オティヌス単語

オティヌス

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注意 この項は、新約とある魔術の禁書目録ネタバレ成分を含んでいます。
ここから下は自己責任で突っ走ってください。

オティヌスとは

  1. ゲスタ・ダノール」におけるオーディンの別名。
  2. ライトノベル新約とある魔術の禁書目録」に登場するキャラクター

この記事では2について説明する

 

魔神「オティヌス」

新約とある魔術の禁書目録』の登場人物。

科学魔術融合した組織『グレムリン』の構成員にして要人物。
人の身から格となった魔術魔神』と呼ばれている存在。

正体は北欧神話オーディン」その人。また「オティヌス」でもある。

このライトノベルがすごい!2015』では、非アニメ化組ながら食インデックスを抑え、女性キャラ部門5位にランクインしている。

CV瀬戸麻沙美

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目次
  1. 概要(~新約8巻)
  2. 目的・正体
    1. 位相
    2. 主神オーディン
    3. 過去・目的
  3. 能力
  4. 魔神
  5. 作中の活躍
    1. 新約9巻
      1. 世界Alpha~Omega
      2. オティヌスvs上条
      3. ヒロイン化
    2. 新約10巻以降
      1. 顛末~その後
  6. 未踏召喚://ブラッドサイン
  7. コラボ作品
  8. 関連動画
  9. 関連静画
  10. 関連商品
  11. 関連項目

概要

初出はとある魔術の禁書目録22巻。オッレルスアレイスター=クロウリー敗北した右方のフィアンマを救助した際、自身の素性と共に明かした名前

「かつて魔神になるはずだった……そして、隻眼のオティヌスにその座を奪われた、惨めな魔術師だよ」

会話のみ既に新約第3巻で出ており、実際に上条達の前に姿を見せたのは新約第4巻からとなる。

グレムリンの構成員は各々、北欧神話々の名前を冠している。その中で『(グングニル)』に至る事を的とする彼女はオティヌス、そのとなった北欧神話オーディンに対応すると見られる。
実際に新約3巻では「オーディン」とルビが振られており、新約9巻にてオーディンその人と判明するのだが、これについては追々説明していきたい。

彼女は『魔神』ではあるが、「無限の可能性」という全さと不全さを持ち合わせている。
あらゆる物事に対して「正の無限の可能性」と「負の無限の可能性」、すなわち「成功」と「失敗」の確率コイントスの表裏のように均等に分配されてしまう要素を抱え、得られた結果を今後に活かすことが出来ない状態にあった。
この均等に分けられた可性を是正するため、オティヌスは正か負の確率(要は成功か失敗の方向)に100%確率として傾ける事を的としている。

五分五分を正の確率へ変動させる、というのは大方の想像通りだと思われるが、負に傾く場合でも「選んだと常に逆を行く」事でやはり全な成功を得られるらしい(論、成功率100%が理想ではあるのだが)。

新約4巻では上条当麻の右腕を握り潰し、アウレオルス戦とフィアンマ(上)戦で見せた俗に言う「上条中の人」を潰す事にも成功。「戦乱の(ダイスレーヴ)」を破壊した後、現れたオッレルスに「無限の可能性」の弱点を看破され、格下であるはずのオッレルスフィアンマを相手に撤退してしまった。

オッレルス達はオティヌスの的を「(グングニル)」に至り、正の100%へ傾ける事にあると思っていた。
だが、彼女にとってグングニルはあくまでも「第一希望」に過ぎない。均等な確率を正と負のどちらかに傾ける事が出来るのであれば、そこに至る手段などはどうでも良かった。

故に彼女保険として『グレムリン』と彼女阻止する者達の行動握し、利用した。
小人(ドヴェルグ)マリアン=スリンゲナイヤーを軸とした『(グングニル)』製造計画に関する情報をあえて漏洩させ、阻止する側の者達と『グレムリン』を衝突するように仕向ける。

ハワイの動乱から始まりバゲージティでの『全体論の超能力』の実験、『不死の存在』フロイライン=クロイトゥーネの争奪戦。 新約8巻までにグレムリンが起こした事件は、オティヌスが用意していた囮、デコイだった。
すなわち新約3巻以降の上条レイヴィニア達の行動の全てが、彼女の上で踊らされていたという事になる。

