぶん降るなぁ・・・。
51 とりのはは
2009/07/03(金) 11:51:35 ID: BZkL5mIp6n
キレネンコと同室になってちょっとたってから、キレネンコが暴れて看守を殴って、止めに入ったプーチンが怪我をしたことがあり、その傷跡をいつも帽子(バンダナターバン)で隠しています。細かい巻き毛で、時々自分で適当に切って、邪魔な毛も帽子の中に突っ込んでいます。
52 とりのはは
2009/07/03(金) 23:31:23 ID: BZkL5mIp6n
とりのはははひねくれた設定ばっかし作りよるさかい、こん中やと、うちが一番ストレートで単純な性格やろな。
性別と口調以外はあんまりひねったコトもないし。
ああそうや。うちの目の下のクマな、化粧しても完全には隠されへんねん。これがコンプレックスいうたら、まあ、そうやな。うちはもう開き直っとるけどな。
53 とりのはは
2009/07/04(土) 00:01:41 ID: BZkL5mIp6n
あんさん、わてをあんまり怒らせへん方が身のためでっせ。
わてが子供の頃、刑務所の近くに住んどって、脱獄犯の立てこもり事件に巻き込まれたんや。それがきっかけで民警の仕事しとる。
わては、脱獄犯を許さへん。どこまででも追いかける。もしも一般市民に類が及ぶようなら、射殺してでも封じ込めるんや!
コプチェフの過去話とキレネンコ・プーチンとのSS↓
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54 とりのはは
2009/07/05(日) 18:06:53 ID: BZkL5mIp6n
脱獄して逃走中に、車が道路の途切れた場所をぶっ飛んだことがあったんだ。
おいらはてっきり、崖から落ちてそのまま死ぬと思ったんだけれど気が付いたら運転席で失神しただけで、生きていた。
目の前、フロントガラスのすぐ前は土の壁。おいらは何が起こったかわからなくて、ボーっとしていた。
車が振動したのではっと後ろの座席を見ると、キレネンコが、まるでいつもと全然変わりないように雑誌を広げて、後ろの座席で寝そべっていたんだ。
おいらが何度声をかけても、キレネンコは返事をしない。でも、あたりともケガはしていないようだった。かえるのレニングラードも、ひよこのコマネチも無事だ。それどころか、試しにキーをまわしてみると、どうやらエンジンもかかるようだった。
でも、すごーくいやな感じがして、おいらはすぐにエンジンを切った。そして、(ドアは開かないので)屋根のハッチから体を乗り出して、やっと状況がわかった。
「キレネンコ、大変だよ!この車、断崖絶壁の中腹に突き刺さってる!」
でも、キレネンコは返事をしない。(続く)
55 とりのはは
2009/07/05(日) 18:40:38 ID: BZkL5mIp6n
「第16話坂道発進注意」SS アニメ→http://w
おいらは、車の屋根の上に上ってあたりを見回した。上も下も、目のくらむような高さだ。
コマネチがちよちよとおいらの周りを飛び迷って、巻き毛をくちばしで軽く引っ張った。「あたしがあの上まで連れて行ってあげましょうか?」と言っているみたいだった。
おいらが『NEGA細胞の実験体』だということはもう話したよね?
