PPPPPP(漫画)とは (ピピピピピピとは) [単語記事]

PPPPPPとはピアノを題材にしたマポロ３号の漫画である。

概要

基本情報
PPPPPP
作者	マポロ３号
出版社	集英社
掲載	週刊少年ジャンプ
掲載期間	2021年 1号 ~2023年 13号
巻数	全8巻
漫画・アニメテンプレート

週刊少年ジャンプにて2021年42号から2023年 13号まで連載していた。

ピアノを題材にしたバトル漫画に近い体裁をとっているが、ラッキーの目的は『他の兄弟と一緒にピアノを弾きたい』なので、単純に勝った負けたの話では無いのも特徴。
ラッキーとの再会を経て、他の兄弟達も自身の持つ天才ゆえの苦悩を克服していくというのも主題の１つである。

音上を代表する天才に対して、凡才が類まれなる人生経験や特殊な環境で独自の表現を獲得した者をバケモノになったと表現される。
この作品においては、天才＝先天的なもので、バケモノ＝後天的なものと理解しておくとわかりやすい。

あらすじ

ピアノ世界三大コンクールを総なめにした天才、音上楽音。その彼の子供である六つ子の兄弟達もまた、天才ピアニストとして世界的に大きく評価されていた。
そんな六つ子の中で凡才に生まれ、居なかったことにされた七人目である主人公、ラッキー。
凡才と見なされ楽音に捨てられた彼は様々な虐待や不幸に遭い、その経験を経たことで独自の表現を得ることになる。
ラッキーはそれを武器にして、再び大好きな兄弟達と共に同じ舞台でピアノを弾く為にピアニストを目指す。

登場人物

園田ラッキー

主人公。
天才とされる音上の６つ子の中で、唯一凡才に生まれた７人目。
ピアノと兄弟が大好きな優しい少年。
しかし、兄弟の中で唯一幻想的な音楽表現が出来ず、父親である楽音に凡才の烙印を押され、ピアノを止めさせようとプレッシャーをかけられ続けた。
それが原因で両親は離婚し、母親に引き取られる形で音上家を出ることになった。
しかし、元々体が弱かった母親は、病院から出られない生活になり、叔母の家に引き取られることになる。
音上と関係を悪くしたことに叔母から恨まれたラッキーは虐待され、ピアノを取り上げられ、唯一ピアノを弾くことが出来たのは母親の病室。
病院ゆえに小さな音しか出すことが出来ず、一音一音を丁寧に弾くことを繰り返したことで、後天的に独自の表現方法を身に着けた。
彼の演奏は、他の兄弟のようにこの世に存在しないファンタジーを表現することは出来ないが、彼が今まで経験してきたものを体験させることが出来る。
四分谷音楽高校の入学試験でDADAにその表現を発掘され、同高校に入学することになる。

作中では凡才が類稀なる人生経験をした結果化けたバケモノと評される。だが、演奏技術は未熟、音も小さく、物語開始時点では彼の演奏はほとんどの人には下手な演奏にしか聞こえない。

古巣亜子

ヒロイン。
四分谷音楽高校に主席で入学した才女。絶対音感を持つ。
母親はピアニストであり、幼少期は共にピアノを弾く関係であったが、母親が音上楽音に負け続けたことが原因で、精神的に病んでしまいピアノを捨て男遊びにふけるようになる。
それが原因で金銭面でも辛い生活が続き、学校が終わるとスーパーやコンビニでアルバイトする生活を送っている。
自分が音上を超えるピアニストになって、母親と元の関係を取り戻すことが願い。

DADA（出田英雄）

四分谷音楽高校の講師。
入学試験の際、唯一ラッキーの小さい音の表現を聞き取ることが出来、その才を見込んで合格させた。
入学後はラッキーと亜子を門下に入れ指導している。
１度だけではあるが、かつて音上楽音に敗北を認めさせた唯一のピアニスト。

山中メロリ

有名バンドのピアニストで、四分谷音楽高校理事長門下３年生。
ある日をきっかけに天才を捨てたピアニスト。メロリは天才を捨てた理由を「音楽業界を守りたいなって思って」と語る。
だが、これはメロリがそれっぽいことをテキトーに言っているだけであり、真実ではない。
天才としての彼女の弾く音楽は世界を歪ませるイメージを与えるもので、その演奏でピアノコンクールで１位とった。
ある日、音上ミーミンの演奏を聞いたことで彼女の人生は狂い始める。
同作者の読み切り作品である『ダダダダーン』のヒロインと同一人物。

音上楽音

世界三大音楽コンクールを易々と制覇し、世界的に有名な天才ピアニストでありラッキーとその兄弟の父親。
音楽界のカリスマであり、強大な発言力を持つ。気に入らないピアニストをすぐに音楽業界から追放してしまう追放癖があり、「凡が出す事を許される音は音楽にあらず」という思想の元に凡人を全て追放した天才だけの世界を作るために自分の子供達を使おうとしている。
我儘で横暴な性格だが、こういった彼の行動を批判する声も彼が一度ピアノを弾けば黙らせてしまう実力を持っている。

音上ドン

音上の６つ子の中で最も曲に忠実な演奏をし、高い評価を受けている。
勉強家で楽譜のみならず作曲者、時代背景まで勤勉に学ぶ。
人の名前を覚え続けていることが出来ない等の描写が見受けられ、なんらかの障害を抱えていると思われる。

音上レイジロウ

音上の６つ子の１人。
轟音の天才として知られる天才。
かなり寂しがり屋で、幼少期はラッキーのことが大好きで、離婚する前はよくラッキーに甘えていた。
天才ゆえの孤独に悩み、唯一仲良かったあった友達とも、ある事件をきっかけに最悪の破局を迎えた結果、精神は病み睡眠薬もなしに眠れない精態になっている。
彼の弾くファンタジーは『夕焼けと巨人』

音上ミーミン

音上の６つ子の１人。
自由奔放な性格で、お姫様のような少女。
自分の好きな弾き方がまるで評価されず、嫌いな弾き方をすると評価されるという事に強いコンプレックスを抱いている。
山中メロリを慕っており、自分の好きな音楽表現で１位をとった彼女のようになるのが目標。
彼女の弾くファンタジーは『妖精』と『歪みの森』。