オッレルスフィアンマ彼女を『妖精』させた事で、均等だった確率は「負の100%」に変動してしまう。こうしてオティヌスはに『魔神』としての完成を迎えた。

彼女は第一に、自らの最大の障害となっていたオッレルスを倒した。
その後、オティヌスは脅える上条を軽くあしらう様に「世界」を消滅させた(ここまでが新約8巻)。

「ちまちま戦うなんて面倒臭せえな。世界でも終わらせてやるか

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目的と正体について

彼女こそが伝承に残るオーディン」である事をまずはっきりさせておかねばならないだろう。

禁書ではオーディンわる神話は編纂者が自ら見て記した、憶測・偽のない純然たる事実である。
本作のオーディンもミミル(ミーミル)に眼をげた「隻眼の老人」だし、彼の数々の異名や伝承に残る神話、並びにそれらの異なる解釈も全てが史実として扱われている。

何故いずれも史実となったのかは、全てオティヌスが「世界」を変した事に起因する。

位相

元々、上条達が生きている世界はまっさらなわけではない。
世界という名の広大な盤上(キャンバス)に、人間には認識不可能な「波長のズレた異なる世界」が幾重にも重なった状態で成立している。
こうした別位相に存在する異世界を総称して「位相」と呼ぶ。

別位相には十字教(キリスト教)、仏教ケルト神話インド神話神道アステカ神話イン神話ギリシャ神話などをベースとした全く異なる法則世界が展開されている。
例えば天国地獄は別位相の世界という扱いで他にも府、浄土、黄泉、地底、オリンポスの山、妖精ニライカナイアースガルドといった様々な異世界が実体を持って存在する。
魔術師はこの「位相」=「層が異なる重なった世界」の法則を使用し、「魔術」を行使する。

中でも『魔神』は魔術を極めて「」を得た現存する最高峰の魔術師
このレベルにまで達すると世界法則越し、位相=世界を創り、め、破壊する事もできる。
ぶっちゃけ」という言葉で表現する方が分かりやすいかもしれない。

例えば「生命の(セフィロト)」という世界創造の軌跡は、を登るたびに人が次元に近づいていくというが、まさにそのセフィロトの上昇と同一。現実魔術結社(の位階)基準で「8=3位階」より上位の存在にあたるらしい。

実際にその域に届いた者が魔神オティヌス、北欧神話オーディンとして伝えられる格である。
オティヌスが位相を差し替えて世界を創り変えた結果、オーディンの様々な異説が発生したらしく、自身に関する記録世界変の際にあえて更新せず残しておいたとっている。
後述するコラボ小説「とある魔術のヘヴィーな座敷童が簡単な殺人妃の婚活事情」では、かつてアースガルドを束ねるオーディンとして君臨していた事が明かされた。

ちなみに魔神に至った者は他にもいるのだが、オティヌスが他の魔神の域に達しているのかは疑問が残る(他の魔神の発言から、オティヌスは魔神としての完成度が低い可性がある)。
オティヌスも異端なりに魔神が複数いる可性くらいは考慮していたが、んだ別位相「隠世」のことまでは知らなかった。彼女も知らぬ距離も時間も関係ない異世界には「グレムリンの構成員である魔神」が存在した(後述)。しかし、隠世には魔神に届いた彼女さえ及ばなかった。

主神オーディン

彼女ベース人間。特殊な方法で人の身から『魔神』に至った。

北欧オーディンは自身の片眼をミミルげ、世界樹(ユグドラシル)の木で首をることで叡智を手に入れている。
事実、オティヌスはシステム的な「贄」としてそれらの行為をすべて行い、自身を魔術の神へと昇させたのだという。そのため彼女オーディンの伝承通り隻眼である。

強制的に位相から現世に顕現させられた神の力(ガブリエル)と異なり、ベース人間のためか普通に人の言葉を話せるし、人間たちの世界常識も備えている。

過去・目的

かつて世界を創り変える程のを手にした少女が居た。
少女がそのを振るうと途端に周囲は黒一色に包まれ、人や建物消失し、世界は端々から姿を変えていく。彼女はそうやって自分が望んだ世界を創り出していった。

しかし、少女がふと考えて創り出した「もが不幸ではなく笑い合っている世界」に、一不変である少女の居場所はなかった。その世界では自分のよく知る人々が笑顔になり、自分の知らない人達と手を取り合ったが、そこに少女の居場所はなく、自分が作り出した数の世界から疎外されてしまう。

