魔弾の王と戦姫(まだんのおうとヴァナディース)とは、川口士著作のライトノベルシリーズおよび、それを原作としたメディアミックス作品である。単行本は全18巻。ジャンルは最強美少女ファンタジー。
概要
ブリューヌの辺境アルサスに生まれた弓使いの小貴族ティグルと、彼と出逢う隣国ジスタートの可憐な『戦姫』たちを中心にして織りなされる、苛烈で鮮やかな青春と戦争ストーリー。MF文庫Jの例にもれず肌色比率高めのイラストとラッキースケベの一方で雑兵や罪なき民がモリモリ殺される川口士氏の作風による素敵なバランスで御送りする小説作品。
レーベルはMF文庫J(メディアファクトリー)、表紙、挿絵イラストは第1巻~第8巻はよし☆ヲが担当(よし☆ヲ氏の体調不良のため例外的に第5巻挿絵のみ漫画版作者である柳井伸彦が暫定的に担当。第6巻は新規挿絵なし)。第9巻からは片桐雛太に交代し、よし☆ヲはキャラクター原案を担当する。
同氏の著作『星図詠のリーナ』や『千の魔剣と盾の乙女』『戦鬼』などと比較すると、より戦記モノの味付けが濃く、国同士、部隊同士での激突描写の多い作品となっている。あと主人公の局部の隆起も多い作品となっている。
また2018年9月より同作のもう一つの物語として集英社ダッシュエックス文庫より『魔弾の王と凍漣の雪姫〈ミーチェリア〉』を刊行。2022年4月現在、既刊11巻。
漫画版がコミックフラッパーで連載されていた。絵は上記のとおり柳井伸彦の手によるもので、ストーリーはほぼ小説版に沿う形で展開されており、全10巻で完結を迎えた。
2013年のMF文庫J、5作品一挙アニメ化の流れに乗ってアニメ化決定。2014年10月から12月まで放送された。ニコニコチャンネルでも配信。
2019年9月より世界観・人物を共有する『魔弾の王と聖泉の双紋剣〈カルンウェナン〉』が、瀬尾つかさ著・イラスト八坂ミナトで刊行。既刊6巻。
あらすじ
これは英雄へと至る物語――。
古の昔、女神より弓を授けられし者あり。
ひとたび狙いをつければ必ず射抜き、
あらゆる困難を射倒したというその弓は、
やがてその男を王の座へと導いたという。
いつしか人々はその男を『魔弾の王』と呼んだ……。
まだ王が領主を従え、剣と馬が戦争の主流であった時代。
竜より与えられし超常の武具を振るい、戦場を駆ける少女たち―― “戦姫(ヴァナディース)。 王の下に集う7人の戦姫は“ジスタートの七戦姫”と呼ばれ、周辺諸国に恐れられていた。
ブリューヌ王国の小貴族ティグルは、とある小競り合いから発展した隣国ジスタート相手の戦争に駆り出される。国境線のディナント平原にて、数の上では圧倒的優位で始まった戦は、参加していた戦姫によって瓦解、ジスタート勝利で味方は敗走する。
その時、ティグルは戦場で七戦姫の1人、“銀閃の風姫(シルヴフラウ)”エレンに出会う。
敵の総大将であるエレンを討ち取ろうとするも、ティグルは彼女の人間離れした剣技の前に敗北。
そして弓の腕に一目惚れしたというエレンにより「お前は私の捕虜(もの)だ」と、彼女の領地ジスタート王国ライトメリッツ公国へ連行されてしまうが……。
登場王国
- ブリューヌ王国
- 本作品の主な舞台。王都はニース。国旗は紅馬旗(バヤール)。国旗の通り騎馬戦を得意とし、なだらかな草原や丘が国土の多くを占める。国王は貴族諸侯に領地の保護を代償に忠誠を誓わせる、という国である。(現代でいう封建制)。
- ジスタート王国
- ブリューヌに並ぶ本作品の舞台。王都はシレジア。国旗は黒竜旗(ジルニトラ)。7人の戦姫それぞれが自身の領地を公国として治めるという国家体制を持つ。なお、言い伝えの影響かは不明だが黒い鱗の竜は殺してはいけないというルールがある。7公国については登場人物「ジスタート」を参照。
- アスヴァール王国
- 大陸から離れた島を中心に領土を持つ国。王都はコルチェスター。国旗は赤竜旗。
内乱の真っ最中。海賊を従えるエリオット王子とジャーメイン王子とで争いが続いている。
- ザクスタン王国
- ブリューヌと隣接している国家。国旗は白鷲旗。
- ムオジネル王国
- ブリューヌとジスタートの南に領地を持つ国。国旗は緋の角突き黄金兜と金剣旗。
唯一奴隷制度を採用している国であり褐色肌が特徴。
登場人物
ブリューヌ王国
- ファーロン(CV:子安武人)
- ブリューヌ王国国王。碧い瞳に金髪の容姿。
近年貴族達が力をつけ内乱の兆しが見えていた中でも、大変優れた政治手腕で国内の平定を保ってきた。
また平民、貴族関係なく、実力ある者は偏見なく平等に讃える人格者であるため、国内にはファーロンを尊敬し仕え様とする貴族・騎士が多く存在する。
- レグナス=エステル=ロワール=バスティアン=ド=シャルル(CV:藤井ゆきよ)
- ブリューヌ王国王子。碧い瞳に金髪の容姿。また男性とは思えない中性的で華奢な姿をしている。
