空条仗世文とは (クウジョウジョセフミとは) [単語記事]

空条仗世文（くうじょうじょせふみ）とは、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の第8部「ジョジョリオン」の登場人物である。

あなた・・・『覚悟して来てる人』・・・・・・　ですよね。
この記事を読むって事は、逆に「ネタバレ」を見せられるかもしれない
という危険を、常に『覚悟して来ている人』ってわけですよね・・・

概要

ジョジョの奇妙な冒険・第8部「ジョジョリオン」の登場人物。
主人公・東方定助の過去の姿、とされる青年。名前は第2部主人公のジョセフ・ジョースター、及び第3部の主人公・空条承太郎・そして第4部主人公の東方仗助をそれぞれ彷彿させるものになっている。
容姿は、東方仗助のようなリーゼントにキング・クリムゾンみたいな網目模様のセーターを着ているのが特徴。作並カレラが所持していた写真によると、彼の左肩にも星形のアザがあるらしい。

作並カレラからは「セっちゃん」と呼ばれる仲だったようで、コミックス11巻にて彼女が登場した際に彼の存在が語られた事で長らく謎に包まれていた定助の正体が判明する事になった。
だが、この時点ではまだ空条仗世文という人物の存在が判明しただけで、年齢や性格、及び吉良吉影や他の人物達とどんな関りがあるのかまでは不明のままだった。

その後ストーリーが進行し、東方鳩のボーイフレンドとして東方家にやってきた謎の男・田最環が東方家を襲撃した際、ようやく吉良と仗世文の過去の回想話が明かされた。
その生い立ちは既に幼少時から始まっており、母親からは幼い頃から育児放棄のような扱いを受けていたらしい。それが災いしたか海水浴へやってきて母親が目を離したところで波に攫われ溺れてしまい病院へ搬送されるのだが、そこで当時外科医を務めていた吉良・ホリー・ジョースターに診察を受け、一時は死亡と診断される。だが、ここでホリーは（母とタイタニックを見に行くために待っていた）息子の吉良吉影に治療の手伝いを頼み、彼のスタンド能力（シアーハートアタック）で血管内の血栓を破壊させる事で治療に成功、一命を取り留める。
もっとも、仗世文の母親の反応を見た吉良が「良かったとは・・・　限らないのかな？」と評しているとおり、母親からは息子の無事を喜ばれていない節が見えるのだが・・・

そこからさらに時は流れ2009年、船医を務めていた吉良が岩人間と謎の果実「ロカカカ」の存在を偶然知った際、吉良が協力を持ちかけたのが仗世文であった。仗世文は子供の頃にホリーが自分を助けてくれた事を覚えており、ホリーが現在病気にかかっている事まで知っていた。そして吉良に話を持ち掛けられたときは、ホリーを救うべく、大年寺山愛唱を追跡しロカカカの「枝」を奪うために協力を申し出るのだった。
（ロカカカの存在を知った吉良がこれを欲しがる、一番の理由でもあったらしい）
だが、ロカカカの枝を奪い、接ぎ木して実を育てていく事には成功したものの数ヵ月後に岩人間達（八木山夜露、田最環）に枝を盗んだ一件がバレてしまい、海上のヨットで包囲されてしまう。田最のスタンド能力でジェル状に軟らかくされ逃げる事も戦う事もできなくなった2人は田最に拷問されるが、僅かな隙を突き吉良のシアーハートアタックで船を爆破、辛くも逃亡に成功する。
しかし脇腹を深く抉られた吉良は致命傷と言えるダメージで、もはや治療ができない程だった。

吉良を助けるために仗世文は、ロカカカの果実を吉良に食べさせるが、なぜか吉良の傷が塞がる代わりに自身の体が石になって段々と崩れていく。しかしまだ吉良の頭部に爆風で刺さった破片があったため出血が止まらず、吉良は息を吹き返さない。嘆く仗世文だが、目の前にロカカカを追ってきたエイ・フェックス兄弟が現れる。二人の襲撃を受けたが返り討ちにし仗世文は、ホリーと吉良を助けるため、そして幼い頃の夏の日に命を助けてくれた吉良とホリーに恩を返す為、「幸せのイメージ」を思い、もう1個のロカカカを吉良に食べさせ、自らの命を差し出すのだった。
やがて吉良たちのいた海岸に地震が発生し地盤が割れ、仗世文たちを追っていた岩人間たちも津波を警戒し撤退する中、吉良と仗世文の両者は崩壊した地面の中へ一緒に飲み込まれていく・・・

時は経ち、ロカカカの実の等価交換現象や壁の目の特殊な力など様々な要素が絡まった結果、一命を取り留めた吉良と仗世文は、東方定助というイレギュラーな一つの存在として生まれ変わる事になるのだった。そのため、エイ・フェックス兄弟や作並カレラなど、仗世文を知る人物からは定助の名前ではなく仗世文の名で呼ばれる事もある。
なお作中では記憶を失ってはいるが、本来どちらか一方の記憶しか残っていないのか、それとも吉良と仗世文の記憶が残っている（または混濁している）かは不明。

仗世文として行方不明になった後に両親などから行方不明届は出ていないようである。

スタンド能力

ソフト・アンド・ウェット: 定助の「ソフト・アンド・ウェット」と同じくシャボン玉を出すスタンドであるが、こちらはシャボン玉を介して「奪う」能力。(吉良の爆発するシャボン玉の能力はない) 初披露時は、胡椒が大量に入っているラーメン丼へ手をかざし、テーブルの上でシャボンが弾けると胡椒が落ちてきた描写が見られた。
また、奪う能力を応用して違うもの同士を『接ぎ木』のように接着する事も可能で、作中では違う種類の樹木の枝を接合してみせたり、しならせた枝を一時的にくっつけた後に解除して敵にダメージを与えることもした。
第4部に登場した「クレイジー・ダイヤモンド」とどこか似ている能力でもある。スタンドの本体も仗助がモチーフだからとはいえ。