それでも居場所をめて何度も世界を創り変え続けたが、頭にある風景をもとに世界を創り変えて「元の世界」への帰還を試みても、本来あるべき世界本質が見えてこない。
少女無限に続く漆黒迷宮に囚われてしまった事に気付き、自らの絶大なを恐れて手放した。

つまり現時点での「とあるシリーズ」の世界は、魔神少女「オティヌス」が創り変えた末の世界
ここまでの新約禁書物語も、オティヌス(オーディン)がかつて手放した「魔神としての」を取り戻すために動き始めたという事が騒動の根幹となっている。

オティヌスは『自身の望んだ世界』を得る為に行動を起こしたのだが、『幻想殺し』の存在は彼女の計画を成就させる手段を二つに分岐させた。
一つは、自身の「(グングニル)」を利用し、世界を重ねる事で「次の世界」へ移行する方法。
二つは、あらゆる異を受けない「幻想殺し」でナイフのように世界を削り落したり基準点として利用して、彼女の知る「元の世界」に帰還する方法。
後者幻想殺しの用途は、新約5巻にてオッレルスった幻想殺しの存在理由と同じである。

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能力

オティヌスは全オーディンである。
北欧神話は「武器神話」とも称され、彼女としての武器として出される。

彼女文字通り何でも出来るし、そのも人の言葉では表現不可能なスケールを誇る。

  • 世界を消滅させる。また、「位相」を差し替えて彼女の思いのままに世界を創り上げる
  • 銀河銀河を衝突させる
  • 気に喰わなければ「時間」だって巻き戻せるだろう
  • 未来へ繋がる運命のレールを一から敷き直し、望んだ結果を得る
  • 世界(宇宙)全体を彼女の『』として展開させる(オティヌスの)
  • 素粒子を乖離させ、その存在自体を散させる
  • 「生」と「死」を操る
  • 「自分」ではなく、「自分以外の世界(宇宙)全て」を動かすことで、瞬間移動を実現する()

作中ではエインヘルヤル、そして彼女として名高い『グングニル』、『』、『』が使われた。

位相の操作だけでも色々な事が出来る為、ここで挙げた例もあくまでもそのの一端に過ぎないだろう。

そもそも人がスペックろうなどと出来るい。作中でも言われている事だが、人ではに勝てないし、そのスペックを推し量ることなど不可能である。彼女にとって幻想殺し超能力者・魔術師、実者が束になろうがそんな細な事は児戯に等しいのかもしれない。

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魔神

インデックス、及び彼女の頭の中にある「10万3000冊もの魔道書の原典(オリジン)」を利用した者が到達し得る“世界の理をめる存在”として原作の第1巻から触れられていたカテゴリー。実際に到達したのがオティヌスである。

新約10巻のラストで複数存在する事が判明したが、オティヌスは魔神が参画する「グレムリン」と「んだ位相」の存在を知らず、他の魔神彼女を“失敗”と断じていた。

魔神の人数は不明だが、僧正娘々ネフテュスゾンビ少女キメラ、ヌアダ、テスカトリポカプロセルピナ、忘れられたなどあらゆる宗教神話魔神が確認されている。

娘々:でもさー「僧正」。「ゾンビちゃん」が持ってきた理屈って、要は合わせでしょ?わたし達の「」を無限分割する事で意図して弱体化を促し、手足を振り回しても世界ってヤツが壊れないようにする。

僧正:「娘々」、それがどうしたね?

娘々:いやあ、って記号をいくつ分割しようが本当にきちんと弱体化出来るのかねってハナシ。やだよー、一歩踏み出した途端にステンドグラスみたいに世界が粉々になるだなんて。わたし達はさ、「オティヌス」なんかとは違うんだから。


娘々無限と呼べるわたし達の無限に等分する事で、この世界で許容可なギリギリのレベルに自己を留める。 ……でもこれ、見方によっては最悪の変容じゃないかなあ? 何しろこれ、殺しても殺してもキリがない。 マトリョーシカタマネギみたいに、わたし達を全に殺すには永遠に等しい戦闘を繰り返さなくちゃならなくなったんだから

新約とある魔術の禁書目録12巻より一部抜


先述通り、薄氷のような世界を渡り歩くには、あまりにも魔神は強大過ぎた。世界の許容量(キャパシティ)では、無限という言葉で表すしかない魔術を受け入れられなかったのである。
この『合わせの分割』はブードゥー教の魔神ゾンビ少女」が開発した、自身を無限分割して自己と重ね合わせ、魔神の膨大な容量を騙す術式である。
言葉を借りれば「この世界で説明できる程度の」に抑えられているらしい。