国王ファーロンの1人息子で彼の愛情を一心に受け育ってきた為、貴族らからは次期国王と目されている。
- ピエール=ボードワン(CV:檜山修之)
- ブリューヌ王国宰相。背が小さくちょび髭を生やしており、容姿はしばしば猫に喩えられる。政治に関しては敏腕。現在の大貴族台頭を国王と同じく良く思っておらず、国の安定の為に国王の補助に尽力を尽くす。また古くからのマスハスの友人であるが、国のためであるならば非情な手段もとる。
アルサス地方
- ティグルヴルムド=ヴォルン(CV:石川界人)
- 本作の主人公。ブリューヌ王国の片田舎の地アルサスを治める若き伯爵だったが、物語序盤のディナント平原の戦いでブリューヌが破れた際に、弓の腕をエレンに気に入られて捕虜となる。
その後、捕虜の身分でありながらエレンから兵を借り受けアルサスをブリューヌの大貴族テナルディエ家から守り抜き、戦姫の竜具と呼応する家宝の黒弓とともにブリューヌの内乱へと巻き込まれていく。
弓の腕では誰にも負けないという自負と自信があり、一般的な射程外から弓を狙って撃つのは当たり前。矢を数本まとめて多方向へ撃つ、相手の矢にぶつけて矢の進路をずらす、など人間離れした弓矢の腕を持つ。
一方で弓以外の武器は戦闘用の武器としてほとんどまともに扱うことができず、 弓を蔑視するブリューヌでは軽く見られ続けていた。
非常に楽天的な性格の持ち主だが、一方で強かな面もあり故郷のアルサスを想う気持ちは誰にも負けない。また、度重なる戦いの中で甘さや迷いを乗り越えて精神的な成長を続けており、徐々に英雄としての大器を育んでいる。
ブリューヌ貴族の割には長い名前の持ち主で親しい仲の相手からはティグルと呼ばれる。
<アニメ未放送よりネタバレ白黒反転>
ティグルの持つ黒弓はヴォルン家に代々伝わる物だが、何で出来ているのか、誰が作ったのかなど、その詳細は不明。闇の女神「ティル=ナ=ファ」と何らかの関わりがあるようで、ティグルは時折ティル=ナ=ファを名乗る女性の声を聞いている。なおこの弓は過去にも使用者がおり、その威力は強大の一言に尽き、使用者の命を犠牲に巨大な都市を一撃で地図から消し去ることすらできるとされる。ちなみにタイトルの魔弾とはこの弓から放たれる矢のこと。
黒弓は戦姫の持つ竜具と呼応する性質があり、それぞれの竜具の威力や性質を上乗せして放つことでその威力をさらに高めることができる。また、複数の竜具の力を借りて放つ一撃は巨大船2隻の胴体を貫通させて沈めることすら可能。
古い書物には「魔弾の王とは女神の意思を地上に顕現させるための代行者であり、人ならざるもの、時には人を打ち倒す者。王道を行き、魔道を歩むもの。英雄となり、魔王となる者」などの記述がある。
本人の性格は比較的温厚だが親しい人が傷つけられたりすると怒りを露わにし、危険な場所へと赴こうとすると心配するなど他人思いである。またオルガ・タムにより「王の技量を垣間見た」などと言われることから人の上に立つことに長けた存在であるものの、当人は上に立つ気はなく地位名誉などにも一切興味はない。しかし、歴戦の末に数々の戦功・実績・称号などを持つこととなり、彼自身の意思に関わらず相応の地位に立つことを周囲から要請されるようになっていく。
内乱の収束後は捕虜としてではなく賓客としてジスタートにて狩りやエレンの手伝いをしながら日々を過ごす。平和な日々を過ごしていたのだがとある日、ジスタート王国国王より1通の手紙が届く。その内容はアスヴァールへの密使であった。そしてサーシャが紹介しれくれた従者とともに海を渡りアスヴァールへと向かい使者の役目を果たそうとするものの身柄を拘束されムオジネルとの交渉材料にされかけた。詳細は「オルガ=タム」・「ソフィーヤ=オベルタス」を参照。
そして密使の役目を果たし、ジスタートへ帰還中、船上にて海竜に襲われる。弓の力で海竜は倒すもののティグルは海に落ちて行方不明になってしまう。
その後は記憶と黒弓を失いジスタートのルヴーシュに流れ着き、近くの村で保護され、自分を「ウルス」と名乗るようになる。村で働いているところをエリザヴェータに弓の技量を認められ、周囲の反対を押し切りつつも部下になる。記憶を失っても戦術眼、弓の技量は健在で異例の出世を果たしていくことになる。彼女の元で働いている時にリムやティッタがティグルを探しに来るものの彼らに会っても記憶は戻らなかったが、バーバ=ヤガーとの戦いでついに記憶と黒弓を取り戻し、エレンの元へ帰還する。
- 一部の読者からはあるシーンに敬意を評してティグルさんと呼ばれる。
趣味は昼寝と山での狩り。
- ティッタ(CV:上坂すみれ)
- ヴォルン伯爵家に仕えるティグル付きの侍女。現在、常に屋敷に仕えている侍女は彼女一人。
