文化放送とは (ブンカホウソウとは) [単語記事]

文化放送
Nippon Cult ural Broad casting
基本情報
略称	QR
国	日本
所在地	東京都港区浜松町一丁目31番地
運営事業者	株式会社文化放送
放送対象地域	関東広域圏(関東7都県)
ラジオ周波数	113 4k Hz(AM/中波) 91.6MHz（ワイドFM）
ラジオ系列	NRN
コールサイン	JOQR
開局年月日	1952年 3月31日
設立年月日	1956年 2月13日
備考
会社設立以前は財団法人の運営
放送局情報テンプレートボックス

株式会社文化放送とは、関東地方をエリアとするAMラジオ局である。

文化放送(株式会社文化放送)
親局(川口送信所、埼玉県川口市)113 4k Hz(旧周波数　1130kHz)
補完中継局（東京スカイツリー、東京都墨田区）91.6MHｚ

概要

関東地方をエリアとするAMラジオ放送局である。あまり知られていないが、フジサンケイグループに属している。以前は株式公開を目指していたが、2005年のライブドアによるニッポン放送買収問題によって上場の話は見送られた。

かつての「セイ！ヤング」「吉田照美のてるてるワイド」、1990年代からのアニラジ、ジャニーズ枠など若者に人気のある番組作りに注力している。プロ野球中継では巨人やセ・リーグ偏重の局が多い中、平日のライオンズナイターでは数少ない埼玉西武ライオンズ応援の中継を行っているのでも有名 (休日はホームランナイターとして巨人戦中心の実況中継を行っていたが、2013年からは日曜の、2019年からは土曜も、いずれもレギュラー放送を取り止める。一方休日の西武戦中継は協力関係にあるNACK5が担当している)。

元々はキリスト教の宗教放送を行うために設立された放送局だった名残で、四谷の住宅街に忽然と現れる教会の様な局舎で知られた。スタジオの中には祭壇もなども設置できる構造になっていたという。ただし、旧局舎は四谷駅・四谷三丁目駅の間にあり、両駅から徒歩で10分以上かかるアクセスが不便な場所で、大通りからも少し入った分かりづらい場所であった。
2006年にJR 浜松町駅や都営地下鉄大門駅至近の駅前に現局舎ビルである「文化放送プラス」を建設し移転。旧局舎は残念ながら取り壊された。旧局舎にあった立派なステンドグラスの保存なども検討されたが実現せず、跡地に建設されたマンションの玄関に「文化放送発祥の地」の碑が建てられ、マンション屋上には非常用送信所があることが数少ない名残となっている。

送信所は埼玉県川口市内に所在。戦時中はNHKの送信所として使われていたものを居抜きで使っており、現在は使われていないがその時代の建物が残されている。桜の名所としても知られており、シーズンになると敷地内が花見客向けに開放される。

みのもんた、土居まさる、吉田照美、梶原しげるはこの局の元アナウンサー。すぎやまこういちもこの局のディレクターからフジテレビへ転じた人物である。

聴取率は長年低落傾向にあった。TBSラジオ、ニッポン放送、NHK第一とどんどん差が広がり続け、一時はJ-WAVEにまで抜かれる事態に。近年はTBSラジオ、ニッポン放送、TOKYO FMらの首位争いグループの後方が定位置となている。

出力は100 キロワットであり、民放ラジオでは最高出力であるが、夜間になると500 キロワットというNHK ラジオ並みの出力の韓国の放送局や北朝鮮の平壌放送と混信してしまう場所も多く、韓国語と戦いながら文化放送を聴くリスナーも少なくない。また他の地方でもたまに聞く事が出来ちゃったりする（あくまで深夜枠）。北海道、東北では良好に聴取できる地域が多いが、北陸は1116 khzの新潟放送の影響。西日本は1143khzの京都放送の影響をモロに受けるため、TBSやLFに比べると夜間の全国聴取は難しい傾向にある。

文化放送設立時から1990年代までは教育書籍専門の出版社である旺文社が大株主であったため、「大学受験ラジオ講座」「百万人の英語」といった受験生向けの教育番組が存在した。旺文社がこの番組と連動した教材を発売し、全国のAM局のみならず、FM局やラジオたんぱ（現：ラジオNIKKEI）でもネットされていた番組であった。同じく、旺文社と関係が深かったテレビ朝日（当時は全国朝日放送）とも交流関係を築いていた。
しかし、少子化による受験生の減少から旺文社の経営が傾いたために、保有していた文化放送の株を売却。1995年頃までにこれらの番組は姿を消した。

白文字で大きく文化放送と書かれたマイクは会見（特に国会後のインタビュー）で一際目立つマイクである。こんなマイクだが、実は使っている歴史は長く、更に性能が良いこともあって、60年安保での闘争音や1970年に起こった三島事件で三島由紀夫が割腹直前に行った演説を各メディアが録音に失敗した中で唯一成功させており、悪条件でも録音できるマイクとして有名である（ただし、欠点としては重いらしい）。