そもそも「無限」の容量とやらを持たないオティヌスは、他の魔神の言う通り失敗だった事になるが…。

魔神(とある魔術の禁書目録)
僧正(とある魔術の禁書目録)
娘々(とある魔術の禁書目録)
ネフテュス

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作中の活躍

新約9巻

セーブ

彼女世界そのものを消滅させた。
付き添っていたインデックス御坂美琴も、レイヴィニアレッサーも存在しない周囲一面が黒一色に包まれた世界でオティヌスと上条当麻の二人だけが存在していた。

漆黒世界で一度は絶望に追い込まれた上条だが、一片の希望を持ってオティヌスに縋り、戦いをめる。だが『幻想殺し』は異を「打ち消す」であり、一度壊れたものを「直す」は備わっていない。そして万が一、オティヌスを倒せたとしても、もうそんな世界はどこにもないのだ。オティヌスから見ればとんだ妄想である。

かしこの時点で上条の精全に折れてはいないと判断したオティヌスは、上条の精をへし折るために上条という人間を根底から否定する新たな世界創造した。

「正直に言って、私も最後の関門はお前だと思っていた」

世界 version_Alpha

オティヌスが創造したのは、上条への『見方』が変わった世界
敵を倒して他人を救い、第三次世界大戦を戦い抜いた上条も少し『見方』を変えると 「気に喰わない者に片っ端から牙を剥き、についた女は横から奪い取り、抵抗する者には容赦なく拳を振るって納得させた」 とも取れる。

その上条世界の脅威として認知され、食料供給の断絶に学生への爆、核地雷設置など、学園都市はかつての第二次世界大戦を彷彿とさせる状況に置かれていた。上条は小青髪ピアス、吹寄に殺されかけた。上条を産み落としてしまった罪で法廷に召喚された両に「恥」「絶対悪」と蔑まれてしまう。

この世界も起こり得た可性、『if』なのである。
しかし、こんな世界でも上条は折れなかった。そこでオティヌスは趣向を変えて新たな世界を創り上げた。

「『右手』の不変性が最大の敵だと思っていたが、どうやら、それ以外にも障はあったらしい」

世界 version_Beta

この世界上条は、築き上げた人脈は同じだが、上条と容姿が全く違っていた。
ようは、上条を取り巻く環境は彼に助けて貰ったことで作られたが、それは々の知る上条でなくても良かった。脂ぎった親父だろうが、枯れた老人だろうが簡単に上条になれるという事。

だが上条は折れず立ち直る。そこでオティヌスは、追い撃ちをかけるように上条に問いただし、集合写真を見せて上条という存在を問うが、上条は自身を信じて「上条当麻だ」と断言、やはり折れなかった。

「悩まないというのもある種の才だな。そんな自分に不安を覚えないところだけは素直に感心してやる」

世界-?

そこから正確な数は不明だが、オティヌスは数えきれない程の世界を創り、上条はそれを体験する事となった。
しかし上条は心が折れそうなところを既に朦朧とした意識を積み重ね、繋ぎ止めていた。ここまで来ると彼のメンタルが如何に常人を越しているかが伺えてしまうのだが。

「望みがある事が、勝算を知ってしまった事が、決定的な致命傷になる事だってある」

だが次にオティヌスが創造した世界は、上条にとって最も過酷な世界となった。

世界 version_Omega

オティヌスはもが不幸ではない、幸福な世界を創る。しかしこ世界は『上条当麻がいない事を大前提に計算した黄金比』によって成り立つ世界であり、世界上条を認識した間に崩壊してしまう。
以下に記すのが、「不幸ではない世界」の一端である。

他にも鳴護アリサシャットアウラと共存していたり(佐天涙子いわく、二人で一つのパーフェクトモード)、ベルシや天井左方のテッラ駒場利徳生存していたりする。

幸福な生活を送っていたインデックスと出会ったところで、オティヌスは上条に対して「自殺」という選択肢を与え、半ば強要に近い形で選択を迫った。ここで初めて上条の心は折れ、自殺を選ぶ。
ここから上条は死に場を探す為にする事になるが、ミサカ10031号の体を借りた「ミサカネットワーク総体」が制止に入って結果的に助けられる。このミサカ総体の存在はオティヌスにとっても想定外であった。