元は巫女の家系に生まれ巫女となるべく修行をつんでいたが、領主の屋敷に勤める伯母のところに頻繁に訪れていたことをきっかけにしてティグルと親しくなり、母親には反対されるもののティグルの口添えによって巫女として祈りをささげ続けることを条件にティグルに仕える。 ティグルからは実の家族のように可愛がられているが、彼女はティグルに対してそれ以上の想いを抱いている。
- バートラン(CV:菅生隆之)
- ティグルの側仕え。アルサスの先代領主ウルス(ティグルの父)の時代から仕えている老兵。
ティグルに対しては父親のような愛情を持って接している。経験も豊富で出兵の際にはアルサスの兵を取り仕切る他、トランプやチェスなどの遊戯にも通じていてイカサマにも詳しい。
- ウルス=ヴォルン(CV:小杉十郎太)
- 故人でティグルの父。優れた領主であったらしく、バートラン初め皆に信頼され好かれていた。友人にマスハス伯爵、元部下にオーギュストがいた。
ティグルは幼い頃までであるがその父を尊敬し現在の彼の生き方等に大きな影響を与えている。よくティグルが使う偽名は、この父の名前である。
その他貴族
- マスハス=ローダント(CV:飯島肇)
- ブリューヌ王国の北部、オードを治める伯爵。アルサスの先代領主ウルスの親友であり、ティグルにとっては後見人のような存在で、公私共に親しい間柄。
人脈が広く、 他の貴族や王都の人間にも顔が利くため、ツテを用いて影に日向にティグルのことを支える。
- ユーグ=オージェ(CV:糸博)
- ブリューヌ王国の南方に位置するテリトアール地方を治める子爵。小柄で痩せている老人。
普段は穏やかな性格を面に出しているが、こと戦、自領土への利益のことになると老獪な政治手腕を発揮する。
また内乱の気配がある国内では自領土利益を重視し、中立の立場をとっている。
- ジュラール=オージェ(CV:前野智昭)
- オージュ子爵の息子。クセのある茶色の長髪の青年。
一見物言いが軽く、皮肉屋なところがあるがそれも相手の力量を見計らうため。戦でも数字からくるものだけを推測の元とする現実主義。戦場では前にでず。後衛にて主に補給を担当。また計算能力が大変優れており、戦具や備蓄などの配分計算を一手に引き受けている。
- ザイアン=テナルディエ(CV:木村良平)
- テナルディエ公爵の嫡男で次期当主。十七歳。
ディナントの戦いでは王子の戦死を聞いたとたんに我先に逃げ出した。
領民を虐げることを虫を踏みつぶす程度にしか思わないが、王族に対しては臣下としての敬意を持っている。
テナルディエ公爵曰く、年の割に頼りない息子。
- フェリックス=アーロン=テナルディエ(CV:松本大)
- ブリューヌ王国の南部ネメクタムを治める公爵。現在四十二歳。
ガヌロン公爵と覇権を争う権力者であり、三十代の頃は王国主催の馬上試合で常に上位に顔をだし、隣国ザクスタンとの戦いにおいても目覚ましい武勲をたてた武人でもある。
テナルディエ公爵の妻は国王の姪であり、ガヌロン公爵の姉の夫が国王の甥。この姪と甥が次の玉座に近い位置にいる。
弱者や無能な者を極端に嫌う性格。無能な家臣や領民には一切の情けはないが有能な人材は出自を問わず優遇するなど、領地を治める手腕にもその性格が色濃く反映されている。ただし息子のザイアンだけは別。
- スティード(CV:浜田賢二)
- テナルディエ公爵の腹心で筆頭騎士。青白い顔をした男性。
実力主義者でめったに人を認めないティナルデエ公が、有能と認めた数少ない人物。
- マクシミリアン=ベンヌッサ=ガヌロン(CV:飛田展男)
- ブリューヌ王国の北部ルテティアを治める公爵。
テナルディエ公爵と並ぶブリューヌの大貴族であり、日増しに両者の対立は緊張感を増している。
狡猾で残忍な性格であり、領民に非道をはたらいている。
その他登場人物
- ロラン(CV:東地宏樹)
- 「黒騎士」の異名を持つブリューヌ最強の騎士。ナヴァール騎士団団長。27歳。わずか13歳で試練を受け騎士となり、以降一度も負けたことがない。国王より宝剣「デュランダル」を下賜され、17歳で騎士団長となる。
驚異的な精神力と鍛え抜かれた強靭な体を持ち、戦姫2人がかりでもロランを止めることはできなかった。
しかしティグルの信念と黒弓の前に戦意喪失し、降伏した。なお現在発刊されている中の登場人物の中では唯一のティグルの魔弾を真正面から受けとめ切った人物。
- オリビエ(CV:内匠靖明)
- ナヴァール騎士団副団長。ロランの副官。金髪長髪の容姿。
団長のロランが不在でも騎士団を動かせるほどの能力がある。
- オーギュスト(CV:高階俊嗣)
- カルヴァドス騎士団団長。元々、アルサスの出身でティグルの父、ウルスに仕えていたため、幼いころのティグルとも交友があった。騎士の試験へ合格し、アルサスを離れた為、戦場で会うまで疎遠であった。