実を言うと、コマネチも、レニングラードも、研究所で飼われていた実験動物だったんだ。そして、おいらと同じ。実験失敗で処分されるところを、かくまっていたんだよ。
レニングラードはビックリするほど丈夫だし、コマネチは素晴らしい飛行能力の持ち主なんだ。NEGA細胞のおかげでね。
あの小さな翼で不思議なんだけど、おいらをぶら下げて5分以上も飛んでいることができるんだよ。
刑務所のあの部屋で、看守が誰も見ていないとき、何度も試したことがある。暇だったからね。
ちなみに、キレネンコのことは、重くて、持ち上げて飛ぶことができなかった。それも確認済みなんだ。
おいらは屋根の上に寝そべって、コンコン、と窓を叩いた。
「キレネンコ、脱出しよう。この車の中にいちゃ、危険だよ。」
しかし、何度声をかけても、キレネンコは知らんぷりをしている。おいらの声が聞こえないわけじゃなくて、わざと無視してるんだ。
30分ぐらいたって、おいらはとうとう覚悟を決めた。
「ねぇ、キレネンコ。
おいら一人なら、コマネチに頼んで崖の上まで上がれるかもしれない。
キレネンコ、ここで待ってて!おいら、長いロープか何か探して、きっと助けに戻ってくるから。」
56 とりのはは
2009/07/05(日) 19:21:59 ID: BZkL5mIp6n
さて、この後、アニメどおり、プーチンは失敗し、キレネンコは車を崖から脱出させ、無理矢理崖を登ってプーチンを回収、道路に復帰。このエピソードの直後、プーチンがキレネンコに語る言葉を去年SSに書いたので、その一部を再録します。
************
「…あの、ね、キレネンコ。おいら、さっき、君を置いて 崖を登ろうとして、ごめんね。 ありがとう、キレネンコ。…あの…」
しばらくの間、プーチンは次の言葉を言いませんでした。もちろん、キレネンコも黙っています。
「キレネンコ、おいらと別れようと思った? おいらと別れるために、黙っていたの?」
キレネンコは、言葉を一言も発しません。じっと雑誌に目をやったままです。レニングラードが、ケロロ、と、一声、鳴きました。
プーチンが、つっかえていたものを吐き出すように、一息に言いました。
「おいらを置いていかないで!こんなところで一人にしないで!
怖かった。崖から落っこちるかと、怖かった。
ここに来るまでだって、とっても、怖かった。銃弾が、ビュンビュン飛んでくるんだ。 警察のサイレンの音も、銃も、何もかもが恐ろしいんだ。
だけどね、キレネンコ。
おいら、この三年で初めて、体中で生きているって感じてるんだ!
キレネンコが、あの壁を破って、連れて行ってくれるから、おいら、この恐ろしい場所で、生きてるって感じておれるんだ。
だから、置いていかないで! お願い、ずーっと、連れていって!」
それだけ叫ぶように言うと、プーチンはドキドキして、キレネンコの様子を窺いました。
しばらくしてレニングラードが、もう一声、ケロロ、と鳴きました。
「おいら、勝手についていくよ。
君の行きたい方に 車を運転して、いっしょにいくよ。」
キレネンコは返事はしませんが、勝手にしろ、という風に寝返りを打ちました。
道路は緩やかなカーブを描いて、どこまでも続きます。
平和な道路を走っていると、プーチンは持ち前の 楽しい気分が戻ってくるのでした。
57 とりのはは
2009/07/05(日) 19:47:52 ID: BZkL5mIp6n
話は前後しますが、この二人の脱獄前後のエピソードについて、以前書いたSSを。
まず11話「処刑の時間」。このとき、プーチンとキレネンコのいる部屋にショケイスキーがやってきて(ショケイスキーは秘密組織の科学者です。ついにプーチンが見つかってしまった!)キレネンコをギロチンにかけて失敗したら、部屋を密封してプーチンごと毒ガスで殺そうとしました。
いつもは(理性があるうちは)抵抗せずに死刑を待っているキレネンコですが、プーチンまで巻き添えで殺されそうになったので、ショケイスキーに反撃しました。
ところで、化学物質が体内に入ったとき、出て行くルート。
一度肝臓に集まった後、大便として出て行くような毒もありますが。
肺から吸収された毒は、一旦血液に溶けた後、呼気と汗として出て行く率が高いそうです。
「処刑」の毒ガスは、プーチンがトイレの水中に避難した(呼吸を止めていた)ことと、
即座にキレネンコが吸い込んでショケイスキーに返したことで、かなり薄くなっていたでしょうが
プーチンが(おならも含めて)薄まった毒ガスを吸い込んだことは事実。
死ぬほどではないにしても、体の調子が悪くなるぐらいの量は吸い込んだはず。
毒を吸っても、医者に診てもらうわけでもなく放置されたプーチン。
では、どうやって解毒するか。
呼気と汗をいっぱい出して、自力で毒を排出、あとは自然治癒力に頼るのみ。
本当は体がだるくて休みたいけれど、動き回って解毒しないことには、もっと調子が悪くなる。