総体の言葉で決意が固まり、再起した上条は利める戦いを捨て、オティヌスとの戦いに臨んだ。

馬鹿世界で押し潰すのにも、もう飽いた」

オティヌスvs上条当麻

オティヌスと上条戦闘は1度だけでは終わらなかった。
上条は数千億回以上も繰り返された世界の末に、少なくとも1万回程度はされている

ループギミックに関しては「セーブロード」という例えが最も分かり易いだろうか。オティヌスは、上条が直接対決敗北する度に自身の世界リセットし、幾度となく繰り返してきたのである。
(※後でめて触れるが、上条が体験した世界の数が数千億回以上。1万回はオティヌスとの直接戦闘上条が殺された回数。小説中では上記3つの世界以外は詳しく触れられていない)。

オティヌスは上条の精神をへし折る為に、何度もゲームをロードする。一方の上条は何度も殺され、その都度セーブ地点に戻される。セーブ地点は新約9巻序盤の「漆黒の世界」。

上条記憶体の断片的な情報継続しており、僅かな情報から殺されるたびに少しずつ攻略していきながら、圧倒的実差があるオティヌスとの「戦闘」を構成していった。
例えるならば「STG」というものがある。要領としてはあれと同じでまさに「死にゲー」そのもの。
攻略出来ない弾幕に何度もチャレンジすることで、プレイヤーは蓄積した経験と知識からやがてクリアー出来る程に上達し、次のステージに挑むわけである。 上条はそれと同じ事を繰り返していた。

その世界で何度殺されても次の世界では殺された経験に基づいて対策し、何とか戦闘という行為を形作った。
ただし全能神と人ではどう足掻いても勝てないとわかっているため、上条はオティヌスの精の摩耗を狙い、負けの積み重ねによって勝利の可性を少しでも高めていた。

「闘争を繰り返した事による精的摩耗だと……?」

数えきれない程の世界戦闘を繰り返し、共に精的摩耗を積み重ねていたが、上条より先にオティヌスの方が限界に近付いていた。上条いわく、圧倒的実者と雑魚キャラが戦うのは退屈で集中がもたない。さらに、弱い上条からすれば攻略していく楽しみというものがあった。
そのため如何にスペックに差があれど、精が摩耗する速度ではオティヌスの方がく、先述したように死にゲー的な経験の蓄積、積み重ねがあるため、オティヌスの猛攻を避けることも出来た。

死に死を重ねた上条とオティヌスの決戦、そして上条が校庭での直接戦闘敗北した回数は1万回以上にも及び、さらに天文学的数値もの敗北を重ねた末に戦いで遂に上条はオティヌスの攻撃を見切り、その手でグングニルを破壊するまでに至った。
とうとう魔神を打ち破ったかと思われた矢先、オティヌスは前述の『』を展開し、初めて「負の可性」を応用した攻撃を上条に向ける。この攻撃にはさすがの上条完璧な応戦が出来ず敗。上条は体の大半を失ってオティヌスに幻想殺しを残し、世界の選択を委ねた。

詳しく明かされていないが、オティヌスが上条に見せた世界は、彼女が体験した事だったらしい。
また、オティヌスが『理解者』をめていたのは確かである。元の世界に戻るのは手段であって的ではなく、彼女がただ孤独な存在だったことも示唆されている。そもそも元よりの身であったオティヌスに、対等な人の身の『理解者』などいるはずもなく、また戦いの過程で一の『理解者』となった上条を、皮にも自らの手で殺めてしまった事を、この時初めて痛感する。

の中でオティヌスは、上条世界か、自身が望む世界かを選ぶことになる。

ヒロイン化

幾千億もの世界を繰り返して渡り歩いた末に、オティヌスが選択したのは上条世界だった。

を覚ました上条は、オティヌスが自身の仲間からかつてない程の敵意を向けられている事に気付く。 オティヌスはインデックス御坂美琴レイヴィニアレッサー、さらにはイギリスロシアローマ魔術サイドから攻撃を受ける。
当然と言えば当然の話なのだが、幾千億の世界をオティヌスと渡り歩き、遂に魔神を理解する域にまで到達したのは上条だけであり、他の面々にとってオティヌスは「世界が物にしようと論む魔神」に他ならない。