ジスタート王国
- ヴィクトール=アルトゥール=ヴォルク=エステス=ツァー=ジスタート(CV:長克巳)
- ジスタート国王。白い髭を讃えた老人。
国内の内政に長けた王であるが、配下である七戦姫の権力拡大を恐れる。そのため戦姫が王の許しもなく単独で戦ったり、他国干渉をするのを非常に嫌う。エレンからは「小心者」と称されている。
七戦姫
- エレオノーラ=ヴィルターリア(CV:戸松遥)
- 本作のメインヒロイン。ジスタート王国を構成する公国の一つライトメリッツを治める戦姫。愛称はエレン(以下エレン)。
元傭兵の出自を持つ、風を操る銀閃『アリファール』(剣)の担い手。
竜技は「大気ごと薙ぎ払え(レイ・アドモス)」。
ディナントの戦いにて圧倒的な弓の才能を持つティグルを気に入り捕虜にし、そのティグルから請われて兵を貸したことをきっかけにブリューヌの内乱に巻き込まれていく。
- 快活で陰のない性格をしているが、物事の好き嫌いがはっきりしているきらいがある。特にリュドミラとは犬猿の仲で顔を合わせるなり憎まれ口を叩き合うことをサーシャにたしなめられている。また、 エリザヴェータとは政治的対立で露骨に嫌悪している。一方でソフィーとは仲が良くその情報収集能力を高く買っている。また、旅人としての出自があったサーシャとは「どちらかに危機が訪れたとき。すべてをなげうってでも必ず相手のもとへ駆けつける」という誓いを交わした親友。また、副官で戦姫になる前からの親友のリムが死にかけたときは大きく取り乱した。
- <アニメ未放送よりネタバレ白黒反転>
最初は弓の腕前が素晴らしいという事でティグルを引き込もうとしていたが、共に行動するに連れてティグルの人柄や器の大きさなどに惹かれていく。お前(ティグル)のような者が王であってくれたら、などと漏らしたこともある。
ブリューヌ内乱終結後、国王の要請によりアスヴァールへの密使を任せられたティグルを支援するものの、彼がアズヴァールより帰還中に海に落ち行方不明と聞かされた時にはかつてないほど感情を爆発させて怒り狂い、その後はまるで魂が抜けてしまったかのような姿になってしまった。失意を引きずりながらも国王からの要請により、内戦を防ぐためにエリザヴェータと共同戦線を張ることになるが、エリザヴェータと合流して見たものは記憶を失いエリザヴェータに付き添うティグルの姿だった。エレンはティグルを取り返すためにエリザヴェータに剣を向けるが、記憶がないため本人であるという確証を得られず、さらに当のティグルからも諫められてしまったためにその場は引き下がった。
しかし後日にリムの報告によりティグル本人であることを確信しルヴーシュへと向かい、バーバ=ヤガーとと戦うティグルとエリザヴェータの元へと駆け付ける。そして戦いの途中、ティグルが記憶を取り戻した瞬間に立ち会い、嬉しさを溢れ出させた。
エリザヴェータとは数々の確執から壊滅的に仲が悪く、過去に決闘したこともあるほど。詳細はエリザヴェータの項目にて。
- リュドミラ=ルリエ(CV:伊瀬茉莉也)
- ジスタート南部にある公国オルミュッツを治める戦姫。愛称はミラ(以下ミラ)。
基本的に世襲しない戦姫において、親子三代にわたって連続して戦姫になっている例外的存在で、冷気を操る凍漣『ラヴィアス』(鎗)の担い手。
竜技は「空さえ穿ち凍てつかせよ(シエロ・ザム・カファ)」。
生真面目で強気な性格の持ち主で、飄々としたエレンとは反りが合わず顔を合わせるたびに喧嘩をする。しかし本気で嫌っているわけではなく、エレンが殺されそうになったときには迷わずエレンを庇おうとしたことから喧嘩友達程度の認識があると思われる。
また、生真面目な性格ゆえに自分の非を認めることが出来る美点がある。
戦姫の中では守りの戦にもっとも長けていると宿敵のエレンにすら認められる守り上手。
趣味は自分の淹れた紅茶を他人に振舞うことで、いつでも淹れられるように雪が積もる山の中でも長旅の最中でも常に紅茶の葉と味付け用のジャムを持ち歩いている。
ティグルのことはブリューヌへのムオジネルの侵攻の際に共闘したことを経て信頼し、愛称で呼ぶことを許している。彼女の胸の大きさについては文中の描写とイラストの問題があって度々議論になる。ソフィーを筆頭に他の戦姫たちが凄すぎるだけで、標準サイズくらいあるのではという指摘も。
- <アニメ未放送よりネタバレ白黒反転>
ブリューヌ内乱ではテナルディエ家との繋がりを理由にティグル達の行く手を阻むものの敗北(?)、ブリューヌに対して中立を宣言し動かないことを約束する。またこの時見下していたティグルの真価に気が付き弓の秘密を探るために兵をつれブリューヌ内乱に参戦しティグルを助けた。
内乱終戦後はティグルを引き抜こうと何度もエレンの治めるライトメリッツに訪れるもののティグルが金、地位、名誉でも靡かないため半分は諦め、ただのおしゃべりになりつつある。