IP サイマルラジオ協議会に参加しており、2010年 3月15日からradiko.jpにてインターネットサイマル放送を行っている。
2014年 4月より開始されたradiko.jp プレミアムにより、有料ではあるが前述の聴取困難問題が大幅に改善され、高音質の放送が全国で聴取することが可能になった。
また、2015年 12月7日にはTBSラジオ、ニッポン放送と共に東京スカイツリーからFM補完放送（ワイドFM）を開始、91.6MHzでも聴取可能である。

2019年 12月にはノルウェーの放送局が薪がただ燃えている映像だけを流す続けるという番組が高視聴率を叩き出したということに触発され、音に尋常じゃないこだわりを持つ精鋭音声スタッフが機材と技術を駆使し、高音質で収録したたき火の音が流れるだけの番組を放送、これがラノベみたいなやたら長いタイトル（初回時点で「たき火特番〜ノルウェーのテレビ局が薪が燃えているだけの映像で高視聴率を獲得したので、たき火の音だけを流すラジオをやってみた〜」である）とともにその放送内容が反響を呼び、以降スペシャルウィーク（聴取率調査期間）の呼び水番組としてシリーズ化、さらに昨今のASMR 人気も相まって「文化放送ASMR特番」という総称がつけられている。ちなみに3D オーディオで録音されているため、ワイドFMまたはradikoからヘッドフォン・イヤホンで聴取することが推奨されている。

NRN系列にニッポン放送とともに属している。送出マスターも文化放送の局内に設置されており、NRN系番組はここから全国に発信される。

各メディアとのつながり

文化放送は独立系のイメージが強いが、フジテレビ設立時に大きく関与しているためにフジサンケイグループの一員である。NRNではニッポン放送と文化放送が盟主であり、時にコラボしている。

文化放送設立時の出資者であり、日本教育テレビ（後のテレビ朝日）設立時の出資者である旺文社などが大きく関与しているためにテレビ朝日とも関係がある。今はだいぶ解消されたが、たまに番組内でテレ朝の番宣を行うこともある。

またAT-Xの関係でテレビ東京、箱根駅伝や映画の関係で日本テレビとも関係がある。

新聞との関係だと朝日新聞系と産経新聞系を使っている。

ラジオ局だと埼玉県のFMであるNACK5と協力関係であり、テレビ朝日とNACK5と共に地上デジタルラジオで協力したこともある。

主な番組

おはよう寺ちゃん（月～金:5時～9時）
くにまる食堂（月～木：9時～13時）
- くにまる食堂フライデー～どうした！？一蔵！～（金：9時～13時）
大竹まこと　ゴールデンラジオ（月～金：13時～15時30分）
長野智子アップデート（月～金：15時30分～17時）
ニュース・パレード（月～金：17時～17時20分）
ライオンズナイター（火～金のナイターシーズン）
- ホームランナイター（週末のナイターシーズン、2019年以降は特番編成のみ）
レコメン！（月～木：22時～25時）
- レコメン！A（金：21時～22時30分）
- 嵐・相葉雅紀のレコメン！アラシリミックス（金：24時～24時30分）
ヴァイナル・ミュージック～forEK　大人の歌謡クラブ（金：深夜27時～28時45分＝朝 4時45分）
ラジオのあさこ（土：7時～9時）
てるのりのワルノリ（土：11時～13時）
ロンドンブーツ1号2号田村淳のNews CLUB（土：13時～15時）
吉田照美・伊東四郎　親父熱愛（土：15時～17時）
純次と直樹（土：18時30分～19時）
ますだおかだ増田圭右とアンタッチャブル柴田英嗣のおかしば（日：10時～12時）
おとなりさんday（日：14時～16時）

過去の代表番組

朝～夜

全国歌謡ベストテン（1962～2002）
全国ポピュラーベストテン（1962～2006）
高島忠夫の気ままなジャンボ（1976～1990）
決定!全日本歌謡選抜（1976～1990）
吉田照美のやる気MANMAN！（1987～2007）
みのもんたのウィークエンドをつかまえろ（1987～2014）
梶原しげるの本気でDON DON（1988～2000）
夕焼けアタックル（1992～2000）
吉田照美　ソコダイジナトコ（2007～2013）
玉川美沙　ハピリー（2011～2018）
福井謙二　グッモニ（2013～2017）
吉田照美　飛べ！サルバドール（2013～2017）
オトナカレッジ（2013～2016）
楽器楽園～ガキパラ～ for all music-lovers（2014～2022）
- ガキパラ～NEXT STAGE～（2022～2024）
ミスDJリクエストパレード～8116サタデーアップ（2016～2017、深夜に放送した「ミスDJ」の復活版）
- ミス DJ リクエストパレード～8116 サンデーアップ（2017～2021）
- ミス DJ リクエストパレード360（2021～2023）
The News Masters TOKYO（2017〜2019）
斉藤一美ニュースワイド SAKIDORI!（2017～2022）
A&Gリクエストアワー阿澄佳奈のキミまち！（2017～2022）
おとなりさん（2022～2024）
西川あやの　おいでよ！クリエイティ部（2022～2024）
鷲崎健のヒマからぼたもち（2022～2024）

