1997年8月5日にあめぞう氏によって、「あめぞうリンク」というアングラ系リンク集が開設される。
翌1998年9月6日、それまでのいわゆる普通の掲示板を改良し、スレッドフロート式掲示板に改造。一躍大人気となる。1998年9月3日にはあやしいわーるどが閉鎖されており、この影響も受けて大量の住人が定着した。
しかし住人の増加はサーバー負荷の増大を招き、次第にあめぞうは重くなっていく。荒らしが増え、犯罪や同和問題などでの削除依頼も殺到(加えて脅迫もあったとされる)し、あめぞう氏は管理を断念せざるを得なくなっていった。あめぞう氏は高校教員であり、また、この頃のアングラ掲示板ではサーバーをハッキングして個人情報を抜き取り、それをダシにして脅迫などということは日常茶飯事であったため、アングラ、いや、日本中のインターネットを見回しても最大の掲示板群を一人で管理するあめぞう氏に、過大な負担がかかったことは想像に難くない。
1999年6月、内部告発板が閉鎖。京都市バスに関する同和問題で脅迫されたという説が有力だが、それを騙った誰かの犯行かも知れないし、何とも言えない。IPログを取っていないためである。もっとも、「あめぞうはIPを抜いている」という評判も立っていたし、実際にIPログらしきものが確認された事例もある。当時、匿名掲示板がIPを抜くことは言語道断であった(2ちゃんねるも2003年までIPを記録せず、Apacheレベルですらログを取っていなかったとされる)。が、あめぞう壊滅と共にその証拠も雲散霧消しており、確かめるすべは失われている。
この当時は掲示板を設置するのにも無料レンタルサーバーでまかなうのが当然であり、あやしいわーるど等も無料レンタル掲示板を借りていたが、あめぞうを境にしてサーバーをまるごとレンタルするほどの住人が掲示板に書き込み続けるという現象が発生し、比較的高額なサーバーをレンタルし、サーバーを「落とさない」ようにする傾向が強くなる。
2ちゃんねるも、あめぞう避難所として出発した当初はあめぞう住人に口を極めて罵られるほどだったが、サーバーが強く落ちなかったため住人の定着に成功した(もっとも設立当初は怪しいものだったが、スポンサーを得て急激に安定した)。同様に、WebARENAという強く高額なサーバーをレンタルし、掲示板を落とさないようにして住人を定着させたあやしいわーるどII、あやしいわーるど@みらいなどの例がある。
その点で言えばあめぞうは後れを取っていた。確かにサーバーを分散させて掲示板を設置しようと試みてはいたのだが、金額的にも負担になるし、加えてサーバーを日本国内に置こうとした場合、法律的問題をクリアできないこともあった。何より、あめぞうという巨大掲示板をそのまま受け入れようとする暢気な業者はいなかった。現在の2ちゃんねるが曲がりなりにも法律に従って削除依頼を受け付けたりしている一方、当時のあめぞうは凶悪そのもので、犯罪、同和問題、学歴煽り、恐喝、ハッキング、荒らし、真偽不明の怪情報の巣窟であり、ひとたび喧嘩を起こせば丸裸になるほどオンオフ問わず荒らされるような状態で、あめぞう氏にその住人を全て制御できるほどの力は残されていなかった。
いずれにせよ、やがてあめぞう氏には限界が訪れることになった。住人がピークに達していた1999年半ばごろからあめぞうは不安定になり、サーバーダウンが常態化する。荒らしはもはや止められなくなり、犯罪行為がまかり通り、後手後手に回る対策の中で「死ね」がNGワードとされ、「氏ね」というような隠語ができるようになった。
あめぞう末期には、あめぞう氏がネット上から「失踪」しており、冬頃には管理人不在のまま、荒らしと鯖落ちの混沌の中であめぞうは急速に荒廃し、衰退していった。ちょうど2ちゃんねるの勃興と重なっていることから、ひろゆきがあめぞうを荒らした、壊滅させたという説も存在するが、脅迫・荒らし・サーバー側からの苦情・締め出し・サーバー落ちなど、全てをひろゆきの暗躍ととらえるには無理がある。もしかしたらひろゆきが荒らしていたのかも知れないが、あめぞうのサーバーが存在しない今、事実を知ることは困難である。
最終的には2000年の2日前、前述のような複雑な理由で閉鎖されたとされているが、閉鎖時期には諸説ある。というのも復活したり落ちたりを繰り返しており、避難所も乱立していたため、正確に記録が取れていないためである。とはいえ1999年半ばにはすでに「ポストあめぞう」の模索は始まっており、最末期には掲示板荒らしスクリプト「あめぞうウイルス」などが蔓延。1999年12月30日を境にトップページのamezo.comは再起不能に陥り、各地に散らばった掲示板群も、遅くとも2000年末には完全に消滅した。
現在は有志が開いたあめぞう(仮)とあめざーIIIを筆頭とするあめざー系列がある。前者はゆとりが横行し、後者は年齢層高めながらも過疎とサイトが存在しているだけマシな状況となっている。
なお、2ちゃんねるのトップページに壷が掲載されているのは、あめぞう住人が2ちゃんねるを「痰壺」と忌み嫌っていた(他の説として霊感商法がまかり通っているから「壷」と呼んだ等)ことを逆手に取ったものである。もっともそのあめぞう自体も痰壺と呼ばれていた。しかしあめぞう氏本人は人格者であった。後年、1ch.tvのプロデュースに西和彦と共に関わったが、これも「優しいインターネットを作る」というような標語を信じてしまうような人の良さが災いしたとも言えるだろう。1ch.tvが完全に失敗した後、あめぞう氏がどこで何をしているかは、杳として知れない。
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/20(土) 12:00
最終更新:2024/04/20(土) 12:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。