ティグルが行方不明と聞かされた時はティグルが買ってくれたお土産を胸に「お土産なら自分で渡しなさいよ」と呟き涙を流した。交流を重ねるうちにティグルに対して好意を抱くが、お互いに立場ある身の上であることや母国の違い、エレンへの配慮などもあってなかなか想いを告げられずにいる。
- ソフィーヤ=オベルタス(CV:茅野愛衣)
- 公国ポリーシャを治める光華『ザート』(錫杖)の担い手。愛称はソフィー(以下ソフィー)。
淑やかを絵に書いた物腰の柔らかい性格の持ち主で、竜具も儀礼用と看做されやすいため、戦姫の中でも外交官的役割を担うことが多い。
好奇心旺盛で何にでも興味を持つ性格だが実際にエレンの前で「興味を持った」と口にしたのはエレンが飼っている幼竜のルーニエと、ティグルに最初にあったときの二回のみ。
文官的役割が目立つが戦姫の一人として並の兵士が束になっても敵わない武力の持ち主でもある。
なお作中でもっとも巨乳の描写を強調されているキャラである。
- <アニメ未放送よりネタバレ白黒反転>
エレン参戦後、使者としてティグルと出会う(初めての出会いは当然素っ裸)。彼女曰くティグルにそそのかされて戦をしているなら力ずくでも連れ帰る、という事だった。しかしティグルと出会ってその考えは間違いだったことに気が付きエレンに協力する。使者だったがばれなければいいの方針で参戦、ティグルの力となる。
内乱終戦後は使者としてアスヴァールに赴くものの、海賊を兵としているエリオット王子に嵌められ捕らえられてしまう。エリオット王子は彼女の身柄を引き渡す代わりにムオジネルと組むことが狙いだった。しかし密使としてアスヴァールに渡っていたティグルに救助され、その際にはティグルの胸に飛び込み大声で泣くなどの姿も見せた。その後はティグルに感謝しつつ男性として惹かれていくが、エレンのこともある手前表立ってのアプローチは仕掛けていない。
ティグルが行方不明になったときはその場に居合わせつつ彼を捜索、発見には至らなかった。彼の買ったお土産を届けつつ大好きなはずのルーニエに会わないなど心を痛ませていた。
その後は公務を済ませつつ、サーシャ、ティグルの仇を討つ為に人ならざる者について調査を始める。
- アレクサンドラ=アルシャーヴィン(CV:小松未可子)
- 公国レーグニツァを治める煌炎『バルクレン』(双剣)の担い手。愛称はサーシャ(以下サーシャ)。
かつては、エレンとミラ相手に二対一で圧倒する、またソフィーを含めた三人の戦姫を相手取り完勝するなどの圧倒的技量を持つ戦姫だったが、病に冒されてからは一日の大半をベッドの上で過ごしている。
物腰柔らかく傍目には優男と間違われるような容姿を持つ美女。
母や祖母からの遺伝により彼女たちと同じ病気を持つことを戦姫になる前から予想しており、病に倒れる前に伴侶を探す旅をしていた中で戦姫に選ばれた。
非常に思慮深い性格で、他人の欠点を指摘しながら美点を同時に見いだせる。
いたずら好きでマイペースな性格でその点でもエレンとは非常に気が合う。
- <アニメ未放送よりネタバレ白黒反転>
密使として依頼を受けたティグルと会いティグルの本質を見抜くなど他人を見る目もある。しかしその後ジスタートへと攻め込んできた海賊2万を迎え撃つたびに戦闘にエリザヴェータと参加する。1人としては思えない戦果を挙げ、船の帆柱へとのぼり、それを切り倒して敵の船へ単身で飛び込むなど無茶なことも平然とやってのける実力がある。なお、一般の雑兵相手には傷一つ負わず圧倒した。
その後、人間として化けて海賊を率いていた魔物、トルバランと戦闘になるもののエリザヴェータと協力しなんとかトルバランを打ち倒し戦での勝利を挙げる。 しかしその後、戦ですべての命を燃やしきったかのように衰えなんとか自国に帰還したものの、戦と聞きつけて駆け付けたエレンに看取られながら息を引き取った。わずか22年の命であった。
- エリザヴェータ=フォミナ(CV:小林ゆう)
- ルブーシュを治める戦姫で雷渦『ヴァリツァイフ』(短鞭)の担い手。愛称はリーザだが、そう呼ぶことを許した者は非常に少ない。
左右の瞳の色が異なり戦姫としての二つ名の他に『異彩虹瞳(ラズイーリス)』と呼ばれる。
戦闘の技量ではエレンに劣るが圧倒的な怪力を持っている。
- <アニメ未放送よりネタバレ白黒反転>
元々は地方貴族の娘として生まれたが、その地方では異彩虹瞳は凶兆とされていたために疎まれ、厄介払いとしてとある寒村に預けられる。その村でも異彩虹瞳が原因で子供からはいじめられ、大人からは遠巻きにされる孤独な生活を送っていたが、そんな最中に当時傭兵団に所属していた幼き日のエレンと出会い、生まれて初めての友達となる。その時の思い出は戦姫となった後も大切にしていたが、同じ戦姫として再会したエレンは昔のことをすっかり忘れており、大いに落胆した。
