グルーン(Gloon) 単語

グルーン

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グルーン(Gloon)とは、クトゥルフ神話TRPGで登場した怪物名前である。
H.P.ラヴクラフトの短編『殿(海底殿)/The Temple』に出てきた牙細工のモデルクトゥルフ神話として設定し直したものと考えて差し支えない。
ただし『殿』はそれ単体で独立した(クトゥルフ神話の固有名詞が全く登場しない)ホラー幻想小説である。

概要

旧版ソースブッククトゥルフ・ナウ』(英語初版1987年発売)に掲載されたシナリオ海底都市』(The City in the Sea)に初登場する[1]
近年、ソースブッククトゥルフタブレットに再録された。現時点で手に入る、グルーンの従者の値を掲載している日本語書籍は恐らくこれだけ[2]
このシナリオは『殿』とエドガーアラン・ポーの中の都市』(英語題名は上記シナリオと同じ)モチーフにしている。

グルーン現在クトゥルフ神話TRPGの分類方法においては旧支配者(グレートオールド・ワン)であり、大西洋の海底にある殿閉されているといわれている。古い設定では下級の異形の神や小外なる神とされたこともある。
サプリメントの設定では、魔導書クタアト(クタート・アクアディンゲン)』内にグルーンについての記述がある。

通常は、冠の冠を戴く美形の青年の形態を取っている。これは後述する殿や像に使われているギリシア彫刻と全く同じ姿だが、身長は3m以上もある。その正体は木の枝を編んで作った粗末なボロった大きなナメクジそのものの姿である。
ネカマ釣りのようなものだと考えれば良いのではないでしょうか。
巨人体で戦っているときに殺された場合は一だけナメクジ形態に戻って異界に還っていく。

グルーン巨人形態でも怪物形態でも、装甲や潜無視して犠牲者の体を腐敗させる接触攻撃を行う。二つ名の〈体を腐敗させるもの〉(The Corruptor of flesh)はここから来ている。この他にに関わる生物、例えばイルカ海鳥の群れを操ることも可で、シナリオでは必ずこのを使ってくる。例示されたはオオトウゾクカモメ、ウミワシカモメ、ツノメドリ[3]だが、TRPGキーパーは別の海鳥を出してもよい。

グルーンは何か媒体がなければ外の世界に干渉することができず、アトランティスの彫刻などを仲介にすることで、それを手にした人間を与える。
例えば、彼自身をった彫刻を手にした者は例外なく海底した都市の中にそびえる玄武岩でできた殿毎日のように見ることとなり、そのはだんだんと明になってゆくことで正気を失っていき、やがて死に至ることだろう。
グルーンは人々をの中でした殿に招待していたのだ。これはしばしば「グルーンのわしづかみ(grasp)」と呼ばれる。

この彫像はグルーン自作して従者が陸に送り出しているという設定になっているが、ナメクジのような生物が一生懸命に念を込めながらを振るって自分の彫像を作っている姿を想像すると、現代の人間に通じるものがあるような気がしないでもない。
かつてはアトランティス人に崇拝されていたらしいが、シナリオの設定をよく読むと、アトランティスが滅ぶ前に殿に閉じ込められてしまい、そこから文字通り一歩も出られないと書いてある。何をやらかしたの…
現在この怪物を崇拝する存在はいない。

しかしグルーンには従者がいる…ただし2体だけ…とされ、その姿は旧支配者ゾス=オムモグに似ているといわれている。 ゾス三の担当する太平洋(ムー大陸)からアトランティスへ左遷されてきたのだろうか…
初出シナリオにおいては、この従者たちは彫像の近くにいる者を直接攻撃できないのだが、この弱点は別シナリオでは採用されないかもしれない。

原作小説で触れられないグルーン独自の設定のうちで、一番特徴的なのは「次元の門を守っている」という点だろう。殿内では、この次元門から漏れているのだ。

H・P・ラヴクラフト『未知なるカダスをめて/The Dream-Quest of Unknown Kadath』では、ドリームランドのオリア近辺の南のに、町の廃墟玄武岩の殿らしき建物死体縛り付けられた石柱などが沈んでいる、という場面がある。この海底神殿は後続作家の作品でも言及されることがある[4]
クトゥルフ神話TRPGソースブックラヴクラフト』では、この都市には別の次元門があり、これもグルーンに守られているというシナリオフック(シナリオ作成のためのヒント)が設定された。ここは深きものどもにおける拠点になっているとおぼしく、ここを化できればノオリ[5]から感謝されるだろう。


登場作品:上記参照

関連静画

関連商品

原作小説:

クトゥルフ神話TRPG用資料:

原作小説漫画化作品:

原作小説モチーフにして大胆すぎるアレンジや再構成をしたコミック作品:

関連コミュニティ

関連項目

脚注

  1. *クトゥルフカルト・ナウ』は別物なので注意!
  2. *『マレウスモンストロルム』の初版では編集ミスか何かでデータが欠落している
    逆にグルーンナメクジ形態値は『マレウスモンストロルム』にしか載っていない
  3. *後ろ3つは未訳サプリメントHalloween Horror』収録のシナリオから
  4. *例えばブライアンラムレイダイラス=リーンの災厄/Dylath-Leen』 (『黒の召喚者/The Caller of the Blackexit_nicoichiba』収録)やケイトリン・R・キアナン『禁じられたに私たちは啼き、える/Love Is Forbidden, We Croak and Howl』(『ラヴクラフトの怪物たち 下/Lovecraft's Monstersexit_nicoichiba』収録)
  5. *ラヴクラフトの門をえて』初出の鰭を持つ種族
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