実は、オッレルス達が放った『妖精化』は併用出来ないもので、徐々に体の内側から崩壊を起こしていた。
世界記憶を引き継いだ上条はそんなオティヌスを放っておかず、彼女を守るために戦う事を決意する。

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新約10巻

ついにデレた。会話においてツッコミボケネタも使いこなせる万魔神様であることが判明。あと時々規模が物凄く大きい。世界法則が乱れる。

「待って待ってオティちゃん乗りは待って!!自分がどんな手な格好しているか自覚がないのか!?
「オティちゃんじゃねえよ!!いくら『理解者』だからってその呼び名は気安すぎるぞ人間!!」

上条が言うにはインデックスらと同様に説明(解説)好きらしいが、トールによると『グレムリン』でもやはり上から目線の説明好きだった様子。そのため、上条が疑問を呈すると自然と饒舌になっていた。
(立場上、この時点でオティヌスと対等に"お喋り"が出来たのは上条だけだったので理もないのだが)

デンマークの『ミミル』に沈んだ彼女の右眼を回収して再び眼窩に収め、魔神から人の身に戻り、正しく罪を償わせるために上条北欧していた。途中上条学園都市の第一位と第三位、イギリスロシアローマアメリカなどの刺客(に彼の知り合い)を退けたのだが、妖精化で弱ったオティヌスはあまり関われなかった。

中、上条は壮絶かつ悲惨なにあっていた。
もう少し具体的に言うと、白い翼を携えた第一位(手加減状態)に襲われ、実質20億もの敬虔な信徒や冗談も通じなさそうな怖いシスターさん達を相手に逃げ惑い、イギリス組(第2王女+元含む聖人2名+騎士団長)に追い詰められ、オティヌスに裏切られた褐色少女に殺されかけ、を突きつけられながらも線越しに米国大統領を何とか説得に持ち込み…。
ある時には第三位のビリビリ中学生(+ハッキング済み科学兵)から手痛いお説教を受けたり、黄金系の魔術結社のボス10万3000冊の魔道図書館のペアからボコボコにされかけ…。
またある時には『聖人』2人がかりで挽きにされそうなところを『魔神』になるはずだったもう1人の男の介入で難を逃れ、世界を好き放題動かす『グレムリン』のナンバー2たる全能神貨物列車をぶつけて半死半生のに遭わせたり…。

過程でオティヌスは本来関係ない上条だけが傷ついていく事に心を痛めていた。
やがて「オティヌスという世界の脅威である咎人を救う罪」を背負わなくてはならない上条の事を想い、自身への救いを拒むようになっていく。
オティヌスは自身の限界を厭わず、むしろその訪れを望んで『』を解放し、上条を拒絶する。

そんなオティヌスに対して上条は「逃げるな」とを上げた。
そしてトールく、いてない上条当麻が(約10冊分)続いた中で、久々にこう宣言した。

もしも、あいつが自分が死んだ方が良いなんて思っているなら。
そんなくだらない考えで辛いから逃げて、
上条当麻を救えるなんてとんだ勘違いをしているっていうなら」

「まずは、その幻想をぶち殺す!!!!!!」

最終決戦において10032回の死を思い出した上条は、『』から放たれた矢の最後の1本を『幻想殺し』で強引に逸らし、遂にオティヌスのもとに辿り着いて『妖精化』を解除する。

しかし、既にオティヌスの身体は限界を迎えていた。

「もう、逃さないぞ」
約束しただろ……世界の全てと戦ってでも、お前助けてやるって……」

「そう、だな」
「でも、それなら、大丈夫だ……」
「私はさ」

「その言葉を受けた時にはさ、もう、きちんと救われていたんだよ」

最後に上条と抱き合いながら、彼女の身体はの粒子と化した。

騒動の顛末

消滅したはずだったが、上条妖精化を『幻想殺し』で破壊していたらしく、また彼女が五体を引きちぎられようが死なない魔神であったため、残った身体のほんの一部から“自動的に()”体の再構成が行われた。そのサイズ上条よりはるかに小さい、15cm程のサイズであった

実際には、先述した別の位相に存在する「真のグレムリン」の魔神再生させた(その内の一柱、僧正がオティヌスを失った上条の性質の変化を懸念して介入した様子)。

世界からオティヌスに突き付けられた罪状は、『自身が自殺してでもを背けようとした世界を、一番近い場所で永劫に眺めていくこと』。
実はアメリカ大統領達の計らいで、全世界上条との戦闘が中継されていたりする。大統領世界にオティヌスの罪を問いかけ、全人類の強さを試した。
結果、オティヌスはひとまずこの世界生きる事を許されたようだ。