その後エレンとの縁を温める機会には恵まれず、それどころかいくつかの事件によって因縁が生まれてしまう。一つはとある村での疫病にまつわるエピソード。エリザヴェータは疫病が蔓延したとある村を隔離、保障も充実させ、医師や物資を運ばせるなど村の回復に全力を尽くしたものの力及ばず村は全滅、冬を越すことができなかった。それに対してエレンは過去に世話になった村だったということで支援の用意をしていたのだが、エリザヴェータが支援を断っていたためエレンはエリザヴェータを責め立てた。
二つ目はエリザヴェータの父に関するエピソードで、彼は税を着服し虚偽の報告を行いさらに野盗を結成させ村を襲うという行為を繰り返していた。ジスタート王はエレンに対して討つように命じたものの、エリザヴェータは父を交渉の場に連れ出し、罪を償わせたいとエレンに申し出た。エレンもそれを受け入れ、エリザヴェータに任せたのだが父は交渉の場にすら現れず逃走した。もちろんエレンは逃がすはずもなくエリザヴェータの父はエレンに討たれたのである。エリザヴェータは父に対してそれほどの愛情があったわけではなかったが、それでもエレンに対する複雑な気持ちを抑えきれず、決闘を申込んだが完敗した。それ以降2人の溝は極限まで深まり、交流はほぼ断絶状態にある。また、2度とエレンに負けたくないという思いからバーバ=ヤガーと契約をし人間とは思えぬ怪力と呪いを手に入れた。
ブリューヌ内乱中にはティグルに対し物資を送って友好を結ぶため支援する体制をとっている。その後はサーシャと協力しての海賊討伐を行い公国の発展に努める。ティグルが行方不明になってから、近くの村で弓の素晴らしい技量をもったウルスという男を召し抱えることになる。彼は記憶を失ったティグル本人であり、素性不明を理由に孤立する彼に対して近心感を覚え、部下へと抜擢した。初めて自分が選んだ部下であることなどさまざま要因が重なりウルスに対して強い執着心を持つようになる。後々エレンによりウルスの素性がティグルヴルムド=ヴォルンであることを察するものの、別人であると自分に言い聞かせ、彼を守るため、そして自分とつなぎとめようと、かつて完敗したエレンに武器を向けた。
バーバ=ヤガーについては自分の力の悩みを絶つ為に討つべきだと考え1人で探し回り、ついに発見するも悩みを抱えた心ではうまく戦えず、窮地に陥る。しかしその場に駆け付けたウルスとエレンの手助けもあり、心の悩みを断ち切りバーバ=ヤガーを撃退し右腕の怪力の呪いを消し去る。その後「ティグル」としての記憶をとりもどしたウルスの本心を砂嘴別れを告げるものの、その際のエリザヴェータの表情は晴れやかなものだった。
またティグルとは「何かあればすぐに駆けつける」との約束も交わした。
- ヴァレンティナ=グリンカ=エステス(CV:原田ひとみ)
- ジスタート北東部の公国オステローデを治める虚影『エザンディス』(大鎌)の担い手で現状の戦姫の中ではソフィーと並び最年長。
竜具の力は空間転移する能力を持ち、移動距離に応じて体力を使うとされるが事実は不明。表向き体が弱いということになっており、それを理由に出兵や王都への招集を断ったり引き伸ばしたりすることが多い。なお、ソフィーは「体が弱い」という主張については信用しておらずヴァレンティナの目的について水面下で調べている。
元々は貴族の出自であるため二つの姓を持っている。
- <アニメ未放送よりネタバレ白黒反転>
- 体が弱いのはおそらく嘘と思われる。策略に長ける。次期国王へと酒を送るように他の者へ勧めるもその酒に毒を仕込み戦を起こし仲裁しようとして自分の発言力を高めようと画策したり、ティグルの密使を進言した張本人。しかしその発案が国王や他の戦姫に露見しないよう人を何人もはさむなどして、策略を張り巡らせる。
統治者としては優秀で、戦姫に就任してからは岩塩鉱山を開拓したり税率を調整したりと、国力の弱いオステローデの発展に努める。体が弱いと偽って領地外への派兵を最小限にしているのも自国の出費を抑えるためであり、領内の賊の掃討など自国の利益を守るための戦いには一切手を抜かない。
彼女が本当に狙っているものは自国の発展ではなく玉座だけであるため、自分の邪魔になるものはどんな手段を使っても排除する。ティグルは密使という大義名分を与え直接会い野望の駒として使えるならば支援し障害になるなら排除するつもりであった。
- オルガ=タム
- 羅轟『ムマ』(斧)を駆るブレストの戦姫。
『しばらく旅にでる』という書置きを残して、竜具を持って行方をくらましている。
戦姫最年少の14歳という若さで、戦姫になる前は騎馬民族族長の孫娘。わずか12歳で戦姫に選ばれる。
- <アニメ未放送よりネタバレ白黒反転>
