コロッケそばとは (コロッケソバとは) [単語記事]

コロッケそばとは、かけそばの上にコロッケが乗っている食べ物である。

概要

普通のかけそばの上に具材としてコロッケを乗せたものである。それ以上でもそれ以下でもない。

実店舗で食する場合は、関東近郊の駅構内立ち食いそば・駅付近の立ち食いそば・チェーン展開している廉価なそば屋等のお品書きを眺めてみると、大概メニューの中に含まれている為、容易に食する事が可能である。
だが関東圏以外の他道府県において、立ち食いそばのお品書きにコロッケは殆ど存在しない。不可解である。

近所に駅が無い、駅は有っても駅そばが無い……等と言う場合には、別メニューでコロッケが有る山田うどん等を探して、かけそば(関東で言う処のたぬきそば)とコロッケを同時に注文し、両方が出て来た処で合体させてコロッケそばを自作すると言う荒業でコロッケそばの雰囲気は掴めるかと思われる。　
尚、山田うどんの場合、コロッケには味付け用のソースや付け合わせのキャベツ・ドレッシングが付属しているが、間違ってもコロッケと一緒にそばに入れてはいけないのは言う迄も無い事である。

セルフうどん・そば店や丸亀製麺リスペクト系のうどん店で多種類の天ぷらを提供しているところでは、その中にコロッケも並んでいることがある。こちらは麺に載せるトッピングとしての提供なので基本的にソースや付け合わせは付いていない。

実際の「コロッケそば」はと言えば、謎の出汁が利いた謎の蕎麦汁の中に、謎の温かいそばが入っており、その上に謎のジャガイモ 100％な謎の冷たいコロッケが鎮座している、ただそれだけのモノであるが、シンプルな物ほど人の心を捉えやすい為か、伊集院光が「偉大なるB級」として褒めたとか、蝉丸Pが布教活動したとか、柳家喬太郎がコロッケの擬人化をした等々枚挙に暇がない。

作り方が至ってシンプルな為、自宅で再現する事も可能である。
一番手っ取り早い方法としては、マルちゃんでお馴染みの東洋水産が全国発売している「ほくほくのコロッケそば」を購入し、お湯を入れて三分間待てば何の苦労も無く容易に食べる事が可能になる……が、この商品に乗っているのではコロッケそのものではなく「コロッケ的な雰囲気のかやく」なので本物のコロッケそばとは別物という指摘もある。
他にも簡単な方法だと、インスタントのカップそばに総菜屋のコロッケを乗せる。　少し手を掛けても普通のそばを茹でて蕎麦汁に放り込んでコロッケを乗せると言う、お湯と鍋と袋入りのそばと醤油(或いは蕎麦汁の素)とコロッケが有れば誰でも簡単に作れるものである。
ここで気を付けたいポイントとしては「盛りそばにしてはいけない」「コロッケは安物で冷めてなければいけない」位であるが、間違っても冷凍食品のコロッケを冷凍状態のまま乗せてはいけない。

あと、「廉価な食材で作ってうまいのなら、高級な食材で作れば更にうまくなるだろう」「コロッケが温かい方が更にうまくなるだろう」と言う考えは、通常の料理では当然の帰結となるのだが、B級グルメの雄たるコロッケそばに関して言えば、一顧だに値せぬ考えの為、当然切って捨てるべきである。

確かに高級な食材をふんだんに……と言っても所詮はコロッケそばなのだ。
そば粉10割の手打ちそば、「並木藪蕎麦」のツユ、村上春樹のエッセイにある「うさぎ亭のコロッケ（揚げ立て）」の組み合わせがおそらく考えうる限りの『最高級コロッケそば』ではあるが、実際に食すると「コロッケそばの形をした、何だかよくわからないもの」が出来ること請け合いである。　挙句、その出来上がった物体を何処ぞの新聞記者の如く「これが究極のコロッケそばだ！」等とドヤ顔で言い出した日には、食通と言う賞賛どころか味覚音痴の烙印を押される可能性が有るので注意されたし。