深夜番組

走れ！歌謡曲（1968～2021）
セイ！ヤング（1969～1981）
- さだまさしのセイ！ヤング（1981～1994）
吉田照美のてるてるワイド（1980～1987）
ミス DJ リクエストパレード（1981～1985）
SUPER COUNTDOWN 50→スパカン！（1990-2014、1994年 4月までは日曜昼に放送）
Come on FUNKY Lips!（1994～1999）
- LIPS PARTY 21.jp（1999～2003）
SOMETHING DREAMS マルチメディアカウントダウン（1995～2002）
超機動放送アニゲマスター（1997～2004）
A&Gメディアステーションこむちゃっとカウントダウン（2002～2023）
田村ゆかりのいたずら黒うさぎ（2003～2016）
A&G　超RADIO SHOW～アニスパ！～（2004～2015）
リッスン? 〜Live 4 Life〜→リッスン？2-3（2009～2018）
ユニゾン！（2015～2018）
&CAST!!!アワーラブナイツ！（2018～2020）
Cult ureZ（2020～2023）
ヴァイナル・ミュージック　歌謡曲2.0（2021～2023）

教育番組

大学受験ラジオ講座（1952～1995）
百万人の英語（1958～1992）

アニラジ

関東地方の放送局の中で最も多くアニラジを放送している。特に土日は21時あたりからの放送がすべてアニラジで占められており、文化放送独自のリスナー層（大きなお友達含む）を集めている。

ドワンゴもいくつかの番組のスポンサーとなっており、その番組はニコニコアニメチャンネルで公式配信されている。

また、アニラジ専門のインターネットラジオ局として「超!A&G+」を運営しており、地上波で放送されている一部の番組はこちらでもサイマル放送または時差ネットで配信されている。

主なアニラジ

青山二丁目劇場（月：21時～21時30分）
東映公認鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー（金：24時30分～25時）
堀江由衣の天使のたまご（金：25時～25時30分）
A&G TRIBAL RADIO エジソン（土：21時～23時）
A&G メディアステーション FAN MORE TUNE（土：23時～24時）
神谷浩史・小野大輔のDeargirl～Stories～（土：25時〜25時30分）
田村ゆかりの乙女心 ♡症候群（土：25時30分～26時）
花澤香菜のひとりでできるかな？（日：22時30～23時）
新テニスの王子様オン・ザ・レィディオ（日：23時～23時30分）
水樹奈々スマイルギャング（日：23時30分～24時）

ニコニコアニメチャンネル配信番組（現在はいずれも終了）

QRソング

文化放送といえば「きゅっ、きゅっきゅっ QR♪」の歌詞でおなじみのQR ソングが有名。ステーションブレイクをはじめ、放送開始・終了時、交通情報や天気予報のBGM、さらには時報の予告音や同社の電話保留音に至るまで、様々な場面で使われていた。作詞・野坂昭如、作曲・いずみたく。1961年にザ・ピーナッツの歌唱によるオリジナルバージョンが公開されて以来、周波数変更などに伴う歌詞の変更も行われ、様々なアレンジバージョン、歌手やパーソナリティさらには埼玉西武ライオンズ監督時代の渡辺久信に至るまで様々な人が歌ったバージョンも作られている。

ちなみに「西の文化放送」ことラジオ大阪のステーションソング「OBC ソング」の作詞･作曲も野坂･いずみコンビである。ついでに言えば東海ラジオの社歌も野坂が作詞監修（歌詞自体は一般公募）し、いずみが作曲している。

前述のワイドFM開始に伴い、ステーションジングルとしては2015年 12月6日の放送終了で役目を終え利用を停止し、翌7日よりAM・FM両周波数を織り込んだ、浅川真洋作曲・山村響歌唱による新しいステーションサウンドの使用を開始している。奇しくもその2日後に野坂が死去し、時代の移り変わりを感じる出来事となったが、その後の社長会見で「文化放送の財産」と語るなど今後も残していく方向で、重要な節目で使用したり、野坂の遺族の承諾を得て歌詞をFMにも対応したバージョンが今後作られる可能性はあった。
それを示すかのように2022年 3月31日に開局70周年を迎えるにあたり、QR ソングの70周年記念の新バージョンを制作（歌唱は新ステーションサウンドから引き続き山村が担当）、2021年 3月29日より使用を開始した。さらに時報音も2015年 12月以前のQR ソングが元のチャイムメロディーが復活している。