ティグルが密使としてアスヴァールへ向かうときに偶然港で絡まれている時、ティグルに助けてもらう。その後船の中では同室で(ティグルの善意)すごし同じベットで寝たりもした。なお、船内は寒くティグルは毎日彼女を抱きしめながら寝た模様。
ティグルと出会ったときはティグルが密使の依頼を受けている時であり、それに同行する形でアスヴァールへ渡る。その後ティグルとともに行動し、アスヴァールの内乱に参加する。内乱にて密使のティグルはジャーメイン王子と同盟を結ぶはずだったが、ジャーメインはタラード=グラム(ジャーメインの優秀な部下)に討たれジャーメインの代わりに王女ギネヴィアが即位し、ジャーメインの代わりに同盟を結んだ。その際の対価としてジスタートは軍艦による支援を予定していたのだがタラードはティグルと彼女に軍を率いることを要請した。オルガはそれを受け入れティグルとともに軍を率い前線で戦う事になる。また内乱の途中にソフィーを助け出し、内乱を収束させる。
その時ティグルの誠実さ、嫌なことから逃げ出してもいいはずなのに逃げなかった、などティグルに好意を持ち始めそして惹かれていく。猪突猛進で単騎で敵の城塞に侵入し首を取ろうとしたり、それをティグルに咎められるとそっぽを向いて拗ねたりするなど子供らしい一面も持っている。
またソフィーにティグルに対してへの思いでいじられたりすると顔を真っ赤にするなどの表情も見せた。
ティグルが行方不明になったとき真っ先に彼を探した人物。船を借りて海を見に行こうともした。しかし彼は見つからずそのままジスタートへ帰還し自分が放り出したものに向き合う、と言いブレストへ帰還した。
その他重要人物
- リムアリーシャ(CV:井口裕香)
- エレンが最も信頼を置く腹心であり副官、愛称はリム。
エレンとは傭兵時代からの古い付き合いで、戦場や公宮でエレンの片腕として彼女を支えつつも自由奔放なエレンに対して常に小言が絶えない。
ライトメリッツ軍がアルサス軍に合流してから、ジスタートの歴史や作法、戦術などをティグルに教える教師としての役割を果たすことも多く、時々ティグルを試すような言動をする。
厳格で生真面目な性格で、ティグルやエレンでさえも愛称で呼ぶことはない。
実はクマのぬいぐるみが好きで、持っているぬいぐるみには一つ一つ名前を付ける習慣がある。
- ルーリック(CV:興津和幸)
- エレンの腹心。ティグルの虜囚時代に一悶着起こし、それ以降は頭を丸めた姿で登場する。ハゲであるがこれでも弓の名手であり、ティグルのことを尊敬している。
ムオジネル王国
- カシム(CV:川原慶久)
- ムオジネル王国将軍。
角ばった顔つきで褐色の肌の容姿。奴隷から実力で将軍まで武勲を重ねて成った。
作中先遣隊2万を率いてブリューヌを攻める。
- クレイシュ=シャヒーン=バラミール(CV:岩崎征実)
- ムオジネル国王の弟。『赤髭(バルバロス)』の異名を持つ。異名通り伸びきった赤い髭に巨漢の男性。
一見、口調から傲慢な性格にもとれるが、例え失策しても任務を果した私兵を攻めようともせず冷静に戦場を分析する優れた判断能力がある。感情は常に面出でているが戦のこととなると冷徹になれる。また一般兵とも軽口を叩き談笑する性格は優れた指揮官であるとともに兵に慕われている。
簡易用語
わかりやすく簡潔且つ簡単に作品に登場する語句を解説しています。
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国関連
- 領土
- 国の各貴族が国王より賜った各所土地を代々受け継ぎ自治している。
ブリューヌでは税の管理以外は領主の統治が認められており、国王からの保護を受ける代わり、戦時の動員等忠誠を誓う。各貴族が領土の領主になり概ね世襲制である。また名前が長い貴族あまりおらず、長い場合は祖先などの性から名前を取っている。多領土へ侵攻するのは「王への叛逆」であり、王直属の騎士団により粛清されるが物語り当初のブリューヌは王族が機能していない上、内乱状態である。領土の中心都市を中心に自治するため領土同士が隣り合うことはあまりない。
ジスタートでは建国時より七つの公国とその他少数の貴族の領土からなる。公主は七戦姫が勤め、ジスタート国内に1つずつ公国(税制などが本国から独立した領土)を持つ。
- 騎士
- ブリューヌにおいて王都で年に1度行われる試練に合格した者が叙勲をうけて騎士となる。王国の騎士は成った時、国王に忠誠を誓うと神々に誓約をする。そのため国王の命以外は受け付けない。騎士は国王直轄地の領土にある騎士団へ配属される。
戦姫関連
- 戦姫(ヴィナディース)
- 竜具によって選ばれ一騎当千の強さを誇る七人の女性たちのこと。初代国王の 「戦姫が跪く相手は後にも先にもジスタート国王のみ」という取り決めにより戦姫七人より上に存在するのはジスタート王のみ。七人の戦姫は竜具によって選ばれ、伝承に従い七つの公国の公主となり治める。
