ロールス・ロイスとは (ロールスロイスとは) [単語記事]

ロールス・ロイス（Rolls-Royce）はイギリスの工業機械メーカー、またはそこから分離した自動車メーカーである。

概要

ロールスロイスは1973年に設立され、航空機エンジンや船舶・エネルギー関連機械などを製造・販売しているイギリスの工業メーカー、ロールス・ロイスplc（ Rolls-Royce plc ）とドイツの自動車会社BMW 傘下の高級自動車メーカー、ロールス・ロイス・モーター・カーズ（ Rolls-Royce Motor Cars ）に分かれる。

前身のロールス・ロイス（Rolls-Royce Limi ted）は自動車や航空機用エンジンの製造を行うイギリスの工業メーカーであった、1931年にベントレーを買収するなどし自動車製造事業においては高級車の代名詞となるまでに成長していた。しかし1960年代、自動車製造での近代化の遅れ、開発・販売した航空機用ジェットエンジンの損失の拡大などで経営が悪化し1971年に経営破たん、国有化され自動車事業と航空機エンジン事業は別の会社として分割される。

ロールス・ロイス・モーター・カーズ（Rolls-Royce Motor Cars）は、イギリスの高級自動車メーカーである。1998年からBMW 傘下に入る。最高級車の代名詞とも。

前身となる、ロールス・ロイス (Rolls-Royce Limi ted) は1906年に、学生時代にイギリスの王立自動車クラブ (RAC) の前身となる自動車クラブの設立にも寄与したチャールズ・スチュアート・ロールズ（Charles Stewart Rolls、1877年-1910年）と電気技術者のフレデリック・ヘンリー・ロイス（Frederick Henry Roy ce、1863年-1933年）の手により、当時それぞれが経営していた会社の自動車部門を統合する形でイギリス北西部のマンチェスターに設立された。

パルテノン神殿をイメージしたかの様な独特なエンジングリル、その頂点で羽ばたくような精霊像スピリット・オブ・エクスタシーが特徴。自動車産業の黎明期に置いて、他のイギリス車に比べ群を抜いてたその性能は、自動車先進国であるフランスなどでも高い評価を得た。

特に、1906年に開発され「世界最高の6気筒車」、後に「世界最高の自動車 (The best car in the world)」というフレーズに変えられた40/50HP 型「シルバーゴースト」は極めて高価な車であったが商業的に成功を収め、世界各国の王侯貴族や富豪に愛用された。日本においても1922年に大正天皇の御料車として採用されたこともある。

1931年にベントレーを買収するなどし規模を拡大していったが、上記や後述の通り技術革新の遅れや航空機用エンジンの開発の失敗により経営が悪化、イギリス政府の管理下におかれ、国有化されたロールス・ロイスであったが、自動車部門は1973年に分離されイギリスの製造会社・ヴィッカースに譲渡されロールス・ロイス・モーターズ（Rolls-Royce Motors）が誕生した。

1998年、ヴィッカーズはこの自動車事業の売却を計画、最高額を提示したフォルクスワーゲンがそれを買収する。しかしロールス・ロイスの商標は所有していたロールス・ロイスplcが1992年から提携していたBMWに譲渡されると言う捩じれが発生する。後にフォルクスワーゲンとBMWの協議の結果、2003年からベントレーの製造販売はフォルクスワーゲンがロールスロイスの製造販売はBMWが行う事となり分割され、紆余曲折の末に1998年にイギリス南部のウェスト・サセックス州グッドウッドにロールス・ロイス・モーター・カーズとして設立された。