どうでもいいが小さくなった彼女の前に立ちふさがった最大の敵は上条三毛猫(スフィンクス)だった。つまり新約10巻のラスボス(ry

ヒロインとしてのオティヌスは登場が遅かったのだが、それに反して上条と過ごした時間では一番長上条と共に億以上もの世界を繰り返していた為である。
新約9巻あとがきによると、上条がオティヌスの理解者となるまでに上条を「爺」「永遠の時を生きる幼女ポジ」に置けるほどの長い時間を要しているらしく、全登場キャラ上条と共に過ごした時間ならトップクラスとなる。

余談だが、しばしば勘違いされる事柄として「上条とオティヌスは10032の世界を渡り歩いた」というものがある。実際はこれは大きな誤りであり、10032という数字は「上条とオティヌスが校庭で直接対決をした」回数に過ぎない。実際にはさらに桁違いな数のループを繰り返している。
そして、そのループ中にもオティヌスは「上条を追い詰める為の世界(位相)」を数千億回以上も組み替えており、その度に上条

  1. ある位相が挟まれた世界で死を遂げる。
  2. オティヌスが新たな位相を挟み、世界を再構築する。
  3. 幻想殺し』を持つ器として上条復活させられる。

…という地獄ループを繰り返しており、「上条と過ごした時間が一番長い」とされている最大の理由がここにある(少なくとも、オティヌスにとって腐れ縁たるオッレルスを上回るほどの時間を共にしたと作中で言われている)。

その後

インデックスと共に上条居候中。
魔神を失ったオティヌスは小さな妖精さんとなり、縮んだままの日々を過ごしている。

新約11巻で相変わらず突っ走る上条に対してインデックスが責め立てる中、『理解者』たるオティヌスは逆に構ったら味を占めると見て放置プレイを決め込んだ。なお、やはり本人も構いたいのかは心配だったのか、結局インデックスと共に上条を脅していた。染んでいるようで何より。

生活に関して、ある意味でいつも以上に油断のならない日々を過ごしている様子。いくらと言えど小人サイズにまで小さくなってしまった彼女にとって、ありとあらゆるものが天敵である事は想像に難くない。

最近は上条(スフィンクス)の襲撃に怯えているようだ。はその心から、良かれと思って飼いのもとへ望まないものを運んでくる習性があるのだが、その中になんとオティヌスも含まれてしまっていた。作中でインデックスのもとへ運ばれてきた彼女は、もはや餌だのゴ●ブリだのネ●ミだのと同等の扱いである。不憫…。
わずか15cmのオティヌスのスケールにとって見れば、スフィンクスに追い回されるのは3メートル大、200kg台のシベリア虎に飛びかかられているに等しい。
一応、上条の手で段ボール製の待避所(?)を作ってもらったものの、わずか5分で破られていた。

など三匹の子にも出てこないわ、間抜け!!」

食事は細切りにした小さい物を食べさせているシーンがあり、常に上条計を圧迫する暴食シスターよりは銭面での負担は少ないと思われる。
その様子はペットボトルの蓋に盛り付けた野菜炒めを爪楊枝で突き刺してというなんとも可らしいもので、その他の描写に関しても総じて「体長15cm」というオティヌスのスケールに則ったものとなっている。
最近ではもっぱら上条の肩に乗って行動を共にする場面が増えているが、何も事情を知らない他人から見れば上条喋る半裸の美少女フィギュアを肩に乗せて出歩いているようにしか見えないため、同じ学校に通っていた科学サイドの知り合いからは驚くほどに理解を得られていない。
(オティヌス自身のも吹寄とかからは上条による腹話術だと思われている)

だが如何にを失い、体が小さくなったとしても、元々が魔術を極めた『魔神』であったことに変わりはない。
知識面での魔術考察、小さな体を活かした抜けの利用など、インデックスのように魔術の面から上条サポートしている。事実ドバイザーとしての役割もオティヌスが担当することが多くなった。
また、幾億の世界を共に歩いた『理解者』の名は伊達ではなく、悩める上条に対し(上条の肩の上から)様々な助言をすることで彼の心の支えにもなっている。