苦しいけど 我慢して 動かなくては…動かなくては…
そういう理由で、
この夜、眠りながらコサックダンスを踊り続けていたのではないかと思うのですよ。
その夜のキレネンコの立場でのSS↓
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58 とりのはは
2009/07/05(日) 20:15:47 ID: BZkL5mIp6n
さて、12話「リンチの時間」。プーチンがショケイスキーに見つかったことで、プーチンもキレネンコともども殺せ、との通達が看守たちに伝えられますが、当のショケイスキーは(キレネンコの反撃で)毒ガスを吸って緊急入院、現場は混乱中。そんな中、普段からキレネンコの横暴にイラついていた若い看守たちが暴走、真夜中に寝込みを襲ってリンチ・・・ということに。
結果はアニメの通り。
プーチンは踊りながら眠っていて目を覚まさない。
キレネンコは暴走モードになって大暴れ。銃弾もロケットランチャーも、それどころか戦車すら役に立たず、看守たちは二つ折りにされて放り出されてしまいました。
それで、出入り口が、今度はレンガで塗り固められてしまいました。
プーチンともども、外に出さず、食べ物も与えずに飢え死にさせようというのです。
レンガで入り口を固められた後のプーチンの心境 SS↓
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59 とりのはは
2009/07/05(日) 20:36:37 ID: BZkL5mIp6n
13話 出所の時間
(この前、早朝に>>48の「手紙」というSShttp://s
が入ります)
プーチンは朝になってもレンガで塞がれたままなのを確認して気落ちしますが、いつもの習慣でカレンダーを見てハッとします。
そうだ、今日はこの刑務所に来て三年目、本来ならば出所予定日だったんだ・・・。
(おいら、実際は出られないかもしれない。このまま死ぬのかもしれない。でも、せめて身の回りを整理しておこう)
プーチンは荷物を一つ一つトランクに詰めながら、泣きそうな気分になる自分を励ますために鼻歌を歌いました。
一方、キレネンコ。実を言うとキレネンコは、自分の力を発揮すればこんなレンガの壁ぐらい壊してしまえることを知っていました。
これまで、行く場所も特に無く、死刑でもなんでもいい、楽になれるんならそれでいい、と、この刑務所にいましたが、実を言うと一人でならいつでも脱獄できたのです。↓
60 とりのはは
2009/07/05(日) 20:49:20 ID: BZkL5mIp6n
さて、「出所の時間」の前半、キレネンコは何事かを考えています。
朝からいきなり出かける支度をして、脱獄、って流れじゃないんです。
でも、逃げないで監獄にいても、プーチンは自分と共に殺されてしまう。“素手で壁を破ることが可能”ってわかってるとしたら、悩む必要は無い。
キレネンコはこの時、何を思案していたんでしょうか?
キレネンコは、自分は死刑になって死んだ後、地獄のような所へ行くと覚悟して(以前そんな幻想に苛まれていたため)地獄でも歩き通すために死装束のつもりでスニーカーを準備して、毎日靴を磨いて暮していました。
一方で、プーチンは毎日を笑って泣いて新鮮な感動を持って暮しています。プーチンは生きることに真剣に向き合ってきたのです。
生と死は表裏一体。現世でできる最高の“死の準備”は、真剣に生きることしかないのです。
キレネンコはプーチンをそばで見つめていて、そのことに気が付いていたのですが、死刑囚となってしまっている自分にどうやって“真剣に生きる”なんてことができるでしょう?
あらゆる生きるための営みも、仕事も創造も、愛すら、虚しい。
いつの日か処刑が成功したら、それで全て水泡と化す。
だから、キレネンコを自分を恥じ、プーチンの背中を眩しく見つめて、心の中で応援していた。決して言葉には出さなかったけれど。
(自分になど関わっていたら、出所後に将来のあるはずのプーチンには迷惑だから)
キレネンコはプーチンを普通に三年間の懲役刑の囚人だと思っていますから、出所前のはずの今の時期に脱獄なんて馬鹿なことだと考えています。
自分の巻添えでプーチンの命までが危険にさらされている、それは確かに、尋常じゃない。
でも、もしも自分がこの刑務所の壁を壊したとして、プーチンはどうするでしょうか?
キレネンコは、プーチンを刑務所から外へ出したかったので、
自分一人で脱獄したって意味がないのです。
もしもプーチン一人でここに残ったとしても、やはり彼の命は危険にさらされている。
看守達は口封じにプーチンをあっさり殺しかねません。
「なあ、プーチン。わしが壁を壊すから、お前は、逃げろ。」
その一言を、どうやってプーチンに伝えればいいでしょうか?
ほめた!
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