- 竜具(ヴィラルト)
- 初代国王からもたらされたとされる、戦姫の証たる七つの武具。剣、槍、錫杖など形状は様々で、そのどれもが特殊かつ強力な固有能力を持ち、竜技(ヴェーダ)と呼ばれるそれらを最大限に発揮する技がある。単なる武具ではなく、それぞれが固有の意思を持ち所有者の戦姫と意思疎通を交わす。エレン曰く「竜具の中には弓はない」とのこと。
- 竜技(ヴェーダ)
- 7人の戦姫がもつそれぞれの竜具の力を最大限に発揮する特殊且つ巨大な力で、技によっては強力な戦力ともなる。
戦姫の1人であるエレオノーラは、昔戦いの指南をしてくれたアレクサンドラに「強力な竜技をむやみに使っては、兵は自分ではなく竜技しかみなくなる」と教示を受け、後に「竜技は人には使わない」とその意味を昇華している。
戦争関連
- 捕虜
- 戦時中に捕えた敵兵または将のこと。ブリューヌ・ジスタート間では条約が決められており50日以内に要求した身代金が払えない場合、捕虜は捕らえた者の物となる。またその間脱走した場合死刑となる。また、法整備がなっていないのは当然で、戦場からの護送中の虐待・屈辱的扱い・殺害は日常的で「敵」ということを考えると当たり前である。ただ捕虜にした物の采配では自国にスカウトする、奴隷国家のムオジネルへ売り飛ばす等される。
- 略奪
- 作中どの国でも同じであるが、敗戦した敵国都市が敵兵によって略奪・住民を奴隷徴収・家の破壊、放火が行われること。戦争中でもっとも利益を得られるのは終了時に相手側からもらえる戦利品ではなく、この略奪が主である。戦争を継続しているうちの兵站は乏しく、自然と起ることでもある。混合部隊である場合「略奪する時間の割り振り」等も決める。しかし指揮官には「略奪を禁止する」者もいる。
- 軍旗
- 主にその軍の象徴、または軍を表すもの。軍旗は指揮官・部隊長等の所在を明示する目的や、部隊の精神的支柱として用いられ、それぞれ固有の軍旗を所有していた。軍旗は程度の差はあれど神聖視される存在であり戦闘において敵軍の軍旗は鹵獲・討伐するべき対象とであった。国旗と一緒に掲げるのは部隊の所属・所在を知らせるためと敵への威嚇・味方への戦意高揚が目的である。
- 神殿
- ブリューヌ国内に存在する組織。主に十神を奉っている。布教のため必ず街に1つはあり、組織 権力は大きいと見られる。戦争時も神殿への攻撃は絶対禁止が厳命される。
その他
- 竜
- 高い知能と戦闘能力を有する巨大生物。野生の個体はその多くが山奥などに棲息し、まず人前に姿を見せない。種類は地竜(スロー)、飛竜(ヴィーフル)、火竜(ブラーニ)、双頭竜(ガラ・ドヴア)、海竜(バダヴア)等がある。
- 単位
- 作中の距離の単位は、1チェート=1センチ、1アルシン=1メートル、1ベルスタ=1キロである。
また時刻は「1刻=2時間」である。
- 十神の神々
- 作中、登場人物らが祈りを捧げる十神のことでブリューヌ・ジスタート両国で崇められている。以下。
・神々の王ペルクナス:十神の1柱にしてその筆頭神。太陽と光の神。
・戦神トリグラフ:十神の1柱。主に傭兵や軍人から祈りを捧げられる。
・家畜の神ヴォーロス:十神の1柱。熊はヴォーロスの化身とされている。
・大地母神モーシア:十神の1柱。4柱いる女神の1柱でありその像は自身を花で飾っている。
・風と嵐の女神エリス:十神の1柱。4柱いる女神の1柱。ティグルがよく祈りを捧げている神。
・豊穣と愛欲の女神ヤリーロ:十神の1柱。4柱いる女神の1柱でありその像は薄布を纏っている。
・夜と闇と死の女神ティル=ナ=ファ:十神の1柱。4柱いる女神の1柱。ペルクナスの妻であり姉であり妹であり永遠の宿敵とされている。
テレビアニメ
2013年7月に行われたMF文庫J夏の学園祭にて、今作品含めてレーベル5作品一挙アニメ化が発表、アニメ化が決定した。
他4タイトルと放送時期がずれながらも、2014年10月より放送が開始された。
公式サイトでは、アニメ放送話の解説を交えたレポートや原作の一部をショートコメディにしたミニアニメも公開中。別名リム劇場。
スタッフ
主題歌
- オープニングテーマ「銀閃の風」
- 作詞:坂井竜二 / 作曲・編曲:鈴木ヤスヨシ / 歌:鈴木このみ
- エンディングテーマ
「Schwarzer Bogen」(第1話 - 第9話、第11話 - )
- 作詞:LINDEN / 作曲・編曲:片山修志 / 歌:原田ひとみ
- 「竜星鎮魂歌」(第10話)
- 作詞 - 坂井竜二 / 作曲・編曲 - 山崎泰之 / 歌 - 鈴木このみ
各話リスト
関連動画
関連生放送
一挙放送
関連チャンネル・コミュニティ
関連項目
外部リンク