上条「……お前は本当に、の『理解者』なんだな」
ティ「今さら何を言っている。定義の確認でもしたいのか?」

最近では上条に別の意味でも心を許しているのか、頭を撫でられても「こんな大勢の前でじゃれつくんじゃない。そういうのは時と場所を考えろっ!!」と満更でもない様子を見せる。

ここから新約完結まで、上条に引っ付いて彼を支え続けている。

未踏召喚://ブラッドサイン

池の他シリーズ未踏召喚://ブラッドサイン』では、●巻(ネタバレ配慮)に新時代の「喚起魔術」により喚起された「格級」の中に、オティヌスと行燈の名前が挙げられた。

以前にも下記の複数の公式コラボ作品において、禁書のオティヌス本人が登場・未ブラ勢と共演しており、その際に禁書版が公式に「格級」と明言され、さらに上の法則の「未踏級」の実には及ばない事が示唆されていた。

ちなみに同じ格級として「オーディン」も別に存在し、「ヴァルトラウテ」も某婚活事情に似たデザインキャラ本編で召喚されている。ただし、全に同一人物かどうかは不明。

コラボ作品

とある魔術の禁書目録VSデュラララ!!』では、2作品の当時最新巻の騒動、つまりオティヌスやアレイスター、首なしライダー関係が互いに災いして「異世界とのトンネル」が繋がってしまったようだ。
セルティ・ストゥルルソン(デュラハン)とオティヌス(オーディン)、北欧組同士のコラボでもある。

とある魔術のへヴィーな座敷童が簡単な殺人妃の婚活事情』では、終盤に『未踏召喚://ブラッドサイン』勢に次いで遅れて参戦。コラボ小説における大ボス、フリズキャルヴに座すオーディン」の存在に不全ながら短時間介入し、グングニル」の投擲を遅らせた。

実はオティヌスは、一度オーディンとして『ヴァルトラウテさんの婚活事情』世界アースガルドまで統治していたらしい事が暗示されている。実際、彼女は登場時に「今さら」世界に干渉する気はないと発言していたり、オーディンの妻・フリッグも彼女を知っていた。
禁書設定ではオーディンはオティヌスから生した同一の存在のため、コラボ小説におけるヴァルトラウテさん世界オーディンに干渉できたのかもしれない。
禁書の設定では異世界の根神話、老オーディンは幾多の世界変の末に残った情報である。アースガルドの筋々のヒゲは、オティヌスを示す情報としては不適切なのだが、金髪美少女ヒゲ過去同一の存在であった事に違いはい。

また、再び地獄に囚われて帰還出来なくなりそうな上条を現世に連れ帰したりと、残り100足らずで出た割に印に残る活躍を見せている。妖精サイズのオティヌスとしてはこれが初の活躍となる。

合コンやってみました。 ただしオールスター世界危機ではあるけども。』では、人間サイズ彼女が登場。こんな美少女でもオーディンと同一存在なのでヴァルトラウテからヒゲ呼ばわり、上条からは頼れる理解者という意味でオティえもん呼ばわりされている。
「(……知るか馬鹿者。私というものがありながらのこのことこのように不埒な会合に参加しおって。この人間は少し痛いを見て教訓を得れば良い)」と上条に対する恋愛感情っぽい心理描写も…。

また、電脳戦機バーチャロンとのコラボ作品『とある魔術の電脳戦機』のゲーム版にボイス付きで登場する事となった。どうやら開発チームから、彼女が今の禁書に欠かせないキャラと認識されているらしい。
新約10巻以降の時系列だが、「の器」と「魔神としての」をどこかのかに押し付けられているため、妖精サイズではなく人間サイズ彼女が登場する。
公式サイトにも記載されている通り、ゲームではNPC扱いながら一定のストーリーが終わる度に本作の根幹部分である存在との会話があるため、ゲーム進行上はかなり重要な立ち位置。

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わっ、分かったよ、関連動画を紹介しなかったのは謝るからマジ泣きしそうな顔をするな人間!

公式PV

鎌池和馬10周年企画の第9弾として製作されたアニメPV(製作J.C.STAFF)にグレムリンからオティヌス、雷神トールマリアンの三人が出演している。
また、『禁書VO』のPV2弾で瀬戸麻沙美ボイスが初開された。どちらもファンは必見。

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関連静画はお前が一番理解しているはずだ

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ああっ!ちくしょう、関連項目があったか!!

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